香山リカのレビュー一覧
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精神科医である著者が、2009年の段階で皇太子妃雅子さまの病状を報道から推測し、それとは別に適応障害やうつ病、新型うつの病状とその治療実務について述べた新書。
めちゃくちゃ為になったとは思わないけれど、それなりに「ふーん。そうなんだ…」と思う部分はありました。
精神科ではそれほど病名にこだわらないとか…。
適応障害が特定の原因があって、それを排除することで6か月以内に病状が回復するものであるとか…。
まぁ、皇太子妃に対して民間人が本人宛の手紙を載せた本を書く…というのも時代だね。
ただ、この著者の方は上昇志向が強いんだなぁ…とも思いました。
自分は2年連続東大受験に失敗したから東大卒 -
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カウンセリングを通して感じた「堕ちる」ことの大切さを語った精神科医の香山リカ氏による一冊。「今の時代は見せかけの繁栄に満ちているが、私たちは、精神の荒野という新たな廃墟に立っている。今こそ真の「堕ちる力」を持ち、「堕ちる」ことによって人間が救われるときだ」(P9)という筆者の言葉にひかれて読み始めた。「人並みには!」「目標を持って!」「理想の何々に!」という、上昇志向を求められる、なんだか世知辛い今の時代にとって、大切な考え方の一端が示されているように思う。「等身大の感覚」(P50)というのは確かにキーワードな気がする。ただただ堕ちればよい、誰もが堕ちればよいとは思わないが、この「堕ちる力」の
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SNSが普及して多くの人が自己主張する世の中になったからこそ、さまざまなしがらみから解放された生活をしていくことが大切なんだと気がつかさました。
私もどっぷりと競争社会の中に浸かってしまい、他人よりも如何に秀でているかという、つまらない争いをしていたような気がします。
これからはもう少し周りを見渡すことのできる人間になりたいと思いました。
しかし、「替えのきく存在」でいる方がいいと主張している部分にはあまり共感できませんでした。
現代は非正規労働者の方が多い社会です。その方々にそんなことをやすやすと言うことができるでしょうか。筆者は医者という、生活に困らない地位のある方なのでそういったことが言 -
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たまには、こんな真面目な本も読んでみる。笑
某小論文情報サイトの参考図書から選んだ1冊です♪
第1章の冒頭に出てきた、大学生のコピペ問題…身に覚えあるわ~。(;´Д`A
もちろん完全にコピーしたわけじゃなくて、微妙に表現変えたりとか、工作しましたけど。汗
だってそれまでマトモに論文なんて書いたことなかったし、誰も書き方教えてくれなかったからぁー…って思ってることがもう、「悪いのは私じゃない」状態ですね。反省!((人д`o)
第9章の、「自己責任」という言葉は、もともとは金融の分野で証券取引に関して使われ始めた~(165頁)という話に驚きました!Σ(゚Д゚ノ)ノ
そして福祉の分野では、責任の -
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ものごとは白か黒か、正義か悪か、に二分されるわけではなく、どちらかに決めかねることもあれば、部分的に賛成といった曖昧な立場を表明しなければならないこともある。人の発言には必ず理由があり、背景がある。諾の一言にも、そこに至るまでの様々な逡巡があり、複雑な経緯がある。機微に敏感に反応し、想像力を巡らせる必要がある。軽率な短絡は誤解を生み、無益な争いや悲劇にまで発展する。「香山氏は一回も面談もしたことがないのに病気だと診断した。一度も接触せずに病名が分かるなんてサイババか」。謂れのないつぶやきで大炎上させられた著書が、苛立つ民意を掬い取る嗅覚に優れた独裁型ヒーローの誕生に警鐘を鳴らす。警鐘は他者への
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はじまりは前橋市に届いた伊達直人のランドセル。最終的には、全国で何千人もの伊達直人が現れ、恵まれない子供たちのため善行に走った。最初にランドセルを贈った伊達直人は決してお金に余裕があったわけでもない。不幸な境遇にある子供たちの力になりたいとの一心に突き動かされての行為であったという。東北大震災では車椅子の女性を助け、自身は津波に流された女学生もいた。本書では精神分析、思想、経済、様々な視点からわが身をさしおいても弱者を救済する行動について論考する。あとがきには社会的公正や恵まれない子供たちのため世界を飛び回るドゥダメル氏の言葉が引用されている。「弱い人や困っている人を救うのは自然で当然のこと。