香山リカのレビュー一覧
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香山リカのなぜ日本人は劣化したかを読みました。現在の日本人は劣化している。変化などと言うあいまいな言葉に逃げるのではなく、日本人が劣化していることを直視しよう、という主張の本でした。日本語の読解力の劣化:日本語の文章を読んで、その内容を理解することができない。考える力が劣化:情報を集めることはできるが、それらを統合して考えることができない。他人の心を想像する力の劣化:自分の身勝手な主張を声高に言うだけで、他人の気持ちを思いやることができない。モラルの劣化:常識や法律に反していても、自分さえ良ければよい、ばれなければよい、と考えて行動する。体力も辛抱強さも劣化:じっと一つの姿勢を続けることができ
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「生き方」の方は読んでない。読もうと思ってるうちにベストセラーになって、そうなると読みたくなくなるという全く天の邪鬼としか言いようのない悪癖が出て未読なのであった。これは二番煎じ?(一番は知らんけどさ)と思いながら何となく読み始めたら、いやあこれが面白くって一気読み。
最近話題になった「孤独死」についての考察である。一人暮らしの女性の間で孤独死に対する恐れが広がっているという。そもそも「孤独死」とは何か。その実態は。人はどう死んだらいいのか。自らの経験を交えて実感的に語られているので非常に読みやすく、死というものをあらためて考えさせられた。
結論的なものは特に目新しくはないと思うが、私はた -
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香山リカの本が好きなのは、わかりやすい文体とか、材料と説明のバランスがいいことにくわえ、その本に1カ所かそれ以上、実はものすごくちゃんと調べたり読んだりしたものの説明が入っていることだ。今回は信田さよ子のスピリチュアル・ブームの分析や、荻上チキのサイバーカスケードやネット言説についての分析がかなり丁寧に紹介されていた。日本人はウツ病でもないのにみな自責的に振る舞う、と言われていたのが崩れていることについて、なんだか崩れているよね、じゃなく、著者が実際に見聞きした事例も使って具体的に示され、ウツ病患者までがときに他責的になっている(新型ウツ病とか呼ばれることも)、昔はもっと「牧歌的」だったのに
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『他罰』
自分が悪いかもしれないのに
それはいっさい考えず
人のせいだと
他人や社会を責めること
さらに
自分が犯人にされる前に
「悪いのはあいつ」と声を上げる
いる!こういう人
ってまず感じた
もしかして、自分も!?
って次に感じた
けっこう認められなくて
人のせいにすることある気がしちゃう
会社でも
成果主義が導入されて
評価する立場と
評価される立場にわかれ
何となくぎくしゃく感が前よりある
「あの人より出来る!」と
認めてもらうために
出来てない人のことを
声高にまくし立てる人もいる
そんなに他人を蹴落とさなくても
頑張りは見えてるし
必要としてるから大丈夫なのに
た -
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この香山リカさんって前からテレビとかラジオで見たり聞いたりしておもしろそうな人だなって思ってたけど、本を読んでみるとなるほどやっぱりおもしろい。
この冷たい視線が、好きな人にはほんとたまらないと思う。
スピリチュアルブームを通して見る現代の社会について、
科学的正当性を求めるハードルが低くなっている、だとか
あえてイスラム原理主義を引き合いにだし、「どうやらイスラム原理主義者といわれる彼らは、「私さえ変われれば」「私さえ幸運になれば」という内向き志向、個人主義の現代日本のスピリチュアル派とは全く反対の存在、ということもできそうだ」
などと、指摘されるとやはりドキッとさせられてしまう。
散々 -
Posted by ブクログ
ちょうど自分と同世代の人々について著された本です。
「第2次ベビーブーマー」や「団塊ジュニア」という言葉がほぼあてはまる
70年代生まれ、いま20代後半から30代前半我々を「貧乏クジ世代」と
揶揄するむきもあるそうです。
確かに、この世代は生まれたときからオイルショック、受験戦争、就職
氷河期と様々なイベントにおいて、そのピークを経験してきています。
生まれた瞬間から競争を宿命づけられているのでしょうか(笑)
この世代より少し上の世代はバブルを謳歌し、
この世代より少し下の世代は、少子化と景気回復から、そう過酷な競争
環境にさらされなくなっており、
過酷な競争にさらされ続けるのはこの世 -
Posted by ブクログ
この本では「うつ」が社会的に市民権を得たことで理解を得、病気休暇ののちのポジションについても結果的に希望が叶う例もあると言及している。一方で「うつ」と診断されたら、職を失う状況もなお多くある。格差がここにも広がっている。
「うつ」の多発については「悩みを悩みとして抱えることができずに、すぐに気持ちの落ち込み身体のだるさといったに変えてしまう」傾向があるのでは、と指摘する。時間をかけて「悩み」や「迷い」に向き合うよりも「病気」や「症状」など医療に転換していく傾向は、時間をかけずに結果を出そうとす現代社会の反映だという。
姜尚中の『悩む力』を思い出した。