【感想・ネタバレ】悪いのは私じゃない症候群のレビュー

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Posted by ブクログ

悪いのは私ではない症候群について知りたくて読書。

著者の本はあとがきが面白くまさに内容の要旨となっている。

悪いのは私ではない症候群の要因が本書で指摘してるものかどうかは別としても確かに例としてあげられているこの種の人たちは増えているように感じる(第7章の田母神氏の例は違うと思うが)。

心理的にも自分を棚に上げて人のせいにしたほうが楽で、自己対峙しなくていいから思考停止な状況でいられるから心地いいのだと思う。その代わり成長もしないという代償が発生する。

確かに新自由主義、市場万能主義も要因のひとつかもしれない。それも含めて将来の展望が見えづらい長期間の不況、デフレ状態が人々のメンタルへ影響していのではと思う。

最近のTwitterを巡る事件などでも自分の将来の不安、生活や仕事の不満などを相手を批判することによって自身を肯定化している人もいるのだと思う。辛い辛い現実を忘れる簡単な手段なのかもしれない。

他罰主義は一時的には特をするかもしれない。しかし、マクロ的には因果応報で戻ってくるようにも思う。自分が嫌だと感じることは人にはしない。自分がして欲しいことを人に先にやるが原理原則なんだと思う。

悪いのは私ではない症候群的な人が増えれば増えるほど、他者を思いやる。相手の立場を考えて発言できるような相手主義で接したり、コミュニケーションができる人の価値が相対的に上がるように思う。

エピローグの最後の
「バカと言う人がいちばんバカ」
というシンプルな原則を見直す日は来るのであろうか。

読書時間:約40分

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2012年05月25日

Posted by ブクログ

仕事柄よく経験する内容が多く,マイ「あるある本」だった。
具体的な対処法がほしいところだが,現状ではやはり難しいか?

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2010年07月09日

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 香山リカの本が好きなのは、わかりやすい文体とか、材料と説明のバランスがいいことにくわえ、その本に1カ所かそれ以上、実はものすごくちゃんと調べたり読んだりしたものの説明が入っていることだ。今回は信田さよ子のスピリチュアル・ブームの分析や、荻上チキのサイバーカスケードやネット言説についての分析がかなり丁寧に紹介されていた。日本人はウツ病でもないのにみな自責的に振る舞う、と言われていたのが崩れていることについて、なんだか崩れているよね、じゃなく、著者が実際に見聞きした事例も使って具体的に示され、ウツ病患者までがときに他責的になっている(新型ウツ病とか呼ばれることも)、昔はもっと「牧歌的」だったのに、と香山は言う。この「牧歌的」はたぶん、医者という立場から見たある種上から目線であって、患者や一般市民は判断の材料もなく自分で自分のことを決定するだけの権威も持っていなかった、そういうことなんだろうと思う。自責的なのがまずいのはDVサバイバーとか見れば明らかなんだが、でも「あなたが(全部)悪いのではない」というメッセージやさまざまな判断の材料、そして自己決定の権利が得られるようになったことと、「自分は(全部)悪くない」とだれもがいいつのる状態が社会現象化したことが一緒くた、というのは不幸なことだよなぁ。成果主義や新自由主義的競争が元凶と、香山さんは書いているが、ここがもう少しがっつり書いてあればなおいいんだが。そこが弱いので、結論の「私が悪くないと言わない勇気」が、「郵便ポストが赤いのも…」を弱者に言わせることにつながって行きかねないのがかなり残念。うーん、最後がなぁ。

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2010年04月27日

Posted by ブクログ

『他罰』

自分が悪いかもしれないのに
それはいっさい考えず
人のせいだと
他人や社会を責めること

さらに
自分が犯人にされる前に
「悪いのはあいつ」と声を上げる

いる!こういう人
ってまず感じた

もしかして、自分も!?
って次に感じた

けっこう認められなくて
人のせいにすることある気がしちゃう

会社でも
成果主義が導入されて
評価する立場と
評価される立場にわかれ
何となくぎくしゃく感が前よりある

「あの人より出来る!」と
認めてもらうために
出来てない人のことを
声高にまくし立てる人もいる

そんなに他人を蹴落とさなくても
頑張りは見えてるし
必要としてるから大丈夫なのに

ただ、逆に出来てないことも
見えてるけどねって
知ってほしいと思うこともある

悪いのは私じゃない
って声をあげるほど
裸の王様にみえちゃうよ

自分でも気をつけなくちゃ
人の振り見て我が振り直せ

『幸福とは、他者にとって
 自分の存在が
 必要だと思えること』

今困っている人たちを
何とかする手立て
『分かち合い』の気持ち

「ピンチに弱い」のは私の弱点 
私にとって
「ピンチをチャンスに」じゃなくて
「ピンチはまさにピンチ」
だから
「明日は我が身」とおもって
「分かち合い」の心で
困っている人も
助ける心をもたねば

と思った

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2010年04月25日

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息子には「人のせいにしない。原因があって結果がある」と言い聞かせていますし、周囲を見回して、心の病気は被害妄想からはじまると感じていたのですが、やはり自分にも当てはまるケースなどもあって、身につまされる内容でした。

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2010年03月28日

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2011/12/18ドキッとさせる題名。事例を挙げながら、以前は「私のせい」と自分を責めた日本人が、いつから 題名のようになったのか!を分析します。たとえば、
◆学生が論文の宿題でネットをコピペして「公共のものを利用してなにが悪い」と開き直ったり
◆占い師に前世の霊のせいと言われた(=自分のせいではない)と安心したり
◆赤の他人のブログ炎上に正義と信じて加担したり。
◆前任の担当者の引き継ぎ資料がお粗末だからと訴えたり?
非常に納得させられました。
自分は関係無いがと棚にあげるこそ気を付けましょうね(笑)★3
 

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2019年09月02日

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「悪いのは私じゃない」と抗弁する人は、近年確かに多い。しかし、そう人に限って、周りを巻き込み、周りに迷惑をかけ、周りを振り回し、自己中心的な人が多いような気がする、と感じ、本書を手にとってみた。
結果、対処療法はあまり書かれておらず、いろんな場面での「悪いには私じゃない症候群」の事例が紹介されているといった印象。新自由主義と成果主義が背景にあるといった意見と、「悪いのは私じゃない症候群」、結局誰も得をしないというのが、結論か。

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2018年07月24日

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たまには、こんな真面目な本も読んでみる。笑
某小論文情報サイトの参考図書から選んだ1冊です♪

第1章の冒頭に出てきた、大学生のコピペ問題…身に覚えあるわ~。(;´Д`A
もちろん完全にコピーしたわけじゃなくて、微妙に表現変えたりとか、工作しましたけど。汗
だってそれまでマトモに論文なんて書いたことなかったし、誰も書き方教えてくれなかったからぁー…って思ってることがもう、「悪いのは私じゃない」状態ですね。反省!((人д`o)

第9章の、「自己責任」という言葉は、もともとは金融の分野で証券取引に関して使われ始めた~(165頁)という話に驚きました!Σ(゚Д゚ノ)ノ
そして福祉の分野では、責任の所在を明らかにするための言葉としては使われない、という箇所にもハッとさせられました。
どうも、自己責任=自業自得って解釈になってしまいがちですが、なるほど、自己責任とは自己決定なのですね。+( ̄ー ̄)

先手必勝、すぐ「私は悪くない」と自己防衛(あるいは他者への先制攻撃と見るか)に走らないように、かといって、過剰な自責感に陥らないように…っていう、前者にも後者にも偏りすぎない位置を目指すのが難しいですけども。余裕ないときなんかは、とくに。
でも、エピローグの「ピンチを分かち合う」という考え方に、ちょっと希望が見出せた気がします。(*^U^)人(^ⅴ^〃)
スウェーデン社会における「分かち合い」の精神(178頁)が素晴らしいですね☆
困ったとき助け合える存在がいてくれるんだと思うと、やっぱり心強いし、安心です。
「ピンチをチャンスに」って前向きな人はそれはそれでスゴイと思うし、そうやって成功を掴んだ人のことは尊敬するけれど、世の中そうはなれない人の方が圧倒的に多いですから…ね。(‐ω‐`)

あとがきで、「悪いのは私じゃない症候群」で得をする人は、誰もいない。(190頁)とは言うけれど…
いやいや!中にはそれでうまく立ち回っていけちゃうお得な人が、多分いると思いますよ。苦笑
とりあえず自分は間違いなくそんな器用タイプじゃないので、ちゃんと振る舞いを見直していこうと思います。p(´∀`)q

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2015年02月10日

Posted by ブクログ

精神科医の著者が、自身の立場から他罰的傾向が強くなってきた昨今の日本を憂う本。
精神分析というよりは単なるエッセイ。

巻末のあとがきにある通り、「この著書自体、他罰的に思われたどうしよう」という著者の迷いが見えた一冊。

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2019年04月20日

Posted by ブクログ

bookoffにてふと購入。

読みやすい文章を書く人でした。
「他罰」のエピソードがたくさんあって、事例集としてよさそう。

他罰的に振舞う人は、本人としては必死で一生懸命なわけで、
(”生きるための基本条件”のとおりに行動しているだけであって)
かわいそうというか、厄介というか。。^^;

他罰って、今までおばちゃん集団の陰口みたいにある程度こそこそしてたものが、
面と向かってぶつけられるようになってきたような感じなのかなぁ。
あとは、やっぱりネットが、匿名=防御力無限の状態で攻撃し放題っていう形式を、
身近にしてしまってる感もあるよなぁ。

えー、しかし、この本読んで結局、
他罰ばっかりやってると互いに助け合えないからまわり回って困るのよ、
っていうくらいしか、他罰がどのように悪いのかについての
説明がないのが物足りなかった。ちょっとありきたり、というか、ガツンと響かない。
攻撃しまくって、まわり回るのを回避する人もいると思うもん。
そういう人が一番強烈なんだし、そういう人に説得力ないと意味ない。
確かに巨視的に見ればまわり回るのはわかるけど、一人一人は
他罰的な人も自分も、自分自身のことでいっぱいいっぱいなわけで、
そこまで巨視的になれないし、それをもって説得できるとも思えない。

ちょっと前の本だから、著者さん今なら何かアイデアを持ってるかな?
いい点に着目してると思うので、もう少し熟成して打開策を考えてほしい!

*「潰れない生き方」高橋 克徳 を同時に読んだんですが、なんか、味わい深い。他者を攻撃しなくたって、自分を守って高めていけるはずだよね。

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2012年01月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

不満や葛藤を全て自分以外のせいにする他罰な人が増えているらしい。
「悪いのは私じゃない」と必死に自分の正当性や責任の無さを強調しようとする。。。。。
昔からそんな子供は居ましたけど、そのまま大人になった人が多いってことですかね。
って思って読んでみたら、筆者によると「成果主義や競争社会により、先制攻撃を仕掛けることで自分を守る傾向が強くなったのでは」との仮説が提起されていた。確かに一理はあるか。

自らの行動/言動に、注意が必要と思う。

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2011年08月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

[ 内容 ]
新型うつ、モンスターペアレントにモンスターペイシェント、クレーマー、アダルト・チルドレン、児童虐待、「前世が悪い」のスピリチュアル・ブーム…日本人はいつから「悪いのは私じゃない、あなたが全部、悪いんです!私は犠牲者、被害者です!」と言いつのるようになったのか。
「それは自己責任だ」と他人から責められないためには、自分のほうから他人を攻撃する“先制攻撃”しかない。
この先制攻撃合戦の悪循環の中で、この国は一体どうなってしまうのだろう。
今、インフルエンザに匹敵する伝染力の国民病―「悪いのは私じゃない症候群」は怖ーわいぞ。

[ 目次 ]
プロローグ―他罰の時代がやって来た!
第1章 学校が悪い!
第2章 医者が悪い!
第3章 職場が悪い!
第4章 家族の中の他罰主義
第5章 「前世が悪い」?のスピリチュアル・ブーム
第6章 科学の世界も「他罰のススメ」
第7章 「悪いのは私だ」の歴史
第8章 ネットという他罰メディア
第9章 他罰は自己責任論の裏返し
エピローグ―悪いのは私じゃない症候群への処方箋

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2011年06月05日

Posted by ブクログ

棚にあがっちゃう人は本当に多い。
真っ先に自分に非がないかを考えてしまうのは、もはや時代遅れか。
正直者がバカを見ている気もしてくる。
香山さんらしく、スラスラと読みやすい。
学校に医者、職場、そして家庭へ。スラスラ進むが、スピリチュアルまでくると、ちょっと距離感が出てきた気がします。

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2011年03月09日

Posted by ブクログ

あるある、そうそうですらすら読める。他罰な人はなんか防衛的な気がしていたが、そういう分析も載っている。攻撃は最大の防御なりてか。でも、それは相手に攻撃されそうと思うからで、なんでそう思うようになっちゃたんだろ。やはりコイズミ新自由主義のせいなのか?…

実体験を取り入れてのびのび書いている他章に比べ、第7章「「悪いのは私だ」の歴史」は、ぱっとしない。たまたま読んだ一部の本をそのまま紹介してるだけにとどまっている感じ。

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2011年01月31日

Posted by ブクログ

相変わらずの読みやすさと、明快な主張。
日々なんとなく思っていたことを、香山リカはいつも明文化してくれる。

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2010年07月06日

Posted by ブクログ

この本は自分が「モンスター被害者」になってないか、
検証できていいと思う。

しかし、それらが増えていることは述べられていても
具体的な対処方法はあまり書かれていない。

著者自身もそれは自覚しており、あとがきで書かれている。
お医者さんだからしょうがないのかな。

こっちはフリー仕事でモンスターなクライエントについて、いつまでも
内省したり、うらみごとを言ったりしていたら失職してしまう。

理不尽なことなど腐るほどある。
自分が他者に理不尽なことをしたことも腐るほどある。

自分が正しいか被害者かの思考に酔いしれるのは時間の無駄だ。
真実は、いずれわかる。もしかして真実はないかもしれない。
自分がモンスターだった甘えてたと後から気づくこともあるし、
やっぱ、あいつが悪いよ!と思うこともある。
まあ、どっちか100%なんてケースは犯罪被害以外ないんじゃないかな。

自分が被害者だろうが、加害者だろうが
自分の人生の責任は、結局のところ自分で引き受けるしかない。

加害者は変えられない。満足いく補償なんて現実にはない。
(本当に被害を受けたとしても。相手が悪人だったとしても)
変えられるのは、自分の仕事のレベルと
対応の具体的なアイデアだけだ。

著者は時代に警鐘を鳴らしているが、
現実には「被害者」は減らせないと思う。

どうこの時代を泳ぎきるか。

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2010年05月18日

Posted by ブクログ

詳細は後ほど。


悩み多き不惑ボブ…
予備校や専門学校の若者たちとの対話に役立てば…と購入。
アウトラインは分かりました。
対処法などありましたら教えていただきたい今日この頃です。

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2010年01月30日

Posted by ブクログ

「悪いのは私じゃない」
思ったことがない、言われたことがない、なんて人はいないはず…
自分は正しいと思っている人ほど陥りやすい社会の溝。

読んで反芻してみては?何か自分の行動が変わるかもしれません。

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2009年12月09日

Posted by ブクログ

他罰の時代か・・・

自分にもそういう部分はあるが、そこまで極端な人もいるんだ。
モンスターなんとかも、これですね。

香山先生の患者さんの具体的な話をいくつか例に挙げていたが、
大丈夫なのか(汗)
大変な仕事だな・・・

自分をどんどん責めるのもいけないが、
人のせい人のせい、ってのもうどうですかね。
その合間を、うまい具合にコントロールしていかないと、
生きていくのはつらいな。

ただ、責任感は大事だと思います。
だれが悪い(責任の所在)というのも大事かもしれないけど、
それを引き受けることが一番大変なわけだから。

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2009年10月25日

Posted by ブクログ

微妙。同じことばっかり言ってる感じあり。
でも日本人が自己責任論ダイスキなのはちょっと変よねたしかに。

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2009年10月24日

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