悪いのは私じゃない症候群

悪いのは私じゃない症候群

754円 (税込)

3pt

メディアでは、何か事件が起きるたび、誰が悪かったのかと犯人探しが始まる。メディアだけではなく、社会のあちこちで「悪いのは××だ!」という声が以前にも増して聞こえてくる世の中になった。そして、誰もがその後こう付け加える----「悪いのは私じゃない」。
でも、だれもが「悪いのは私じゃない」と主張して、他を罰してばかりいたら、社会はばらばらになり崩壊してしまう。いったい、私たちはどうしたらいいのだろうか?
本書は、新型うつ病、モンスターペイシェント、アダチル、パワハラ、スピリチュアル・ブーム等々、医学・心理・社会・政治の多角的側面から、悪の原因特定に見られる、「悪いのは私じゃない」という他罰的傾向の淵源に迫る。
《目次》
プロローグ----他罰の時代がやって来た!
第1章 学校が悪い!
学生のあいだで剽窃が横行
「学校が悪い、教員が悪い」
萎縮する教師、保身に走る学校
第2章 医者が悪い!
「医者が悪い」というモンスターペイシェント
"くずれる"医師と患者の関係
増える母娘共闘のプチモンスター
第3章 職場が悪い!
労災認定されるうつ病が増加
ギスギスした職場
会社のトップに直接メールする社員
新型うつは他罰の巣窟
第4章 家族の中の他罰主義
「子どもが悪い」と逆ギレする親
子どもは本来、自責感が強い
「親が悪い」と言う"子ども"----アダルト・チルドレン
第5章 「前世が悪い」?のスピリチュアル・ブーム
「原因が"私"じゃないなら、薬は要りません」
「前世が悪い」
スピリチュアル的原因論の"功罪"
第6章 科学の世界も「他罰のススメ」
かつて、自分を責めがちだったうつ病患者
「食べ物が悪い」
「脳の傷が悪い」
「遺伝子が悪い」
第7章 「悪いのは私だ」の歴史
日本人は「自責な人」?
「悪いのは日本ではない」
負けないためには勝つ、もし勝てないならそれを誰かのせいにする
第8章 ネットという他罰メディア
スマイリーキクチ氏のブログ炎上事件
ゆがんだ平等主義といびつな正義感
他人にだけ道徳的な人たち
第9章 他罰は自己責任論の裏返し
イラク日本人人質事件
「自己責任」と「自業自得」
"自己責任"を回避するための"先制攻撃合戦"
悪いのは私じゃない症候群の元凶は、成果主義と新自由主義的競争
エピローグ----悪いのは私じゃない症候群への処方箋
「ピンチはチャンス」の自己責任論より「ピンチはピンチ」の分かち合い精神を
「悪いのは私じゃない」----そう言わない勇気

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悪いのは私じゃない症候群 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2012年05月25日

    悪いのは私ではない症候群について知りたくて読書。

    著者の本はあとがきが面白くまさに内容の要旨となっている。

    悪いのは私ではない症候群の要因が本書で指摘してるものかどうかは別としても確かに例としてあげられているこの種の人たちは増えているように感じる(第7章の田母神氏の例は違うと思うが)。

    心理的...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2010年07月09日

    仕事柄よく経験する内容が多く,マイ「あるある本」だった。
    具体的な対処法がほしいところだが,現状ではやはり難しいか?

    0

    Posted by ブクログ 2010年04月27日

     香山リカの本が好きなのは、わかりやすい文体とか、材料と説明のバランスがいいことにくわえ、その本に1カ所かそれ以上、実はものすごくちゃんと調べたり読んだりしたものの説明が入っていることだ。今回は信田さよ子のスピリチュアル・ブームの分析や、荻上チキのサイバーカスケードやネット言説についての分析がかなり...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2010年04月25日

    『他罰』

    自分が悪いかもしれないのに
    それはいっさい考えず
    人のせいだと
    他人や社会を責めること

    さらに
    自分が犯人にされる前に
    「悪いのはあいつ」と声を上げる

    いる!こういう人
    ってまず感じた

    もしかして、自分も!?
    って次に感じた

    けっこう認められなくて
    人のせいにすることある気がしち...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2010年03月28日

    息子には「人のせいにしない。原因があって結果がある」と言い聞かせていますし、周囲を見回して、心の病気は被害妄想からはじまると感じていたのですが、やはり自分にも当てはまるケースなどもあって、身につまされる内容でした。

    0

    Posted by ブクログ 2019年09月02日

    2011/12/18ドキッとさせる題名。事例を挙げながら、以前は「私のせい」と自分を責めた日本人が、いつから 題名のようになったのか!を分析します。たとえば、
    ◆学生が論文の宿題でネットをコピペして「公共のものを利用してなにが悪い」と開き直ったり
    ◆占い師に前世の霊のせいと言われた(=自分のせい...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2018年07月24日

    「悪いのは私じゃない」と抗弁する人は、近年確かに多い。しかし、そう人に限って、周りを巻き込み、周りに迷惑をかけ、周りを振り回し、自己中心的な人が多いような気がする、と感じ、本書を手にとってみた。
    結果、対処療法はあまり書かれておらず、いろんな場面での「悪いには私じゃない症候群」の事例が紹介されている...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年02月10日

    たまには、こんな真面目な本も読んでみる。笑
    某小論文情報サイトの参考図書から選んだ1冊です♪

    第1章の冒頭に出てきた、大学生のコピペ問題…身に覚えあるわ~。(;´Д`A
    もちろん完全にコピーしたわけじゃなくて、微妙に表現変えたりとか、工作しましたけど。汗
    だってそれまでマトモに論文なんて書いたこと...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2019年04月20日

    精神科医の著者が、自身の立場から他罰的傾向が強くなってきた昨今の日本を憂う本。
    精神分析というよりは単なるエッセイ。

    巻末のあとがきにある通り、「この著書自体、他罰的に思われたどうしよう」という著者の迷いが見えた一冊。

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    Posted by ブクログ 2012年01月04日

    bookoffにてふと購入。

    読みやすい文章を書く人でした。
    「他罰」のエピソードがたくさんあって、事例集としてよさそう。

    他罰的に振舞う人は、本人としては必死で一生懸命なわけで、
    (”生きるための基本条件”のとおりに行動しているだけであって)
    かわいそうというか、厄介というか。。^^;

    他罰...続きを読む

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