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いま、過熱する「発達障害バブル」。専門外来では、予約から診察まで3か月待ちは当たり前といった状況が続いている。
わが子の行動やコミュニケーションに不安を抱く親たち。
仕事や人間関係の尽きない悩みに原因を求めるおとなたち。
皆、「生きづらさ」のよすがとして、「発達障害」という記号を求めているのではないか、と精神科医の香山さんは指摘する。
早く診断を受けて、適切な支援を受けさえすれば、この「生きづらさ」は軽減されるのか?
発達障害に関する分類や考え方は、まだまだ大きく変動しており、精神科医でさえ、その変動についていくのは難しい。
過熱する患者や家族の心理と変動し続ける発達障害診断。
「発達障害」はどこへ行くのか?
精神科医・香山リカさんが、生きづらさの原因を「発達障害」に求める人たちの心理と時代背景に斬り込んだ意欲作!
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Posted by ブクログ
「もしかして私は発達障害ではないでしょうか」
と言って、診察を受けに来る患者さんが増えている
そうです。
ところが現代医学においても、実は発達障害の定義
は定まっていないそうです。
前半はそうした発達障害に関わる問題点を説きます。
後半は、この書名に対する著者の回答が述べられて
います。
非常に大まかですが、理由は二つあります。
一つは、薬を売るために病名が宣伝されたことです。
一昔前に「プチうつ病」なる薬が開発されて、これを
売らんかごとく製薬会社が「あなたはプチうつ病の
疑いがあるのでは?」
と大きく世に問いたことがありました。
今なら薄毛対策のAGAでしょうかね。
もう一つの理由はズバリ「自分探し」です。
どいういう事かと言うと、最近は発達障害を克服した
有名人や芸能人をテレビで観たことがありませんか?
スティーブジョブスやアインシュタインなどの、
ある方面で天才と言われる人も発達障害だったと
言われています。
そこで、ちょっとした周りの人たちとのトラブルが
あった時は「もしかして自分は他方面ではすごい
才能があるが、発達障害のために、通常では他人との
軋轢が生じてしまうのでは?
だとしたら自分がいる場所はここではない」
と思いたがるとか。
単なるコミュニケーションが下手なのを
「発達障害のせい」
自分のやる気や性格のせいを「障害」と
言い切る輩がその類とか。
実に厳しい意見です。
でも、あなたの周りにもいませんか?
Posted by ブクログ
タイトルからすると、精神科医の香山リカさんが、この診断名を求める人を批判的に書いている物かと思うが、そうではなかった。
'大人の発達障害'が注目されるようになったのは、ここ数年の事だが、それに伴って増えている受診者とそれらを取り巻く世間の風潮などについて、医師の目で興味深く語られている。
アスペルガー症候群という言葉は割とよく耳にし、'アスペ'などと略語で呼ばれるほどだが、そのアスペルガー症候群という言葉は、最新の精神科医のガイドラインからは消えて、自閉症スペクトラムという言い方に変わったそうだ。この事からも分かるように、まだカテゴライズが流動的なのである。
また、外科や内科の病気と違い、かなり研究が進んではいるものの、まだ診断基準も'この染色体異常による'だとか、'この伝達系統が原因'などという風には確立されていない。特に、いわゆるグレーゾーンにあたる症状について、問診で診断名をつけるのは非常に難しいそうだ。
ただ、普通はどのような場合も、治療するほど大した怪我や病気ではなかったと分かるとホッとするものだが、発達障害に関しては'違う'と診断されると落胆する人も少なくないそうだ。診断名が付き、自分の生きづらさの原因をそこに当てはめることで、ある種の解放を得られるのかもしれない。
SNSなどの媒体の進化により、一般人でも突然注目を集めてしまうことのある昨今、「何者かでいたい」願望は特に若い世代に多いのだろうか。
その時代の空気感が巡り巡って、生きづらいと感じる人が自分は発達障害なのではと考える方向付けをしてしまっているのではないか?という問いかけも試みられている。
また、製薬業界の資本主義的思惑が患者を増やす一因になっているのでは…という投げ掛けにはハッとさせられた。飛躍するかもしれないが、グレタ・トゥーンベリさんの'資本主義が環境悪化を加速させている'という、あのスピーチを思い出した。
自然環境も社会環境も、一部の誰かが経済的恩恵を受ける影に多くの犠牲が払われているという、この恐ろしい構図を我々は常に意識しなければならない時期にきたのだろう。2019.11.4
Posted by ブクログ
・そもそも診断基準が確立していない
・今診断が降りても10年後には降りていない可能性がある
・主観と客観に基づく以上、診断は難しい
そりゃあグレーゾーンにもなるよなぁ。ADHDという診断書が欲しいために病院行く人って割と何考えてるんだろうと思うんだけど、精神病院にかかる行為への抵抗感が今の若い世代にないってのが本質な気がする。彼らは内科と心療内科を恐らくほぼ同格に見ている。うつは甘えどころかうつは個性だと前向きに捉えるようになれば、アイデンティティを2000円で付与してもらえるなら、安いもんだよな確かに。うつのコミュニティなんかTwitterでよく見るし、パスポートみたいなもんなのかも。SNSは凄いね。うつ病とADHDと自閉症めちゃくちゃ増やしたのはSNSですらあると思えてくる。
さて、お前は精神障害者だから一度見てもらえと言われて戸惑っている場合はどうすればいいのか。客観と主観を具体的に揃えるためにも、過去のつまづきを整理する必要がありそう。つまり、自分のおかしいところを羅列してもらって、それをお医者さんに見せに行けば良いんだよな。辛い作業だぞこれ。そこんところわかってんのかな。
Posted by ブクログ
全般的にハッとする事が書かれているような本ではなかった。タイトル通りです。
大人はいい、自分で発達障害がある事を公言すればいいと思う。
けど子どもが標的になるのはかわいそうすぎる。
発達の遅れが認められた1〜6歳の子どもに治療を行っても、学校の成績、運動技術、メンタルヘルス、生活の質、生存率、成人時の機能のどれかが改善したという報告はない、さらには本当は発達の遅れがないのに検査で発達の遅れありと判定されてしまう割合は検査方法によって16〜22%にもなるという報告。
親を含めた大人が楽になりたいだけなのでは?と思う事もある。
やっぱり子どもをむやみに医療機関に連れて行ってはいけないのだろうなと思います。
Posted by ブクログ
「広汎性発達障害」の診断を受けた息子がいます。
最近NHKなどで「発達障害」について取り上げられることが多く、世間的な認知度、理解度がアップすることは喜ばしい、と思っていました。
が、医者の立場から見ると、おしゃれアイテムの一つみたいに「発達障害」の診断を欲しがる人が増えているんですね。
もちろん困りごとを抱えているのは間違いないからこそ、受診に至るってことなんでしょうが、身辺周囲の困難を自分の内面から解決するのを回避しているだけ?と思ってしまいます。
「発達障害」とわかってホッとする人はもちろんいますが、障害を持って生まれたことに苦しんでいる人の方が圧倒的に多いし、そもそも生きづらさてんこ盛りだからこそ発達障害なのに、診断がつかずにがっかりする人の存在は、ビックリと言うよりあきれる気持ちになります。
発達障害を持つ親の会に所属しているので、本当にすごく困っている大変な状況の話をたくさん聞きます。
小さいうちに診断がつくことで(たいてい特性が顕著)、療育などサポートを受けられる話は聞きますが、軽度な障害のままおとなになって、環境が変わることで「発達障害」の診断がついた場合、そのサポート体制はまだ十分でなく、うつや引きこもりなどの二次障害に突入してしまう例も多くあります。
逆に、引きこもりや精神疾患のベースに発達障害があることを実感しています。
香山リカさんは医者の立場として、他の医者にも製薬会社にもたいへん気を使って本書を書かれているご様子ですが、一時の流行みたいな発達障害ブームに、専門家側から釘を刺した(ほどではないかも)点は評価できると思います。
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