香山リカのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
うつという概念が社会に広まり、うつそのものの幅も広くなった。うつにも色々ある。
筆者は、社会に広まったうつ病概念を、本当のうつ病と言われる「大うつ病」、躁うつ病の一種と言われる「双極性障害II型」、そして「うつ病になりたがる人たち」の3つに分けている。(ほか、パーソナリティ障害をうつと誤診するケースもある)。
その中でも「うつ病になりたがる人たち」は、うつという診断を欲し、診断書を水戸黄門の印籠のように使う。アイデンティティを求め、それを「うつで可哀想な自分」とすることで安心を得る「平凡恐怖」や、病気を申告することで心配されたり異動や休職の許可が容易に出る「疾病利得」などが挙げられており、読んでいて自分が関わってきた人にも、そのような人がいたなと思い出す。
近年では発達障害が似たような状況になっていないだろうか。もちろん、実際に苦しんでいる方がおり、治療が必要な場合も多いが、発達障害はスペクトラムであり、凸凹である。大なり小なり、全ての人に得て不得手がある。本来はそれを周囲に相談したり、理解を得ながら生活をするが、最近は安易に、伝家の宝刀のように「私は発達障害だからできない」となることが多いように感じる。
著者が指摘するように、これでは本当に治療が必要な患者が困る。悩みを悩みとして、ゆっくり時間をかけて消化したり、周りに相談ができる環境づくりが必要な気がしている。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ※若干流し読み。
香山リカ氏の著作は、過去に『就活がこわい』(講談社)を読んだことがある。『就活~』とこの著書をみると、現代(当時)の人々が持っている不安に焦点を当てることが得意なのかな?と思った。
「大人の発達障害」「うつ」という言葉が頻繁に耳にする時代になり、著者は、軽度または障害出ない患者が多く診察に来るようになったこと。そしてその仕組み(ビジネス)について指摘する。
そこに関しては新たな知識が得られた気がする。これが作品のはじめに書かれた「社会的な現象」なのだろう。
しかしながら、医療関係者ではない一般読者の私としてとしては、発達障害になれなかった「平凡恐怖」についてもっとページをさいてほしかった。
なぜ彼女らは「平凡」を恐れるのか、障害のような症状をなぜ許せないのか。そして苦しいのか。その社会的背景と解決?を知りたかった。…それは著者の書きたいことではなかったのかもしれないが…。この、あと一歩…二歩踏み込んでほしい気持ちは、『就職~』でも感じた。 -
Posted by ブクログ
慶應義塾大学丸の内キャンパスで行われた授業を編集、書籍化したもの。テレビやベストセラー書籍などで名前を聞いたことのある方々が各章を担当しているため説得力があります。ただし専門書としてではなくあくまで入門書としてカジュアルに読むもの。浅く広く説明している本です。
私は地頭を鍛えたいと思って手に取ったので、刺さったポイントを紹介します。
1.地頭力とは「結論から」「全体から」「単純に」考える力のこと。(細谷功氏)
2.仮説思考のポイントは「結論から逆算する」(内田和成氏)
3.脳に良い生活習慣の一つは、12時までに寝ること(築山節氏)
特に細谷さん、内田さんは著名なコンサルタントでもあるので他の著作を読んでみたいと思えました。
本書を読んで、今日からのアクションプラン
・12時に寝る→7時に起きる
・タスク締め切りをカレンダーに入力
・毎日1分でも読書することを継続する
-
Posted by ブクログ
・そもそも診断基準が確立していない
・今診断が降りても10年後には降りていない可能性がある
・主観と客観に基づく以上、診断は難しい
そりゃあグレーゾーンにもなるよなぁ。ADHDという診断書が欲しいために病院行く人って割と何考えてるんだろうと思うんだけど、精神病院にかかる行為への抵抗感が今の若い世代にないってのが本質な気がする。彼らは内科と心療内科を恐らくほぼ同格に見ている。うつは甘えどころかうつは個性だと前向きに捉えるようになれば、アイデンティティを2000円で付与してもらえるなら、安いもんだよな確かに。うつのコミュニティなんかTwitterでよく見るし、パスポートみたいなもんなのかも。SNSは凄いね。うつ病とADHDと自閉症めちゃくちゃ増やしたのはSNSですらあると思えてくる。
さて、お前は精神障害者だから一度見てもらえと言われて戸惑っている場合はどうすればいいのか。客観と主観を具体的に揃えるためにも、過去のつまづきを整理する必要がありそう。つまり、自分のおかしいところを羅列してもらって、それをお医者さんに見せに行けば良いんだよな。辛い作業だぞこれ。そこんところわかってんのかな。
-
Posted by ブクログ
人生の怒りは誰かに「振り回される」ことに起因している。健康も過度に痩せることが良しとされ、美容も老いを悪と捉える価値観に支配され、資本主義の中でお金の不安に常にさらされ、固定的な親と子の理想的関係という虚像に縛られて生きている人は多い。適度に距離感と冷めた目を持って自分と周囲の状況を客観視すれば、自分の意思で自分のペースで選択できるのに、思い込み、とらわれることで振り回され、コントロールできないがゆえに怒りを感じて生きることになる。
絶望的な状況の時には信頼できる人に敢えて振り回されてみるのも一手だが、基本的には自分を冷静に見つめる目を持つことで自分を取り戻すことが大事である。
(一般論として読んでいたら何の断りもなく「女性」限定の話だった、という展開が多くて少し「振り回された」)