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Posted by ブクログ
こいつはおもしろい!そしてかなり複雑な内容を読みやすく書くことの手本でもある。日本人の劣化、としてある種の思考停止状態をよしとする、寛容への耐性が著しく低下している、妙な平等主義と他への想像力欠落、などについて適切適量の引用で実例を見せながら説明。社会についてはなんと!ヤングの「排除型社会」のわかりやすい入門編になっている(^^)。フェミニズムの衰退についても触れられ、荷宮「フェミニズムはなぜ衰退したか」の「戦略的失敗」的理解を取らず、他と同じく弱者に対する寛容の欠落で説明している(でもそれはフェミにとっては致命的だが^^;)。倫理的な欲求というのは確かに理念で日常世界の外にあるようだが、しかし原理的に内在しているとする柄谷行人については、外だと言うと昨今ならスピリチュアルとか行っちゃうよ、と現実に引き戻していたりする。このバランス感覚はこの人のいいところだなぁ。
Posted by ブクログ
タイトルの時点で非常に挑戦的な本だが、内容も十分に挑戦的だった。
香山リカの本は初めて手に取ったのだが、前半は感覚ベースで書かれていて殆ど所感レベルだったが、後半は様々な人の引用や科学的な用語を含む文章で、差が激しかった。それも戦略なのだろうか。
感想としては、経済社会について新自由主義批判をしていたが、やはり竹中平蔵先生が言っている内容とのズレがある。
どちらが正しいとかは恐らく判断できないのだろうけれども、「小泉・竹中政権によって格差が拡大した」と言っているあたり、やはり感覚ベースなのかなとも思ったり。
2007年時点の本だから仕方ないのかしら。
結局、香山リカがどんな論者なのか十分に把握することはできなかったが、社会科学や哲学などに造詣の深い方だということは分かった。
また面白そうな新刊を見つけたら読んでみようかな。
ただ、香山リカの主張は、なんか僕の肌には合わなかった気が、する。
なんでだろうね。
Posted by ブクログ
香山リカのなぜ日本人は劣化したかを読みました。現在の日本人は劣化している。変化などと言うあいまいな言葉に逃げるのではなく、日本人が劣化していることを直視しよう、という主張の本でした。日本語の読解力の劣化:日本語の文章を読んで、その内容を理解することができない。考える力が劣化:情報を集めることはできるが、それらを統合して考えることができない。他人の心を想像する力の劣化:自分の身勝手な主張を声高に言うだけで、他人の気持ちを思いやることができない。モラルの劣化:常識や法律に反していても、自分さえ良ければよい、ばれなければよい、と考えて行動する。体力も辛抱強さも劣化:じっと一つの姿勢を続けることができない、プレッシャーに弱く傷つきやすい。などなど。これに対する香山リカの対応は、まずは日本人が劣化しているという病識を持ちましょう、というものでした。病識を持つとは、自分が劣化していることを認識して対策をしていく気持ちを持とうと言うことでした。「自分が勝つことが一番大事」「他人に厳しく、自分に甘く」「弱肉強食はあたりまえ」と言う考え方に一度疑問を持ってみることが大事だと主張されています。納得できるところが多く、いろいろ考えさせられました。
Posted by ブクログ
香山リカが、日本人からモラルが失われつつあることを嘆き、「正当な権利」と「個人の身勝手」が混同されてしまっていることを批判するという、保守論客のような口ぶりで語っていることに、まずは驚かされました。
それでも後半になると、小泉内閣の頃に見られた新自由主義の隆盛を、スパンの長い問題を考える知力や想像力の「劣化」という心理的な要因によって説明するという、著者らしい議論が見られます。もっとも新自由主義の問題を心理的な要因に還元することはできないのでしょうが、精神科医である著者の立場からこの問題に切り込むとこうした議論になるというのはそれなりに理解できます。
ただ、たとえば「劣化」の例として、『奥の細道』を鉛筆でなぞる本がベスト・セラーになったことや、小学校の給食費の未払いが増えていることなどがとりあげられているのですが、どのようなセグメントにどの程度こうしたメンタリティがひろがっているのかということがデータに基づいて示されているわけではありません。印象に基づくエッセイのような時評がこの著者のスタイルなので、あまりとやかくいっても仕方がない気もしますが、さすがにRPGゲームのヒット作が出ていないことから、キャラクターの感情に共感する能力が「劣化」しているというのは少々強引ではないでしょうか。
また著者は、高い「理念」を掲げることで問題を克服しようとする道は、「理性」がいきわたってなければスピリチュアルなどに回収されてしまうのではないかと懸念を表明しています。そのうえで、「他者を手段としない互酬的な世界の実現」という理念や「誇りの持てる国」「美しい国」といった自己賛美など、左右のイデオロギーをともに廃して、「劣化」の「病識」をもつことから現実的な解決を探っていくべきだと主張しています。しかし、そうしたメタ認知の能力がそもそも「劣化」によってうしなわれているのだとすれば、堂々巡りにならざるをえないと指摘しています。
排除型社会での「寛容の劣化」に対する批判には、イデオロギー的なかさ上げにつながるようなある種の「きな臭さ」を感じてしまいました。もっともこれは、著者に対する先入見のせいなのかもしれませんが。
Posted by ブクログ
とにかく日本は、日本人は劣化したんだよと言うことが延々と述べられている本。
そろそろ香山さんも飽きてきたかなw
劣化って言うとなんだか悲しい・・・。
何をもって劣化とするのか、それは香山さんの感覚だけ。反論はいくらでも挙げられる。
例えば、若者の「生きる力」の劣化。すぐに死にたいとか言うのは、何も今始まったことではなく、明治時代だったか、大正時代だったか、ちょくちょく若者の間で自殺が流行った時期がありました。そんな簡単なこと(当人にとってはきっと重要なこと)で死んでしまうん?!ってレベルで。当時も問題になったりしてました。
めんどくさくて具体的なソースが挙げられないので、説得力に欠けますが・・・・w
要するに、反論の余地は多いにある本なんですが、単なるエッセイだと思って読む本です。ってことです。笑
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