あらすじ
ときどき悔やむ。ときどき寂しい。
でも大丈夫。これが私の選んだ道。私の幸せのかたち。
さまざまな理由で、生涯子どもを持たない・持てない女性が全女性の3割とも言われています。
「女は子どもを産み育てて一人前」「女の本当の幸せは子どもを持つこと」という伝統的価値観はまだまだ強く、さらに最近は、少子化対策が国をあげての課題となり、子育ても仕事も頑張る「ワーキングマザー」が礼賛されます。
そんななか、子どもを持たない人生を選んだ「ノンママ」は、何を思い、どんなふうに生きているのでしょうか?
子どもを持たなかったそれぞれの事情、悩みと葛藤、後輩ワーキングマザーとの軋轢、介護と自分の老後の不安等々。「ノンママ」のリアルな胸のうちを、自身もノンママである精神科医の香山リカ氏が、ときに切なく、ときに明るく描きます。
ママもノンママも、シングルも既婚も、すべての女性を応援!!
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Posted by ブクログ
未婚、既婚問わず子どもがいない女性に焦点を当てた一冊。
作者の言う「ノンママ」のそれぞれの事情、理由。そしてそれに伴う問題点、それぞれの苦悩。ノンママたちの実際の声もおさえつつ、精神科医として、そしてノンママとしての自身の見解をズバッと述べている。
結婚も出産も個人的なことなのに、あれこれ口を出される現代の女性は本当に苦難の時代であるように思う。子供が欲しいのに相手がいなくて作ることが出来ない人、そもそも子どもを望まない人、時期を逃して作らなかった人、子を望めない体の人…。「ノンママ」と一括りにしてもこれだけ様々な理由がある。「ママ」にも様々いるように、「ノンママ」にも多種多様な人がいるのだ。また子がいない女性に対する世間の厳しい目についても本書は追求しており、ハッと気付かされた。仕事を押し付けれたり、子がいないことを羨ましがられたり諭されたり…本当にお節介であるし、ナンセンスだと思う。結局、人の生き様にケチをつける人生ほどつまらないものはないだろう。
印象的だったのは母になれない=娘のままという構造。年老いた親にとって「娘」というある種自身の分身のまま関係が変わらないのだ。「親」となり親との関係が同列とならないため、いつまでも庇護下におかれる。
ノンママというだけで身内にも世間からもとやかく言われる状況にはうんざりだろう。
「ノンママ」の現状と未来について非常に詳しくまとまっている本なので、とても勉強になった。
Posted by ブクログ
様々な事情で子を持たなかった女性達の、葛藤や主張が著者の経験や考えを交えながら書かれています。
私はこの中でいう子供を持ちたくない、と選択した「ノンママ」に属する。
今まで一度も子供を持ちたいと思ったことも、子持ちの人生を羨んだこともない。
そのため第4章の自己肯定できないノンママの部分意外は、実体験を思い浮かべ頷きながら読み進めていた。
そして一番衝撃的だったのがノンママはいつまでも「子供」のままである、ということ。
これは今まで考えたことが無かったし、書かれているエピソードも自分に当てはまるものだったので正直とても落ち込んだ。だが、だからといって子供を持とう、とは思わなかった。
全体を通して、なるほどなと考えること、著者の意見に同意するところなど多く非常に充実した一冊でした。
Posted by ブクログ
やっぱりね、ノンママは生きづらいよ。なんでだろう。なぜ、そんなに動物的でなくてはいけない。本能に従って産めるの?私にはわからない。だから、生きづらい。ノンママより独身の方がずっといいと思えてしまう。
この問題に、男性はどう関わるのか。ママの穴はノンママが埋めろっていうのは、納得できないよ。誰が負担するのよ。
Posted by ブクログ
「生涯子供ゼロの女性は25%以上」そんなにいるのかと驚いた。そういう私もノンママである。私の場合、欲しかったけれど恵まれなかったタイプだ。しかし、いろんな事情でノンママになった女性がいることを知る。どの選択も自由であるし、それによって引け目を感じる必要はないこともうなづける。いろんな立場での悩みが紹介されているが、勇気づけられた。
Posted by ブクログ
精神科医の香山リカ先生が2016年に出された本。
「ノンママ」という言葉は造語みたいだけど、あんまり流行らなかったみたい。アルテイシアさんの「選択的子なし」の方がしっくり来るかな。
「ノンママ」には、仕方なくそうなった人も、自分で選び取ってそうなった人も含むようだ。ただ、私は子どもを持たないぞ!と確固たる意志を持って子なし人生を歩む人って実は少なくて、香山先生がそうだったように、仕事を頑張る空気に流されてたらいつの間にかそうなってたとかで何となくそうなっちゃった、みたいなケースも多い。
未婚の人は、相手に恵まれなかったのかな、なんて勝手に解釈してもらえるけど(それも嫌かもしれないけど)、私みたいに既婚で子なし、かつ不妊でもないってなると、子を持たない理由みたいなものがない限り、子を作ろうとしないことがすごく不自然に感じる。ご時世的に「子どもはまだなの?」なんて無神経に聞いてくる人はほとんどいないんだけど、そういうことを聞かれるんじゃないかって常にすごく身構えている。そんなに仕事を頑張りたいわけでもない。なのにちっとも子どもが欲しいと思わないのは、私に何か欠陥でもあるのだろうか?
そういう悩みを抱えていた私にとって、この本は打ってつけのテーマだった。ただ、結局のところ、香山先生は未婚だし、お医者さんという立派な職業をお持ちで、執筆業もされてて…ってなると、香山先生がそうだからって安心材料にはならなかった。統計を見ると、少子化の要因はほぼ非婚化が原因で、結婚してるのに子どもを作らない夫婦ってすごくイレギュラーな存在。大っぴらに「子どもを作らないって選択もアリだよね!」とはやっぱり言いづらい世の中だ。子どもが欲しくてもできない人もいる中で、子どもを欲しいと思えないという悩みとどう向き合えばいいのか、その答えにはならなかった。
Posted by ブクログ
・子どもが欲しいのは本能で理屈はいらない、欲しくないのは理屈をこねくりまわさないといけない。
・ノンママであることをうらやんだり、評価したりする発言も時と場合によってはハラスメント。
「こんな時代に子どもを持たないのは正解」等。
ノンママは「いいでしょう」とは言えない
Posted by ブクログ
私は子供が将来欲しいなと思ってこの本を読みました。この本で驚きだったのは、生涯出産未経験の女性が20%強いること…全然珍しいことじゃないんですね。
私自身、この後のキャリアをどうしていくか考える一助になりました。
Posted by ブクログ
本書でちょっぴりノンママの切ない気持ち、とまどい、現実の壁、これからの夢などを確認したら、後はママ、ノンママ、シングル、既婚などに関係なく、垣根を越えて女性どうしフォーメーションを組んで、この現実に立ち向かっていこう。
母親とのくだりを読んでいて、ノンママでも親は必ずいるんだってことを再認識しました。
Posted by ブクログ
私もママになったばかりだから、ノンママ・ワーママどちらの気持ちもわかる。
ハラスメントについては結局「触れない」のが一番なのかな。。
自由でいいね、もダメだと思う。
「産んでみなけりゃわからない」という経験主義も非難しているけど、確かに経験してみないとわからないというのは一理ある。私も子供がこんなに可愛いとは、まさしく産まなきゃわからなかった。子供を産むまで、いつまでも「子供」の立場であるということも産んだからこそ実感している。自分が親になってから、親との関係も変わってきた。ようやく一人前と認められたような感じ。当たり前だけど、親は全員ノンママではないので、ノンママの気持ちは理解しづらいのだろうなぁ。
とにかく立場・所属で線引きせず、おかしいことはおかしいという人間でいるという言葉には共感。線引きをしても何もいいことはない。
Posted by ブクログ
なるほど、そういう分析・見解もあるのね。といった感じ。子を持つ可能性も持たない・持てない可能性もある立場の自分としては、ニュートラルにいたいと思いつつも、色んな迷いや感情が湧いたのもまた事実。
Posted by ブクログ
子無しというライフスタイル
確かに、自分で選択している人もいれば、ならざるを得ない状況の人もいるから、一概にバッサリ切ることは出来ないんですね。そもそも出会い、の有無も原点にあるわけで。
物事のいろんな見方を教えてくれた一冊でした。
後半はちょっと面白くなかったかなあ、、
Posted by ブクログ
読むのがなんかつらかった。鈴木保奈美が主演のドラマがあったようだが、見ていない。録画したか、始めの数分で見るのをやめてしまった。その後、なんとなく見る気が起こらずに、録画は消去した。子供のいる鈴木保奈美が、ノンママを演じているのになんとなく違和感を感じたかもしれない。自分には関係のない他人事では、なんとなくすまなかったので、本を買った。
Posted by ブクログ
副題にある「子のない女はダメですか?」という問いかけへの私の結論は「もちろん、ダメでは無い」だ。今や3割近い女性が子供を出産しないという時代に突入している。慌てるのはもちろん国だ。少子化対策に必死になり過ぎ、「ノンママ」という、子供のいない女性の生きづらさ、肩身の狭さに全く気付いていない。繊細な問題なのに、「産め、産め」の連呼。子育ても大変なのだが、子供がいないのも大変。「子なしハラスメント」の実情はかなり深刻な問題だ。子供のいる女性、いない女性の女性同士の垣根を取り払うことから何か始めれないだろうか。