あらすじ
ときどき悔やむ。ときどき寂しい。
でも大丈夫。これが私の選んだ道。私の幸せのかたち。
さまざまな理由で、生涯子どもを持たない・持てない女性が全女性の3割とも言われています。
「女は子どもを産み育てて一人前」「女の本当の幸せは子どもを持つこと」という伝統的価値観はまだまだ強く、さらに最近は、少子化対策が国をあげての課題となり、子育ても仕事も頑張る「ワーキングマザー」が礼賛されます。
そんななか、子どもを持たない人生を選んだ「ノンママ」は、何を思い、どんなふうに生きているのでしょうか?
子どもを持たなかったそれぞれの事情、悩みと葛藤、後輩ワーキングマザーとの軋轢、介護と自分の老後の不安等々。「ノンママ」のリアルな胸のうちを、自身もノンママである精神科医の香山リカ氏が、ときに切なく、ときに明るく描きます。
ママもノンママも、シングルも既婚も、すべての女性を応援!!
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
おなかの大きい妊婦さんに対して違和感を感じてしまう。
ノンママに対する言葉のハラスメント(子供はまだ?・子供を産んで一人前・子供がいない人にはわからない)
「子供がいなくて本当に良かったです。」と答えるノンママはほとんどいない。
自分自身でもノンママであることに後ろめたさや後悔を持っていることが少なくない。
山口智子さんの発言に対する共感 Flau 2016年3月号
「私はずっと、子供を産んで育てる人生ではない、別の人生を望んでいました。
今でも、一片の後悔もないです。夫としっかり向き合って、二人の関係を築いていく人生は、本当に幸せです。 」
ママタレブームも、子供のいないノンママの劣等感や罪悪感をチクチクと刺激している。
少子化は深刻な社会問題とする今の世間の空気ではノンママでも幸せ!という価値観は到底許されない。
ワーママの肩代わりをするノンママ
子育て中の女性が周りへの配慮もあまりなく、子育ての話に夢中になる。
女性にとって妊娠や出産とは色々な縛りがかかっていて、すぐには実現できない。
容易に、「私の人生、やっぱり間違っていたのだ」と自信喪失に陥りやすい。
子育てだけが人生でやらなければならないことではない。
毎日繰り返し、「私はこれでいいんだ」と自分に言い聞かせるくらいの勢いでなければ、
職場でサバイバルできないかもしれない。
NPO法人SSSネットワーク
Posted by ブクログ
発刊は2016年。香山先生このような本も書かれていたのですね。ノンママという呼称は流行りませんでしたが意味は伝わるし言いたいこともわかる。
p104、105 経験しないとわからない、子どもいない教師や医師は頼りにならないのか?という話が出てきます。
確かに経験しないとわからないこともあるでしょう。それは実感として体験してるかどうかという話なので体験できない人にはどうにもできないことです。
でもそれを言ってしまったら全て話は断ち切られて何事についても「わからないから話しても考えても仕方ない」というある意味思考停止、関係性の分断になると考えます。
自分も若い頃、早くに子どもを持った友人に「子供を産まなければ人として成長しない」と言われて激怒したことがあります。
少しずつそのような考えや風潮はなくなってはきていますが、まだ表面的なもので根は「子どものいない女性は⋯」的な差別はあると感じることも多々あります。
臓器移植の話のなかの母娘一体の考え方で、娘には臓器をもらうのは当然だけど息子からは万一のことを考えるとできないという母親の話には驚きました(p148)
仕事をしているママの肩代わりや穴埋めとして働いているノンママたちが「ママたちは少子化対策に貢献して立派だとか褒められるのはママばかり、褒められたくて仕事してるわけではないがワーママの分まで働いてるのにそっちばっかり褒められるとちょっと(p113要約)」という話が出てきますが、自分の周辺でも結構そういう声はこれまで聞いてきたし今も聞きます。
私自身が遭遇したのは、子供ができたからと職場の負担を考えず都合のいいようにばかり休んだり、退職したのにまた復帰したいと曜日や勤務時間まで指定して再就職を要望してくる驚きのツワモノママ。
そういう人に度々遭遇したせいもあるかもですが、子供の話が絡むと母親の話も子供の話も一緒くたにして「とにかく守らなければ」や「どうにかしてあげなくては」という空気になりがちな社会(職場)の空気がどこにも立ち込めてしまうことに、声を大にしては言いづらいけれども正直苛立ってきました。
それはそれとして大切だけれどもそのために段取りをやりくりしたり無理を押したり通常以上の配慮を多方面に行う現場の人間たちへの労いや実質的な考慮(補償であるとか手当であるなど)が必要なのではないかと常々思っています。(休むママは有給や手当など福利厚生がありますが穴埋めする人には何もないですよね)
何よりこのような状況における感情労働に対しての労いが職場からないことに疲れている人はとても多いのでは、と思いました。
本書の後半3/1はある程度年老いたノンママたちの介護を含む終末期の話に触れています。
どちらかと言うとこの章は「こう考えたら良いのでは?」という香山先生自身の考え方の提唱のようになっていると思います。
第7章の中に「優良な体質を持ち、それを子孫に伝えられる男女だけが幸福を得ることができる」という文言が紹介されています。
今完全にアウトなやつですね(笑)しかし長らくこのような考え方が最近までの日本のスタンダードだったのだなと心が冷える思いで読みました。
最後の方にまとめ的に「国から言われると思考停止してしまう不思議」という項目がありますが、そういう人が増えたように思います。
(教育の成果なのか?)
少子化問題だけてなく国の行う様々なことに無関心になったり鈍感になったり思考停止になって想像力を失う(p185)ようにはならないように生きていきたいですね。
Posted by ブクログ
子無しというライフスタイル
確かに、自分で選択している人もいれば、ならざるを得ない状況の人もいるから、一概にバッサリ切ることは出来ないんですね。そもそも出会い、の有無も原点にあるわけで。
物事のいろんな見方を教えてくれた一冊でした。
後半はちょっと面白くなかったかなあ、、