香山リカのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
脳科学者の茂木健一郎、クリエイティブディレクターの箭内道彦などその道のトップランナーが考える力をつけるためのメソッドを紹介している本。
個人的には茂木健一郎が書いた部分がわかりやすく、自分の仕事においてヒントを得ることが多かった。
人は知識、経験だけではダメで、意欲が大事。
反対に意欲だけあっても知識や経験がなければだめ。
この世の中で最も強く賢いのは誰か?
それは意欲を持った高齢者。
高齢者は知識、経験は豊富である。
そこに意欲を伴えば最強!
高齢者ケアに携わる者として、高齢者は弱者ではないということの説明に使える!と思った。
また、意欲を引き出すことの重要さを意味付けしてくれた。
-
Posted by ブクログ
発達障害そのものについて述べたものでなく、近年の発達障害ブームともいえる社会的現象について論じた本。
著者の香山リカ氏の指摘によると、発達障害の診断したがる人たちが増える要素としては、①発達障害の診断基準の問題(胃がんや脳梗塞のように腫瘍マーカーやレントゲンで変異が客観的に判定できるものではないので、医師による恣意的な判断によらざるを得ない。そもそのもDSM-5の判断基準が改定の度に基準や範囲が変わる)、②性格の問題ではなく脳神経系の「障害」と判断されたがる人々の心理的ニーズ(努力不足のせいではなく機能障害という言い逃れたい心理)、③製薬業界側のニーズ(発達障害の受診促進によって処方薬発行を増 -
Posted by ブクログ
どんなに頑張ってもうまくいかないことはある。あるいはうまくいかない人がいる。そういう人たちに対して心を軽くしてくれる、現実的なアドバイスが書かれている。例が具体的でそういう考えもあるなと納得感はある。
しかし著者の言うことの表面的な部分を鵜呑みしてはいけない。
こんな考えの人ばかりになったら世の中どうなってしまうのかと思う。
他人が作った人生ではなく、自分の人生を歩むことが重要ということだと読み取った。
自殺者が増加し続けている現代社会に対して警鐘を鳴らしている点では著者の狙い通り。
気に入ったところ
・成否が相手にかかっているものより、自分の努力で手に入れる成功の方が貴重(p43) -
Posted by ブクログ
ネタバレ精神科医の香山リカの本
ひとの「じぶんをわかってもらいたい」という欲求のもとに起こる、
様々な現代社会の心の問題を解いている。
・SNSに振り回され、見て傷つくのに止められない。
それが本当かウソかも分からないのに一喜一憂して、自分を追い込んでいく
・女友達・親子での「わかって欲しい」「わかってくれるはず」の幻想
恋人やパートナーなら丸ごとの自分を受け止めてくれるハズ・・・なのに
理解してくれてない。(夫の方は以心伝心夫婦と思っている人が多い そうだが)
・わかってもらいたい願望から陥る 洗脳・霊感商法・占い・・・etc
自分自身が「自分をわからない」からこそ 誰かにそれを決めてもらい -
Posted by ブクログ
私もママになったばかりだから、ノンママ・ワーママどちらの気持ちもわかる。
ハラスメントについては結局「触れない」のが一番なのかな。。
自由でいいね、もダメだと思う。
「産んでみなけりゃわからない」という経験主義も非難しているけど、確かに経験してみないとわからないというのは一理ある。私も子供がこんなに可愛いとは、まさしく産まなきゃわからなかった。子供を産むまで、いつまでも「子供」の立場であるということも産んだからこそ実感している。自分が親になってから、親との関係も変わってきた。ようやく一人前と認められたような感じ。当たり前だけど、親は全員ノンママではないので、ノンママの気持ちは理解しづらいのだ -
Posted by ブクログ
雅子様自身のご容態よりも最近増えている新型うつというのが気になりました。
「つらくて仕事にはいけないのに、従来の鬱と違ってエネルギーがまたくなくなるわけではなく、趣味の活動など好きなことならできる」というような周りの人から見ると怠けてるだけじゃないかと思えるような状態。従来の鬱のように「自分が悪い。自分はダメな人間だ」というような思いにとらわれることもないらしく、むしろ、「自分は能力が高い」と思っている人が多いらしい。
従来の鬱でさえ怠け病だと誤解されることがあったのに、新型うつを理解してもらうのはむずかしいだろうなあと思ってしまいました。 -
Posted by ブクログ
本書の「キレる」とは、何年間も人を恨み続けたり、怒りにまかせて人を殺してしまうような精神病的な「キレる」とは違い、「ちょっと待たされたり肩が触れた程度で大声で怒鳴る」、「不当な要求が通らないことで異常に怒る」ような現象を指す。したがって今話題のモンスターペアレントもこの類である。本書前半では、このような分類を、症例を挙げながら説明する。後半では、なぜこのような事態になったのかをいくつかの仮説をあげて解説する。これによると、この現象は時代のスピードが生み出すストレスが起因しているそうだ。確かに納得できるが、これですべてが説明できるわけではないだろう。私は、豊かさとそれに伴う生命の根源的目的の喪失