【感想・ネタバレ】いまどきの「常識」のレビュー

あらすじ

「反戦・平和は野暮」「お金は万能」「世の中すべて自己責任」……。身も蓋もない「現実主義」が横行し、理想を語ることは忌避される。心の余裕が失われ、どこか息苦しい現代のなかで、世間の「常識」が大きく変りつつある。様々な事象や言説から、いまどきの「常識」を浮き彫りにし、それらを形作る日本社会を鋭く考察する。

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Posted by ブクログ

香山リカさんは、1960年生まれの精神科医。臨床の現場でカウンセリングをしながら、現代人に起きている変化を注意深く観察し、警鐘を鳴らし続けています。主な著書に、『ぷちナショナリズム症候群―若者たちのニッポン主義』(中公新書ラクレ)、『生きづらい〈私〉たち―心に穴があいている』(講談社現代新書)、『〈いい子〉じゃなきゃいけないの?』(ちくまプリマー新書)などがあります。◆『いまどきの「常識」』は、現代で「常識」となりつつある考えを、本当にそうなのか、と問いかけます。たとえば、「自分の周りはばかばかり」「結局お金がものをいう」「『平和』や『反戦』にとらわれるのは頭が古い証拠」などといった、現代社会で広がりつつある「常識」に危機感を持っています。◆禅の研究と実践の大家、鈴木大拙は、1960年代のテレビインタビューで、「(その当時の)現代の若者は何が問題か」と問われて、「自分で考えないのがいけない」と答えていました。豊かになり切った現代で、ますますそうなっているのではないでしょうか。(K)
紫雲国語塾通信〈紫のゆかり〉2006年8月号掲載

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2025年09月14日

Posted by ブクログ

いまどきの「常識」。香山リカ先生の著書。世間で常識とされていることが本当の意味での常識なのかどうか、常に疑いの目を持って考えることが必要。常識も非常識も紙一重。常識が非常識に変わったり、非常識が常識に変わったり、そんなことは日常茶飯事なこと。常識、非常識の枠にとらわれない自由な発想を忘れないようにしないと。

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2018年11月04日

Posted by ブクログ

かなり鋭い視線で世の中を見ている文書です。
しかしやや断定に足るだけの資料が提示されずに筆者の考えを語っただけ、という可能性もあって完全に信用しきれないという、いい勉強ができる一冊。

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2009年10月04日

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いまどきの若者は軟弱だなぁと思いながら読み進めてみたりするけど、いざ客観視すると、「自分のことだ」とハッとさせられる。

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2011年10月27日

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常識とは何でしょう。
お金、コミュニケーションなど、いくつかのテーマで、著者の思いが語られます。それに感心させられたり、共感したり、反論したくなったり。
自分の思いが頭をよぎり、読むのには時間がかかりました。
いろいろ考えるきっかけになり、満足な一冊でした。

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2011年02月11日

Posted by ブクログ

香山リカの本は読んでいて気持ちが良いです。すぱっと私がもどかしく思っていた事を言い切ってくれます。
香山リカの視点、考え方と、私の考え方は似ていて、共通点が多いことから共感が出来るのですが。
どうも、世間では彼女に対するバッシングが多いようですね……。
彼女はまともな考えを持つ人間だと思うのですが、それはさておき。

「B型人間は自己中心」だの、「平和」「反戦」思想は今やタブーだのとか……鋭く突っ込んでいきます。

そういえば私の親友はB型ですが、とんでもない! 真面目なタイプで、約束もきちんと守ろうとする人ですよ。
自己中心というのは、確かにB型にも当てはまりますが、A型、AB型、O型にだって自己中心は当てはまりますよ?
B型だけを非難するのは大間違いだ、と香山リカは懸念を示しています。

そういった突っ込みをしてくれるので、読んでいて気持ちが良いです。
あくまでも、彼女は専門外のことで疑問を持ち、突っ込んでいるだけなので、それ以上の詳細は専門家にお任せ、ということでしょうか。

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2009年10月04日

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香山リカのエッセー。様々な現在の事象や言説に鋭く著者が切り込む。
では一体どうしたらという所にまで至っていないが、数々の問題・疑問点の指摘は鋭い。
今まで数冊香山リカの著作を読んだが、この本は一番のお薦め。

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2009年10月07日

Posted by ブクログ

世の中で「あたりまえ」になりつつあることを、本当に正しいのか?と問いただしている本です。はっとさせられる。筆者さんの意見の展開の仕方が、分かりやすいのにおしつけがましくなくてすばらしいと思う。世代関係なくおすすめしたい本です。

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2009年10月07日

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これは、外れではない。
思想的に近いというのもあるのかもしれないが。

国を愛していればいいってもんじゃないものね。そういう多様な見方をしてもいいということを示す。

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2009年10月04日

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基本的に、こういう発想が好きなんです。常識、前提となっていることを疑う。私のテーマでもあります。元気がないと難しいけど。

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2009年10月04日

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20年前に書かれたものであるが、今でも十分通用する「いまどきの常識」。
6章から構成されているうちの『仕事・経済篇』では、
現実にそぐわなくなっているという憲法問題にも絡め、「現実」とは絶対的な絶対的な価値を持ち、何よりも優先すべきものなのだろうか、と。
『国家・政治篇』では、
かつて「国益」=国民の利益と安全だったはずが、いまでは国家の利益とすり替えられているのでは、と。
『社会篇』では、
反抗する若者が少なくなったことに関して、政治家や政府、あるいはマスコミなど権力を持つものに、疑問を持たずに感謝することには、気をつける必要があるのでは。偉い人に利用されている、いつの間にか支配され、自由を奪われているのではないかと、疑ってみる眼は持っていた方が良いのでは、と。
『メディア篇』では、
20年前に書かれたものなのに、現代を批評するかのような文章に出会う。
「『外国人、精神障害者は犯罪予備軍』、『個人主義の行き過ぎをやめて、国を愛する心を育てよ』などと言った強い主張や過激な意見ばかりが勢いよく語られている」なんて、まさに現代のことだろう。
さらに、「不変であるべき自分の価値や基本姿勢がすたれ、現実重視が多数派になったのはいつからなのだろう」と、述べている。

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2025年10月21日

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精神科医なりにちょっと斜めからものを見ている様な印象も受けるが、特に大学内の風景等納得できる点が多い。
「就労意欲を高めるためのキャリア講義が、逆に「絶対ムリだ」と負の確信を強める結果になってしまった」というところが、笑える様で笑えない。
全体を通じて、著者が色んなところでバッシングを受ける理由も分からないではないが、私自身は嫌いではない。

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2014年09月16日

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個人の強さを中心に据えた最近の「常識」に対して、社会や価値の多様性、連帯といったものが本当に時代遅れなのか?を問うています。幾分の揺れ戻しはあるものの、その流れは事実。ただし、それでよいかは別問題。

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2011年06月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

[ 内容 ]
「反戦・平和は野暮」「お金は万能」「世の中すべて自己責任」…。
身も蓋もない「現実主義」が横行し、理想を語ることは忌避される。
心の余裕が失われ、どこか息苦しい現代のなかで、世間の「常識」が大きく変わりつつある。
さまざまな事象や言説から、いまどきの「常識」を浮き彫りにし、日本社会に何が起きているのかを鋭く考察する。

[ 目次 ]
1 自分の周りはバカばかり-人間関係・コミュニケーション篇
2 お金は万能-仕事・経済篇
3 男女平等が国を滅ぼす-男女・家族篇
4 痛い目にあうのは「自己責任」-社会篇
5 テレビで言っていたから正しい-メディア篇
6 国を愛さなければ国民にあらず-国家・政治篇

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2011年04月28日

Posted by ブクログ

香山リカのエッセー集、のようなもの。いまや常識となっているような30の「常識」に対して、時には皮肉も交えながら、疑問を投げかける。エッセー集(のようなもの)なので電車でも気楽に読める。

全体を通して感じることは、住みにくい世の中だなあということ。別に政治、経済の状況がまるっきり異なる過去と比較して言うわけじゃないんだけどさ。特に印象に残ったのはジェンダーフリーに言及した「男は男らしく、女は女らしく」。あまり聞かない論調で新鮮だった。

政治に関してはあまり言及したくない。本人だって、おそらく気楽に書いてるんだし、そうした本に向かってあーだこーだ言ってもしょうがないでしょうに。ただ敢えて一つ言うならば、右だ左だと罵り合っては思考を停止させてしまうような世の中にはなってほしくない、ということです。
(2006年04月08日)

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2010年08月02日

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小論文の模試に出題されていてびっくりした覚えがあります。
あと、聞くところによると内容的には色々賛否両論があるみたいですね。

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2010年01月24日

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常識と言われているものに対しての著者の疑問、警告。
全体を通して共通して言えると思われることは、
現代の日本人は若者に代表されるように
自分という概念が非常に狭く他人の立場に立つということが苦手ということ。
またまず現実ありきで考える癖があって、
理想や理念に合うように現実を変えていこうという線ではなく
現実に合うように理想や理念を変えていこうという線が濃厚。
確かに自分はどうだったかということを考えてみると
一見自分の意見を持てているようで実はメディアなどによって流されていたかもしれないと思った。

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2009年11月29日

Posted by ブクログ

 いまどきの「常識」をよくよく考えてみると、そこにいまの社会そのものがが表れていることがわかる。権力や財力を持っていない「得をしていない人」までが自己責任を語るのは、問題を個人的次元に矮小化することで「現実を見据えて深く考えること」の厄介さや恐ろしさに向き合わなくて済むし、「私はこうではない」と、とりあえずは自分の身の安全を確保できるからだ、という。社会の中になんとなく広がる「足並みをそろえること」にも不気味さを感じる。「人は、自分が信じたいことしか信じない」という心理学的な特性や、「ひとつのこと、とくに身近なことを考え出すと、もうほかのことには目が向かない」という最近の傾向も興味深い。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

近年、当たり前となりつつある
いまどきの「常識」、新しい社会のルール
に対して、「コレっておかしくない?」
と問い掛けた本。

現実主義の項では、
「(略)誰かが捩じ曲げた現実や既成事実に無理やり自分を合わせる、という人生を生きなければならない。しかし、(略)最低でも「これっておかしいんじゃないか」と疑問を持つことは許されるだろうし、あまり理不尽さを感じるときは「やっぱりこんな現実、おかしいよ」と現実を否定して声をあげることだって当然、あっていいはずだ。」
(P.45)と言う。

「当然」だと思っていたことが、
本当にそうなのかな?と思えるようになった。
その意味で、目が覚める想いがした。


《目次》
1 自分の周りはバカばかり
 ―人間関係・コミュニケーション篇―
2 お金は万能
 ―仕事・経済篇―
3 男女平等が国を滅ぼす
 ―男女・家族篇―
4 痛い目にあうのは「自己責任」
 ―社会篇―
5 テレビで言っていたから正しい
 ―メディア篇―
6 国を愛さなければ国民にあらず
 ―国家・政治篇―

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

『「ゲーム脳」にしても「テレビは子供に危険」という提言にしても、信じる人はその科学的根拠や正当性など、実はどうでもいいのかもしれない。自分がなんとなく「あやしいな」と思っていたことが、専門家によって裏づけされた。「やっぱり私は正しかったのだ」という快感はあまりに大きく、たとえその後で「科学的に正しくないことが明らかになった」と発表されても、もはやそれを受け入れることはできないのだろう。』
ただ序盤にある『「私は、その病気になったことがないので、患者さんの気持はわかりません」』と回答する学生の言葉を『自分とは少しでも異なる立場や状況にある人の心情を想像する気が、はじめからないのである。』と解釈するのは、精神科医としてどうなのか。
他人の苦しみに対して、それを味わったこともない人間が想像だけで同情することを偽善として激しく嫌うのは若者の基本的な特徴だと思うのですが・・・。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

「常識」とはなにか?
この本によれば、わたしも常識外になる。
常識外の人が多ければそれが常識となるのか。
この人の本はずばずば言いすぎてて疑うところが多々ある。
さすがに批判されているだけあります。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

精神科医の香山さんの著書

いまどき、よく言われるような議論がつれづれなるままに書かれている。

自分の周りはバカばかりなどよく議論いわれる話である。

香山さんは大学でも働いているがそこで接する学生達を見て、今の若者は何を考えているのかをいろいろ考えているようだ。

いわゆる若者論の一冊としては面白いが、目新しい内容はあまりないのでササッと流して読むのがいいです。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

この本を最初に見たのは、流行からあまりにも遠い
大学の老教授が持っていたときでした。
珍しいと思って大学の帰りに買って読んだら、いつのまにか電車を乗り過ごしてしまいました。
とにかく、ワイドショーぶっ飛びの本です。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

香山リカ先生の本ね。
言い方が少々まわりくどいので
もっとストレートに言えばいいのに、と思う。
まあそうしたら批判されるのは目に見えているが。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

今当たり前だと思われていることに疑問を投げかけてた。よくよく考えてみれば、私の今考えてることもテレビや本を通して伝わってきたものの影響を受けてる。だから、それは本当に正しいのか、そんな考え方をしていてもいいのかって思うと確かじゃないんだよね。「常識」が本当に正しいのか、それは本当に自分の考えでただ流行にのってるわけじゃないって言えるのか考えてみた。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

 語り口は易しいから読みやすいけれど、読み進めるほどに頭を抱えてしまう。「後はそれぞれが考えてね」みたいに問題ばかり提起されて、考えなくてはならない課題が山ほど増えてしまった。「『平和』という言葉を口にした途端に思考停止になる」という部分には納得。

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2022年11月20日

Posted by ブクログ

ちょっと前からいろいろ話題になってる事柄についてつらつらと。権力のある人・なんか勢いのある人・大勢の言うことがそのまま「よい」「そのとおり」ってなってる傾向にある世の中だけど、それが正しいとはかぎらないし、当てはまらない人もたくさんいるよねっ。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

精神科医で大学講師、執筆業やコメンテーターもこなす香山リカさんが疑問に思ったいまどきの人間関係、仕事、社会、メディア、国家などの「常識」とされていることについて述べた本。「ああ、そうそう。そうだよね!」と思うことも、「それはちょっと違うんじゃないの?」と思う事もあり、リカさんの目と比較することで自分の考えも浮き彫りにできます。内容も主張も平易で読み易いです。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

「常識」は知らぬ間に意識の底で根付いてしまうもの。時々、周期的に何でも疑ってかかってみるとよいかも。

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2009年10月04日

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