あらすじ
その数、なんと1900万人!「第2次ベビーブーマー」「団塊ジュニア」と称される一群を含む70年代生まれ、いま20代後半から30代前半の彼らは、ひそかに「貧乏クジ世代」とも揶揄される。物心ついたらバブル景気でお祭り騒ぎ。「私も頑張れば幸せになれる」と熾烈な受験戦争を勝ち抜いてきたが、世は平成不況で就職氷河期。内向き、悲観的、無気力……“自分探し”にこだわりながら、ありのままの自分を好きになれない。「下流社会」「希望格差社会」を不安に生きる彼らを待つのは、「幸運格差社会」なのか?
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Posted by ブクログ
私たち世代って、豊かな環境で恵まれて育ったなぁと感謝しつつも、環境問題やら、年金やら、少子化とか上の世代から押し付けられている問題も多く理不尽だよなぁとか考えていた。。。でも、香山さん曰く、80年代は静かな貧乏クジ世代。真の貧乏クジ世代は70年代生まれの人たちとか。
とにかく、みんな自分って不幸なんだなって考えていることに驚いたし、みんな自分がかわいくて仕方ないんだね。私はその考えから抜け出そうかと思うのです!
香山さんがカウンセリングなどを通して得た情報が元となっているので、生々しくもあるけど、納得な一冊です。
Posted by ブクログ
まさに該当世代の自分としては、出てくる例はあてはまることが多く、おもしろかったです。
世代的に貧乏クジを引いている、のは明らかな事実だと読後であっても変わることなく思います。
ただ、同じ世代は同じ条件なんだから、考え方をもう少し前向きに変えることはできるかもしれません。
で、同世代の人より、頑張ってる割に報われないなあ、と思ったら、
くらべない生き方
むくわれない自分を変える
等の本を読もう、かな。と(笑)。
結局自分の物事のとらえかたと、じゃあどうするか、という問題だと思いました。
Posted by ブクログ
ちょうど自分と同世代の人々について著された本です。
「第2次ベビーブーマー」や「団塊ジュニア」という言葉がほぼあてはまる
70年代生まれ、いま20代後半から30代前半我々を「貧乏クジ世代」と
揶揄するむきもあるそうです。
確かに、この世代は生まれたときからオイルショック、受験戦争、就職
氷河期と様々なイベントにおいて、そのピークを経験してきています。
生まれた瞬間から競争を宿命づけられているのでしょうか(笑)
この世代より少し上の世代はバブルを謳歌し、
この世代より少し下の世代は、少子化と景気回復から、そう過酷な競争
環境にさらされなくなっており、
過酷な競争にさらされ続けるのはこの世代だけでは?
というような分析がなされつつも
被害者意識、自己憐憫に駆られ始めているこの世代に向けてエールが
おくられています。
強く生きなければ・・・
Posted by ブクログ
香山さんの最新本『貧乏クジ世代』を布団の上でゴロゴロしながら読みました。
貧乏クジ世代=団塊ジュニア世代(1970年代以降の人々のこと。現在の20代後半から30代前半)。
団塊のジュニア世代とは、バブル崩壊直後くらいに社会出た人たち。
この世代の特徴を現代社会の様々な現象に照らし合わせて挙げています。
たとえば「自己啓発系の本」を読みたがるのは、この世代の人たちが、
少し前の学園紛争など不満を社会に吐き出していた世代と違って、
「個性」だとか「自己実現」だとか言われるようになったちょうど初期の頃で、
視線が社会から個人の内へ内へという内向き志向が強いためなんだとか。
さらにちょうどバブルが崩壊し、職もない、いまさら社会に目を向けて、
自分たちの力で変えようにもどうしていいかわからない、
そんな宙吊り状態が拍車をかけている。
また、内向き志向はさらに「血液型」や「守護霊(『オーラの泉』とか?)」といった超越的なものにすがる傾向に現在は強くなっているそうです。
この世代に限らず、現代の若者たちは、社会的地位や富から安定した生活を求めるといった香山さん風に言うと「超安定志向」が強まっているとか。
(まさに、今年の発表でやったところですね!)
不況・雇用環境悪化・将来不安という不運な日本社会(=貧乏くじ)の中で、
あきらめに近い感覚から、安定した生活さえ送れれば、という考えが高まってきているのだと。
浅田真央、安藤美姫、宮里藍、綿谷リサといった同世代の活躍は、
成功者に嫉妬することもなく、素直にその成功を喜び、
どこか遠い世界のことだと感じていて、自分は「安定でいい」と考えている。
「オレはビックな人間になる」と豪語していた時代はいつぞや・・・と。
(この辺は『下流社会』に通じるところもあるのかしらね。)
格差が広がり階層化が進みつつある日本社会だけど、
自分の置かれた環境を恨まず、もちろん恨んでしまうのも仕方ない
様々な外発的要因はあるけれどもさ、肩の力をすっと抜いてポジティブシンキングで行こうよ!
ってな感じの本でございました。
Posted by ブクログ
著者をテレビでよく見かける精神科医さんなので読んで見ました。
著者紹介に「時代の流れをみごとに切り取ることで知られ」とあるように、世相をぶった切るのに長けています。
1970年代生まれの団塊ジュニアを貧乏クジ世代としています。
ただ、特殊事例をさも一般論であるかのように屁理屈をこねる論は、読んでいて不愉快です。ひかれた事例が針小棒大に過ぎるので笑っちゃいました。
著者が今イケイケドンドンの政治家をしたり顔で批評していたら、当の政治家に「一回も面談もしたことがないのに僕のことを病気だと診断してたんですよ。そんな医者あるんですかね。患者と一度も接触せずに病名が分かるなんて。サイババか!」ってツイートされてました。
印象に残った文はありません。
Posted by ブクログ
まさに「貧乏クジ世代」の一人です。
受験戦争は高校も大学も大変だった!
就職も大変だった!
会社入ったら、ボーナスも出ず給与体系は毎年改訂される有様…。
おまけに下はなかなか入ってこず、入社から数年はずっと一番下のまま。
でもだからって別に貧乏クジ引かされた、とは全く思っておりません!!踏まれても踏まれても立ち上がる雑草魂を持った最後の世代ですよ!!
バブルを経験した世代は、その幻影が未だちらつくだけに、現状とのギャップに相当苦しんでいるはず。こんなはずじゃなかった、と思っているのは実はバブル世代だったりするのでは?
僕ら、最初からこんなもんだ、と思っているからはっきり言って人並みの生活ができていれば痛くも痒くもないのだよ!
それから最終的に日本の命運を我々「貧乏クジ世代」に押しつけられても困るのです。
ちゃんと各世代で責任を持ってケツを拭いてくれ!
ちょっと、分析甘いと思います。
Posted by ブクログ
あ、つまり私の世代のことね?って感じで読んでしまった。精神科医という立場から、社会の情勢などを踏まえてよく分析されていると思います。ホントかどうかわからないけど、同世代の人がこんなふうに考えているのかぁと、勉強になりました。
そこからどうするのか、と。ま、やるしかないっしょ。
Posted by ブクログ
世代論は難しい。その世代が自ら語るのは一法だけれども、実のところ一番大事なものを見逃しがちになる。別の世代から語れば、当事者には響き難く、また世代間の確執や憧憬が邪魔をする。香山リカさんが精神科医であるがゆえに、読者からの視線の屈折は強くなる。何か、誰もが納得するような分析をしてくれて、人生の処方箋をさらさらと書いてくれるような期待のもと、この本を読まれてしまうと、あまりにハードルが高いというものです。
他の著作などとあわせて読むと、香山さんの最近の方向性は、こんな感じです。
「若い世代が社会と上手くやっていけない状況は、本当によく分かるけれど、でもそれでも社会と向き合っていかなくちゃならないんだよ。私たちの世代は、そうやってきたんだもの」。
こう括ると、香山さんは、誤解です、と言うでしょうけれど、そういったメッセージが受け取れるのです。社会に向かい合っていかなきゃならないのは、たしかにそうだし、精神科医だからといって「がんばって」禁止というわけではないのですけれど。
さてこの本で述べられていること、香山さんでなければ出版され陽の目を、見ることは無いし、かといって彼女が書くと反発されてしまう。どうしたらええねん、と悩む内容なのです。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
その数、なんと一九〇〇万人!
「第二次ベビーブーマー」「団塊ジュニア」と称される一群を含む70年代生まれ。
いま二十代後半から三十代前半の彼らは、ひそかに「貧乏クジ世代」とも揶揄される。
物心ついたらバブル景気でお祭り騒ぎ。
「私も頑張れば幸せになれる」と熾烈な受験戦争を勝ち抜いてきたが、世は平成不況で就職氷河期。内向き、悲観的、無気力…“自分探し”にこだわりながら、ありのままの自分を好きになれない。
「下流社会」「希望格差社会」を不安に生きる彼らを待つのは、「幸運格差社会」なのか。
その数1900万人!70年代生まれに幸せは訪れるのか?
「第二次ベビーブーマー」「団塊ジュニア」と称される一群を含む70年代生まれ。
自分探しにこだわりながら、ありのままの自分を好きになれない「貧乏クジ世代」の彼ら。世は平成不況で就職氷河期。
「下流社会」「希望格差社会」のこの時代、彼らを待つのは「幸運格差社会」なのか・・・。
[ 目次 ]
第1章 哀しき「団塊ジュニア」、七〇年代生まれの現在(「これまでよかったから、もういいことはない」―未来志向になれない人びと 「心の内を相手に伝えないこと」を「やさしさ」と考える男がふえている この時代に生まれて「いちばん割を食った」と思っているのはだれか? “カラダだけの三十歳”と“ココロは三十歳”―団塊の世代と団塊ジュニア)
第2章 「貧乏クジ世代」の法則(“幻想の自分”と“現実の自分”―悩んでいるのはその落差? 世の中に向けられるべき視線がなぜ“オカルト”に向かうのか? 「ケータイ以前」と「ケータイ以後」、どちらも知っているがゆえの葛藤 ほか)
第3章 「幸運格差社会」にしないための処方箋(「アンラッキーな世代」だとみずから宣言するのはやめよう 「ナンバーワンよりオンリーワン」を仕事にも求める潜在的な転職志願 はじめは食い違いが生じても、がっかりせずに会話を続けよう ほか)
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
香山リカってテレビでみかけるけど、どんな本を書いているんだろう?と興味がわいたので読んでみました。
貧乏クジ世代って、丁度自分たちの世代。
気になった言葉
「人は人、自分は自分」
「見た目は成功している人も、心まで幸福かどうかはわからない」
Posted by ブクログ
70年代生まれの人は損をしている!?
相手の怒りを引き出すとは、相手の心地雷を引き出したことなのでそこから深い話にもっていくことができる。
はじめは食い違いが生じてもがっかりせずに会話を続けよう。
相手から質問されるようだったらまだまだ順序よく話できてない。
他人が自分のことをすぐに理解してくれなかったとしても、それはその人がだめな人間、つまらない人間だからではない。はじめは「わかってくれなくてあたりまえ」なのであって、がっかりせずに、そのまま会話続ける。コミュニケーションの基本である。