香山リカのレビュー一覧
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「わかってもらいたい」は、現代人の心の病であるとともに、人間の持つ固有の病でもあると思われ、興味深く読めた。前半は最近の心理的な病の概論で面白くなかった。太宰治と心中した女性たちの心を著したところあたりから、具体的で面白くなった。▼「共依存性はエスカレートする」「無条件に支えてほしいというワガママ」「わかってもらいたい願望は捨てられない」「大切なのは親身になってもらえたかどうか」「極端に傷つきやすい若者たち」「従来のモデルでは説明不能、解離性モデルへ」「他人に自分を統合してもらいたい」、等のサブタイトルが現すとおりの内容である。▼霊感ビジネスや新興宗教が流行り、自分の判断をそれらに委ね、精神の
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ネタバレおなかの大きい妊婦さんに対して違和感を感じてしまう。
ノンママに対する言葉のハラスメント(子供はまだ?・子供を産んで一人前・子供がいない人にはわからない)
「子供がいなくて本当に良かったです。」と答えるノンママはほとんどいない。
自分自身でもノンママであることに後ろめたさや後悔を持っていることが少なくない。
山口智子さんの発言に対する共感 Flau 2016年3月号
「私はずっと、子供を産んで育てる人生ではない、別の人生を望んでいました。
今でも、一片の後悔もないです。夫としっかり向き合って、二人の関係を築いていく人生は、本当に幸せです。 」
ママタレブームも、子供のいないノンマ -
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香山さんの主張は、理論的構築はいつも雑(というのか想定しいるのか謎)ですが、病院での診察やメディアで流布されている言説などから経験的に導きだす意見は、現代の問題の本質をさっとひと突きしているような鋭さをときどき垣間見せるという印象がある。
この本では、恋愛にのめりこむことで他の生活や仕事や趣味は充実しているはずなのに自分は不幸だと陥ってしまう現代女性の悩みの増加、日本人は水に流す性格といわれるが幸せは思い出せないのに辛いことばかり記憶しているという傾向、パンのために働いてはいるだけではダメのか、生きている意味など分かるのかなど、すごく現代の人が囚われていることに対してもっと自由になって「こただ -
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様々な事情で子を持たなかった女性達の、葛藤や主張が著者の経験や考えを交えながら書かれています。
私はこの中でいう子供を持ちたくない、と選択した「ノンママ」に属する。
今まで一度も子供を持ちたいと思ったことも、子持ちの人生を羨んだこともない。
そのため第4章の自己肯定できないノンママの部分意外は、実体験を思い浮かべ頷きながら読み進めていた。
そして一番衝撃的だったのがノンママはいつまでも「子供」のままである、ということ。
これは今まで考えたことが無かったし、書かれているエピソードも自分に当てはまるものだったので正直とても落ち込んだ。だが、だからといって子供を持とう、とは思わなかった。
全体を通 -
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■精神科の診察室では「どう話すか」よりも「どう話さないか」ということに何倍もエネルギーを奪われることが多い
・同じ医者でも精神科医以外の人は「黙って聞く」というのが苦手な人も多い
・患者を一番安心させる「共感」の最適の表現
■難解な思想書の「シロ難」と「クロ難」
・背表紙が白いか黒いか
・みすず書房系は「シロ難」,講談社は「クロ難」
■今どきの若い会社員は職場に「好き,嫌い」といった人間関係の問題をすぐに持ち込んだり,容易に「傷ついた,嫌われた」と思いこんだりする傾向がある
■ライオン株式会社の2012年4月の調査によれば,新入社員時代(入社1年未満)にプレッシャーを感じた上司からの言葉,上位