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Posted by ブクログ
「弱者切り捨て」のグローバリズムに席巻された新自由主義の潮流の中で、「自由と公正を柱とする福祉国家」のモデルは崩壊してしまうのか。
「弱者にやさしい社会」が失われつつあることを危惧する著者が、精神科医としての実体験も交えながら「『神なしのヒューマニズム』は果たして可能か」「なぜ、弱者を救わなければならないのか」と問う。
「大きな物語の終焉」に際して、「新しい物語」を求める社会の要請に応えられなかった自身を含む「リベラル派知識人」の不作為責任を指摘する第3章は必読。当時「わかってくれるクレバーな人にだけわかってもらえればよい」という著者が抱いた印象は、そのまま日本の教会が固持してきた姿勢にも適用できる。
小樽で教会学校に通い、キリスト教にも親近感を覚え、教会にもたびたび足を運びながら、洗礼を受けることには抵抗を感じてきたという複雑な胸の内が読み取れる。
著者自らが導き出した最後の結論は、実にシンプル。「弱い人や困っている人を救うのに、理由なんて何もない」。(松ちゃん)
Posted by ブクログ
はじまりは前橋市に届いた伊達直人のランドセル。最終的には、全国で何千人もの伊達直人が現れ、恵まれない子供たちのため善行に走った。最初にランドセルを贈った伊達直人は決してお金に余裕があったわけでもない。不幸な境遇にある子供たちの力になりたいとの一心に突き動かされての行為であったという。東北大震災では車椅子の女性を助け、自身は津波に流された女学生もいた。本書では精神分析、思想、経済、様々な視点からわが身をさしおいても弱者を救済する行動について論考する。あとがきには社会的公正や恵まれない子供たちのため世界を飛び回るドゥダメル氏の言葉が引用されている。「弱い人や困っている人を救うのは自然で当然のこと。理由などない」。けだし胸いっぱいに広がる清しい名言である。
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