中島義道の作品一覧
「中島義道」の「怒る技術」「働くことがイヤな人のための本」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「中島義道」の「怒る技術」「働くことがイヤな人のための本」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
人間の心のうちに潜む差別感情について、哲学的に考察した一冊。差別問題を考えるにあたって、必読である。
外形的制度による差別が廃されて尚、差別問題が一向に解消しない要因を人間の心に求め、「不快」「嫌悪」「軽蔑」「恐怖」などの感情を丹念に分析する試みが興味深かった。他者への否定的感情及び自己への肯定的感情が絡み合い、差別感情が作り上げられていくということが理解できた。
著者は、人間が差別感情を抱くこと自体は自然であり、寧ろそうした感情の統制に走るべきではないと示している。それを前提とした上で、如何に差別感情に自己が向き合うかを問うているスタンスに共感した。
著者が差別感情への対処において、カ
Posted by ブクログ
昨今、「差別」を巡る言説はその数を増やし、社会は差別を根絶する方向へ(徐々に、時には逆行しつつも)向かっているように感じる。政治的、社会的な運動はその顕著な例だろう。こうした傾向に対して、例え保守的なイデオロギーを内面化しておらずとも、違和感を感じるものは少なくないのではないか。すなわち、そうした運動によって差別は本当に解消されるものなのか、寧ろそうした耳障りの良い言説の中で排除されている者がいるのではないか、という問題がここで浮かび上がる。
差別とは、制度的な改革によって完全に解消されることはなく、ともすれば我々の認識、ひいてはあらゆる行為にまで根付いたものではないか。
筆者は、このような忌
Posted by ブクログ
哲学者中島義道さんの本。タイトルに惹かれて読んだけどはちゃめちゃ難しかった!ら、最後のあとがきでまさにその通りのことを中島さんご自身が書かれていて、さすがだなと思ってしまった。
哲学とは何か、がすごくよく分かる。複雑だしまどろっこしいし、すごいややこしいけど、でも言わんとしていることは分かる。何よりも同じ感覚を持っている自覚があるから、死に対してこういう考え方が出来るのかっていうのはすごく面白かった。永遠と紙一重の死。
哲学っていうのは逃れられないものから自分を救うために全てを細かく言葉にして解明していくことなのか。それはやっぱりスピリチュアルとか心理学とは違う、全く別の学問だよなと思った
Posted by ブクログ
中島義道の読者の平均像は知る由もないが、想像するに中島本人とは似ても似つかぬマジョリティの一員を自認する人がほとんどではないか。麻木久仁子の解説を読んで、自分もまた似たような感覚で中島本と対峙していると感じた。
本書の刊行から十数年が経ち、当時よりも個人が尊重され世間の圧力が減退しているところも多い(特に男女の関係にまつわる箇所は今なら活字にするのをためらうのではないかと心配になるような記述も散見される)。
しかしその反面、バラバラとなった個人を束ねるルールや絆、優しさ等の同調圧力はかえって増しているのではないかと気になる場面も増えている。このあたり著者の感想を聞いてみたい気もする。
マイノリ