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人間は一人でいることはできない。といって、他人と一緒にいると不快なことだらけ――。「人間嫌い」のための、居心地のいい人間関係のつくり方とは。哲学者が、カントの言葉「非社交的社交性」を手がかりに、哲学、日本、若者を考えるエッセイ。(講談社現代新書)
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Posted by ブクログ
同じ著者が書いた本の中では、最も明るい展開であった(過去を清算し、割り切った感じがする)。「あとがきに代えて」だけでも読む価値があり、思い当たる人に勧めたくなった。
後半、著者の主宰する塾に通う若者達の生態が事細かに紹介されるが、そこが本書の読みどころだろう。おそらく発達障害と絡めて語られることが多そうな人々であるが、この本では一切そのフレーズは出てこない。「哲学に取り組むにふさわしい生きづらさを抱えた(今どき珍しい)若者たち」ととらえ、著者自身半ば呆れつつも正...続きを読む面から向き合う姿はユーモラスでありながら、少し崇高さを感じもした。
『差別感情の哲学』で著者について興味を持ったため、手に取った作品。 前半は著者の人生を振り返りつつ、非社交的社交性(カントの言葉、「人間嫌い」ではない)について著している。 後半は著者が主催する「哲学塾」での、現代若者(中高年も一部含むが)の生きにくさを多数のエピソードを使って著している。 全体的...続きを読むに意外と取っつきにくさがなく、エッセイのような感じでスラスラと読み進めることができる。 面白いのは後半であり、20代の自分と随所に比較して読み進めた。登場人物の言動に対して奇怪だなと思う一方、自分としてもこのレベルではなくとも人との関わりで同様の行為をしてきたのではないかと省みた。自分勝手というよりも、自分が真に正しいと思うからこそ、彼らは奇怪な言動を起こしている。それがズレていることを学ぶのは、日々の日常生活における人間関係の中である。自分が正しいと思うだけでなく、人間関係を通じた自己批判の精神をもつことが社会で生きることに必要不可欠である。一人で生きるにはこの社会は難しい、割りきった人間関係を構築することが必要なのではないか。
P80 自由意志 「現実には、ただそのつどさまざまな行為Hが生じているだけである。だた、Hが災いだとみなされる瞬間、ここに報復の図式が被せられ、Hを引き起こした者はHを思い留まることもできたはずだという図式が描かれる。自由意志とは、人間の強迫観念から生まれた壮大なフィクションなのである。 」
「確かに人を傷つけることは悪である。だがわれわれは、残念なことに、いかなる場合も誰一人として傷つけずに生きることはできないのだ。とすれば、「心の弱い人」はいかに人から傷つけられても、それを跳ね返して生けていけるだけの「強さ」を身につけるように自己鍛練すべきであろう。」 「「善意だらけ」の状態を演技...続きを読むと知っているうちはいいのだ。だが、善意の演技はいつの間にか当人を酔わせ、真実を見えなくさせる。そして、真実を語る人を排斥することになるのである。」 「じつは、すべての誇りは傲慢や軽蔑と紙一重なのである。あらゆる言葉は、語る人の個人的意味付与とは独立に、その社会における「普通の」意味(価値)を帯びてしまうのだから。」 「日本社会における大原則を言っておく。部下は上司の命令を受けたとき、それを自分がより有利になるように解釈してはいけないんだ。むしろ、いつも自分がより不利になるように解釈しなければならない。」 久々に読んだ中島義道さんの本。 あの、『常識なぞあえて外れろ』がモットーのように思える中島さんが、世間に溢れる『常識外れ』の若者に辟易して、非社交的な若者にも最低限そこだけは持っていてほしい社交性を説いた本。 何か権威たるものを持ち合わせていないものが、“その”振る舞いをすると、ただの不適合者にしか見えない悲しい日本。 ただ、日本の未来や彼らの未来など案じても意味がない。なぜなら、未来などないからである。
読む目的 中島さんの人となり、思想の元を知るため。 一言でいうならどんな内容? 中島さんの生い立ちや考えてきたこと、講義の体験談などを交えながら、大人になることについて語られている。 詳細 第1部 ご自身の生い立ちをもとに、人との関わり方、哲学への姿勢などが描かれる 第2部 講義にきていた人へ...続きを読むの対応などを交えながら、若者論、生き方論について、中島さんの持論が展開される。 心に留った点 引用 一抹の不安とともに、いままさに人生に船出しようとしているきみは、すばらしい可能性を秘めている。それは、きみは希望を捨てずに努力をすれば何でもできるという無責任な激励ではなく、きみがどう生きて行くかはすべて君の手中にあるということだ。 この意味で、サルトルとともに言えば、誰でも否応なく自由なのだ。 きみは自分の本質をそう決定し、それが人生を来ていると解釈した時点で、その責任はきみにある。 何が1人の人間の行為やあり方を決定するかは、じつのところまったくわからない。だから、どんな人でもどんな瞬間でも、「いままで」を完全に断ち切って新しいことを選べるのだ。 私が選んだのだと自分に言い聞かせる姿勢は、特別えらくもならないかもしれないし、金持ちにならないかもしれないけれど、強く柔軟で深みのある大人、すなわちよい大人になるように思う。
たまたま本棚に平積みしていたので、手にとった本。この分野の本をあまり読んでいなかったこともあり、興味深く読んだ。特に現在の若者像。生きにくさを感じて、社会に適応できない学生たちが、魅力的に描かれている。 タイトルの「非社交的社交性」という言葉は、カントの言葉のようだが、私自身ももう少し一般常識程度...続きを読むの哲学を知っておかねばいけないなと改めて考えさせられた一冊。
筆者が思いのままに自説を展開していく。中心テーマの1つに現代の若者の社交があり、彼らが抱える生きづらさをエピソード付きで描写する。 筆者は生きづらさを抱え、苦しむことで、人生について考えるようになることが出来るんだと言っている。苦しむ若者をそっと後押ししてくれてるように感じられ、また筆者自身が風変わ...続きを読むりであることもあり面白かった。
この本の肝は後半の「集団生活に溶け込めなかった人たち」のお話です。 講義中に突然どうでもいいことを延々と質問し続ける生徒、受講料を延滞しても取り立ててこなかった方が悪いと本気で信じる人たち、ルール化されれば守るけどルールにないことは何をやってもいいと思ってしまう事例、怒られても何に怒られるのかがさ...続きを読むっぱりわからないばかりか「なぜ怒られているのですか?何をすればよいのですか?」と聞く案件。 どれもこれも最近目立ってきた若者の行動ですが、羅列されると自分もどれかやってるのではないかと不安になってきます。 「状況を読むことを学ばずにある程度の年齢になった者は、それを挽回することは非常に難しい」という事実とどう向き合っていくのか、この本ではそこに触れられていないのですが真剣に考えなくてはいけないと思います。
第Ⅱ部に出てくる若者たち.協調性がない!との一言で片付けられるのが一般的だが、中島先生は「哲学塾」を通して彼らを指導してきた.素晴らしいことだ.程度はあるにしても、現代人の誰もが空気を読まない行動を取ってみたいと願望している.それをある意味で癒してくれる著作だと感じた.
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