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Posted by ブクログ
『差別感情の哲学』で著者について興味を持ったため、手に取った作品。
前半は著者の人生を振り返りつつ、非社交的社交性(カントの言葉、「人間嫌い」ではない)について著している。
後半は著者が主催する「哲学塾」での、現代若者(中高年も一部含むが)の生きにくさを多数のエピソードを使って著している。
全体的に意外と取っつきにくさがなく、エッセイのような感じでスラスラと読み進めることができる。
面白いのは後半であり、20代の自分と随所に比較して読み進めた。登場人物の言動に対して奇怪だなと思う一方、自分としてもこのレベルではなくとも人との関わりで同様の行為をしてきたのではないかと省みた。自分勝手というよりも、自分が真に正しいと思うからこそ、彼らは奇怪な言動を起こしている。それがズレていることを学ぶのは、日々の日常生活における人間関係の中である。自分が正しいと思うだけでなく、人間関係を通じた自己批判の精神をもつことが社会で生きることに必要不可欠である。一人で生きるにはこの社会は難しい、割りきった人間関係を構築することが必要なのではないか。
Posted by ブクログ
「確かに人を傷つけることは悪である。だがわれわれは、残念なことに、いかなる場合も誰一人として傷つけずに生きることはできないのだ。とすれば、「心の弱い人」はいかに人から傷つけられても、それを跳ね返して生けていけるだけの「強さ」を身につけるように自己鍛練すべきであろう。」
「「善意だらけ」の状態を演技と知っているうちはいいのだ。だが、善意の演技はいつの間にか当人を酔わせ、真実を見えなくさせる。そして、真実を語る人を排斥することになるのである。」
「じつは、すべての誇りは傲慢や軽蔑と紙一重なのである。あらゆる言葉は、語る人の個人的意味付与とは独立に、その社会における「普通の」意味(価値)を帯びてしまうのだから。」
「日本社会における大原則を言っておく。部下は上司の命令を受けたとき、それを自分がより有利になるように解釈してはいけないんだ。むしろ、いつも自分がより不利になるように解釈しなければならない。」
久々に読んだ中島義道さんの本。
あの、『常識なぞあえて外れろ』がモットーのように思える中島さんが、世間に溢れる『常識外れ』の若者に辟易して、非社交的な若者にも最低限そこだけは持っていてほしい社交性を説いた本。
何か権威たるものを持ち合わせていないものが、“その”振る舞いをすると、ただの不適合者にしか見えない悲しい日本。
ただ、日本の未来や彼らの未来など案じても意味がない。なぜなら、未来などないからである。
Posted by ブクログ
読む目的
中島さんの人となり、思想の元を知るため。
一言でいうならどんな内容?
中島さんの生い立ちや考えてきたこと、講義の体験談などを交えながら、大人になることについて語られている。
詳細
第1部 ご自身の生い立ちをもとに、人との関わり方、哲学への姿勢などが描かれる
第2部 講義にきていた人への対応などを交えながら、若者論、生き方論について、中島さんの持論が展開される。
心に留った点
引用
一抹の不安とともに、いままさに人生に船出しようとしているきみは、すばらしい可能性を秘めている。それは、きみは希望を捨てずに努力をすれば何でもできるという無責任な激励ではなく、きみがどう生きて行くかはすべて君の手中にあるということだ。
この意味で、サルトルとともに言えば、誰でも否応なく自由なのだ。
きみは自分の本質をそう決定し、それが人生を来ていると解釈した時点で、その責任はきみにある。
何が1人の人間の行為やあり方を決定するかは、じつのところまったくわからない。だから、どんな人でもどんな瞬間でも、「いままで」を完全に断ち切って新しいことを選べるのだ。
私が選んだのだと自分に言い聞かせる姿勢は、特別えらくもならないかもしれないし、金持ちにならないかもしれないけれど、強く柔軟で深みのある大人、すなわちよい大人になるように思う。
Posted by ブクログ
この本の肝は後半の「集団生活に溶け込めなかった人たち」のお話です。
講義中に突然どうでもいいことを延々と質問し続ける生徒、受講料を延滞しても取り立ててこなかった方が悪いと本気で信じる人たち、ルール化されれば守るけどルールにないことは何をやってもいいと思ってしまう事例、怒られても何に怒られるのかがさっぱりわからないばかりか「なぜ怒られているのですか?何をすればよいのですか?」と聞く案件。
どれもこれも最近目立ってきた若者の行動ですが、羅列されると自分もどれかやってるのではないかと不安になってきます。
「状況を読むことを学ばずにある程度の年齢になった者は、それを挽回することは非常に難しい」という事実とどう向き合っていくのか、この本ではそこに触れられていないのですが真剣に考えなくてはいけないと思います。
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