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Posted by ブクログ
幸せでいるために幸せを求めることが、かえって不幸にしてしまうのではないか、そのようなことを考えてしまうような内容であった。人間は何らかの形で不幸に陥ってしまう。どんな工夫や努力をしたところで、生きている間に思わぬ事態にぶつかってしまう。そんな理不尽な世の中で、人間は本当に幸せでいられるのか。著者は幸せのあり方を追求する。しかし、いくら考えたところで、結局のところ、幸せは訪れない.。幸せをもとめることが、人をより不幸へと追いやってしまう。哲学者である著者は、古代と中世の哲学者は、「死」について真剣に考えると評価する一方で、現代に近い哲学者の幸福論には納得がいかないという。何人か哲学者を一部抜粋して、著者は不幸であることがむしろ良いのではないかとという結論を出す。不幸を受け入れることが、人生をより楽な方向へと転換できる。幸福=良いというのも、ある種の価値観の押し付けであり、相手を洗脳するような言いぐさかもしれない。このように、本書は、多くの人が無意識に共有する当然の考えに、著者が一石を投じた本であり、不幸であることが逆説的に人生を豊かにしてくれる。ある種の正義感を振りかざす者に読ませてやりたいと思わせる本であった。
Posted by ブクログ
脅しや絶望じゃなく、幸福なんてどこにも無いよという本。だって地球上の全存在が幸福じゃない限り、個人の感じる幸福はただのまやかしだから。何かを必死に見ないふりしてないと守れない砂上の楼閣、それが幸福。幸福なんてどこにも無いから、必然的にあなたも私も全員不幸。と、いうことをぐちぐち言っている面白い本です。
人は人生のあらゆる場面で選択をする。自分の欲望を満たすため、幸福を掴むために何かを切り捨て、踏みつけ、置き去りにして進む。それをちゃんと憶えている限り、幸福は無いのだ、と。
こんな本当のことを言ってしまう人はそりゃ煙たがられることだろう。王様は裸だよ!と告発する空気を読まない大人。それが中島さん。私は読んでいて落ち着くし、少し笑って、リラックスした気持ちになる。「幸福ではない自分」についてはどうでもいい。「不幸だが、味わい深い人生」を思え。
この本を当時編集したのが今のミシマ社社長、三島邦弘さんと知ってへー、と思った。
Posted by ブクログ
幸福なんて、薄っぺらいものだという考え方は良かった。
SNSの普及による、承認欲求の囚われや、流行という価値観の押し付けが蔓延る世の中。
いいね!をされること、流行の波に乗れていることは、確かに、幸福ではなく、息苦しいものだと思う。
しかしながら、幸福の条件を厳密にし、こうでなければ幸福ではない、みんな不幸だ、という、二値論理的な考え方はどうなんだろうか。
また、哲学者ゆえに、自分の考え方を世間とは違うという表現を使ったり、少数派だという希少性を用いつつ、意見の正しさをデータなどの根拠もなく伝えようとしているのは、今の時代如何なものか?とは思う。そこが、学問から抜け出せないところなのかもしれない。
内容全体として、納得いく箇所もあったが、上記の点で星3かな。
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