中島義道のレビュー一覧

  • 〈ふつう〉から遠くはなれて ――「生きにくさ」に悩むすべての人へ 中島義道語録
    希望を持つようにになるわけがないが
    なんだか安心した。
    絶望していいんだ
    なにもかも捨てて、でもまた悩んで、そして苦しみの繰り返しの中で喘ぎ続ける…
    えんえん納得できない納得しない
    「それでいいんだ」と言わなく
    理不尽を凝視し
    繊細な精神を保て…

    でも言葉もまた絶望的に無力で無意味なものだ
    読んで...続きを読む
  • 反〈絆〉論
    中島義道氏3冊目。内容は想定、期待通り。
    「絆」は不可侵存在であり、私たちを縛る。当然のものとして存在し、時には暴力的な様相を醸し出す。
  • カイン―自分の「弱さ」に悩むきみへ―
    結局死ぬっていう大前提がある。だからその絶対的不幸に比べたら生きている間に起こることなんて問題じゃないし、なにも興味がわかない、感動しないとしても問題にはならない。
    まずそのスタンスを忘れないようにしたい。そこでなんで自分はなにも感じないんだ!と悩む必要はないんじゃないか、ということ。

    みんな仲良...続きを読む
  • 「思いやり」という暴力 哲学のない社会をつくるもの
    駅構内などで流れる無駄なアナウンス、冠婚葬祭や学校行事などで使われる形式ばった言葉、なにかと禁止を促す看板など、日本中に蔓延る暴力的な「思いやり」について、欧州文化などとの比較をしたうえで鋭く指摘されている。しかも欧州文化を絶賛するのではなく、あくまで部分的に見習うところがあるということを主張されて...続きを読む
  • 差別感情の哲学
    差別感情はどこから生まれ、育っていくのか。
    偏った者が差別感情を生み出していると考えられがちではあるが、所謂ふつうの人こそが差別の温床である。ふつうの人が、差別などしていないという意識でいるからこそ、無意識に差別が起こるのだ。
    ナチスドイツがその最たる例である。
    私たちはあらゆる行為に差別感情が付随...続きを読む
  • 差別感情の哲学
    面白かった(積んでたけど)。そんな学術的な感じではなくいつもの中島さんのエッセイって感じ。内容は,たぶんもともと自分の感覚と相性がいいのかな。いわゆるポリコレの狂信性や,向上心・誠実さ・努力を神聖視する社会の前提に欺瞞を感じるというの,すごくわかる。僕もどこまでも自分の中の欺瞞性を追い回して透明にな...続きを読む
  • 差別感情の哲学
    差別感情という人間の奥底に潜んでいるものを徹底的に炙り出している力作。

    著者の中島義道に関しては、社会不適合である自意識のある人に寄り添い、励ましてくれるような言葉を投げかけてくれるような印象を勝手にもっていたが、概ね間違ってはいなかったようだ。本書でも中島義道は「常識」や「普通」といった言葉の危...続きを読む
  • カントの「悪」論
    実践理性批判を読んだので読んでみた。全然カントのことちゃんと理解できてなかったんだなと思った。特に時間に関する視点は全くなかったのでそこまでカント倫理学が入り込んだ構造になってるとはと思い感動しました。あと個人的な関心として「どんな綺麗事言う人間も所詮は自分の人生をただ肯定したい(快楽を得たい)だけ...続きを読む
  • 差別感情の哲学
    -非権力的が権力に立ち向かい自らの理念を実現するためには、それ自身が権力を持たねばならないという自己矛盾に陥る。
    SNSでだれかが悪を糾弾しあっというまに炎上、忘却を繰り返す世間。正義とは善とは、わからなくなる今日に読みたい本。新聞で引用されていた、フランス文学者の渡辺一夫の”寛容は自らを守るために...続きを読む
  • カイン―自分の「弱さ」に悩むきみへ―
    読み手を選ぶ本だと思うが、個人的には9章~あとがきの文章が非常に好みで、何度も読み返している。

    p.210
    さあ、ぼくを離れて、ぼくがきみに言ったことをすべて忘れて、きみはひとりで生きていきなさい。きみは、きみの人生をきみ自身の言葉で彩ることを決心したのだから、それをどこまでも続けることだよ。
  • 不在の哲学
     中島義道、久々の本格哲学書である。
     中島の著作は哲学書、哲学入門書、エッセイの大きく三種類に大別されるが(例外中の例外として小説も書いているがこれは除外する)、専門である哲学書・哲学入門書よりも、専門外のエッセイの方がはるかに多くの読者を獲得しているのは皮肉である。久々の本格哲学書となった本書は...続きを読む
  • 私の嫌いな10の人びと
    たぶん中島義道と同じような感覚を持ちながら、言語化できなかったり、行動に移せないでいたから、自分はこの本が好きなんだと思う。誰かの言葉に仮託して、喋ってもらいたいこともある。卑怯者とか言われそうだし、自分でもずるいと思う。いずれにせよ、本を読んでいて自分の感覚を自分で理解できたのが良かった。自分に対...続きを読む
  • カイン―自分の「弱さ」に悩むきみへ―
    中島先生は生の無意味さと死の避けられなさに怯えと焦りを隠さない。本書でもそれは徹底的に踏襲されており、読む者の共感を呼ぶとともに深い絶望へと誘う。
    一方で永井均は対照的に「存在の祝祭」、つまり長い歴史のなかで己が現在の社会に存在することの驚きを表明する。自己という存在の奇跡を高らかにうたいあげる。同...続きを読む
  • うるさい日本の私
    うるさい日本の私。中島 義道先生の著書。私も日常生活でうるさいと感じてしまうことが多くて、日本は過剰サービス社会なのかなと思うこともしばしば。それが日本人の自主性や自分で考える力を奪ってしまっていると思うのは考え過ぎの被害妄想なのかもしれないけれど。
  • 哲学の教科書
    哲学に対してテレビ的な誤ったイメージを持っている人、哲学に興味のない人、哲学にインテリなイメージを持っている人、とにかく読んでみたほうがいい。
    哲学は何の役にも立たない、が、哲学の問いを心の片隅に置いて生きるのとそうでないのとでは、何かが違う、かも?
  • <対話>のない社会 思いやりと優しさが圧殺するもの
    オランダに行って、オランダに関する本を色々読んで、
    どうしてこの国の人達は、反対派の人達と協働で何か事を起こしたり出来るのだろう?
    対話をすれば良いと言っているが、対話ってそんな効果があるのだろうか。
    と思っていましたが、
    この本を読んで自覚した。自分を含め日本には普段は「対話」がない。
    対話がなか...続きを読む
  • 狂人三歩手前
    狂人三歩手前。中島義道先生の著書。日本は何かにつけて協調性協調性と協調性強制社会。協調性軽視の組織嫌いだって構わない。哲学科修了の哲学博士である中島先生ならではのご意見には考えさせられることがたくさんありました。狂人三歩手前という過激なタイトルのとおり、内容も日本社会や日本人の生き方の問題点を単刀直...続きを読む
  • カイン―自分の「弱さ」に悩むきみへ―
    カイン好きなので何となく気になり中古で購入。
    十数年振りの中島義道さんの本。
    想像していたよりずっとずっと胸に刺さりました。

    『T君』に語りかける中島さんの過激な言説の裏に見える真摯さ。
    その言葉も実は『自分に向けて』語っていると吐露する正直さ。

    読みながら自分中途半端だなあと思った。
    言ってる...続きを読む
  • 哲学の教科書
    3年半ぶりの再読。授業で使えそうなところを拾っていく読み方をした。個人的には永井均の入門書のほうがしっくりくるが文学をたくさん引用していて倫理の授業で使う資料の収集にはうってつけだった。もっとも哲学者からすれば倫理の授業で子どもに哲学関連の知識教えるなんて「愚の骨頂」だろうが。
  • ひとを愛することができない マイナスのナルシスの告白
    このテキストはなんだろう? たしかに哲学的であるが、同時に私小説のようでもあり不思議な感じがする。エッセイにしては重すぎるし、哲学にしては個人的な経験に基づいたものが多い。自分のことをここまで、掘り返して断じることはなかなかできないし、そういった作業が普通では無いことを感じさせる。己のことを徹底して...続きを読む