中島義道のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレタイトルから想起される「バカな女どもをこき下ろす本」ではありません。
でも、内容をツマミ読み/飛ばし読みすると、本書はそうとも読めてしまう本です(^^;)。
著者さんは頭が良くて意地が悪い方ですね。最高です。筒井康隆さんと似たニオイがします。
僕たちが、いかに「理性」と「批判」の字義について、なんとな~くしか理解しないまま、日々あこがれたり退けたりしてきたかを、著者は本書冒頭で嘲笑います。
ぼくらの国家のリーダーは「批判を気にせず頑張りたい、」とかデンデンしちゃう不勉強な人ですが、彼のように恥ずかしい思いをしたくない僕たちは、この際ちゃんと言葉の意味を押さえておきたいところです。
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Posted by ブクログ
笑顔の絶えない人
常に感謝の気持ちを忘れない人
みんなの喜ぶ顔が見たい人
いつも前向きに生きている人
自分の仕事に「誇り」を持っている人
「けじめ」を大切にする人
喧嘩を止めようとする人
物事をはっきり言わない人
「おれ、バカだから」と言う人
「わが人生に悔いはない」と思っている人
上のような人は、
いい人で、幸せな人、
と思いきや、
著者は、嫌いな人という。
その理由が、こまごま例を交えて書かれている内容は、
頗るおもしろかったです。
「懸命な読者の皆様も、ご自分の所属する組織の中で勇気をもって実践してみることをお薦めします(もっとも、まかりまちがって追放されるかもしれませんが)。」
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Posted by ブクログ
不幸や死を考えて考えても、やっぱりなぜかしら不幸でないし、生きていることそのものに、表面上何があってもさしあたり「幸福」であるように感じてしまう。なぜだ。
「一切皆空」で、世界のものはみんななぜか縁あって無から生じ、無に帰っていく。そして、その無は、もしかすると、娑婆の不完全な存在なんかよりも、完全な存在であることが言えるし、今現れている存在は、仮だとしか思えない。
死の向こう側の世界が存在するのではなくて、死も生も、存在とか無を超えたもの(空)が現れた同位相だとすると。
中島先生の本を読むたび、暗澹ではなく、とてつもなく澄み切ったニヒリズムに、なぜか明るくなっている私がいる。