中島義道のレビュー一覧

  • ひとを〈嫌う〉ということ

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    ちょっとした嫌いの理由が言語化できていると思う。具体的だけど、読んで嫌になることもなく、アンガーマネジメントに役立つと思われる。

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    2017年06月09日
  • 純粋異性批判 女は理性を有するのか?

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    ネタバレ

    タイトルから想起される「バカな女どもをこき下ろす本」ではありません。
    でも、内容をツマミ読み/飛ばし読みすると、本書はそうとも読めてしまう本です(^^;)。
    著者さんは頭が良くて意地が悪い方ですね。最高です。筒井康隆さんと似たニオイがします。
       
    僕たちが、いかに「理性」と「批判」の字義について、なんとな~くしか理解しないまま、日々あこがれたり退けたりしてきたかを、著者は本書冒頭で嘲笑います。
    ぼくらの国家のリーダーは「批判を気にせず頑張りたい、」とかデンデンしちゃう不勉強な人ですが、彼のように恥ずかしい思いをしたくない僕たちは、この際ちゃんと言葉の意味を押さえておきたいところです。
      

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    2017年06月08日
  • 悪について

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    ネタバレ

    ところどころ解釈が難しいところがあったけど大筋は理解できたし、予てから自分が考えていた事と重なる部分が多々あった。一切の誤魔化しを許さずに「自己愛」を摘発する姿勢には震えるほど共感できる。
    道徳的な人の例の中に私の大好きな「彼岸過迄」の市蔵君が挙げられてたのが嬉しかった

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    2016年07月06日
  • 私の嫌いな10の人びと

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    笑顔の絶えない人
    常に感謝の気持ちを忘れない人
    みんなの喜ぶ顔が見たい人
    いつも前向きに生きている人
    自分の仕事に「誇り」を持っている人
    「けじめ」を大切にする人
    喧嘩を止めようとする人
    物事をはっきり言わない人
    「おれ、バカだから」と言う人
    「わが人生に悔いはない」と思っている人

    上のような人は、
    いい人で、幸せな人、
    と思いきや、
    著者は、嫌いな人という。

    その理由が、こまごま例を交えて書かれている内容は、
    頗るおもしろかったです。

    「懸命な読者の皆様も、ご自分の所属する組織の中で勇気をもって実践してみることをお薦めします(もっとも、まかりまちがって追放されるかもしれませんが)。」

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    2016年05月01日
  • 悪について

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    カント倫理学における「道徳的善」を裏側から抉りだす傑作。「根本悪と最高善」に引きちぎられる人間の姿を綴ったくだりは荘厳な宗教画のような迫力とドラマを感じた。

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    2016年04月27日
  • 私の嫌いな10の人びと

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    私の嫌いな10の人々

    1笑顔の絶えない人
    2常に感謝の気持ちを忘れない人
    3みんなの喜ぶ顔が見たい人
    4いつも前向きに生きている人
    5自分の仕事に「誇り」を持っている人
    6「けじめ」を大切にする人
    7喧嘩が起こるとすぐに止めようとする人
    8物事をはっきり言わない人
    9「おれ、バカだから」と言う人
    10「わが人生に悔いはない」と思っている人

    これらの人々が嫌いな理由について、本当は好きなんじゃないかと思われるくらいよく調べ上げ、事細かに述べられていて、非常に面白く、また、納得させられる本

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    2016年03月18日
  • 哲学の教科書

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    今まで多くの哲学書を読んでさっぱり理解できなかったが、この本を読んで理解できなかったのも仕方がないということが理解できた。所詮、哲学は言葉遊びであり、しかしながらその言葉遊びをしなくては人間は生きていけないということだろう。途中の哲学的考察はそれでもやっぱり難解。

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    2016年02月29日
  • 私の嫌いな10の人びと

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    周りからは「立派な人だ」と称賛され、親や学校の先生からは「ああいう風になりなさい」と模範とされてきた人、それが筆者の嫌いな人だ。

    常識的な人間というのは、世間の求める体裁を裏切らない人間のことだ。周りの価値観の集合体に従って生きるということだろう。

    しかし今や『コンビニ人間』のような、当たり前や常識を問う本が文学賞を獲る時代。SNSが台頭してきてから、価値観を問い直す風潮も大きくなっている。情報過多の社会。周りに流されず、自分の価値基準をしっかり持つことがきっと大事ですね。

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    2018年09月17日
  • ひとを〈嫌う〉ということ

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    今年のベスト。
    薄い文庫本にもかかわらず、「嫌われれる勇気」よりこちらの方が確信に迫っていて、良い。

    筆者はかなり極端な意見を持っているので、全て同意できるわけではないが、これを読んで救われた気持ちになった。
    自分の負の部分と向き合う勇気、そしてそれは負ではないということ。それも含めて愛すべき自分なのだということ。

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    2015年08月21日
  • 悪について

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    すべての人間は、道徳的には悪にならざるを得ない。
    善人ほど悪である…!
    どんなに善であろうと欲しても、動機においても行為においても、人は義とされない。
    誠実であろうとすればするほど、人は自分自身に絶望する。
    しかし、人はどこまでも道徳法則の尊敬に従って行為しなければならない格率が定められている限り、履行不可能な義務が人間には科せられている!!

    人間の持つ原罪を哲学の点から暴き出している。

    やはり、自分のエゴイズムを穴が空くほど見つめつつ、他人や善人の持つエゴイズムやごまかしを徹底的に追及する中島氏の原点はやはり、カントにある。

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    2015年08月05日
  • ひとを〈嫌う〉ということ

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    「誰からも好かれる人だ」、と皆に言われる一方で、自分から好きだと思える人はかなり少ない。こんな非対称な好意が成り立つはずがなく、何処かで「本当は嫌われてるんじゃないか?」と思っていたりもする。それで良い。その気持ちを受け入れて生きれば良い。なるほど、そうやってさらっと、人を嫌う気持ちに蓋をせずに生きた方が良いのかもしれないな。

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    2015年07月22日
  • どうせ死んでしまうのに、なぜいま死んではいけないのか?

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    不幸や死を考えて考えても、やっぱりなぜかしら不幸でないし、生きていることそのものに、表面上何があってもさしあたり「幸福」であるように感じてしまう。なぜだ。
    「一切皆空」で、世界のものはみんななぜか縁あって無から生じ、無に帰っていく。そして、その無は、もしかすると、娑婆の不完全な存在なんかよりも、完全な存在であることが言えるし、今現れている存在は、仮だとしか思えない。
    死の向こう側の世界が存在するのではなくて、死も生も、存在とか無を超えたもの(空)が現れた同位相だとすると。
    中島先生の本を読むたび、暗澹ではなく、とてつもなく澄み切ったニヒリズムに、なぜか明るくなっている私がいる。

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    2015年07月12日
  • 私の嫌いな10の言葉

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    非常に痛快でした。常識的・世間的な人たちが吐く偽善ワードをこれでもかとぶった斬る。切れ味は抜群です。おそらく筆者が一番嫌いな言葉が「お前のためを思って言ってるんだぞ」じゃないかな。身近にもいますけど、こんなセリフよく言えますよね。その鈍感さに寒気がします。
    マイノリティー(少数派)の思想は一切認めないという、常識人の残酷さを指摘している貴重な本。たぶんマイノリティー派の私としては、中島氏の著作は今後も読んでいきたいと思わせる内容でした。

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    2015年07月12日
  • 私の嫌いな10の人びと

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    ホントにその通りで笑ってしまう。朝ドラがどうしても受け入れられないのは、ヒロインの「国民的理想人格」が気持ち悪くて嫌いだからだったんだ。

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    2015年06月25日
  • 善人ほど悪い奴はいない ニーチェの人間学

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    善人が必ずしも”悪”であるとは思わないが、弱者に関する記述で、私が人に対して違和感を感じる部分の正体を完全に文章化してあってものすごくすっきりした

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    2015年05月20日
  • 悪について

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    冒頭からあまりにおもしろくて一気読みした1冊。
    うわこれ私もずっと思ってた嬉しい…!と感動しながら読み進めてくといきなり身体をものすごい勢いでえぐられる感覚が。自分が中途半端な人間なのを突きつけられるのだ。天秤でいえばただゆらゆらと揺れてる感じ。だからこの際どっちにもズドンズドンと振り切ってやろうと思った。それで中庸を保ちたい

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    2015年04月24日
  • ひとを〈嫌う〉ということ

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    理不尽な理由で他人を嫌う、あるいは他人から理不尽な理由で嫌われるということそのものを、自分自身の在り方の現れとして肯定している。

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    2015年04月05日
  • <対話>のない社会 思いやりと優しさが圧殺するもの

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     対話を会話と勘違いすることなかれ。
    「思いやり」や「優しさ」といういい言葉の裏側には対立を避ける自己利益の追求があった。本来的にそれらは他者へ純粋に向いているべきであるのに。対話はそのような感情に縛られず、先入観を除外して論理的に取り組むべきもの。自己責任なのだ。

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    2015年03月21日
  • ひとを愛することができない マイナスのナルシスの告白

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    鬱屈した自己愛ゆえに、他人を自然と愛することができない・・・
    そんな「マイナスのナルシス」なる者の心理を、筆者自身の経験を織り交ぜながら解説し、そもそも「愛とはなにか?」についてとことん追求している本。

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    2015年03月07日
  • 「哲学実技」のすすめ そして誰もいなくなった・・・・・・。

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    「あなたにとって真実とは何か」6人の被 験者に対し、著者が直接の対話を通じて、 哲学は今日どこまで実学たるか議論するル ポ。

    一人また一人と著者を嫌い対話会を去っていく。最後のひとりに著者が放った言葉 「出ていってくれ」まで目が離せない。 厳しいんである。

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    2015年02月26日