中島義道のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ興味深い本だった。
自分の言葉を語ること。相手と真剣にバトルこと。自分の言葉や言動に責任を持つこと。
なんだか細野先生を見ているみたいだった。
・彼らは言葉を信じていない。自分の語ることが周りの人たちに尊重されてこなかったから。
・「暴力的に無意味な」言葉、はやめよう。
・「対話」とは自分固有の体験や価値観にもとづいて何事かを語ること。
・プラトンがソクラテスに「きみは自分が裸にならないで、服を着て感染しているのはズルイ。」
・ソクラテスの弟子たちは、数時間後に死にゆく師を眼の前にして、次々に「先生、まだその証明では納得いきません。先生の魂は消滅してしまうかもしれません!」
・対 -
Posted by ブクログ
タイトル通り人生に「生きる価値はない」と思う。価値があると思うから、人は自らの人生に可能性を見出そうとし、夢を持とうとし、何かのために生きようとする。
けれど、生きるべき価値などハナからないのだ。そこを受け入れてはじめて「人生」というものを真っ正面から見つめることができる。
未来などどこにもない。過去は記憶の中にしかない。どちらも「有」ではなく、瞬間としての「今」しかないとすれば、そこにどうして価値を見出すことができるのか。
人生に生きる価値があると思うから、人は不器用に生に執着する。戦争も虐めも醜い政争も、価値があるという幻想から産まれるのかもしれない。
人生に生きる価値はない。僕らはそこか -
Posted by ブクログ
中島節は精神、思考のフォーカスがずれた時の快感である。空気が読めない人間の空気の壊し方は意識的でない故に中途半端で心地悪い。空気を読んで、読んで、読みつくし、その場を支配する空気を寸鉄で完全に破壊する爽快感。
その場の全員が納得し、共感し、意思疎通が完成するまさにその瞬間にひとことぼそっと言葉のTNT爆弾を破裂させる。ショーとしての善意と防火帯としての謙遜、発情留保としての涙、暗黙にkeep outを要求する感情・思考のシュバルツシルト半径に躊躇なく踏み込む神経の張り巡らされた無神経さをどこまで社会的・共同生活的・祭り的ひきこもりが持ち込めるかに現代のイブ度がかかっている。