中島義道のレビュー一覧

  • ひとを〈嫌う〉ということ

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    人が人を好きになることは社会的に快く受け入れられがちで、逆に嫌うことは拒否されがち。でも食べれば排泄するのと同じで、好きになることがあれば嫌いになることもあって当然。そんなことが前提として書かれている。
    なぜ嫌うのかを中心的に書かれている。自分が他者を嫌うのは、(倫理的に悪であるとされているので)つらい。そのつらさを軽減するためには、なぜ自分が他者を嫌うのかを理解することが良薬である。だから「なぜ嫌うのか」が中心的になっている。
    で、大事な「なぜ嫌うのか」の部分。8パターンに分けられていたが、どれも納得いく内容だった。
    若干くどい。

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    2013年01月07日
  • 私の嫌いな10の言葉

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    自分が日常の中で感じている「居心地の悪さ」の理由に気づかされる。
    「阿吽の呼吸」「みんな」「共通認識」言わずもがなとして一般的に共有しているであろうもので括られた集団の中で「場を乱さずに」いる事を強いることの暴力性の恐ろしさ。言いたい事を言わない事の美徳を共有させられるグロテスクな事と言ったら!
    生きる事はなぜこうも不自由で居心地が悪いのか。そこから抜け出すヒントをたくさんもらった。

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    2012年12月13日
  • <対話>のない社会 思いやりと優しさが圧殺するもの

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    ネタバレ

    興味深い本だった。

    自分の言葉を語ること。相手と真剣にバトルこと。自分の言葉や言動に責任を持つこと。
    なんだか細野先生を見ているみたいだった。

    ・彼らは言葉を信じていない。自分の語ることが周りの人たちに尊重されてこなかったから。

    ・「暴力的に無意味な」言葉、はやめよう。

    ・「対話」とは自分固有の体験や価値観にもとづいて何事かを語ること。

    ・プラトンがソクラテスに「きみは自分が裸にならないで、服を着て感染しているのはズルイ。」

    ・ソクラテスの弟子たちは、数時間後に死にゆく師を眼の前にして、次々に「先生、まだその証明では納得いきません。先生の魂は消滅してしまうかもしれません!」

    ・対

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    2012年12月06日
  • 善人ほど悪い奴はいない ニーチェの人間学

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    善人…努力も規則を破ることもしない普通の人
    悪人…村八分にされようとも犯罪をする勇気のある人
    エリート…努力し結果をだした人

    善人は耳障りのいい言葉(平等、環境保護など)を掲げ数によって主張をする。
    善人は一人では良い人だが数が集まると厚かましくなる。
    善人がいじめを見て見ぬ振りをするのは善人の善は道徳から来ているものではなく自己保身のためのものだから。
    自己の安全が保障されている所では善人はとても親切である。

    怠惰は重罪であると知れて良かった。
    将来、貧困になった際に社会を恨むのではなく貧困から抜け出す努力をしたいです。

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    2012年11月10日
  • ひとを〈嫌う〉ということ

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    人が嫌いなひと、自分が嫌いなひと、人が嫌いな自分が嫌いなひとに。健全に人を嫌って豊かに生きるための本。

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    2012年11月06日
  • 人生に生きる価値はない

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    生きる意味を見失っていた時に読んだこの本。
    人生がいかに意味がないかを書いていて気分が落ち込む本なの
    ではないかと思うが、そうでもない。
    生きることに殆ど意味はない、なら縛られず自分のやりたいように
    やろうっと思ったよりも前向きな内容だ。それ以外は
    作者の回顧録が多い。内容がぎっしりと詰まっていることを
    期待していた読者はがっかりしただろうが、新しい見解を取り入れると言う点ではいい本だと思う。

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    2012年09月27日
  • 人生に生きる価値はない

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    タイトル通り人生に「生きる価値はない」と思う。価値があると思うから、人は自らの人生に可能性を見出そうとし、夢を持とうとし、何かのために生きようとする。
    けれど、生きるべき価値などハナからないのだ。そこを受け入れてはじめて「人生」というものを真っ正面から見つめることができる。
    未来などどこにもない。過去は記憶の中にしかない。どちらも「有」ではなく、瞬間としての「今」しかないとすれば、そこにどうして価値を見出すことができるのか。
    人生に生きる価値があると思うから、人は不器用に生に執着する。戦争も虐めも醜い政争も、価値があるという幻想から産まれるのかもしれない。
    人生に生きる価値はない。僕らはそこか

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    2014年11月05日
  • 私の嫌いな10の人びと

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    “いい人”が嫌いというのは全面的に同意!
    いい人が好き、という人は、いい人に甘やかされている自分、決して自分を責めないいい人が好きなわけで、結局自分が好きなだけだよね。
    あと、いい人って話していてつまらない。
    やっぱり私は皮肉の1つでも言ってくれる人の方が好きかな。

    疑問に思う点は、こういう本の存在意義。
    こういう本を読んで、ふんふんなるほどと思ったところで、結局それは共感を得たいだけで、哲学の道からは外れているよね。
    そんな本に何の意義があるのか?

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    2012年08月20日
  • 人生に生きる価値はない

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    人生に価値はない、とか言っておいて意外と上手く中島さんは生きているように思う。中島さんは一般人とは違う人なので、考え方が独特でとても面白い。

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    2012年08月07日
  • 孤独について 生きるのが困難な人々へ

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    ある病気を患い、「死」を肌で感じた時から「独り」を意識するようになった。でも、それはまだ「独り」であって「孤独」ではなかった。けれど、明日が訪れる不思議を意識できるようになってから、「孤独」を少しずつ自分のものにできてきたように思う。
    そんな想いにかかった靄を払ってくれたのがこの本。自信や確信が持てないまま離れられなかった「不安」。その「不安」を磨き上げればよい、と教えてもらって、心が少し軽くなった。

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    2012年07月04日
  • やっぱり、人はわかりあえない

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    あたしの大嫌いな哲学者・中島義道さんと、あたしの大尊敬する思想家の小浜逸郎さんの往復書簡。

    そもそも、わかりあおうとする気のないお2人です。

    中島さんはねぇ、嫌いなんだけれども、とっても興味を抱かせるお方なんですよね。
    やっぱり、ある意味、好きなんだな。

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    2012年05月17日
  • 狂人三歩手前

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    中島節は精神、思考のフォーカスがずれた時の快感である。空気が読めない人間の空気の壊し方は意識的でない故に中途半端で心地悪い。空気を読んで、読んで、読みつくし、その場を支配する空気を寸鉄で完全に破壊する爽快感。

     その場の全員が納得し、共感し、意思疎通が完成するまさにその瞬間にひとことぼそっと言葉のTNT爆弾を破裂させる。ショーとしての善意と防火帯としての謙遜、発情留保としての涙、暗黙にkeep outを要求する感情・思考のシュバルツシルト半径に躊躇なく踏み込む神経の張り巡らされた無神経さをどこまで社会的・共同生活的・祭り的ひきこもりが持ち込めるかに現代のイブ度がかかっている。

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    2012年05月02日
  • ぐれる!

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    社会に従順であることと反抗的であることはどちらも幼い。好きと嫌いはその存在を意識することを前提とする。社会とは一定距離を置いて付き合うのが理想だが、それが不可なら後者でありたい。

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    2012年04月29日
  • 哲学の教科書

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    どのような哲学があるかを論じるものではない。哲学とはどういうものか、どういうものではないかを論じるものではない。特に混同されがちな思想と哲学の違いについて説明している。

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    2012年04月28日
  • 明るいニヒリズム

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     「不確かさ、不思議さ、疑いの中に居続けられる能力」が哲学する能力であるという。

     不確かさ・不思議さに立つとは針の先に立つことでもある。ただし、それはバランスをとって立つヤジロベエの状態では無い。あっちこっちに揺らぎながら、いっそのこと落ちた方が楽であることを知りながらも、なおそこにとどまろうとする意思である。

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    2012年04月28日
  • 私の嫌いな10の人びと

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    この作者の別の著書を読んだ時にも感じたが、今の日本に生きている人間ならば少なからず、この著者の思想と同意のことは自然に感じているはずと思う。逆に「こんな見方をするなんて」と不快に思う人は、それこそ思考停止状態なのでは。
    ひねくれている、とうよりは多方面から正直にモノを見る人で、しかもこの著者、いい人だ。

    というか、辛辣なヨーロッパ人が書いた「ここがヘンだよ日本人」的な本だと思って読めば大部分がすんなり読めますわ。

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    2012年04月26日
  • 「人間嫌い」のルール

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    中島氏の著作で初めて読んだのがたしかこの本だった。
    当時のレビューです。

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    大多数の人間のことを『善人』と皮肉めいて終始呼称するところに驚いた。
    けれども自分の心のとっかえ的なものがすっきりした気がした。

    『人間嫌い』をカテゴライズし、曖昧な『人間嫌い』という概念を主観全開で定義する箇所は読む人によってはかなり嫌悪感を感じるだろうが
    自分は人間嫌いなのかもしれないという人は読むべきだと思う。

    なぜならば自分を『人間嫌い』だと思っている人の大半はこの著書に沿えば『善人』に分類されるであろうからだ。

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    2012年04月14日
  • 哲学の教科書

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    「哲学の教科書」というタイトルだけれど、哲学の入門書かと思ったら大間違い。ものすごくシニカルな哲学的思考の指南書。
    哲学という特別なようで当たり前の「フィルター」を通して物事を捉え直した時、目の前にどんな世界が広がるか、そしてその世界のなんと豊かなことか!
    活字を読むというより、活字に引っ張られるようにして読み進めたこの本。世の中のあらゆることを全て当たり前に受け入れ、それらを前提として喜怒哀楽と共に生きる多くの人にぜひ読んでもらいたい。
    あなたが自分だと思っているその「自分」を、何故にあなたは自分だといいきれるのですか?

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    2012年04月06日
  • 哲学の教科書

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    この「私」を通じてしか、哲学できないことの絶望を感じさせてくれる本。
    哲学とは何ではないか、哲学者になるにはどうすればいいか、という項目はなかなか目新しく、新鮮に読めた。

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    2012年02月26日
  • 人生に生きる価値はない

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    中島義道先生のエッセイ。御大もだいぶ丸くなったようで…というか、以前ほど極論を言わなくなった(押し付けなくなった?)せいでまろやかな口当たり。

    とは言いつつも、中島節は健在。知性的でない人や暴力的に善良な人を徹底的に忌み嫌うその姿勢、変わってない。ついつい共感してしまう。時折(全体の三分の一くらい)出てくる哲学的な話も、サラリーマンやってる身としては読みやすいライトな議論なので楽しく読める。先生の哲学的思索も深まっているようで、今後にも期待。

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    2012年01月09日