中島義道のレビュー一覧

  • 怒る技術
    積極的に怒っていくことで、他者との違いを浮き彫りにする。
    それが、日本社会で幅をきかせている「空気を読め」という文化を軽減する一つの方法。
    みたいな本。
  • 非社交的社交性 大人になるということ
    第Ⅱ部に出てくる若者たち.協調性がない!との一言で片付けられるのが一般的だが、中島先生は「哲学塾」を通して彼らを指導してきた.素晴らしいことだ.程度はあるにしても、現代人の誰もが空気を読まない行動を取ってみたいと願望している.それをある意味で癒してくれる著作だと感じた.
  • 非社交的社交性 大人になるということ
    前半はタイトル通り、「非社交的社交性」に関する筆者のエッセイであるが、後半はただの面白人間紹介になってる。それがいい。
  • 非社交的社交性 大人になるということ
     久しぶりに、ストンと腑に落ちた本である。特に第Ⅰ部。精神衛生上の秘訣と言ってよい、人間関係上のヒントを紹介してくれている。特に軽症?の人間関係ノイローゼの人には、病院の受診などより効果的ではないだろうか。また、翻って著者には「働くことの喜び、達成感」という事もあるのではないかと、お節介ながら忠告を...続きを読む
  • 非社交的社交性 大人になるということ
    第Ⅰ部 非社交的社交性
    第Ⅱ部 こころ優しく凶暴な若者たち
    の2本立て。第Ⅰ部は中島義道の著作を何冊か読んだ経験があれば、そう目新しい話でもないかも。大人しい。文章自体が丸くなった?第Ⅱ部の、著者とかかわりのあった若者たちのエピソードの方はなかなか面白かった。ここで書かれている人たちは実在するのか疑...続きを読む
  • 異文化夫婦
    中島義道の本が出てるっと思ったら、哲学本ではなくて、初の小説とのこと。

    中島義道が描くんだから、とてもハッピーにはならないだろうと、思って読んだけども、やはり・・・。

    小説『異文化夫婦』は、2009年にだされた『ウィーン家族』を改題したもので、ある夫婦(家族)についての物語。三人称形式で夫の康司...続きを読む
  • カイン―自分の「弱さ」に悩むきみへ―
    二人称。筆者の若き姿と思しき架空の青年への書簡というスタイルは精悍でスマート、クール。自分語りはたいてい鼻に着くものだがそれすらクールに見えるのは、ある種の壮絶な事実が支えているからだろう。自己愛だけではここまで構築できない。気取りや顕示欲と紙一重ながら力量で読ませる。
  • <対話>のない社会 思いやりと優しさが圧殺するもの
    『対話』とは言語を用いた、発展する相互理解である。

    1.自身の体験談で対話のなさを嘆く
    2.会話と対話の違い、日本と欧米の相互理解の過程の違いを示す
    3.対話の意義

    この三部構成からなる。

    最初はがんばっている教授の憤りを荒々しくぶつけているだけで抵抗感を感じるが、読み進めて行くと主張の...続きを読む
  • 異文化夫婦
    夫の目線で仲の悪い覚めた夫婦、家族関係を描いた、そしてこれといった起伏もない小説だが、どこか納得したり共感させられるものがある、ある意味不思議な気持ちにさせられた作品。
  • ひとを〈嫌う〉ということ
    この本の主題は、理不尽な理由で嫌う、嫌われることは自然なことである、ということ。

    嫌う、嫌われることに対する恐怖心が薄れ、ぐっと心が軽くなった。

    「嫌い」という感情を少し客観的に見られるようになり、今後の人生は今までよりも器用に送れる気がする。
  • 生きるのも死ぬのもイヤなきみへ
    いい意味で悪書。
    「どうせ死ぬのだから何をしても虚しい」と思わない人や「誰かを愛し結婚して子供が欲しい」という普通の幸せを求めている人は読まない方がいい。あと、自分で考えて咀嚼できない人も読まない方がいい。
    自己愛に溢れた結果、生きにくくて、ある程度自分の考えを持ってて、影響されにくい人は読んだ方が...続きを読む
  • 私の嫌いな10の言葉
    個人の言語を徹底的につぶす日本文化、よく使われる正しいとされる言葉。

    それを言われたら、ほとんど思考停止になっていたんだということ、なんとなく感じていたことをきっちり言葉で表現する、できるということがすごいと思いました。
  • カイン―自分の「弱さ」に悩むきみへ―
    ここ数年に流行したアニメに描かれている主題は、ガンダムしかり、エヴァンゲリオンしかり、攻殻機動隊しかり、「お互いのコミュニケーション不全が問題の原因だということだ。だから「心が分かり合えることが理想なんだ」という流れにいきつく。

    エヴァンゲリオンでは全人類が1つになることで他人を無くし、傷つくこと...続きを読む
  • 孤独について 生きるのが困難な人々へ
    そこそこにこなしているつもりだけれど、どこか生きづらい。
    でも、こんなに極端に生きづらいという人がいることは、なんだか安心する。
    デラシネ(根なし草)
  • ひとを〈嫌う〉ということ
    人が人を好きになることは社会的に快く受け入れられがちで、逆に嫌うことは拒否されがち。でも食べれば排泄するのと同じで、好きになることがあれば嫌いになることもあって当然。そんなことが前提として書かれている。
    なぜ嫌うのかを中心的に書かれている。自分が他者を嫌うのは、(倫理的に悪であるとされているので)つ...続きを読む
  • 私の嫌いな10の言葉
    自分が日常の中で感じている「居心地の悪さ」の理由に気づかされる。
    「阿吽の呼吸」「みんな」「共通認識」言わずもがなとして一般的に共有しているであろうもので括られた集団の中で「場を乱さずに」いる事を強いることの暴力性の恐ろしさ。言いたい事を言わない事の美徳を共有させられるグロテスクな事と言ったら!
    ...続きを読む
  • <対話>のない社会 思いやりと優しさが圧殺するもの
    興味深い本だった。

    自分の言葉を語ること。相手と真剣にバトルこと。自分の言葉や言動に責任を持つこと。
    なんだか細野先生を見ているみたいだった。

    ・彼らは言葉を信じていない。自分の語ることが周りの人たちに尊重されてこなかったから。

    ・「暴力的に無意味な」言葉、はやめよう。

    ・「対話」とは自分固...続きを読む
  • 善人ほど悪い奴はいない ニーチェの人間学
    善人…努力も規則を破ることもしない普通の人
    悪人…村八分にされようとも犯罪をする勇気のある人
    エリート…努力し結果をだした人

    善人は耳障りのいい言葉(平等、環境保護など)を掲げ数によって主張をする。
    善人は一人では良い人だが数が集まると厚かましくなる。
    善人がいじめを見て見ぬ振りをするのは善人の善...続きを読む
  • ひとを〈嫌う〉ということ
    人が嫌いなひと、自分が嫌いなひと、人が嫌いな自分が嫌いなひとに。健全に人を嫌って豊かに生きるための本。
  • 人生に生きる価値はない
    生きる意味を見失っていた時に読んだこの本。
    人生がいかに意味がないかを書いていて気分が落ち込む本なの
    ではないかと思うが、そうでもない。
    生きることに殆ど意味はない、なら縛られず自分のやりたいように
    やろうっと思ったよりも前向きな内容だ。それ以外は
    作者の回顧録が多い。内容がぎっしりと詰まっているこ...続きを読む