中島義道のレビュー一覧

  • 人生に生きる価値はない

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    中島義道先生による哲学エッセイ集。長年、カント研究に取り組んできた人だけあって、本書全体を覆うニヒリズムが心地よい。(中島先生の書くところによると、ニヒリズムの始祖はニーチェではなく、カントらしい)
    本書を読んで初めて知ったのだが、中島先生と、分析哲学の大家である野矢茂樹先生は同門(共に師匠は大森荘蔵先生)とのこと。このお二方、共通点がまるで見いだせないのだけど、実際、野矢先生は本書の解説で「人生に生きる価値はないとは、いったいどういう意味なのだろう」と記述している(汗)。でも、きっと仲は悪くないのだと思うが。
    話が逸れたが、私も、あと何十年か「生きる意味」とか「人生の目的」を探し続けて、見つ

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    2013年09月02日
  • 「哲学実技」のすすめ そして誰もいなくなった・・・・・・。

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    宇宙ニヒリズム的な考え、とことん詰めて真理を何よりも優先する、そこらへんが哲学者の条件と思う。けどおれもA君みたいな感じだな、それだけじゃ生きられない。

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    2013年08月18日
  • 非社交的社交性 大人になるということ

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    この本の肝は後半の「集団生活に溶け込めなかった人たち」のお話です。

    講義中に突然どうでもいいことを延々と質問し続ける生徒、受講料を延滞しても取り立ててこなかった方が悪いと本気で信じる人たち、ルール化されれば守るけどルールにないことは何をやってもいいと思ってしまう事例、怒られても何に怒られるのかがさっぱりわからないばかりか「なぜ怒られているのですか?何をすればよいのですか?」と聞く案件。
    どれもこれも最近目立ってきた若者の行動ですが、羅列されると自分もどれかやってるのではないかと不安になってきます。

    「状況を読むことを学ばずにある程度の年齢になった者は、それを挽回することは非常に難しい」とい

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    2013年08月05日
  • <対話>のない社会 思いやりと優しさが圧殺するもの

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    どうして日本でのコミュニケーション・日常生活が何となく窮屈なのか。上辺だけのとりとめもない会話ばかりで、つながりも持ちづらいのか。そうした疑問に対して向き合う視点を与えてくれ、内容もかなり痛快。

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    2013年07月13日
  • 非社交的社交性 大人になるということ

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    ネタバレ

    <Key Learnings>
    ・社交性
    万人ウケする社交性→ミニマムでよし。が、自分を相容れない人を全部排除するのではなく、上手くそれなりには付き合う様に。

    そのかわり、自分のワガママが通る場所を確保せよ

    ・他人の目、評価が気になる→仕事か、
    他人を恐れる人
    =他人による自分の評価を恐れる人
    =他人によく思われたいという欲求が強い人

    これを希薄化して気にならなくする方法は、2種類

    1)カントみたいに仕事で評価されれば、どんな変人でも、仕事によって多くの人と結びついていられ、しかもかなりのワガママが通る
    が、誰にでも出来る事ではない

    2)1人でいいから、本当の理解者、本当に信頼出来る

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    2013年07月05日
  • 私の嫌いな10の言葉

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    一言でいえば、「愉快」だった。


    中島氏の本は、好き嫌いがはっきり別れると思う。
    というのも、きっと彼の本が、
    他のフィクション小説・なんらかのテーマにそって学術的な知見をまとめ、それをふまえて最終的に自身の知見をくわえる、といった本にくらべて、
    圧倒的に、作者自身の「我」が全面に感じられる本だからだ。
    彼の主張に賛同する、しない。
    共感する、しない。
    ・・・なんて分かれ道の前段階に、
    まず彼の「我」が、生理的に好きか嫌いか。
    みたいな、分かれ道がある気がする。


    人に、安易にすすめられる本じゃない。
    というか、これほどすすめにくい本はない。
    私は、好きだ。
    正しいと思う、良いと思う、とい

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    2013年07月03日
  • 怒る技術

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    積極的に怒っていくことで、他者との違いを浮き彫りにする。
    それが、日本社会で幅をきかせている「空気を読め」という文化を軽減する一つの方法。
    みたいな本。

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    2013年06月30日
  • 非社交的社交性 大人になるということ

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    第Ⅱ部に出てくる若者たち.協調性がない!との一言で片付けられるのが一般的だが、中島先生は「哲学塾」を通して彼らを指導してきた.素晴らしいことだ.程度はあるにしても、現代人の誰もが空気を読まない行動を取ってみたいと願望している.それをある意味で癒してくれる著作だと感じた.

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    2013年06月28日
  • 非社交的社交性 大人になるということ

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    前半はタイトル通り、「非社交的社交性」に関する筆者のエッセイであるが、後半はただの面白人間紹介になってる。それがいい。

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    2013年06月18日
  • 非社交的社交性 大人になるということ

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    ネタバレ

     久しぶりに、ストンと腑に落ちた本である。特に第Ⅰ部。精神衛生上の秘訣と言ってよい、人間関係上のヒントを紹介してくれている。特に軽症?の人間関係ノイローゼの人には、病院の受診などより効果的ではないだろうか。また、翻って著者には「働くことの喜び、達成感」という事もあるのではないかと、お節介ながら忠告をしたくなってくる。

     第Ⅱ部では、著者が主宰する哲学塾での様々なエピソード、トラブル集が披露されている。マネジメント職の方には一読をお薦めしたい。しかし、ここに出てくる人は逆に、臨床医学の世話になった方が良いのではと思われる。この先生も「罵倒」というガス抜きをしつつ、意外と根気よくつきあっているな

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    2013年06月16日
  • 非社交的社交性 大人になるということ

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    第Ⅰ部 非社交的社交性
    第Ⅱ部 こころ優しく凶暴な若者たち
    の2本立て。第Ⅰ部は中島義道の著作を何冊か読んだ経験があれば、そう目新しい話でもないかも。大人しい。文章自体が丸くなった?第Ⅱ部の、著者とかかわりのあった若者たちのエピソードの方はなかなか面白かった。ここで書かれている人たちは実在するのか疑問に思えるくらい、強烈だ。「空気を読まない」ことと「空気が読めない」ことは全然違うなぁ、と。

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    2013年05月22日
  • 異文化夫婦

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    中島義道の本が出てるっと思ったら、哲学本ではなくて、初の小説とのこと。

    中島義道が描くんだから、とてもハッピーにはならないだろうと、思って読んだけども、やはり・・・。

    小説『異文化夫婦』は、2009年にだされた『ウィーン家族』を改題したもので、ある夫婦(家族)についての物語。三人称形式で夫の康司に焦点を当てて描かれている。

    暴力などのシーンはないのだけども、相容れることの無い2人の関係にとても気分の悪くなる内容だった。

    家族や夫婦の愛、それを逆説的に表現されている。
    人間の内面を書き起こされているようでもあって、終始辛くなった。

    受け入れたくない人間関係なんだけども、ほんとは、こんな

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    2013年04月19日
  • カイン―自分の「弱さ」に悩むきみへ―

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    二人称。筆者の若き姿と思しき架空の青年への書簡というスタイルは精悍でスマート、クール。自分語りはたいてい鼻に着くものだがそれすらクールに見えるのは、ある種の壮絶な事実が支えているからだろう。自己愛だけではここまで構築できない。気取りや顕示欲と紙一重ながら力量で読ませる。

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    2013年04月15日
  • <対話>のない社会 思いやりと優しさが圧殺するもの

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    『対話』とは言語を用いた、発展する相互理解である。

    1.自身の体験談で対話のなさを嘆く
    2.会話と対話の違い、日本と欧米の相互理解の過程の違いを示す
    3.対話の意義

    この三部構成からなる。

    最初はがんばっている教授の憤りを荒々しくぶつけているだけで抵抗感を感じるが、読み進めて行くと主張の妥当性、重要性や危機感などが感じられる。おそらく麻痺した日本人に対して、軽くでなく、ガツンと言わないと伝わらないんだという著者なりの考えなのだろう。
    優しさや思いやりの使い方、認識が甘いと横暴な一面があるなど、納得できる。責任を負うのを避け、摩擦を嫌い、言葉を失いつつある日本人。昔いた近所の

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    2013年04月07日
  • 異文化夫婦

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    夫の目線で仲の悪い覚めた夫婦、家族関係を描いた、そしてこれといった起伏もない小説だが、どこか納得したり共感させられるものがある、ある意味不思議な気持ちにさせられた作品。

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    2013年04月04日
  • ひとを〈嫌う〉ということ

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    この本の主題は、理不尽な理由で嫌う、嫌われることは自然なことである、ということ。

    嫌う、嫌われることに対する恐怖心が薄れ、ぐっと心が軽くなった。

    「嫌い」という感情を少し客観的に見られるようになり、今後の人生は今までよりも器用に送れる気がする。

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    2013年03月27日
  • 生きるのも死ぬのもイヤなきみへ

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    いい意味で悪書。
    「どうせ死ぬのだから何をしても虚しい」と思わない人や「誰かを愛し結婚して子供が欲しい」という普通の幸せを求めている人は読まない方がいい。あと、自分で考えて咀嚼できない人も読まない方がいい。
    自己愛に溢れた結果、生きにくくて、ある程度自分の考えを持ってて、影響されにくい人は読んだ方がいい。

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    2013年04月06日
  • 私の嫌いな10の言葉

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    ネタバレ

    個人の言語を徹底的につぶす日本文化、よく使われる正しいとされる言葉。

    それを言われたら、ほとんど思考停止になっていたんだということ、なんとなく感じていたことをきっちり言葉で表現する、できるということがすごいと思いました。

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    2013年06月16日
  • カイン―自分の「弱さ」に悩むきみへ―

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    ネタバレ

    ここ数年に流行したアニメに描かれている主題は、ガンダムしかり、エヴァンゲリオンしかり、攻殻機動隊しかり、「お互いのコミュニケーション不全が問題の原因だということだ。だから「心が分かり合えることが理想なんだ」という流れにいきつく。

    エヴァンゲリオンでは全人類が1つになることで他人を無くし、傷つくことのない世の中を理想とした。しかし主人公はやはり他人が居る世界を望むことになる。それはこの厳しい現実の世界で生きていくということだ。

    しかし、この本は言ってしまえば他人のいない世界をあえて望んでいる。他人がいるから気を遣うのだ、期待して傷つくのだ、他人の評価に踊らされるのだ、いい子でいようとして窮屈

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    2013年02月15日
  • 孤独について 生きるのが困難な人々へ

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    そこそこにこなしているつもりだけれど、どこか生きづらい。
    でも、こんなに極端に生きづらいという人がいることは、なんだか安心する。
    デラシネ(根なし草)

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    2013年02月06日