中島義道のレビュー一覧

  • 善人ほど悪い奴はいない ニーチェの人間学

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    この本のおかげでニーチェに興味を持つことができました。
    合わない人もいるでしょうか、私には非常にマッチしました。

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    2019年03月16日
  • 不幸論(PHP文庫)

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    幸福なんて、薄っぺらいものだという考え方は良かった。
    SNSの普及による、承認欲求の囚われや、流行という価値観の押し付けが蔓延る世の中。
    いいね!をされること、流行の波に乗れていることは、確かに、幸福ではなく、息苦しいものだと思う。
    しかしながら、幸福の条件を厳密にし、こうでなければ幸福ではない、みんな不幸だ、という、二値論理的な考え方はどうなんだろうか。
    また、哲学者ゆえに、自分の考え方を世間とは違うという表現を使ったり、少数派だという希少性を用いつつ、意見の正しさをデータなどの根拠もなく伝えようとしているのは、今の時代如何なものか?とは思う。そこが、学問から抜け出せないところなのかもしれな

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    2019年01月21日
  • カイン―自分の「弱さ」に悩むきみへ―

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    幼い頃から「いい子」でいた著者が、同じような生き方をしてきた結果、20歳になって自分の生き方に疑問を抱き苦しんでいる「T君」へ向けて書いた、9通のメールという体裁の本です。

    著者は、社会と折り合いがつけられない不器用な若者に、そうした自分を圧殺してしまうのではなく、逆にそうした生きづらい自分の人生を考えるために生きる、という道筋を示そうとしています。

    おそらく「T君」も、著者の手紙を読んですぐさま悩みから解放されるということにはならないのだろうと思います。そうした自分自身のほとほと嫌気がさすような「どうしようもなさ」に付き合っていくうちに、そうした自分の「どうしようもなさ」を決して投げ捨て

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    2018年12月31日
  • 私の嫌いな10の言葉

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    「相手の気持ちを考えろよ!」「ひとりで生きているんじゃないからな!」「おまえのためを思って言ってるんだぞ!」「もっと素直になれよ!」「一度頭を下げれば済むことじゃないか!」「謝れよ!」「弁解するな!」「胸に手をあててよく考えてみろ!」「みんなが厭な気分になるじゃないか!」「自分の好きなことがかならず何かあるはずだ!」。

    こうしたもっともらしい10個の言葉を吐く人びとの背後に、著者はマジョリティに立つ者のマイノリティに対する粗野で傲慢な精神を嗅ぎつけ、告発します。あらためて指摘されるとまったく著者のいうとおりなのですが、世のなかってそんなものでしょう、と思ってだれもが問題にすることなくやりすご

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    2018年12月31日
  • 悪について

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    『道徳的センスは常に善いことしようと身構えることでもなく、自己批判に余念がないことでもなく、善とは何か悪とは何かを問い割り切ろうとしないこと』

    『道徳的に良い行為はなにか誰もが知っている。でも、それは道徳的に良い行為へと向かう指針を与えられるだけで、行為を実現できる訳では無い。』

    『道徳的人間とは、常に善い行為をする人間のことではない。自分の信念を貫くことが他人を不幸にするという構造のただ中で、信念をたやすくも捨てることも出来ず、とはいえ自分の信念ゆえに、他人の不幸のうちに見捨てることも出来ずに、迷い続け、揺らぎ続ける者のことである。』



    哲学初心者としては難しい内容でもあった(カント

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    2018年12月17日
  • <対話>のない社会 思いやりと優しさが圧殺するもの

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    偏差値の低い人たちは、反論することができない。無言になってしまうというのがショックだった。話せばわかるという以前の問題があることに全く気付いていなかった。その他、日本の空気や会議のあり方に、言葉という観点で切り込んで分析している。なかなか読み応えのある、興味深い本だった。

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    2018年11月12日
  • 不幸論

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    理解できる部分と理解できない部分が同じくらいあり難しい本だと思った。人は決して幸福になれないというのはただのニヒリズムではなくニーチェ的な能動的なニヒリズムを意味しているものだということは分かった。また世の中には幸福というもので真実を隠匿しそれを見ようとしないというのは実際そうだと思った。かなり難しいのでもう少し考えてみたい

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    2018年08月11日
  • 「人間嫌い」のルール

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    同調嫌いとしては気になったので読んた。共感するか箇所は多いが特筆して気になった点はなし。きわめて普通のことが書いてある。
    一番の特筆すべき点は、筆者が本書の内容をわざわざ文書化したことかも。

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    2018年08月11日
  • 非社交的社交性 大人になるということ

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    前半と後半のカラーがやけに違うなという印象。著者と生徒のやり取りは真剣なんだろうとは思うけど
    笑ってしまった。後半は軽いエッセーのような感じ?でも実は深い内容かも。
    期待していた内容とは違っていたので星3つ。

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    2018年05月13日
  • 私の嫌いな10の言葉

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    20180223 凄い本。誰にも媚びない、方向を示してもくれない。自分がまさに嫌いな言葉の中に生きていて感じている違和感に付いて答えが出てきたような気がしている。ぶれてないか後何冊かは読んでみようと思う。

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    2018年02月23日
  • 哲学の教科書

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    ネタバレ

     哲学の大きな特徴は、時間や自我、物体、因果律などについて徹底的な懐疑を遂行することであり、この点で、これらに拘泥せずに前提とした上で論じられる思想や文学、芸術、人生論、宗教とは異なっているのである(なお、哲学でないことがこれらの価値を下げることはない)。また、物理学、社会学、心理学などの諸科学では、私固有の意味付けや印象は排除され、客観性が求められるが、哲学は、自分固有の人生に対する実感を忠実に、しかもあたかもそこに普遍性が成り立ちうるかのように言語化する営みである点で異なっている。ゆえに、科学には客観的な答えはあるが、哲学は、人類の歴史が終わるまで終わりはなく、問い続ける運命にあるのである

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    2018年01月03日
  • うるさい日本の私

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    ネタバレ

    この本は、生活にあふれている音の暴力について話されている。いや、怒っている。初めから終わりの寸前まで怒っている。話がまっすぐ入って来すぎる。
    いつも不機嫌で難しい数学教師を思い出した。とても苦手だ。

    著者殿には申し訳がないのだけど、話はわかるが気持ち的に受け入れなれない。が、言われていることは本当にマトモ。

    最後に”もう少し「理論的なもの」”として自身の共著を引用しているじゃないか!
    そっちも読もう。

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    2017年11月08日
  • 非社交的社交性 大人になるということ

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    中島義道の自叙伝的な要素もある。

    日本独特の変な空気。

    変な人々。
    でもそれを変だと思ってしまう自分も,
    日本の空気にしみこんでしまっているんだろう。

    2017/10/13

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    2017年10月18日
  • 東大助手物語(新潮文庫)

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    主題がよくわからない内容だった。大学の助手になって、教授からパワハラ受けたまま卑屈になることを嫌って。。大学という異質な世界の体験記。めずらしい分、楽しめた。2017.8.16

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    2017年08月16日
  • 私の嫌いな10の人びと

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    んー、まあ奇を衒った題名ではあるけど内容は普通。納得いかないところもなくはないけど、基本は合理的で論理的、理が通らないことが嫌い、というのの極端な形。自分もそういうところがあってさらに歳と共にそれが強まってきている気がするので、反面教師にしないといけないと思う、所詮自分は寂しがりやで孤独にはおそらく耐えられないし。

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    2017年06月05日
  • ひとを愛することができない マイナスのナルシスの告白

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    交換不可能な人を好きになるというのは、なかなか難しいと私は思う。
    人を愛するとは何かについて、書かれているが読んでいてなかなか疲れた。

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    2017年03月12日
  • どうせ死んでしまうのに、なぜいま死んではいけないのか?

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     実家にあり、タイトルに惹かれて読み始めた。幸せと一般にみなされることを含め、人生の全ては、どうせ死ぬという真実を直視したとき、絶望的に虚しくなる。ならばなぜ生きるのか。自殺するべきではないのか。
     
     まず、周りの人が自分が自殺すると悲しむから、自殺は悪であるという考え方が示される。しかし、より筆者が強調するのは、哲学者として生きるということである。「なぜ生きるのか」という問いへの答えを出せないままに自殺することは、哲学における至上の命題を考える機会を放棄するということであり、知を愛する哲学者として言語道断である。また、答えが出なくとも、真実の虚しさを偽って世間で生活するよりも、せめて虚しい

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    2016年12月05日
  • うるさい日本の私

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    街の騒音に耐えられない筆者による闘いの記録。マジョリティの日本人の知らない日本人は音に寛容だが、彼は騒音源たる企業・店舗・個人に対して直接抗議をする。90年代に書かれた本なので、彼の抗議は肉声・直筆手紙によりなされ、一部は改善がなされ一部は黙殺される。俺もエスカレーターのアナウンスはまじウザいと感じるが、実際に抗議し、その記録を残す筆者には感服。少々冗長。
    角川文庫により再販されたのは2016年4月。

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    2016年09月19日
  • ひとを〈嫌う〉ということ

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    この人の考え方けっこう好きです。社会で数か所働いてみて痛感したんだけど、人間って嫌われるいきものですよね。孤独だから誰かとつながりたい。繋がると拘束感がやってくる。自分が嫌ってる人間にさえ嫌われるのはショックだ。ずいぶんムシのいい希望でどれだけ厄介なんだと思いますが、この作者は正直ですしなにより自分が人に好かれようという欲望を捨てたところからの考えなのでフェアな感じがします。

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    2016年03月22日
  • どうせ死んでしまうのに、なぜいま死んではいけないのか?

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    幸福を求めず、どうせ死んでしまうという人生の理不尽さを見つめて生きるという清らかな(あるいは限りなくむなしい)生き方と、それを実現するための「半隠遁」という処世術が語られます。

    わたくし自身は、著者のように「どうせ死んでしまう」ということを突きつめて考えることはなかったのですが、こんなにも清々しい仕方で自分の人生と向きあっているひともいるのかと、感心させられました。

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    2017年11月30日