中島義道のレビュー一覧
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ネタバレニーチェなんかに興味がある人ってどんな人なのだろう? とふと私は思ってしまいます。なんか、なんて言い方をすると申し訳ないけど。
私は一応哲学専攻だったこともあり、「俺はニーチェやるから」とか言っているパイセンも近くに居たりして、すこーしかじったり(まじでbitっていうくらい少し)したことが有るので、雰囲気は知っていました。
ただ、それ以外の方だと何だろ?読む理由は何だろう?
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人生に絶望した人とか、世の中へ怒りを燃やしている人? あるいはそういう絶望とか怒りとかを感じてみたい、知りたい人とか? あるいはあれか、日本でいうと太宰治の『人間失格』を読んでみたいみたいな感じなのでしょうか -
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人間に傷つけられまくった数年を経て、人間嫌いになってきたと思って購入。一言で言うと「いや何をどう言ってもあんた結婚して子供までこさえてますから」。そういう人が何故か非常に多いので憎悪が湧いてくる。なぜみんな性欲だけ例外として満たしているのか。動物じゃないか。
こちらには納期を押し付けてくるくせに自分で決めた期日を守らないクライアントが99%なので、こういうキチガイにはここで学んだカントの他人に対する完全義務、「守れない約束をしてはならない」を突きつけてやりたい。
私は結構普通でない生き方をしているので、いろんな生き方をしている人がいることを紹介していた章では一瞬安心したかもしれない。
ま -
- カート
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試し読み
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この本には、人を愛することができない人間が、家族をどのように傷つけていくことになったのかが淡々と記述されている。
自分や、理解したいと思っている相手が、作者や、作者の父親のような「人を愛せない」タイプであれば、この本はとても参考になると思う。でも、そうでなかった場合は、作者の自叙伝を読んでいる気分になるかもしれない。
頭が良い作者にこのことはわかっているだろうから、それでもこの本を書いたということは、両親の確執、妻子との確執に心をえぐられ、哲学者として理性的に分析して消化しようとする執念のようなものが感じられる。
解説に森本正博さんが、「自分の人生こそが、中島さんの出発点であり、 -
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ネタバレこういう本が出されてるってことは、世間一般ではそうでないのか?と思った本でした。
幸せそうに見える人も他人に不幸を見せないようにしてるだけかもしれないし、人にはそれぞれその人だけの不幸があるものだし、「人類皆平等」って言われても「そんなん”生まれたら必ず死ぬ“くらいしか同じとこない…」って思ってしまう質で平安時代の「無常」「憂き世」にシンパシーを感じる身としては「不幸論」は新しい提案ではないけれど、でもここまで徹底的に自らを幸福でないようにしようとする著者の姿勢は凄いです。
不幸のかたちがそのひとをかたちづくる。歪んだり立ち直れなくなって人生終わらせるほどの不幸は無くてよいけど、薄っすら不幸は -
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親ガチャ、という言葉は刺激が強い。けれど、どこか、中空だ。親は選べないけど、こうした私がいるのは、先祖から延々とつないできた命の営みの必然だったりする。問題は、この言葉が一見生まれによる不運さ、を切り取っているようで、強烈に親ガチャで決まるような社会は生きるに値するのか? という問いを内包しているのではないか、ということだ。生まれに着目すれば、次にでてくるのは育ち。育ちとは何か。環境と引き継いだものの影響の及ぼしあい。
しかし、親ガチャで決まるということは、この間の一切合切が、省略されたレールの上に載っているということか。透明カプセルのなかで、社会そのものをスルーする。そこにあるのは、うまく -
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英語コンプレックスが嫌だなと思い解消の糸口がないか探すため読んでみた。
英語コンプレックスは西洋人への肉体コンプレックスと重なると言う部分はなるほどと思った。
ただ本の中でも記載があるが、近年日本人の体型も変わって来ているので現在はあまり当てはまらないと思う(自分のスタイルが別にいいわけではない)
どうしてもネイティブに近づく=上手いと思ってしまうけど、筆者が英語が国際語ならばアメリカ人やイギリス人のように英語を話す必要はない、と書いており、それは少し安心した。
筆者のコンプレックス解消までの変遷を読み、ネイティブより下だと言う意識を持ちすぎず対等な個人として向き合い、間違ってもいいので -
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ネタバレこんな家庭環境の人もいるのだなぁという感じだし、解決法が提示されていないので後味が微妙ですが、本題以外で印象的なところをいくつか。
・ある心的状態が愛であるために不可欠の条件(一)相手の個体に向かっていること。言いかえれば、ほかの人とは交換不可能であること。
(二)相手の肉体のみならず、ひろく心と呼ばれているものに 惹かれていること。言いかえれば、心ある肉体としての相手に惹かれていること。
(三)相手の姿を見たい、その声を聞きたい、その肌に触れたい等々、その人を感じたいと欲望すること。
(四)相手の諸属性を、その固有のあり方においてよいものとみなしている
・愛する側に立つ人間は、たえ -
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タイトルにつられて読んだがなかなか面白かった。
善人(というより弱者、大衆)に対して批判的な意見があんまり受け入れられている印象なくて個人的に疑問に思ってたところをドンピシャで突かれた。
著者の主張と自分の意見が異なる部分ももちろんあったが概ね理解できる内容であった。
ニーチェについてはよく知らなかったが本書で紹介されている限りでは面白そうな主張をしているなと感じた。
自分自身は本書で描かれている善人な部分も持ち合わせているのでそれに甘えないように気をつけなければいけないと再度確認できた。
強者になりたいともなりたくないとも思う複雑な気持ちである。