中島義道のレビュー一覧

  • どうせ死んでしまうのに、なぜいま死んではいけないのか?

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    p.10 きみの姉さんに赤ちゃんが生まれた。きみはその泣き叫ぶ顔を見ながら、どうせ死んでしまうのに、なぜ生まれてきたんだろう、と感ずるのだ。

    同じことを思う。親戚に赤ちゃんが生まれても「おめでたい」という感情は湧かない。人生というものがまたひとつ、その再生装置とともにこの世に現れてしまったことを残念に思い、赤ちゃんに同情するのみである。

    p.15 父親が自分に殺意を抱いていることを知らずに布団に入ってるその子がかわいそうでたまらない。(中略)彼の平静な顔に対して、猛烈な怒りがこみあげてくる。ぼくは酔いに任せて、大声で怒鳴った。「子を産んだだけでも親は罪なのに、そのうえ殺すとは

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    2010年12月03日
  • 女の好きな10の言葉

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    女性の見た目の美しさは、多大な影響があると怒られること承知で分析したり、著者の作家への好き嫌いもあるが、8割方当たってる。若い男性諸氏に教えてあげたい本。
    紫式部が女性の嫉妬に打ち勝つ為に自分の才能である書くことに打ち込んだ。それでいいじゃないか、との下りは納得。

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    2010年11月15日
  • 悪について

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    厳格な倫理思想として知られるカントの倫理学を、「悪について」という観点から解き明かしている。

    カントの問題は、何が適法的な行為であるかを規定することではなく、道徳的に善い行為を、単なる適法的な行為から鋭く区別することだった。著者はこうしたカントの問題意識の中に深く沈潜することで、カントの「形式主義」といわれる道徳法則についての議論が、一見道徳的に見える行為の中にびっしりとはびこっている「自己愛」をえぐり出す鋭い刃として機能していることを読み取っていく。ここでの著者の議論は、上に述べた論理的明晰さと繊細さが類まれな統一を見せており、まさに圧巻である。

    カントの倫理学の中には何が適法的行為であ

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    2012年12月08日
  • ひとを〈嫌う〉ということ

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    中島義道という人が優れた書き手かどうかはひとまず置いておいて、人を嫌いになったら、あるいは誰かを嫌いな自分に嫌気がさしたら、自ずとこの本に興味が湧いて来るでしょう。氏は嫌われ者らしく(それが最も面白いポイントである)、それ故「嫌う」こと「嫌われる」ことについて、この本の他にも数冊書き上げている程に考えをうんぬんかんぬん巡らせている。「嫌われること」を本にしてしまっている時点で、氏を嫌っている人はますます嫌いになる事必須である。もちろんそんなことに本書は触れる訳ないのだ。目次構成がぱらぱらしているので、僕はいつも風呂に入りながら読んでます。

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    2010年11月10日
  • <対話>のない社会 思いやりと優しさが圧殺するもの

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    最初、大学教授の愚痴が書かれているのか?などど思って読んでしまったが、現代社会の「対話」の無さを心から嘆き、うやむやにせず、自己責任においてきちんと発言している中島さんの勇気には敬服した。

    大学教授は、(勝手な思い込みだけど)事なかれ主義の人が多いのではないかと思っていたが、ここまで真摯に自分の仕事に取り組み熱心に行動している人はなかなかいないのではないだろうか!

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    2010年10月25日
  • 善人ほど悪い奴はいない ニーチェの人間学

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    途中、自分と照らせ合わせてどよ~んと落ち込む本。
    終盤はニーチェについて。ニーチェはやっぱり可愛らしい人。

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    2010年10月04日
  • 哲学の道場

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    [ 内容 ]
    哲学は無害なもの、品行方正なもの、そして立派なものとして語られることが多い。
    けれども、それはあらゆるものへの根源的な懐疑から出発するという点で病気に近いものであり、凶暴で、危険で、しばしば反社会的でさえある。
    では、なぜ人は宗教ではなく、哲学を必要とするのか。
    日本語で哲学するとは、具体的にはどういうことなのだろうか。
    死の不条理への問いから出発した著者が、哲学の神髄を体験に沿って解き明かす。

    [ 目次 ]
    第1章 哲学にはセンスが必要である
    第2章 哲学には暇が必要である
    第3章 哲学には師と仲間が必要である
    第4章 哲学には修行が必要である

    [ POP ]


    [ おす

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    2014年10月28日
  • 私の嫌いな10の言葉

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    最初数ページで、なぜこんな本を読んでいるのだろうと思った。なぜこんな細かいことをうじうじ書いているのだろうと。でもだんだんそれが面白くなってきてしまった。最後の章はまじめに書かれている気がして、意外にもためになった。

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    2010年07月14日
  • エゴイスト入門

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    個人的には「これは活字にしてもいいんやろかー」てなことも遠慮なくズバズバ書いちゃう中島義道が好きなのですが、もし僕が中島義道本人に「いやー、エゴイスト入門おもしろかったですー」と言ったら、十中八九、「分かった。分かったからお引き取り下さい」といわれるか、無視されるかのいずれかでしょう。

    中島義道は哲学博士ですが、基本的に哲学なんか要らない、むしろ哲学なんか勉強しない方がうまく生きていけるというスタンスの持ち主です。それだけで、面白いです(不謹慎で、失礼ですが)。

    タイプは違いますが、中島義道とか勢古浩璽、池田清彦あたりが書く文章が大好きです。シニカルでアイロニーに富んだ語りが、とにかくくす

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    2010年06月11日
  • ひとを〈嫌う〉ということ

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    <印象に残った点>
    ・人を嫌うこと自体は食欲、性欲と並んで、自然なこと。
    ・ある人が生理的に嫌いであればある程、差し当たり努力してその原因を突き止めること。
    ・嫌いの原因を探ることは、絶大なプラス効果がある。自分の理不尽、盲目さが見える。ゆえに、自己批判的に人生を見られる。他人から嫌われても、冷静に原因を考えれば、大抵の場合許せる。本当の意味で寛大になれる。

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    2010年06月05日
  • ひとを〈嫌う〉ということ

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    ひきこもりにして、厨二病患者の中島先生が説く、「嫌い」との向き合い方。中島先生の本の中でこれが一番好きです。普通の人は躓かないような小さな小石に躓いて、それを拾い上げて論理的に文句を言う、そんな感じ。

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    2010年04月29日
  • 「人間嫌い」のルール

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    哲学者の人間嫌い論。

    人嫌いならそれはそうと認めて、その代わり自分に正直に生きること。
    自由を獲得するためには、仕事で有能であり、誠実で、勤勉であること。

    などなど。
    自分もそういう生き方できたらいいなと思う。

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    2010年04月02日
  • 「人間嫌い」のルール

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    「人間嫌い」について書いてある。哲学書です。自分も人間嫌いかなとか思ったけどこれ読んだらそうでもないことに気付いた(笑)著者とは決して相容れることはないでしょう。(「人間嫌い」的な意味で。)

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    2010年01月07日
  • カイン―自分の「弱さ」に悩むきみへ―

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    「いい子」から逃れられない苦しみ。「理解」してくれた鈍感な偽善者への復讐。「他人」を(精神的)に殺す方法。怒る、迷惑をかける、自己中心的になる、期待に背く、幸福を諦める、など。T君にあてた手紙として記述。

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    2009年10月11日
  • やっぱり、人はわかりあえない

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    ■本の内容・特徴
    往復書簡による、違う価値観同士のガチンコ(議論)。


    ■目的
    人は分かり合えるのか? また、娯楽。


    ■感想
    PHP新書の書簡形式の本は2冊目です。
    これ、面白いです(笑) 何が面白いって、真剣勝負なところです。「人は分かり合えるのか?どうなのか?」という前提なので、妙に相手にへつらうことなく容赦なく二人はぶつかります。「きっと分かり合える」という予定調和が感じられないこともあり、読者としてはハラハラドキドキしながら、大の大人のケンカを目の当たりにすることができます。

    結局、人は分かり合えないかもしれないけれど、面と向かって真摯にぶつかればぶつからないよりはいい、一つの

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    2009年10月07日
  • 不幸論

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    「幸福」という言葉はあまり好きではありません。
    なんだかうそ臭いし、
    どこかしらつくりものめいた雰囲気がするから。
    同じような思考を持った人にはぴったりの本です。

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    2009年10月07日
  • 不幸論

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    『「幸せになろうね」「私はほんとうに幸せ者です」……。世に蔓延する「幸福でありたい症候群」。だがその幸福感は、他人の不幸や「死」の存在を「知らないこと」「見ないこと」で支えられている。』

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    2009年10月04日
  • 狂人三歩手前

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    最近この著者の本を続けて読みすぎて、新鮮味という意味では個人的に薄かった。
    それでも、自分の価値観や世界観が広がる(というより狭さを知れる)ので定期的に読みたい著者。

    読むと、人生へのしぶとさみたいなものも芽生えるような気がする。

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    2009年10月04日
  • 哲学の道場

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    2冊目の中島義道。「まずはこれ。」の『哲学の教科書』に続き,「次にこれ。」のこの本です。(詳細は『哲学の教科書』の感想を参照。)書いてあることのだいたいは『教科書』と同じ。哲学をする心構えと,哲学研究者になり下がらないように注意を促す。ただ,『教科書』のほうでは哲学研究者を非難していたのに対し,哲学研究者も世の中には必要なんだなあということを僕はこの本から読み取りました。『教科書』よりも,哲学者の書いた文章からの引用が多い。けっこう序盤から哲学書を読む作業をしていて,最後にカントを読むのですが,カントは僕にはどうしようもなかった。途中放棄。最初の方にあるキルケゴールの文章なんかは楽しかったんだ

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    2011年07月17日
  • 狂人三歩手前

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    連載をまとめたもの。連載だからか、中島節ではあるものの、わりとマイルドだったような気がします。連載ならではの時系列というか中島さんの人生の時の流れがちょっとだけ垣間見えるような感じが新鮮でした。誰にでも薦められる本というわけではないですが、とても面白かったです。

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    2009年10月07日