あらすじ
「生きていく理由はないと思う。いかに懸命に生きても、いずれ死んでしまうのだから」。日本も人類も滅びて一向に構わない。世間の偽善ゴッコには参加したくもない……。いっぽう妻と喧嘩して首を締められたり、路上ミュージシャンに酒を奢ったり、桜の巨木を見て涙を流したりの日々。「常識に囚われず、しかも滑稽である」そんな「風狂」の人でありたいと願う哲学者の反社会的思索の軌跡。
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狂人三歩手前。中島義道先生の著書。日本は何かにつけて協調性協調性と協調性強制社会。協調性軽視の組織嫌いだって構わない。哲学科修了の哲学博士である中島先生ならではのご意見には考えさせられることがたくさんありました。狂人三歩手前という過激なタイトルのとおり、内容も日本社会や日本人の生き方の問題点を単刀直入に指摘していて心地良いです。
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中島節は精神、思考のフォーカスがずれた時の快感である。空気が読めない人間の空気の壊し方は意識的でない故に中途半端で心地悪い。空気を読んで、読んで、読みつくし、その場を支配する空気を寸鉄で完全に破壊する爽快感。
その場の全員が納得し、共感し、意思疎通が完成するまさにその瞬間にひとことぼそっと言葉のTNT爆弾を破裂させる。ショーとしての善意と防火帯としての謙遜、発情留保としての涙、暗黙にkeep outを要求する感情・思考のシュバルツシルト半径に躊躇なく踏み込む神経の張り巡らされた無神経さをどこまで社会的・共同生活的・祭り的ひきこもりが持ち込めるかに現代のイブ度がかかっている。
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最近この著者の本を続けて読みすぎて、新鮮味という意味では個人的に薄かった。
それでも、自分の価値観や世界観が広がる(というより狭さを知れる)ので定期的に読みたい著者。
読むと、人生へのしぶとさみたいなものも芽生えるような気がする。
Posted by ブクログ
連載をまとめたもの。連載だからか、中島節ではあるものの、わりとマイルドだったような気がします。連載ならではの時系列というか中島さんの人生の時の流れがちょっとだけ垣間見えるような感じが新鮮でした。誰にでも薦められる本というわけではないですが、とても面白かったです。
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「完全に冷め切った考えの哲学者の本」。
自分とは全く違うので、とても興味深かった。
どうせ死ぬのだから、と6歳から考え始めたらしい。
ある意味賢者の悟りっぽいのかな。
哲学要素が強いので飽きないが、さすがに強く、
最後の方は脳が糖分を欲した。
おもしろい。
Posted by ブクログ
「新潮45」に掲載されていた哲学者中島義道のコラムをまとめたもの。
社会問題はほとんど扱わず、中島の日常や日々考えている事が書きつづられている。1回につき5ページの分量。
中島の読者は「生きづらい系」の人が多いのかなと思った。
「どうせ人間いつか必ず死んでしまうし、人類も地球も滅亡するから生きることなど無意味だ」と中島は主張する。
私も毎日生きる意味を考えていた日々があり、その時から答えは進歩していないが、そうした問題が頭をしめることはなくなった。
これを成熟というのだろうか。