あらすじ
哲学は無害なもの、品行方正なもの、そして立派なものとして語られることが多い。けれども、それはあらゆるものへの根源的な懐疑から出発するという点で病気に近いものであり、凶暴で、危険で、しばしば反社会的でさえある。では、なぜ人は宗教ではなく、哲学を必要とするのか。日本語で哲学するとは、具体的にはどういうことなのだろうか。死の不条理への問いから出発した著者が、哲学の神髄を体験に沿って解き明かす。
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Posted by ブクログ
安易な哲学案内を厳しくしりぞけ、「私」や「時間」や「死」といった哲学的な問いを、生きることそのものにしてしまったような本当の哲学者の姿を示そうとした本です。後半では、ライプニッツの『人間知性新論』やカントの『純粋理性批判』をじっさいに読んでみることで、哲学の問題を徹底して考え抜くことを、著者が実演してみせています。
本書に示された「哲学者」像があまりにも厳しいもので、思わず尻込みしてしまいそうです。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
哲学は無害なもの、品行方正なもの、そして立派なものとして語られることが多い。
けれども、それはあらゆるものへの根源的な懐疑から出発するという点で病気に近いものであり、凶暴で、危険で、しばしば反社会的でさえある。
では、なぜ人は宗教ではなく、哲学を必要とするのか。
日本語で哲学するとは、具体的にはどういうことなのだろうか。
死の不条理への問いから出発した著者が、哲学の神髄を体験に沿って解き明かす。
[ 目次 ]
第1章 哲学にはセンスが必要である
第2章 哲学には暇が必要である
第3章 哲学には師と仲間が必要である
第4章 哲学には修行が必要である
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
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☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
2冊目の中島義道。「まずはこれ。」の『哲学の教科書』に続き,「次にこれ。」のこの本です。(詳細は『哲学の教科書』の感想を参照。)書いてあることのだいたいは『教科書』と同じ。哲学をする心構えと,哲学研究者になり下がらないように注意を促す。ただ,『教科書』のほうでは哲学研究者を非難していたのに対し,哲学研究者も世の中には必要なんだなあということを僕はこの本から読み取りました。『教科書』よりも,哲学者の書いた文章からの引用が多い。けっこう序盤から哲学書を読む作業をしていて,最後にカントを読むのですが,カントは僕にはどうしようもなかった。途中放棄。最初の方にあるキルケゴールの文章なんかは楽しかったんだけど・・・中島さんは大森門下だけあって,理科系の素養もきちんとあるのが素晴らしいと思います。多分,今の僕なんかでは全く歯が立たないほど物理についても知っているのだと思う。群論やルベーグ積分を学んだり,シュポルスキーの『原子物理学』を読んだりしたと書かれていましたね。その大森先生のしゃべり方がかわいいんですけど,本当にこんなしゃべり方だったんですかね。大森先生や有名な人ばっかりの門下生たちと飲みに行ったりするエピソードが本当に楽しそうで,うらやましかった。中島義道は2冊読んだし,こんなところでいいかなあと。この人って正直,しょうもない本ばっかり書いてるイメージですもんね。あとは、そのうち大森荘蔵も読んでみたいです。