中島義道のレビュー一覧
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“必ず人は死ぬ、死ねば何も無い、それはどういうことだろう?何もない、何もない……それがずっと何億年も続くと考えると、背筋が寒くなり………” という表現が後半にあったが、これは自分も幼い時に考えてたことで、それが言語化されてて、文字で見てるだけで、死について別に考えてないのに、やや怖くなった。
でも大人になるにつれて、いつしか死んだ後の世界について考えるのをやめた、怖いから。考えそうになった段階でシャットダウン。考えるのを辞めた時点で筆者の言うマジョリティに属したわけです。
でもその死を、絶対的不幸と捉えてそれ以外の不幸は蚊に刺されたようなもんだと言ってる考え方がとても新鮮だった -
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ネタバレこのあたりで、誤解を避けるために、「物事をはっきり言う」さいの「はっきり」とは何かについて、考察してみましょう。それは、もちろん第一には心に思ったことをそのまま言うことです。ブスと思ったら「ブス」と言う。ハゲと思ったら「ハゲ」と言う。「おさな子のように」そのまま言葉にする。私は、こんな単純なことを言っているのではない、と続くと思うでしょう? 残念でした。私は、まずこんな単純なことから始めることを提唱しているのです。ただしその場合、自分にいかなる禍が降りかかっても、責任を取らねばならない。ここが「おさな子」と違うところで、そのために相手から刺されてもしかたない、社会から抹殺されてもしかたない、
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中島義道さんの著作を読むのはこれで3,4冊目だと思います(うろ覚えですが)。
「非社交的社交性」という題名に惹かれて読みましたが、これ、カントの言葉だったんですね。不勉強の極みでした。
しかしながら、哲学について基礎知識がなくても、この本は十分に楽しめる内容ですので、不勉強でも大丈夫です(私がいうのもオカシイですが)。
前半は著者の過去の暮らしぶりや思想について語っており、後半は著者が開いた勉強会で出会った、「社交性」という意味において一風変わった(?)人々のエピソード集、のような形になっています。
著者の本を何冊か読んでいると一度は出会ったことのある内容が前半に詰め込まれていて、(うー -
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ネタバレ著者が嫌いな言葉。
1.相手の気持ちを考えろよ!
2.ひとりで生きているんじゃないからな!
3.おまえのためを思って言ってるんだぞ!
4.もっと素直になれよ!
などなど。
これら頻出の言葉によって振るわれる同調圧力・形式主義・傲慢といった暴力を非難する。
お題目のように欺瞞を語り続け本当に本音をぶつけ合うことは無作法とされることなども繰り返し具体的に指摘し、抗議する。そういう本です。
自分もこういう言葉とその意図が大嫌いで、常々困っているので、この本をたくさんの人に読んでもらいたい……と思った。わかりやすくどのへんが暴力なのか述べられている。
ただし筆者は自らの意見を持って闘うあまり、攻撃 -
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中島義道節が炸裂していた。本書は中島が死にたいほど悩んでいるT君(架空の人物)に宛てた手紙形式のエッセイです。しかし多分30年前の20代の過去の自分に宛てた手紙に近い。だからこれは自己啓発ではなくエッセイという方が正確な気がする。だけど中島の生き方はマイノリティーには励まされる。
少し引用します。
そして、きみはいつか死ぬ。この広大な宇宙の中で。たとえ、きみの書いたものが、きみの死後少数の人にあるいは大勢の人に読まれることがあるとしても、まもなく誰もきみのことを覚えていない時が来るであろう。きみはまったく忘れ去られるであろう。 それでも、地球は優雅に太陽のまわりを回転し、太陽は銀河系を回り -
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人間は人から嫌われたくない生き物
‼️我々は誰でも人を嫌う、理不尽に嫌う、それが自然
‼️ほのかな愛があるなら、ほのかな憎しみがあっても良い
「私何も気にしてないの」という言葉には注意、本当に気にしてない場合と、大変気にしてる場合、五分五分
どんなに努力してもある人が嫌いであり、どんなに努力してもある人から嫌われる、どうしようも無い
相手が自分の期待に応えてくれない、子供
‼️他人に夢をかける、は誤った態度
自分に傲慢さがなければ、人の傲慢さは気にならないはず
‼️どうにか保持している自己幻想を容赦なく切り崩す相手を嫌う、自信のなさと恐れ
‼️あなたが嫌われるのは落ち度がない場 -
購入済み
面白いが・・・
内容としては、中島氏の生きざまといってよい内容です。
哲学者による哲学と思って読まれると、戸惑うと思います。
好き嫌いがはっきりと出る作品と思います。 -
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前半は新聞の連載などをまとめた内容。後半は自身の哲学塾で出会った変わった立ち振る舞いの人たちについての話。
環境と自己についてのエセー集といった感じではあるのだけど「哲学するのに向いている人向いていない人」といった経験をもとに「困った人たち」について語っていて一気に読めてしまった。
いわゆる哲学についての話は第1部で語られているのだけど、「絶望に陥らない不幸」として、悩むことの前提条件が欠けている点を突いた第2部が圧倒的におもしろい。
ここでは「悩んでいる人=病人」といった捉え方を拒絶して「悩んでいる人は治せない」という当たり前のことを言っているだけなのだけど、なぜ世間一般ではそう捉えてい -
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死にたい人のほとんどは、心の底では生きたいと思ってる。
死ぬほど追い詰められたのは気の毒だ。でも、死にたい人の態度が文句なしに正しいわけではない。
死にたいところまで追い詰められている人が、模範的な態度をとることを拒否したからって、非難する理由になるか?
自由は自由によって制限を受けなくてはならない。
私たちは社会的な動物だから。
どんなに考えをつきつめていっても、結局は「なぜだかわからないけれど」へ行きつく。それが信念だ。数学の公理と同じ。それ以上さかのぼれない取り決め。
善意の嘘、相手を喜ばせるための、自分を守るための嘘。
そんな嘘をついてもいいのか、自分の気持ちをしっかり見つめるこ