中島義道のレビュー一覧

  • 「人間嫌い」のルール

    購入済み

    楽になりました、

    自分は人間嫌いだと思っていましたが、こんな立派な方でも、かなりの人間嫌いで、ある意味安心しました(笑)

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    2021年02月13日
  • 差別感情の哲学

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     差別感情を軸に「繊細で自己批判的な精神を常に持ち続けること」を一貫して主張している。なお、本書の主張は殆どが著者の経験に依るので、評論というよりかはエッセイに近い。(もっとも、感情という極めて主観的なものを対象としているので仕方ないことではあるが)
     そうなると必然的にこの主張は納得できる/できないがより顕著になるので、そこから自身の「差別感情」を追求れば理解が深まると思われる。

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    2021年01月24日
  • 「時間」を哲学する 過去はどこへ行ったのか

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    ■メインテーマ
    過去と未来の正体とは?

    ■筆者が最も伝えたかったメッセージ
    過去とは、過去の出来事を現在想起することで、
    未来とは、現在の心の状態。

    ■感想
    過去を知っている、過去が自分の中に生きているから、現在は支えられている。

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    2021年01月12日
  • 哲学の教科書

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    哲学の入門というと哲学史から勧めることは多いが、この本はそういう慣習と離れて哲学が私たちの身の回りとどう繋がるかから踏み込んでいて大変わかりやすかった。
    私たち存在の根源にもつながる、死だったり時間をそれに答えを出すのでなくて考えることに哲学がある。
    それは小難しいことでなくとも考え続けること。

    明日が次がどうなるかわからないだとか、それこそ思考実験のようで普段は想起しないことー明日、世界が破滅するかもしれない…目覚めないかも知れないーそういったことについて思いを巡らすきっかけにもなった。
    かといって難しいことはなく、また形式的だったり権威的な文章で語られていないため読みやすい。
    時たま抽出

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    2020年12月23日
  • エゴイスト入門

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    過去作で紹介されていたエピソードは斜め読み。相変わらずマジョリティに果敢に挑む著者の切れ味に脱帽。“Ⅲ エゴイストの戦い”の後半は特に面白おかしくも、自身にナイフを突きつけられる...。最後の解説は...いらないので読まないか、その部分だけ切り取ることをお勧めする。

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    2020年10月31日
  • ひとを〈嫌う〉ということ

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    ひとを嫌う理由は
    嫉妬、軽蔑、期待したことに応えてもらえなかったときなど

    ひとを好きになるのと同様に
    ひとを嫌うことも自然なことなのだから
    それを受け入れる方が、
    嫌いを排除しようとする人生より豊かになるということ。

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    2020年09月07日
  • 私の嫌いな10の人びと

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    タイトル通り、中島義道氏が嫌いな特徴の人を書き連ねている。著者の本を読むのは4冊目なので、こういった人たちが嫌いなのだろうなとは予想がついた。いわゆる大多数の人が嫌う人々についてではなく、世間一般に肯定されている人々をバッサリと切り捨てている。
    あとがきに記載の通り、本書にあげられている人々の特徴は「物事をよく考えず、世間の感受性に漠然と合わせている」こと。真に自分の経験から得た信念ではなく、世間・周囲がそう言っているから、という理由でそれに迎合する姿勢である。そういった意味では自分としてもそのような考えない人々は好まないが、自分自身考えることができずに周りに合わせる生き方をある程度してきたこ

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    2020年08月22日
  • ぐれる!

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    私がくれない理由としては
    ただ弱いだけなんだ
    家族や知人との関係を切りたくにも切れない無力な自分
    徹底的な人間になりたくてもどうもなれない無力な弱い自分
    そんな自分がどうしようもなく嫌だ。。。

    真実を味わい尽くす、絶望を味わい尽くす
    味わい尽くせるならまだいいが、味わい尽くせないだろう
    限られた存在としての私が
    中途半端のまま死んでいく
    絶望しきれない、ポジティブになりきれない。。。
    「徹底的にならなくていいじゃん、バランスが大切さ」なんて言っても
    納得できない。。。分からないがどうも納得できない
    鬱陶しい。なんて絶望的
    個人は個人の絶望を語れない
    言い出した途端 普遍的な絶望、概念としての

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    2020年08月15日
  • 非社交的社交性 大人になるということ

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    『差別感情の哲学』で著者について興味を持ったため、手に取った作品。
    前半は著者の人生を振り返りつつ、非社交的社交性(カントの言葉、「人間嫌い」ではない)について著している。
    後半は著者が主催する「哲学塾」での、現代若者(中高年も一部含むが)の生きにくさを多数のエピソードを使って著している。

    全体的に意外と取っつきにくさがなく、エッセイのような感じでスラスラと読み進めることができる。
    面白いのは後半であり、20代の自分と随所に比較して読み進めた。登場人物の言動に対して奇怪だなと思う一方、自分としてもこのレベルではなくとも人との関わりで同様の行為をしてきたのではないかと省みた。自分勝手というより

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    2020年08月09日
  • 「思いやり」という暴力 哲学のない社会をつくるもの

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    駅構内などで流れる無駄なアナウンス、冠婚葬祭や学校行事などで使われる形式ばった言葉、なにかと禁止を促す看板など、日本中に蔓延る暴力的な「思いやり」について、欧州文化などとの比較をしたうえで鋭く指摘されている。しかも欧州文化を絶賛するのではなく、あくまで部分的に見習うところがあるということを主張されていて、とても説得力のある指摘だった。

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    2020年11月26日
  • カイン―自分の「弱さ」に悩むきみへ―

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    ネタバレ

    嫌われる勇気とかとも似てるような人間関係や社会に悩む若者(青年)への本。
    今の筆者が進路に悩む若者に語りかける形式で進んでいく。彼は親から期待されている道と自分の興味の狭間で悩んでいるという。
    自分の若いときの話を引き合いに出しながら、『弱い』若者に向けて主にカントの哲学にそっていかに自分が『強く』なったのか、どんなことに苦しみを、救いを、感じたのかを告白する。
    著者は自分は強くなったという。しかし決して幸福になったとは感じていない。彼は強くなる過程でいろんな人の存在を打ち消してきた。それがよかったのか悪かったのか。ただその道は生き延びるために必要だったのだ、という。
    彼自身、強くなったことを

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    2020年07月19日
  • 善人ほど悪い奴はいない ニーチェの人間学

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    うん、これは掛け値なしに面白かった。自身は善人(弱者≒大衆≒畜群)にならならいように努力している状態だと思いたいが、そうとも言い切れないものを抱えているのも自覚...。ただ、自身の弱さを正当化し、他者に対して暴力的な発言はしないでいたい。

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    2020年07月12日
  • 私の嫌いな10の人びと

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    電通大の哲学者、中島先生の随筆。「笑顔の絶えない人」「みんなの喜ぶ顔が見たい人」。一見、いい人なんじゃないのと思える10種類の人々に共通するのは、自分の頭で考えず、世間の考え方に無批判に従う怠惰な姿勢だったり。多数派の価値観を振りかざし少数派の感受性を踏みにじる鈍感さだという。この感じ、よくわかる。平均的であることには安心するし、そうありたいと思う一方で、個性は尊重したいという矛盾。極端な例もあるが、そこまで言わないと理解できないのかも。中でも秀逸は、「『おれ、バカだから』と言う人」は、実は本当にバカなのです、という件。なんか納得。

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    2020年06月19日
  • 私の嫌いな10の言葉

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    孤高の哲学者である著者が、様々な日本人的思考、言動を斬って斬って斬りまくる。ああ、こんなこと言っていいんだ、考えていていいんだと、全体的にはスッキリ。
    解説でも触れられているが、「「お食事どうなさってます?」と聞く人は「セックスどうなさってます?」と聞けないものだから、こう聞くのではないか。私はいつもそう聞く人はじつはこう聞きたいのだと「改釈(Uminter-pretation)」しております。」は論理的でなく、もう妄想に近い穿った見方だが、笑ってしまった。
    自身の傲慢さを振り返ることができる一冊。

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    2020年05月14日
  • 騒音文化論

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    「うるさい日本の私」以来、
    やはり
    中嶋義道さんの発言には
    耳を傾けてしまう

    「文化騒音」
    全く言いえて妙である
    あれも
    これも
    それも
    いったいこの国は
    どうなってしまっているのだ

    そう感じている人は
    間違いなく いる
    悪戦苦闘している人は
    間違いなく いる

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    2020年02月04日
  • 不幸論(PHP文庫)

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    死を目前に控えたとき、その絶対的不幸の元にひれ伏すしかない人々は、その相対的不幸をも引き受けなくてはならない。それが〈絶望〉しないススメであるのだから。

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    2020年02月02日
  • 悪について

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    タイトルだけを見ると、なんだか犯罪心理分析のような本かと思ったが、本書は「カント哲学」の「根本悪」をわかりやすく解説している本だった。
    カントというとわかりにくいイメージがあり、またこの「根本悪」という言葉も性悪説?なのかとやや批判的に思っていたのだが、筆者の言葉をかりると、カントがいうところの「悪」は、キリスト教の原罪よりも、より”人間的”なのだ。
    筆者は、カント哲学をわかりやすく解説しつつ、我々に考えるヒントを与えてくれているようだ。
    「善く生きること」を求めるがゆえ、悪に陥るという矛盾した構造に悩むことを、筆者は力強く肯定的に問いかけている。
    この本はカント哲学の入門書として最適な一冊だ

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    2020年01月23日
  • 醜い日本の私

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    「奴隷的サービス」と「醜と不快の哲学」が特に面白かった。ある食堂で、「72番さんです。お待たせしました!」と不快な物扱いをされたことを思い出す。「72番の札でお待ちのお客様、お待たせいたしました」だろ!この店員がいる時には、そっと店を後にする私...。
    「たとえどんなによいことでも、人々の言葉が一律になってしまったら、用心しなければならないと思う。そのことを、われわれは歴史からうんざりするほど学んできたはずである」
    「「他人の気持ちがわかる人」とか「他人の痛みがわかる人」というスローガンをもとに、他人の感受性を尊重する教育がなされているように見える。だが、この場合、じつは「わかる」内容は、感受

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    2019年12月19日
  • 孤独について 生きるのが困難な人々へ

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    あなたは俺か。
    そう思うような考えばかりだ。

    しかし、どれも彼の体験に出自を持つ言葉で、当然自分には当てはまるべくもない。それでもなお、ああ自分の感じた思いはまさにこういうことがいいたかったんだ、と思う。

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    2019年11月02日
  • 不幸論(PHP文庫)

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    ネタバレ

    私はありとあらゆる犯罪者に対して、自分とは無関係だとタカをくくってはいられない。私がしたかもしれない、あるいは今後するかもしれない犯罪を、彼らは私に代わってしてくれたように思う。神谷美恵子の言葉を借りれば、「なぜ、私ではなくてあなたが」という疑問は消えないのだ。

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    2019年06月10日