中島義道のレビュー一覧

  • 私の嫌いな10の人びと
    タイトル通り、中島義道氏が嫌いな特徴の人を書き連ねている。著者の本を読むのは4冊目なので、こういった人たちが嫌いなのだろうなとは予想がついた。いわゆる大多数の人が嫌う人々についてではなく、世間一般に肯定されている人々をバッサリと切り捨てている。
    あとがきに記載の通り、本書にあげられている人々の特徴は...続きを読む
  • ぐれる!
    私がくれない理由としては
    ただ弱いだけなんだ
    家族や知人との関係を切りたくにも切れない無力な自分
    徹底的な人間になりたくてもどうもなれない無力な弱い自分
    そんな自分がどうしようもなく嫌だ。。。

    真実を味わい尽くす、絶望を味わい尽くす
    味わい尽くせるならまだいいが、味わい尽くせないだろう
    限られた存...続きを読む
  • 非社交的社交性 大人になるということ
    『差別感情の哲学』で著者について興味を持ったため、手に取った作品。
    前半は著者の人生を振り返りつつ、非社交的社交性(カントの言葉、「人間嫌い」ではない)について著している。
    後半は著者が主催する「哲学塾」での、現代若者(中高年も一部含むが)の生きにくさを多数のエピソードを使って著している。

    全体的...続きを読む
  • 「思いやり」という暴力 哲学のない社会をつくるもの
    駅構内などで流れる無駄なアナウンス、冠婚葬祭や学校行事などで使われる形式ばった言葉、なにかと禁止を促す看板など、日本中に蔓延る暴力的な「思いやり」について、欧州文化などとの比較をしたうえで鋭く指摘されている。しかも欧州文化を絶賛するのではなく、あくまで部分的に見習うところがあるということを主張されて...続きを読む
  • カイン―自分の「弱さ」に悩むきみへ―
    嫌われる勇気とかとも似てるような人間関係や社会に悩む若者(青年)への本。
    今の筆者が進路に悩む若者に語りかける形式で進んでいく。彼は親から期待されている道と自分の興味の狭間で悩んでいるという。
    自分の若いときの話を引き合いに出しながら、『弱い』若者に向けて主にカントの哲学にそっていかに自分が『強く』...続きを読む
  • 善人ほど悪い奴はいない ニーチェの人間学
    うん、これは掛け値なしに面白かった。自身は善人(弱者≒大衆≒畜群)にならならいように努力している状態だと思いたいが、そうとも言い切れないものを抱えているのも自覚...。ただ、自身の弱さを正当化し、他者に対して暴力的な発言はしないでいたい。
  • 私の嫌いな10の人びと
    電通大の哲学者、中島先生の随筆。「笑顔の絶えない人」「みんなの喜ぶ顔が見たい人」。一見、いい人なんじゃないのと思える10種類の人々に共通するのは、自分の頭で考えず、世間の考え方に無批判に従う怠惰な姿勢だったり。多数派の価値観を振りかざし少数派の感受性を踏みにじる鈍感さだという。この感じ、よくわかる。...続きを読む
  • 私の嫌いな10の言葉
    孤高の哲学者である著者が、様々な日本人的思考、言動を斬って斬って斬りまくる。ああ、こんなこと言っていいんだ、考えていていいんだと、全体的にはスッキリ。
    解説でも触れられているが、「「お食事どうなさってます?」と聞く人は「セックスどうなさってます?」と聞けないものだから、こう聞くのではないか。私はいつ...続きを読む
  • 騒音文化論
    「うるさい日本の私」以来、
    やはり
    中嶋義道さんの発言には
    耳を傾けてしまう

    「文化騒音」
    全く言いえて妙である
    あれも
    これも
    それも
    いったいこの国は
    どうなってしまっているのだ

    そう感じている人は
    間違いなく いる
    悪戦苦闘している人は
    間違いなく いる
  • 不幸論(PHP文庫)
    死を目前に控えたとき、その絶対的不幸の元にひれ伏すしかない人々は、その相対的不幸をも引き受けなくてはならない。それが〈絶望〉しないススメであるのだから。
  • 悪について
    タイトルだけを見ると、なんだか犯罪心理分析のような本かと思ったが、本書は「カント哲学」の「根本悪」をわかりやすく解説している本だった。
    カントというとわかりにくいイメージがあり、またこの「根本悪」という言葉も性悪説?なのかとやや批判的に思っていたのだが、筆者の言葉をかりると、カントがいうところの「悪...続きを読む
  • 醜い日本の私
    「奴隷的サービス」と「醜と不快の哲学」が特に面白かった。ある食堂で、「72番さんです。お待たせしました!」と不快な物扱いをされたことを思い出す。「72番の札でお待ちのお客様、お待たせいたしました」だろ!この店員がいる時には、そっと店を後にする私...。
    「たとえどんなによいことでも、人々の言葉が一律...続きを読む
  • 孤独について 生きるのが困難な人々へ
    あなたは俺か。
    そう思うような考えばかりだ。

    しかし、どれも彼の体験に出自を持つ言葉で、当然自分には当てはまるべくもない。それでもなお、ああ自分の感じた思いはまさにこういうことがいいたかったんだ、と思う。
  • 不幸論(PHP文庫)
    私はありとあらゆる犯罪者に対して、自分とは無関係だとタカをくくってはいられない。私がしたかもしれない、あるいは今後するかもしれない犯罪を、彼らは私に代わってしてくれたように思う。神谷美恵子の言葉を借りれば、「なぜ、私ではなくてあなたが」という疑問は消えないのだ。
  • <対話>のない社会 思いやりと優しさが圧殺するもの
    日本的スピーチの怒りに関して書かれている頁は痛快だった。私は結婚式とかでよく聞く「諸先輩方を差し置いて誠に僭越ながら・・・」みたいなのが大嫌いなので、読んでて爆笑だった。
    ルール違反者を徹底的に追跡するドイツ人の話、中島先生が違法自転車をぶっ倒して歩く話などは本当におもしろい。

    しかし、子供に対す...続きを読む
  • 哲学の教科書
    これは哲学の歴史を教えるのでも、さまざまな哲学の案内書でもない。哲学でないものは何かから、哲学とはどういったものかを感じ取らせる。哲学は子供の問いに似たもので、生きるとは、死とは、存在とは、私とは、心とはと問う。自分の存在をかけて問い詰めるものが哲学者であるとか。七面倒くさいことにを悩みながら言葉を...続きを読む
  • うるさい日本の私
    単なる苦情でなく、行動にうつしている
    また、うるさいことのみに注目するのでなく、
    人間としてこの放送は必要か、とか、
    うるささに鈍感な日本人の様子に対する疑問とか、
    生活の基本を振り返ることができた
  • 騒音文化論
    中島義道の抗議は理詰めで徹底している、てのは、いろいろ資料を用意してしかるところに提出しているってことなんだけど、本書の総ページ343のうち、60が資料集だからね。当人が苛まれていることに、どれだけ熱意を?もって研究しているかがよくわかるのですが、その結果生まれた「日本人のからだ」という表現はユニー...続きを読む
  • 私の嫌いな10の人びと
    中島先生は繊細でとても優しくて魅力的。でも、中島先生の考え方に染まってしまうと、自分のことを親切だと信じている鈍感で頭の悪い人達と付き合えなくなってしまうし、世の中生きにくくなってしまうので、なんとも難しい。
  • 私の嫌いな10の人びと
    偏屈?とういか実は皆心の中に多かれ少なかれ持っているけど、今の風潮には合わないので、何と無く声に出さなかったうちに、自分でもそんな気持ちに蓋をしていたことに気づかせてくれる本。
    オレンジ色の東京タワーが綺麗って、普通の感覚で逆に新鮮だった。