中島義道のレビュー一覧

  • 孤独について 生きるのが困難な人々へ

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    中島先生の哲学は一見とても捻くれたように感じるけど、的を得た事を言っているのではないかと個人的に思う。この人の思想には何故か惹かれる。

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    2021年02月24日
  • 〈ふつう〉から遠くはなれて ――「生きにくさ」に悩むすべての人へ 中島義道語録

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    希望を持つようにになるわけがないが
    なんだか安心した。
    絶望していいんだ
    なにもかも捨てて、でもまた悩んで、そして苦しみの繰り返しの中で喘ぎ続ける…
    えんえん納得できない納得しない
    「それでいいんだ」と言わなく
    理不尽を凝視し
    繊細な精神を保て…

    でも言葉もまた絶望的に無力で無意味なものだ
    読んできた言葉や自ら発した言葉も
    あんまり意味ないんだ…
    なんの形も持たなく 明日でも今日の自分の言葉を誤解して
    今日の自分と違う人になる…これは悲しいな…どうしようもないか…

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    2020年08月23日
  • 反〈絆〉論

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    中島義道氏3冊目。内容は想定、期待通り。
    「絆」は不可侵存在であり、私たちを縛る。当然のものとして存在し、時には暴力的な様相を醸し出す。

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    2020年08月23日
  • カイン―自分の「弱さ」に悩むきみへ―

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    結局死ぬっていう大前提がある。だからその絶対的不幸に比べたら生きている間に起こることなんて問題じゃないし、なにも興味がわかない、感動しないとしても問題にはならない。
    まずそのスタンスを忘れないようにしたい。そこでなんで自分はなにも感じないんだ!と悩む必要はないんじゃないか、ということ。

    みんな仲良くというマジョリティの生き方に違和感を感じるということは、その生き方が自分にあっていないということか。

    この先強く生きるのか弱く生きるのかはわからない。一つだけ確かなことは、その生きる意味を探し続けるのがいいんじゃないかってことか。結局なにもわからないかもしれない。でも純粋にいろいろ学んでたら何か

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    2020年08月16日
  • 差別感情の哲学

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    差別感情はどこから生まれ、育っていくのか。
    偏った者が差別感情を生み出していると考えられがちではあるが、所謂ふつうの人こそが差別の温床である。ふつうの人が、差別などしていないという意識でいるからこそ、無意識に差別が起こるのだ。
    ナチスドイツがその最たる例である。
    私たちはあらゆる行為に差別感情が付随していることを意識し、「他人」を自分の目線から外すことのないよう行動しなければならない。そのために、差別する自分と向き合わねばならない。

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    2020年07月27日
  • 差別感情の哲学

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    差別感情という人間の奥底に潜んでいるものを徹底的に炙り出している力作。

    著者の中島義道に関しては、社会不適合である自意識のある人に寄り添い、励ましてくれるような言葉を投げかけてくれるような印象を勝手にもっていたが、概ね間違ってはいなかったようだ。本書でも中島義道は「常識」や「普通」といった言葉の危険性を訴え、違和感を実直に書き連ねることで、同じような経験をした読者との間に共感の橋を架けている。

    一般的に疎まれる「高慢」や「驕り」などの否定的感情と「誇り」や「高邁」などの肯定的感情を対置させ、どちらにも差別感情は含まれていると説く。
    自分自身を肯定する感情のそばには、他者を蹴落とす精神も必ず

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    2019年08月31日
  • 差別感情の哲学

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    -非権力的が権力に立ち向かい自らの理念を実現するためには、それ自身が権力を持たねばならないという自己矛盾に陥る。
    SNSでだれかが悪を糾弾しあっというまに炎上、忘却を繰り返す世間。正義とは善とは、わからなくなる今日に読みたい本。新聞で引用されていた、フランス文学者の渡辺一夫の”寛容は自らを守るために不寛容に対して不寛容たるべきではない”という言葉を思い出す。

    寛容は寛容にしか守れない。
    難しいけども、常に繊細な自己批判を行うこと。いかなる理論もそれを欠如していて、無条件に自らを正しいとするならば、背を向けてよい、というメッセージ。

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    2019年07月22日
  • カイン―自分の「弱さ」に悩むきみへ―

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    読み手を選ぶ本だと思うが、個人的には9章~あとがきの文章が非常に好みで、何度も読み返している。

    p.210
    さあ、ぼくを離れて、ぼくがきみに言ったことをすべて忘れて、きみはひとりで生きていきなさい。きみは、きみの人生をきみ自身の言葉で彩ることを決心したのだから、それをどこまでも続けることだよ。

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    2019年07月15日
  • 不在の哲学

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     中島義道、久々の本格哲学書である。
     中島の著作は哲学書、哲学入門書、エッセイの大きく三種類に大別されるが(例外中の例外として小説も書いているがこれは除外する)、専門である哲学書・哲学入門書よりも、専門外のエッセイの方がはるかに多くの読者を獲得しているのは皮肉である。久々の本格哲学書となった本書は、広い論域と深い思考に裏打ちされた、期待を裏切らない秀作となっている。
     中島は冒頭で「無」と「不在」の違いについて論じ、これまで多くの哲学者たちが語ってきた「無」は、実はそのほとんどが「不在」であると闊歩する(確かにサルトルが『存在と無』において開陳した「無」は、存在の否定形なのだから紛れも無く「

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    2019年07月09日
  • 私の嫌いな10の人びと

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    たぶん中島義道と同じような感覚を持ちながら、言語化できなかったり、行動に移せないでいたから、自分はこの本が好きなんだと思う。誰かの言葉に仮託して、喋ってもらいたいこともある。卑怯者とか言われそうだし、自分でもずるいと思う。いずれにせよ、本を読んでいて自分の感覚を自分で理解できたのが良かった。自分に対する誠実さ、これは生きる中でより大事したい。

    また折に触れて、読み返したい。

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    2019年05月19日
  • カイン―自分の「弱さ」に悩むきみへ―

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    中島先生は生の無意味さと死の避けられなさに怯えと焦りを隠さない。本書でもそれは徹底的に踏襲されており、読む者の共感を呼ぶとともに深い絶望へと誘う。
    一方で永井均は対照的に「存在の祝祭」、つまり長い歴史のなかで己が現在の社会に存在することの驚きを表明する。自己という存在の奇跡を高らかにうたいあげる。同じ現象がこれほど正反対に評価されるものなのかとしみじみ思う。
    対照をなす二論のうち、中島先生はどうしても険しい方を選ばざるを得なかった。あえて苦しい道に進まざるを得なかった。それは自分には、あえて弱さを選択するという強さのように見える。気のせいだろうか。

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    2019年04月11日
  • うるさい日本の私

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    うるさい日本の私。中島 義道先生の著書。私も日常生活でうるさいと感じてしまうことが多くて、日本は過剰サービス社会なのかなと思うこともしばしば。それが日本人の自主性や自分で考える力を奪ってしまっていると思うのは考え過ぎの被害妄想なのかもしれないけれど。

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    2019年02月10日
  • 哲学の教科書

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    哲学に対してテレビ的な誤ったイメージを持っている人、哲学に興味のない人、哲学にインテリなイメージを持っている人、とにかく読んでみたほうがいい。
    哲学は何の役にも立たない、が、哲学の問いを心の片隅に置いて生きるのとそうでないのとでは、何かが違う、かも?

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    2019年01月22日
  • <対話>のない社会 思いやりと優しさが圧殺するもの

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    オランダに行って、オランダに関する本を色々読んで、
    どうしてこの国の人達は、反対派の人達と協働で何か事を起こしたり出来るのだろう?
    対話をすれば良いと言っているが、対話ってそんな効果があるのだろうか。
    と思っていましたが、
    この本を読んで自覚した。自分を含め日本には普段は「対話」がない。
    対話がなかったから、オランダで起こっている事柄が腑に落ちきれていなかったのだ。
    この本は20年前に書かれているが、今は少しずつ変わってきているかも。
    日本では「対話」をするためには、それが出来る場を敢えて設定してあげることが必要で、
    カフェ型トークなど「対話」を生ませる様々な試みが開発、実践されつつあるのかな

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    2018年11月04日
  • 狂人三歩手前

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    狂人三歩手前。中島義道先生の著書。日本は何かにつけて協調性協調性と協調性強制社会。協調性軽視の組織嫌いだって構わない。哲学科修了の哲学博士である中島先生ならではのご意見には考えさせられることがたくさんありました。狂人三歩手前という過激なタイトルのとおり、内容も日本社会や日本人の生き方の問題点を単刀直入に指摘していて心地良いです。

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    2018年11月04日
  • カイン―自分の「弱さ」に悩むきみへ―

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    ネタバレ

    カイン好きなので何となく気になり中古で購入。
    十数年振りの中島義道さんの本。
    想像していたよりずっとずっと胸に刺さりました。

    『T君』に語りかける中島さんの過激な言説の裏に見える真摯さ。
    その言葉も実は『自分に向けて』語っていると吐露する正直さ。

    読みながら自分中途半端だなあと思った。
    言ってることがすごくよく分かると思ったり、もしかしたら自分は中島さんが言う『粗野で鈍感な』マジョリティかもしれないなと思ったり。

    中島さんのようになりたくはないけど、彼の言うマジョリティにもなりたくない。

    では、どうするか。

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    2018年05月20日
  • 差別感情の哲学

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    現実的かどうかはわからない。しかし、どうだろうか? と考えることは大切だと思う。綺麗事かもしれない。しかし、一面的な綺麗事とは一線を画すと思う。加えて、必要になるであろう景色も著者は提示している。どこまで添えるかは各人それぞれだと思うけれど個人的には、こういう率直な議論が一番、響くように思う。有意義な読書だった。

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    2017年12月18日
  • ひとを愛することができない マイナスのナルシスの告白

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    このテキストはなんだろう? たしかに哲学的であるが、同時に私小説のようでもあり不思議な感じがする。エッセイにしては重すぎるし、哲学にしては個人的な経験に基づいたものが多い。自分のことをここまで、掘り返して断じることはなかなかできないし、そういった作業が普通では無いことを感じさせる。己のことを徹底して客観的に語ることは恐ろしいことであるという意味で、哲学ホラーと評した解説森岡正博の言葉は頷けるものがある。内省の徹底と疑義を挟んでの自己認識がどういうものであるか。明るい気持ちにはならないし、完全には沿えないにしても、徹底のもたらすものを客観的に見直す事ができると思う。

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    2017年12月18日
  • 過酷なるニーチェ

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    ニーチェらしくニーチェを読み説くという感じ。ビジネス書的な限定的なニュアンスではないし提議を巡る専門的な話でもない。生き方そのものを問うような感じ。いい本だと思う。

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    2017年12月18日
  • 東大助手物語(新潮文庫)

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    中島先生の本は見つけたら買う!珍しく哲学の本じゃない。中島先生が東大で助手をしていた時の嘘のようなホントの話。
    わーまた色々読み返したくなってきた。
    自分が成し遂げたいことの分野でろくでもないことにぶつかった時、どう乗り越えるか。それから逃げることは弱さというのだろうか。

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    2020年02月04日