中島義道のレビュー一覧

  • 不幸論

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    幸福アピールする人や幸福ばっかり考える人は、実は幸福の中にいるのではなく、不幸や不安から逃げ出そうとしているだけ。かといって、不幸と向き合ってしまって解決策があるか、逃れられるかといえば、そうでもない。
    やはり幸福というのは求めるものでもない。
    本当は、幸福も不幸も相対的な感覚で実体はないのかも。
    幸福も不幸も分離されるものではなくて、心の中に絡みついて天気のように入れ替わる。
    ある時は、神に愛された確信や良き出会いの幸福を噛みしめるが、現実に悪い意味をつけていくことで自ら不幸を作り出してしまっている時もある。
    不幸というのは、「嫌だ」と思う脳の働きにしか過ぎない。

    不幸の正体を見極めること

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    2015年06月05日
  • 不幸論(PHP文庫)

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    脅しや絶望じゃなく、幸福なんてどこにも無いよという本。だって地球上の全存在が幸福じゃない限り、個人の感じる幸福はただのまやかしだから。何かを必死に見ないふりしてないと守れない砂上の楼閣、それが幸福。幸福なんてどこにも無いから、必然的にあなたも私も全員不幸。と、いうことをぐちぐち言っている面白い本です。

    人は人生のあらゆる場面で選択をする。自分の欲望を満たすため、幸福を掴むために何かを切り捨て、踏みつけ、置き去りにして進む。それをちゃんと憶えている限り、幸福は無いのだ、と。

    こんな本当のことを言ってしまう人はそりゃ煙たがられることだろう。王様は裸だよ!と告発する空気を読まない大人。それが中島

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    2015年06月04日
  • 不幸論

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    ネタバレ

    相変わらずひとつのテーゼに持論、偏見、数々の(かなりこじつけや雑な扱いもあるのだが)引用をくっつけて、こねて、ちぎって見せるけど、最初の一ページ、いや目次に記してあるたった一行からいささかも変化はない。今回は「どうしたって不幸なんだからわかって生きてそして(以降は通底しているな)やっぱり人は必ず死ぬ」ということ。この先生に嫌悪感を抱くのはもっともだが、ロジックビルディングがやけに面白いことを脇においてはいけない。こんなに面白い老人ボヤキはそうはないのだから。

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    2015年05月12日
  • 私の嫌いな10の言葉

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    ネタバレ

    中島は「笑い」(P110-115)と「無礼講タイプの会話空間」(P215-217)について、個人の発する言葉をなぎ倒すものだと指摘しているがこれに強く共感した。
    言葉による訴えに取り合わず、笑って取り繕う。過ぎ去るのを待つべき嵐としてしかそこにある言葉を扱わない。笑みで躱す。たしかに、笑みは意思伝達や疎通で大きな位置を占めるものではあるが、言葉を受け取らないために使われる場合はあちらこちらで見受けられる。
    「無礼講タイプの会話空間」、こちらには特にときおりときおり息苦しさを感じる身であるから共感も一入。そこではこちらの「本音」は勝手に決められる。真剣に語ってはいけない、茶化しに参加せねばならな

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    2015年05月03日
  • 非社交的社交性 大人になるということ

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    「確かに人を傷つけることは悪である。だがわれわれは、残念なことに、いかなる場合も誰一人として傷つけずに生きることはできないのだ。とすれば、「心の弱い人」はいかに人から傷つけられても、それを跳ね返して生けていけるだけの「強さ」を身につけるように自己鍛練すべきであろう。」

    「「善意だらけ」の状態を演技と知っているうちはいいのだ。だが、善意の演技はいつの間にか当人を酔わせ、真実を見えなくさせる。そして、真実を語る人を排斥することになるのである。」

    「じつは、すべての誇りは傲慢や軽蔑と紙一重なのである。あらゆる言葉は、語る人の個人的意味付与とは独立に、その社会における「普通の」意味(価値)を帯びて

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    2015年04月03日
  • ぐれる!

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    自分を変えたくてポジティブに、前向きに、をうたう本を読んでそのように頑張ろうと思っていた矢先、この本を読み、ポジティブにをうたう本とは180度違うことを言っているし過激で衝撃的だったが、現実的で嘘がなく気持ちいい。なにも頑張る必要はない。肩の荷が下り、楽になれた。

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    2015年03月22日
  • 私の嫌いな10の人びと

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    いやー偏屈(笑)最高に偏屈な人だ!だからこそ、ブレない文章。読んでいて、清々しささえ覚える。面白い。

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    2015年03月22日
  • 怒る技術

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    ネタバレ

    怒ることが出来ない日本人。
    そのうち怒りの感情が麻痺してしまうという。
    そうならないための本。

    怒る技術とは、自分の正論を相手に認めさせるためのものではない。
    正論でなくてもいい。またこちらの要望通りに相手が行動してくれなくてもいい。
    とにかく怒りを正しく発散させる技術。
    時に語り口が可笑しく笑えた。
    ただし、実践は難しい・・・。

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    2015年01月23日
  • やっぱり、人はわかりあえない

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    分かり合えない、というと寂しい気もするけど、この人たちはある意味「分かり合ってる」と思う。互いに相手のことを分かっているが、受け入れないという意味で分かりあっていない。
    でも、中川義道さんの方が子供だと思った。まあ、そんな人も好きだけど、彼の意見は集積体としてしか役に立たない。その考え方についてはスペシャリストだが、他の事は理解しようとしない。誰でも彼でもその傾向はあるけどね。彼を見る人は、彼の特徴を汲み取るだけで、彼を否定したりする必要はない。彼も自分の考えを人に押し付けるような事はしないだろうし、そこが素敵なところだよね。
     そう思うのは自分の心の弱さと、それに付随する自己顕示欲のせいなん

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    2015年01月17日
  • ひとを〈嫌う〉ということ

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    嫌うということをありのままに受け止めることがより豊かな人生につながる。

    興味深かったのは、人は嫌うという感情を自分から払拭したいがために、自分で都合の良い原因(嫌いなところ)を見つけ、それに全てのマイナス感情を被せるということ。

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    2015年01月16日
  • 哲学の道場

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    安易な哲学案内を厳しくしりぞけ、「私」や「時間」や「死」といった哲学的な問いを、生きることそのものにしてしまったような本当の哲学者の姿を示そうとした本です。後半では、ライプニッツの『人間知性新論』やカントの『純粋理性批判』をじっさいに読んでみることで、哲学の問題を徹底して考え抜くことを、著者が実演してみせています。

    本書に示された「哲学者」像があまりにも厳しいもので、思わず尻込みしてしまいそうです。

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    2017年11月30日
  • 非社交的社交性 大人になるということ

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    読む目的
    中島さんの人となり、思想の元を知るため。

    一言でいうならどんな内容?
    中島さんの生い立ちや考えてきたこと、講義の体験談などを交えながら、大人になることについて語られている。

    詳細
    第1部 ご自身の生い立ちをもとに、人との関わり方、哲学への姿勢などが描かれる

    第2部 講義にきていた人への対応などを交えながら、若者論、生き方論について、中島さんの持論が展開される。

    心に留った点


    引用
    一抹の不安とともに、いままさに人生に船出しようとしているきみは、すばらしい可能性を秘めている。それは、きみは希望を捨てずに努力をすれば何でもできるという無責任な激励ではなく、きみがどう生きて行く

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    2014年12月13日
  • 善人ほど悪い奴はいない ニーチェの人間学

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    ニーチェの思想と照らし合わせながら、自分の弱さを認識しながらも、その弱さを正当化する欺瞞、偽善を武器にして、頑張って戦う強者批判する現代の「善人」を、「弱者」として批判する。

    中島さんの本はクセが強すぎてどちらかというと苦手だったのですが、本書にはかなり共感できました。

    本書のキモは、そんな「善人」を批判する人(読者)も実は欺瞞に満ちている「善人」だという指摘です。世の中どこでも偽善者だらけ、といわれると切なくはなりますが、まあそういう見方はあるんだろうな、と。

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    2014年12月11日
  • 哲学の教科書

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    これは哲学であれは哲学じゃないっていう振り分けはこの人の哲学に反してる。全てを疑うところから哲学ってスタートするらしいから、まずは自分を疑えっていうデカルトの哲学から言っても矛盾しとるよね。だけど、この人は本当に哲学が好きなんだと分かる。何よりこの人の哲学を読み解く力や、それをさらに分かりやすく卑近な例を用いて説明する力はすごい。なかなか難しい印象の強い哲学だけど、様々な哲学書を脇に挟んで、この人にこれはどういうこと?あれは?と質問してみたい。この人がアリストテレスにそうしたいと言っているように。主観もそこそこに、だけど哲学の教科書と銘打つだけの手に取りやすさと、奥床さがある一冊。

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    2014年12月01日
  • 人生に生きる価値はない

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    ネタバレ

    現代日本、思いやりのある社会を
    実現したら 百万単位の心の病
    戦国時代には戻れないので道は一つ
    他人にはもっと優しく
    もっと思いやりをもち
    そして自分はもっと病気に
    なりましょう!
    抜粋したのでひどく聞こえますが
    自己欺瞞の思想家や哲学者が言う
    優しさや思いやりではなく
    ホントの意味で 優しさ 思いやりを
    普通教 みんな一緒主義の日本では
    心の病に悩む方が正常だと
    そういうことなのかと

    戦う哲学者 中島義道さんは
    女性から非難されかねないことも
    言いますが 一理あるともとれる
    キツいことも言うけれど
    嘘偽りのない言葉で
    誠実で 優しく 愛情溢れる方だと
    感じます。
    誠実でないことに
    怒りっぽ

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    2014年11月02日
  • 私の嫌いな10の言葉

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    ★ 言葉の裏側にある「傲慢さ」にムカつくんだよなぁ~

    出勤前にTVニュースを見聞きしながらコーヒー飲みながら
    身支度しているとあれ?
    常日頃、自分が思っていることをズバリと
    的を得て言っているおじさんが出演ていた。

    「もっと素直になれよ!」って言葉を使う人は、
    なにをもって素直になれと言っているんだろう・・・

    そういうテーマを語るおじさんは哲学者の中島義道だった。

    あたしも過去に上司から言われた事がある。

    ”依怙地にならないで素直になれよ、
    おまえのためを思って言ってるんだ!”な~んて一見、
    親身でいい人っぽいセリフだが、
    あたしから言わせれば傲慢だ!と思っていたので
    たまたま知った

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    2014年10月30日
  • 私の嫌いな10の人びと

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    人によっては毒にも薬にもなる「戦う哲学者」中島義道

    すべてとは言えないがかなり共感できる。
    中島義道が、10のタイプの「善人」をバッサリと斬る。
    一部だが共感できる題材とその理由を簡素にまとめてみた。

    ★「『おれ、バカだから』と言う人」
    実は本当にバカなのです。
    (これ笑えました。)

    ★「笑顔の絶えない人」
    結局自分の利益になるからこのルールに従っているだけではないか。

    ★「常に感謝の気持ちを忘れない人」
    日本の社会はこの気持ちが欠如している人を吊るし上げるように出来ている。

    ★「みんなの喜ぶ顔が見たい人」
    自分のまわりの環境を自分に好ましいように整えたいからであって、エゴイズムなの

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    2014年10月30日
  • 「人間嫌い」のルール

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    自分を誤魔化さず、本音で生きる勇気をもってみようか

    この中島義道という哲学者に傾倒しないよう
    クギを刺しながらも大分、共感してしまう自分がいます。
    その共感できる一部をまとめてみました。

    あ!その前に、あたしのモットーは
    ”さわらぬかみにたたりなし”これを常に頭の片隅においておくと
    人に惑わされることが減ったように思っています。

    あなたのモットーは?

    では、いざ!「人間嫌い」のルールへ

    ★したくないことはなるべくしない
      そうだよね、後悔というストレスになる。

    ★したいことは徹底的にする
     自己満足でも達成感が得られる。

    ★自分の感受性を大切にする
      これ、すごく重要なことだ

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    2014年10月30日
  • ひとを〈嫌う〉ということ

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    この本は人を嫌うことを「奨励」してるのではないというところがポイントかな.誰かを嫌ってしまった時は,嫌いだ嫌いだで進展なく終始したり感情的になったりせずとりあえず冷静に原因を考えてみる.それで解決しなくても,愛情の裏返し,人生の一つの味わいとして受け止めれば楽になる.

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    2014年10月11日
  • 孤独について 生きるのが困難な人々へ

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    とても強度のある本。筆者の極端ぶりはとても美しいです。すごく落ち込んでいる時に読むとこころが軽くなるというか、悩んでいる状態に諦めがつきます。逆にそこそこうまく行っている時に読むと、自分の中途半端さに落ち込みます。

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    2014年09月25日