中島義道のレビュー一覧
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幸福アピールする人や幸福ばっかり考える人は、実は幸福の中にいるのではなく、不幸や不安から逃げ出そうとしているだけ。かといって、不幸と向き合ってしまって解決策があるか、逃れられるかといえば、そうでもない。
やはり幸福というのは求めるものでもない。
本当は、幸福も不幸も相対的な感覚で実体はないのかも。
幸福も不幸も分離されるものではなくて、心の中に絡みついて天気のように入れ替わる。
ある時は、神に愛された確信や良き出会いの幸福を噛みしめるが、現実に悪い意味をつけていくことで自ら不幸を作り出してしまっている時もある。
不幸というのは、「嫌だ」と思う脳の働きにしか過ぎない。
不幸の正体を見極めること -
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脅しや絶望じゃなく、幸福なんてどこにも無いよという本。だって地球上の全存在が幸福じゃない限り、個人の感じる幸福はただのまやかしだから。何かを必死に見ないふりしてないと守れない砂上の楼閣、それが幸福。幸福なんてどこにも無いから、必然的にあなたも私も全員不幸。と、いうことをぐちぐち言っている面白い本です。
人は人生のあらゆる場面で選択をする。自分の欲望を満たすため、幸福を掴むために何かを切り捨て、踏みつけ、置き去りにして進む。それをちゃんと憶えている限り、幸福は無いのだ、と。
こんな本当のことを言ってしまう人はそりゃ煙たがられることだろう。王様は裸だよ!と告発する空気を読まない大人。それが中島 -
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ネタバレ中島は「笑い」(P110-115)と「無礼講タイプの会話空間」(P215-217)について、個人の発する言葉をなぎ倒すものだと指摘しているがこれに強く共感した。
言葉による訴えに取り合わず、笑って取り繕う。過ぎ去るのを待つべき嵐としてしかそこにある言葉を扱わない。笑みで躱す。たしかに、笑みは意思伝達や疎通で大きな位置を占めるものではあるが、言葉を受け取らないために使われる場合はあちらこちらで見受けられる。
「無礼講タイプの会話空間」、こちらには特にときおりときおり息苦しさを感じる身であるから共感も一入。そこではこちらの「本音」は勝手に決められる。真剣に語ってはいけない、茶化しに参加せねばならな -
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「確かに人を傷つけることは悪である。だがわれわれは、残念なことに、いかなる場合も誰一人として傷つけずに生きることはできないのだ。とすれば、「心の弱い人」はいかに人から傷つけられても、それを跳ね返して生けていけるだけの「強さ」を身につけるように自己鍛練すべきであろう。」
「「善意だらけ」の状態を演技と知っているうちはいいのだ。だが、善意の演技はいつの間にか当人を酔わせ、真実を見えなくさせる。そして、真実を語る人を排斥することになるのである。」
「じつは、すべての誇りは傲慢や軽蔑と紙一重なのである。あらゆる言葉は、語る人の個人的意味付与とは独立に、その社会における「普通の」意味(価値)を帯びて -
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分かり合えない、というと寂しい気もするけど、この人たちはある意味「分かり合ってる」と思う。互いに相手のことを分かっているが、受け入れないという意味で分かりあっていない。
でも、中川義道さんの方が子供だと思った。まあ、そんな人も好きだけど、彼の意見は集積体としてしか役に立たない。その考え方についてはスペシャリストだが、他の事は理解しようとしない。誰でも彼でもその傾向はあるけどね。彼を見る人は、彼の特徴を汲み取るだけで、彼を否定したりする必要はない。彼も自分の考えを人に押し付けるような事はしないだろうし、そこが素敵なところだよね。
そう思うのは自分の心の弱さと、それに付随する自己顕示欲のせいなん -
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読む目的
中島さんの人となり、思想の元を知るため。
一言でいうならどんな内容?
中島さんの生い立ちや考えてきたこと、講義の体験談などを交えながら、大人になることについて語られている。
詳細
第1部 ご自身の生い立ちをもとに、人との関わり方、哲学への姿勢などが描かれる
第2部 講義にきていた人への対応などを交えながら、若者論、生き方論について、中島さんの持論が展開される。
心に留った点
引用
一抹の不安とともに、いままさに人生に船出しようとしているきみは、すばらしい可能性を秘めている。それは、きみは希望を捨てずに努力をすれば何でもできるという無責任な激励ではなく、きみがどう生きて行く -
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これは哲学であれは哲学じゃないっていう振り分けはこの人の哲学に反してる。全てを疑うところから哲学ってスタートするらしいから、まずは自分を疑えっていうデカルトの哲学から言っても矛盾しとるよね。だけど、この人は本当に哲学が好きなんだと分かる。何よりこの人の哲学を読み解く力や、それをさらに分かりやすく卑近な例を用いて説明する力はすごい。なかなか難しい印象の強い哲学だけど、様々な哲学書を脇に挟んで、この人にこれはどういうこと?あれは?と質問してみたい。この人がアリストテレスにそうしたいと言っているように。主観もそこそこに、だけど哲学の教科書と銘打つだけの手に取りやすさと、奥床さがある一冊。
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ネタバレ現代日本、思いやりのある社会を
実現したら 百万単位の心の病
戦国時代には戻れないので道は一つ
他人にはもっと優しく
もっと思いやりをもち
そして自分はもっと病気に
なりましょう!
抜粋したのでひどく聞こえますが
自己欺瞞の思想家や哲学者が言う
優しさや思いやりではなく
ホントの意味で 優しさ 思いやりを
普通教 みんな一緒主義の日本では
心の病に悩む方が正常だと
そういうことなのかと
戦う哲学者 中島義道さんは
女性から非難されかねないことも
言いますが 一理あるともとれる
キツいことも言うけれど
嘘偽りのない言葉で
誠実で 優しく 愛情溢れる方だと
感じます。
誠実でないことに
怒りっぽ -
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★ 言葉の裏側にある「傲慢さ」にムカつくんだよなぁ~
出勤前にTVニュースを見聞きしながらコーヒー飲みながら
身支度しているとあれ?
常日頃、自分が思っていることをズバリと
的を得て言っているおじさんが出演ていた。
「もっと素直になれよ!」って言葉を使う人は、
なにをもって素直になれと言っているんだろう・・・
そういうテーマを語るおじさんは哲学者の中島義道だった。
あたしも過去に上司から言われた事がある。
”依怙地にならないで素直になれよ、
おまえのためを思って言ってるんだ!”な~んて一見、
親身でいい人っぽいセリフだが、
あたしから言わせれば傲慢だ!と思っていたので
たまたま知った -
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人によっては毒にも薬にもなる「戦う哲学者」中島義道
すべてとは言えないがかなり共感できる。
中島義道が、10のタイプの「善人」をバッサリと斬る。
一部だが共感できる題材とその理由を簡素にまとめてみた。
★「『おれ、バカだから』と言う人」
実は本当にバカなのです。
(これ笑えました。)
★「笑顔の絶えない人」
結局自分の利益になるからこのルールに従っているだけではないか。
★「常に感謝の気持ちを忘れない人」
日本の社会はこの気持ちが欠如している人を吊るし上げるように出来ている。
★「みんなの喜ぶ顔が見たい人」
自分のまわりの環境を自分に好ましいように整えたいからであって、エゴイズムなの -
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自分を誤魔化さず、本音で生きる勇気をもってみようか
この中島義道という哲学者に傾倒しないよう
クギを刺しながらも大分、共感してしまう自分がいます。
その共感できる一部をまとめてみました。
あ!その前に、あたしのモットーは
”さわらぬかみにたたりなし”これを常に頭の片隅においておくと
人に惑わされることが減ったように思っています。
あなたのモットーは?
では、いざ!「人間嫌い」のルールへ
★したくないことはなるべくしない
そうだよね、後悔というストレスになる。
★したいことは徹底的にする
自己満足でも達成感が得られる。
★自分の感受性を大切にする
これ、すごく重要なことだ