中島義道のレビュー一覧
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哲学者である筆者が、自身の人生において意味が深いウィーンを舞台に、同じくそこで青年期を過ごしたヒトラーの足跡や心情を、数々の場所をキーワードにして考察した本。
芸術家を志したが、ウィーンという都市にことごとく拒否された頃のヒトラーの惨めさが、生々しく伝わってきた。
ただ、特段、ヒトラーだからというエピソードは無く、才能と努力を否定された一人の青年の姿があるだけ。
この男が、並外れた何かを持っているとは、このウィーン時代を見る限りは、到底思えない。
筆者も最後に書いているが、人間が何を駆り立てるか、そして、その行動に対する、運命の符合の奇妙さというものを、これほど思わせてくれる人生も、確かに -
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これは、人間嫌いで自分勝手、優秀で努力家で妥協ができない頑固者、そんな著者の自伝。
考えすぎてしまうからこそ何もできなくなる。そんな部分に共感した。
私は、考え無いことにした。感じるがままにあることを選んだ。
著者は考え続けることにした。思考の袋小路で孤独であることを選んだ。
何かを訴えるわけでもなく、教鞭をたれるわけでもなく、自身の半生について潔いまでに正直に書き連ねている。正直であるがゆえに、著者のズルさ、強かさがリアルに感じられる。
私は彼から何かを得るわけでも、師として仰ぐわけでもない。
ただ、彼の不幸な人生を嘲笑い、けれどもその一部に深く共感し、安心して己の孤独にはいらんとするだけで -
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中島義道さんの著書が読みたくて、ってひとが読むもんではないかなあ。
半分くらいは私塾で起きたことの愚痴、としか言いようがなかった。
けっこういろんなひとがおってええやんって思える人間のつもりやけど、さすがにこれは共感できへんかったなあ。
授業を受けにくる生徒の行動も行動やけど、もうちょっと、それこそ「大人な」対応をしてほしいと思った。
ただ、前半部分の哲学について書かれているところはなかなかおもしろかった。
「非社交的社交性」って、嫌いなひとともなんとか楽しく距離を取りつつも接するという認識でよいのかな。とりあえず、他の著書を読んでみたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ原因や結果とは、「こうしたことは二度と起こってほしくない」とか「この現象は回避したいものだ」とかの原始的なわれわれの欲求にしたがって、自然現象をさらにとらえなおすことです。P163
因果関係とは、「起こってほしくない」という思いを込めて、ある現象を見るところに発生する概念です。原因とは、ある現象が、われわれが期待している通常のあり方から逸脱したとき、はじめて問うようなものなのです。P165
過去の出来事に興味を抱く態度全体が、じつはもはや取り返しのつかない意思行為をいかにとらえるかという態度に支えられています。過去の出来事の原因を問うのは、第一に、過去の出来事がもはや取り返しのつかないことを -
- カート
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試し読み
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明るく元気で、前向きに、人に囲まれて快活に生きてる人は、この本を手に取ることはないでしょう。逆に、こういう陰気なタイトルに惹きつけられるのは、著者と同類(または近い)の暗さを持ってるってことでしょう。そういう、ごく一部の人にとっては、胸にズキッとくる痛みと一緒に、共感と勇気を感じられる本じゃないかな。
最近は、ポジティブ・シンキングが徹底してて、ネガティブなことをちょっとでも考えると害になる、ネガティブ発言をする人には近寄らない、みたいな雰囲気があったり、仲間を大切に、家族を大切にっていう傾向も強まってる気もするんですが、素直にそう思えている人にとっては、異次元の内容でしょうねぇ、きっと。
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ネタバレ人を嫌ってはいけないことは、学校や家庭で何となく教えられた気がします。しかし、嫌うことっていけないことでしょうか?
僕個人の考えだと、嫌うことそのものは別に構わないと思っています。逆説的ですが、それは自分が嫌われてもいいと思っているからです。
当たり障りのない、無難な人生を送ってもいいかもしれませんが、僕はそうじゃあない方が好きです。誰かに嫌われるようなことをしても、それが世のため人のためを思ってやったことであればいいじゃないかと。
人を嫌うということは、人から嫌われることを考えるのと同じことで、共感できる部分が多々ありました。