中島義道のレビュー一覧
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ニーチェの批判した「蓄群」を、著者が批判し続ける鈍感な「善人」に重ねあわせるとともに、「蓄群」批判をくり返すニーチェその人の心性を、自尊心を肥大させた現代の若者たちのそれと二重写しにしています。
いわばニーチェの人と思想を、現代の状況に引き寄せているわけで、そうした解釈がどの程度妥当なのか、わたくし自身には判断がつきませんが、ニーチェの批判する「善人」について具体的なイメージをもつことができるようになったのは収穫でした。
また、執拗なまでに「蓄群」批判をつづけるニーチェそのひとの「弱さ」を言い当てているところには、著者特有の鋭さが発揮されています。いつものことながら、著者が自分自身と読者の -
Posted by ブクログ
ネタバレ06~07年にかけて文學界で連載された、氏の日記風思考記録。
死とは、無とは、私/他者とは、時間/今とは…etc
デカルトやカント、サルトルやその周辺の先行研究を踏まえつつ、論が進んでいく。
うーん…基底となる知識・教養や物事を論理的に追っていく力が無いと、難しかったなー
けど面白かった。
絶対なんて絶対ない、という相対は絶対じゃないのか、
「私は嘘つきです」という私は嘘つきなのか嘘つきでないのか、
私が死んだ後も世界は有ることをどうやって証明すれば良いのか、
なぜ常に「今」なのか、過去は有ると言えるのか。
…こういう議題が好きな方には、内容的はオススメです。
そんなの考 -
Posted by ブクログ
ニーチェのアンチクリスト論に感銘を受けたため、とりあえず手に取った1冊。
一般人の普通感覚における見せかけ上の道徳に秘められたラク・トクを求めているだけの卑劣な本性を暴き出しているため、読後は世の中が曲がって見える。
以下要約
・善人とは自分が弱いことを認めているが、そのことに対して責任も取らず、努力もせず、更には弱いから害を与えていない、弱いから悪くない、弱いからこそ思いやられるべきだと弱者の権利を主張し、ラク・トクを自分以外の強者(才能のある人間、お金のある人間、社会的に立場が上の人間)から与えられることを望み、それが叶えられずに自分のラク・トクが侵害されるど目の色を変えて自分と違う立場 -
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とても刺激的な本である。一言で言うなら、人間はどうやっても不幸なんだってこと。幸福とは、思考停止であり、錯覚であるということだ。そして幸福であることを求めるのではなく、不幸であることを受け入れ、自らを知ることの大切さを説く。僕には、とても説得力のある正論に感じた。
やや自嘲的に感じる作者の文章は、好みが分かれるようにも思う。またぬるま湯のような当たりのいいだけの人生論とはー線を引いているので、反感に近い感情を持つ人もいるだろうなと思う。しかし、「人は自分の見たいものだけを見る」生き物であり、そういうものを選び集めておいて「ほら、みんなそうだ」と納得したがる生き物なのである。こういうガツンと -
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ネタバレ生まれてもどうせ死ぬ。
世界もいつか終わる。
周りの人もみんないつか死ぬ。
どんな哲学も、きっとこの問いにどこかでぶつかるんだと思う。
それに「神の国があるさ」「悪いことしないと地獄に堕ちちゃう!」だとか、誰も知らない部分を作り上げることでその恐怖を見ないようにしちゃったのが宗教なのかな。
著者は、題名の問いに、「どうせ死ぬなら、今死ななくてもいいじゃない」と言う。
むしろ「どうせ死ぬんだから、誰かのためではなく、自分の為にぐれながら生きればいい」と。
なかなかそれも難しいけど、そういう考え方もあるよね。うん。
そんな感じの哲学書。
やっぱり、悲しむ人がいる、というの