国内小説作品一覧
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-「波多さんには、超能力があるということですが、それはどういった能力ですか。我々凡人に判るように説明願えませんか?」この垣内という刑事は、最初からいやな感じがしていた。まるで波多を犯人のような目で見ている。(本文より)昭和40年代、東京のバンドシーン。音楽には縁も無かった波多響(はた・ひびき)は、流されるようにトランペッターとなり、ハイトーンの使い手としての才能を開花させていく。同時に、単なる演奏に留まらない未来予知能力が身についてく自分に気がつく。波多の能力に目をつけた関係者、マスコミ。そしてある日、波多は忽然と姿を消す……。舞台は五反田、銀座、渋谷、北海道、そして海を越えて旧ソ連へ。ヨーガ行者である著者が描き出すサイキック小説の結末は……!?
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-―あなたの未練は何ですか? 人の魂を送る“エージェント”達が織りなす、切ないけれど心温まる物語。 人は未練を残したままでは、死んでも天上へと送られることはない。そんな人間達の未練を解消し、魂を無事に送り届ける―それが“エージェント”の仕事だ。 プロになるべく勉強中の二階堂遊馬はいつもつい人間に肩入れしてしまう劣等生。だが、実習先で超優秀かつ異端の教官・新藤に出会い、一緒に人間の生き様に関わっていくことで変わっていき…。 切なく心に響くピュアストーリー。
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-超絶エンタメコミックノベライズ化第二弾! 警官を懲戒免職された、元気と腕っ節の強さが取り柄の男・菊川玲二。その資質を見込まれた菊川は、薬物を扱うヤクザ・数寄屋会の轟周宝を捕らえるべく、潜入捜査官になっていた。数寄屋会の直参になるため、数寄屋会総本部に菊川は日浦たちと乗り込んだが、幹部から直参の条件として、菊川は轟周宝のボディーガードを務め、極悪非道なチャイニーズマフィア・仙骨竜を関東から一掃しろという任命を受ける。 そんなある日、轟周宝の美しい妻・毬子と娘・カレンの買い物に同行をしているところを仙骨竜に襲われてしまい、なんとカレンが連れ去られてしまう……。そして、カレンは上海に連れて行かれたことが分かった。菊川は無事にカレンを連れ戻すことができるのか!? 2016年12月23日より全国東宝系にて映画公開予定の、『週刊ビッグコミックスピリッツ』連載中、大人気コミック『土竜の唄』。ノベライズ化は待望の第2巻です。
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-秘剣をあやつる18歳の少女が、やくざの親分に、殺し屋に、渾身の一撃を見舞う! 松本清張賞作家が描く、痛快アクション・コメディ 十八歳の若さで鷹月流剣術第三十二代当主となった鷹月つぶらは、かつての兄弟子、桜庭廉を探すため、山形から上京する。東京・原宿で偶然知り合った有村依子と、代々木に住む叔父の鷹月賢秀を訪ね、廉の居場所を訊くが、「お前は、廉と関わるな」と言われてしまう。「あの者とお前は、とうに道を違えてしまった」と。その後、依子が、やくざの事務所に拉致されてしまう。それを知ったつぶらは、依子の救出に駆けつけ、“光る刀”を武器に、やくざ者を次々に倒していく。本人も知らぬ間に、彼女は極道の抗争に巻き込まれていたのだった――。
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-童話と小説のジャンル分けをしてはいなかった作者、壺井栄児童文学集より 「こじき」という言葉が日常的に使われていた時代。捨て子や浮浪児はどこにもいた。 流れ者の職人が、昼時に同僚職人たちの残り物をおもらいしているコマツとサンゾウの姉弟こじきを、みるにみかねてひきとる。男の家はあばらやだがそこには子どもたちの大好きな電灯があった。 【著者】 壺井栄 小説家 1899年 - 1967年 香川県小豆郡坂手村(現内海町坂手)生まれ。 坂手郵便局や役場勤務後、同郷の壺井繁治を頼り1925年に上京。 以後東京。 1941(昭和16年)『暦』が第4回新潮社文芸賞を受賞。 1955(昭和30年)『風』で第7回女流文学者賞を受賞。 『母のない子と子のない母と』で第2回芸術選奨文部大臣賞を受賞。 1954(昭和29年)映画「二十四の瞳」(木下恵介監督、高峰秀子主演)が公開され、全国的ヒットとなり、小豆島と壺井栄の名が一躍クローズアップされる。
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-童話と小説のジャンル分けをしてはいなかった作者、壺井栄児童文学集より 小豆島に巡礼するおへんろさんがたくさん島にわたって来たころのこと。村の船つき場の桟橋近くにちいさな店ミドリヤ屋がある。 小学生の孫娘と暮らす、六十すぎたおばあさんがひとりできりもりしている店で、質素な旅人に重宝な店。 みやげものや日用品を商い、夕方は手打ちうどんやいなりずしを食べる店。 出る船、着く船、孫娘ケイ子とおばあさんの暮しは汽笛とともにあった。 【著者】 壺井栄 小説家 1899年 - 1967年 香川県小豆郡坂手村(現内海町坂手)生まれ。 坂手郵便局や役場勤務後、同郷の壺井繁治を頼り1925年に上京。 以後東京。 1941(昭和16年)『暦』が第4回新潮社文芸賞を受賞。 1955(昭和30年)『風』で第7回女流文学者賞を受賞。 『母のない子と子のない母と』で第2回芸術選奨文部大臣賞を受賞。 1954(昭和29年)映画「二十四の瞳」(木下恵介監督、高峰秀子主演)が公開され、全国的ヒットとなり、小豆島と壺井栄の名が一躍クローズアップされる。
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-童話と小説のジャンル分けをしてなかった作者、壺井栄児童文学集より 壺井栄の物語づくりに深い影響を与えたのが祖母であることはよくしられている。 栄は小さい頃から祖母のそばで寝物語にいろんなお話をきかされて育った。お話だけにとどまらず、古い歌もきかされていた。 本作は祖母をモデルにした、もっとも長編の物語ではないだろうか。 【著者】 壺井栄 小説家 1899年 - 1967年 香川県小豆郡坂手村(現内海町坂手)生まれ。 坂手郵便局や役場勤務後、同郷の壺井繁治を頼り1925年に上京。 以後東京。 1941(昭和16年)『暦』が第4回新潮社文芸賞を受賞。 1955(昭和30年)『風』で第7回女流文学者賞を受賞。 『母のない子と子のない母と』で第2回芸術選奨文部大臣賞を受賞。 1954(昭和29年)映画「二十四の瞳」(木下恵介監督、高峰秀子主演)が公開され、全国的ヒットとなり、小豆島と壺井栄の名が一躍クローズアップされる。
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-謎解きもさることながら、クルーズの旅の醍醐味をお味わい下さい 先に発表した「カレドニアン・ローズ」の前段です。マツゾノとグィネスの出会いはエーゲ海クルーズの途上でした。二人はどんな事件に遭遇したのでしょう 【目次】 序 章 それぞれの休暇 第二章 穏やかな船旅 第三章 デボラの死とアリバイのない船客 第四章 疑われる神父 第五章 それぞれの動機 終 章 エーゲ海波静か 【著者】 雄多圭佑 経営コンサルタントの傍ら、紀行文や小説を執筆。専門は戦略的提携や人材開発。 その流れで書いた作品「パックマン・ディフェンス」や「アジアで英語を」で長年の経験と知見の一端を披露している。
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-美容冒険家ブルースは、「若さ」と「美しさ」を永遠に保ちたいという人の顔望に応えるため、日々その素材を求めて世界を駆け巡っている。それが美容冒険家ブルースの仕事である。ある時は、東南アジアのタイの密林地帯にハーブの原料を求め、次にはアメリカのアナハイムで開催されているコスメ展示会でサプリ原料の売込みをする。しかし、世界を駆け巡るために使う交通手段は、車、船、飛行機だが、日本の整備された交通機関とは異なり、さまざまなトラブルに遭遇する。それは苦闘の連続である。それでも、美容と健康、医療に役立つ原料を手に入れるために産地に飛ぶ。ところが、クライアントのある企業の社長から、放蕩息子の教育を頼まれてしまう。その息子を立ち直させるため、アイドル療法やインドの伝統医療アュルビーダなどを体験させて一人前へと導いていく。そんな折、その息子が自家にある秘伝のレシピを売りたいとブルースに持ち込んできた。ブルースは、息子とともに持ち前の得意とするプロモーションを駆使し、大成功を収める。このことをきっかけに、その息子や仲間を集めて、人の永遠の「若さ」と「美しさ」を保つための体験や実践ができることを目的とする「美容冒険倶楽部」を立ち上げることにした。
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-警備会社に勤める主人公・日高猛は国立科学研究所での夜勤中、天女のような男性に遭遇する。彼の名前は天音美月。研究員の一人だ。月の光を浴びながら、天に向かって両手を広げている美月を見て猛は感情に突き動かされるままに、思わず背後から抱き寄せてしまう。最初は驚いた美月だが、純粋でまっすぐな猛と接しているうちに徐々に心を開いていく。猛もまた、儚げな見た目とは裏腹に男勝りな性格の美月に惹かれていった。いつしか二人は、互いを名前で呼び合うほどの親密な関係となる。ある日、猛はひょんなことから美月に想いを寄せる男・田嶋の存在を知る。田嶋は美月に振られた逆恨みから、美月へのストーカー行為を続けているそうだ。そんな矢先に、猛は田嶋が美月の手を引き暗闇に消えていくところを目撃してしまい―
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-【無料小冊子】渡辺淳一文学賞の創設を記念して、渡辺淳一さんの電子化作品を一挙にご紹介します。話題作・問題作から、さまざまな愛のかたちを論じたエッセイ、ユーモアをまじえて平易に語る人体の神秘、小説の書き方まで。男と女の関係を模索する作品群のカタログとなっています。※本電子書籍には2016年10月までに配信した作品を掲載しています。
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-優秀な社員かどうかは健康診断データからわかる? 医学を人事に活かす “帝王社員発掘システム”とは… 「掛け値なしの率先垂範型人物を見極める必要があります。一言でいいましょうか、身を粉にして働く社員の発見です」 新卒採用試験の準備中のQ電機人事部に、ある日、男が売り込みに来た。ある種のデータが手に入れば、コンピュータの分析で、有能な新入社員かどうかを判別できるという。その“帝王社員発掘システム”とは…?(「メディカル人事室」より) 表題作他4編収録の医学短篇小説集。 *メディカル人事室 *OL一円玉同盟 *最後の残像 *おんなの時計 *不老の湯 ●山崎光夫(やまざき・みつお) 1947年福井市生まれ。作家。早稲田大学教育学部卒業。テレビ番組の構成、雑誌記者などを経て、1985年「安楽処方箋」で小説現代新人賞を受賞、同年短編「サイレント・サウスポー」で直木賞候補、1986年「詐病」「ジェンナーの遺言」が連続して直木賞候補となる。1998年『藪の中の家 芥川自死の謎を解く』で新田次郎文学賞受賞。医学を題材にした作品が多い。
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-盲目の医師がショックという精神外傷を「心」というメスで治す 視力を冒かされた内科医師・唐沢善之は、一度は死を思ったが、友人医師の強い励ましで医業を続行する。「精神外科医」として新たにスタートを切った唐沢は、身体の不調を訴えながらも何も異常のない患者に対して優しく接し、カウンセリングを施す。そして、背後に潜む精神的な傷を見つけ出し、懸命に「心のメス」を振るうのだった…。 医師と患者の心の触れ合いを描く、ヒューマニティー溢れる医学小説。 ●山崎光夫(やまざき・みつお) 1947年福井市生まれ。作家。早稲田大学教育学部卒業。テレビ番組の構成、雑誌記者などを経て、1985年「安楽処方箋」で小説現代新人賞を受賞、同年短編「サイレント・サウスポー」で直木賞候補、1986年「詐病」「ジェンナーの遺言」が連続して直木賞候補となる。1998年『藪の中の家 芥川自死の謎を解く』で新田次郎文学賞受賞。医学を題材にした作品が多い。
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-アレルギーに悩む者たちの情熱、好奇心、友情、そして恋愛の行方は? 花粉症、ジンマシン、脱毛症etc……日本人の五人に一人はアレルギーだという。出版社に勤める内山憲一も、原因不明の突発性ジンマシンに悩まされており、四年前に『日本アレルギー倶楽部』という親睦団体を立ち上げた。全国のアレルギー者にとって、情報交換の場となっているのだ。個性的な会員たちに囲まれながら、自身のアレルゲン(原因物質)が何であるか、主治医の美人女医・三輪恭子とともに探っていく憲一だったが、一向に正体が見えない。どうやら彼の中にある“辛い思い出”にも原因がありそうで……。 世界初(?)の“アレルギー小説”にして、心温まるハートフル医療小説。 ●山崎光夫(やまざき・みつお) 1947年福井市生まれ。作家。早稲田大学教育学部卒業。テレビ番組の構成、雑誌記者などを経て、1985年「安楽処方箋」で小説現代新人賞を受賞、同年短編「サイレント・サウスポー」で直木賞候補、1986年「詐病」「ジェンナーの遺言」が連続して直木賞候補となる。1998年『藪の中の家 芥川自死の謎を解く』で新田次郎文学賞受賞。医学を題材にした作品が多い。
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-観光客を物語の主人公にしたガイドブック。一つの掌編は全て800字以内。3分で観光地の情報と臨場感を得られます。 京都の風情を感じてみたい方、京都旅の想い出を思い返したい方など、京都に行く前でも行った後でも楽しめるストーリーです。是非お気軽にお読みください。 【著者プロフィール】 一双 作家 ●ポプラ社出版 てのひら怪談〈2〉ビーケーワン怪談大賞傑作選 「ギジ」 てのひら怪談 ビーケーワン怪談大賞傑作選 百怪繚乱篇 「三重」 てのひら怪談 己丑―ビーケーワン怪談大賞傑作選 「門番」 ●学研出版 リトル・リトル・クトゥルー―史上最小の神話小説集 「発信」 ●荒蝦夷出版 みちのく怪談コンテスト傑作選2010 「新たな民話」
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-雨降る洋館に届く手紙が、きっと、明日への希望をくれる―。ふたりの女性が紡ぐ、美しい物語。 子供向けのセミオーダーアイテムをつくる仕事をしている季衣子。彼女が作る品は一つとして同じものはなく、子供受けもよく人気があった。しかし、自宅の近所での工事の騒音で、仕事ができなくなってしまう。 途方にくれていると、看護師の友人からリハビリで長期転院する女性が家の管理人を探しているという話を聞いた。そこで仕事をさせてもらうことと引き換えに、季衣子は管理人を引き受ける。さっそく向かうと、そこは湖畔に立つ素敵な洋館だった。が、そこには、かつて幼い季衣子が今の仕事を選ぶきっかけとなった憧れの品――古いオブジェ『夜を測る鐘』があった。なぜここに?と疑問を持つ季衣子に、婦人は自分の過去を語り……。 雨降る洋館に届く手紙とは。 ふたりの女性が紡ぐ、明日に向けて背中を押してくれる美しい物語。
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-ワイドショーの表と裏を描いた話題作『グッドモーニングショー』を原案にしたオリジナル小説が緊急出版。映画では描かれなかったエピソードも余すところなく明らかに! 朝のワイドショー「グッドモーニングショー」でメインキャスターを務める澄田真吾は勝手に付き合っていると思い込むアシスタントから生放送中に自分たちが交際している事実を打ち明けようと言われる。 そのうえ、同期の番組プロデューサーから番組の打ち切りを宣告されるなど、散々な展開に落ちこむ。 さらに生放送中に発生した立てこもり事件の犯人からの要求で、現場で犯人と直接、交渉することとなり……。 前代未聞の生放送の結末とは? 2016年10月8日公開の話題作『グッドモーニングショー』から生まれたもうひとつのストーリー。 本書は映画『グッドモーニングショー』のシナリオをもとに小説化したものです。小説化にあたり、内容には変更と創作が加えられておりますことをご了承ください。なお、この物語はフィクションです。実際の人物・団体とは関係ありません。
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-福井県鯖江市の「近松の里づくり事業推進会議」が主宰する『さばえ近松文学賞』2016年度版。 鯖江で幼少期を過ごした、世界に誇る文豪「近松門左衛門」が生まれてから360年の節目である2013年度からスタートしました。 「さばえ近松文学賞~恋話(KOIBANA)それでも人は恋をする~」として「近松の里・鯖江市」が恋にまつわる短編小説を全国から募集した受賞作品を掲載した電子書籍です。 福井県生まれの小説家・桂美人さんが特別審査員を務めています。 ◆近松賞 「眼鏡と先輩」 上野陽平 ◆優秀賞 「妙空尼の恋」 中野純賢 「誘発」 石井泰子 ◆佳 作 「雅代の白い花」 渡辺庸子 「千姫の初恋」 西村一江 「銀の花かんざし」 鷲田恒郎 「季節を過ぎた公園で」 井原敏貴 「恋は柔らかに」 松尾智恵子 ◆松平昌親賞 学生部門 「ミズバショウ」 北崎花那子
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-壺井栄はダメ男をいい男に描くのが巧い 小学校を普通は6年のところを8年皆勤したボンヤリ茂一は卒業すると、漁師の父親と海へ出て行った。 嫁は二度きたが交わり無くいなくなる。身体は大きいが、人と交わるのも争うのも下手な引き蘢りな茂一。 母親キシは40を超した茂一にどうぞ嫁をと願うのだが。 【著者】 壺井栄 香川県小豆郡坂手村(現内海町坂手)生まれ。 坂手郵便局や役場勤務後、同郷の壺井繁治を頼り1925年に上京。以後東京。 1941(昭和16年)『暦』が第4回新潮社文芸賞を受賞。 1955(昭和30年)『風』で第7回女流文学者賞を受賞。 『母のない子と子のない母と』で第2回芸術選奨文部大臣賞を受賞。 1954(昭和29年)映画「二十四の瞳」(木下恵介監督、高峰秀子主演)が公開され、全国的ヒットとなり、小豆島と壺井栄の名が一躍クローズアップされる。
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-登場する男たちは現在の島の男にも通じる これは戦争前、1940-41年頃の物語ではないだろうか。 壺井栄本人と思われる作家となったミネが島へ帰ると、 小学校同級会が急遽開かれる。8人の同い年が集まると40年の歳月が一挙に巻き戻される。 島の同級生たちの暮らしぶりが、現在の島のありようにも繋がっている。 【著者】 壺井栄 香川県小豆郡坂手村(現内海町坂手)生まれ。 坂手郵便局や役場勤務後、同郷の壺井繁治を頼り1925年に上京。以後東京。 1941(昭和16年)『暦』が第4回新潮社文芸賞を受賞。 1955(昭和30年)『風』で第7回女流文学者賞を受賞。 『母のない子と子のない母と』で第2回芸術選奨文部大臣賞を受賞。 1954(昭和29年)映画「二十四の瞳」(木下恵介監督、高峰秀子主演)が公開され、全国的ヒットとなり、小豆島と壺井栄の名が一躍クローズアップされる。
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-彼方に封じ込めていた記憶の封印が解かれるとき、妖しく危うい官能の扉が開く。 夢とも現実ともつかぬ時空を往来しながら「生」と「性」を描く、円熟の傑作十篇。 風来坊だった父の死後、家族に届いた一通の手紙。 ともに暮らした女たちが愛した二体の人形。 九十二歳、養護施設で暮らす老女にたったひとつ残された鮮やかな記憶――。 「青春」と「老い」が渾然一体となったとき、妖しく危うい官能の物語の幕が開く。 最後の文士・勝目梓が描く生と性。熟達の傑作短篇十篇。 解説・逢坂剛 【目次】 「万年筆」 「記憶」 「ひとつだけ」 「人形の恋」 「秘儀」 「橋」 「一夜」 「影」 「封印」 「あしあと」
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-物語の主人公であるわたしは、十年近い歳月を過ごした 東京を離れて、実家に帰る事を決意する。 そして彼女が引っ越しに向けて荷物の整理をしていると、 ふと、机のひきだしの奥からあるものが見つかる。 それは、三年程前、彼女と同じように 故郷へ帰って行った友人が、 彼女宛に送ってくれていた小説の原稿だった。 彼女はこれまで仕事が忙しく、 その小説のことをすっかり忘れてしまっていたのだ。 彼女の友人の夢は、小説家になることだった。 友人の書いた小説を読み終えて 彼のことが懐かしくなったわたしは、 故郷へ帰る前に、抜き打ちで彼に会いに行き、 彼のことを驚かせてやろうと思いつく。 しかし、実際にわたしが彼の故郷を訪れてみると、 彼は……。 いつかの春の日と、 昔語り合ったこと。 忘れられない思い出。 失われたしまった希望。 ずっと忘れられずにいること。 そして、誰かを好きになるということ。 『散りゆく桜の花のようにそっと』
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-2000年の時空を超える女と男の心理を丁寧に読み解き、歴史の真実をあぶり出す、 洗練された高貴で華麗な愛の物語。 「私は誰を、何を、愛したのだろう。そして私は、誰に愛されたのだろう。アントニウスは、 私を愛した。しかし私は、アントニウスを、彼が私を愛したほどに、愛したろうか。 カエサルは、私を愛した。しかし私は、カエサルの愛が、どれほどわかっていただろう。 私の愛は、なぜ、こうも行き違ってしまうのだろう。なぜ私は、愛されているその時に、 その愛のすべてがわからなかったのだろう。 なぜ、愛の模様がしっかりと、読み取れなかったのだろう。」 ダイナミックに揺れ動き、矢継ぎ早に展開する歴史の奔流の真っただ中で、 2人の対極的な男に愛された女と、2人の対極的な女に愛され続ける男の、 純度の高い愛の姿が、研ぎ澄まされた精緻な歴史事実情報を背景に、鮮やかに描かれる。
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-執行猶予期間が終わった時、加害者の生活態度や反省状況をチェックして、刑務所に入れるかどうかを被害者や遺族自身が決めることができたとしたら? それを実現する「執行猶予被害者・遺族預かり制度」が施行された社会。新人担当係官の井川は、加害者の反省状況を伝えることで、被害者の痛みや遺族の喪失感を少しでも和らげることができればと考えていたのだが……。加害者を刑務所に送る権利を手に入れた時、遺族や被害者はある程度救われるのか。逆に加害者は、「本当の反省」をすることができるのか。架空の司法制度という大胆な設定のもとで、人を憎むこと、許すこととは何かを丹念な筆致で描いていく、感動の長編小説。
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-動物園は今日も雨!? 恋に破れた晴れ女の飼育員×嵐を呼ぶ雨男×可愛すぎる子グマにキュンッ♪ 御前園晴子は坂上動物園でホッキョクグマを担当している飼育員。三十路を前に、実家の跡取りの弟や同級生の駆け込み結婚にも動じなかった彼女だが、入園以来面倒を見てきたクマがつがいになった時、急に焦りを感じ、見合いをする。 順調に婚約するも挙式当日、迷いが生じて会場から逃げ出してしまい、そこで究極の雨男に出会い…?恋に破れた晴子と、恋を見失った一と、双子のシロクマとの、ほのぼの動物園ライフ♪
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-困ったさんばかりの学園で恋愛開始! 高2の戸島彦は両親の仕事の関係で、全寮制の桐生宮学園高等部に転校してきた。 この学園では、超問題児の不良達で作られる“チーム”が支配者のように振る舞っていて、“生徒会”とはいつも火花を散らしている。 そんな中、彦は転校初日から“チーム”相手に事件を起こしてしまい、最初から波乱の学園生活に! “チーム”相手に絶体絶命のピンチを迎えたりしながらも、たまたま寮で同室になったルームメイトが抱えている「とある問題」の解決に乗り出してから(正義のため!)事態は意外な方向へ──。 そんな彦には“チーム”の面々もペースを乱されてしまい、一方、彦の方にも“ロボット女”返上につながるような感情が芽生え始めて!?
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-私立藍乃蔵学園高等部、通称「iクラ学園」と呼ばれるこの高校には、全校生徒の恋愛の悩みを解決する部活「恋愛相談部」が存在する。ひょんなことから高1の中島亜衣(妄想少女)は、半ば強制的に恋愛相談部に入部することに。 いじわるな俺様系部長・時人、キラキラスマイルの頭脳派副部長・ほりえりく、生意気やんちゃな小悪“魔”・かじゅ魔、子犬系小悪魔男子代表・れい なかやま。、クールでシャイな天然たらし・内藤秀一郎の超アクの強い部員に囲まれ、日々悩み解決のため奔走中! 時には彼女のふりをさせられ、時には顎クイキスされそうになる亜衣。毎日がドキドキで心臓が休まるヒマなし!?!?
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-肌を針で突き刺す時、真紅に血を含んで脹れ上る肉の疼きに堪えかねて、苦しきうめき声を発したが、そのうめき声が激しければ激しい程、愉悦を感じた……。「刺青」谷崎潤一郎処女作。腕のいい刺青師の清吉の願いは美女の肌へ魂を刺り込むことであった。ある日かごからはみ出した美しい足を見たことから、顔も知らぬその女に恋するようになる。翌年、その娘に巡り会ったとき、求めていた女だとわかり薬で眠らせてしまう。一昼夜をかけて女の背中一面に女郎蜘蛛の刺青を彫ったのだった。フェティシズムと官能の文学。過去何度も映像化された作品。他に「幇間」と「恐怖」を収録。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
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-古着屋の聖地、東京は下北沢。上京したての僕がべっこう飴の匂いに誘われて迷い込んだのは、路地の奥に佇む古着屋、ヌックラ堂。その店のドアには【ワケあり古着、買い取ります。】と綴られた小さな黒板が吊るされていた。古着を愛する、猫背&マッシュボブの女店主、かの子さん。看板三毛猫のコネ。そして潔癖症だけど古着だけは大丈夫な僕は、今日もワケあり古着を持ち込むお客さんたちをお迎えする。スニーカー、リバーシブルダウンベスト、レザートートバッグ、パーカー……。持ち主の想いがつまった不思議な古着たちとの物語。
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-見習いセラピストの女子大生印旛相模が研修先に派遣された都立精神地理学研究所。しかしそこで彼女が出会ったのは、平将門の幽霊(イケメン)と、所長だと名乗る感情の起伏を見せない少女五月。彼らは悪霊から東京を護っているのだと言う。こんなカルトな人たちとは付き合えないと、早々に研究所をあとにする相模だったが、実は相模は、彼女自身も知らない体質と能力を持っていて……。武蔵野は井の頭池から新宿の神田川、そして下町隅田川へ、東京の街を舞台に繰り広げられる、世直し人情物語。幽霊の悩み、それはあなたの悩みに似てるかもしれません。
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-1969年高校生も政治の季節を生きていた。 6年ぶりに連絡をとった冨士真生子は、ニューヨークでの生活を引き払い、3週間前に帰国したばかりだった。中南米を舞台に報道写真を撮り続けてきた彼女だったが、折から東日本大震災が起きると、旧交を暖める間も無く、現地に飛んだ。9か月にわたる取材成果を披露する会場に現れた彼女はすっかり痩せて、人生の重大な局面に立たされていることを感じさせるのだった。 真生子とは、いまから40年以上も前、高校生の時に出会った。当時学生運動の波は高校にまで押し寄せてきており、彼女は市内の女子高に通う1学年上の活動家だった。そして、15歳のぼくは、彼女に淡い恋心を抱いていた。 ぼくは綴る、彼女の命を見つめながら、悲しみと痛みにみちた青春の日々を、そして輝ける人生の瞬間を。
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-われわれが「現実」と呼んでいる何がしかの出来事を言葉で作り上げる。 言うまでもなく、小説は言葉でできている。 恋愛小説だって、小説である以上、やっぱり言葉でできているはずだ。 そしてこの短編小説は、まだ起きていない情事を 男女2人の会話によって言葉で構築する。 そもそも言葉で出来上がっている小説の中で 未遂の行為、あるいはやらないかもしれない行為を言葉で造型する、 という二重の構造をこの小説は持っている。そして読者はこう思うかもしれない。 いや、ここにある会話の言葉たちは現実の前哨戦ではなく、 すでにそれ自体がじゅうぶんな現実である、と。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-秋時雨の中を走って、4人の男女の組み合わせが順番にめぐってくる 吹き付けるような秋時雨の中を 2台のクルマが走っていく。夜もかなり深い時間だ。 2台には男女が2組ずつ。合計4人。 互いに恋人同士と呼んで差し支えない関係で それは女と女においても変わりはない。 やがてホテルにチェックイン。部屋は2つ。今度はクルマでなく部屋だ。 さて、組み合わせはどうなる? 4人いれば組み合わせの数は自ずと決まっている。 が、しかし。実は実現していない組み合わせもあるのだが・・・ 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-短い時間だから、ぼんやりした全体ではなく、肩を記憶しよう 見ることができ、触ることのできるもの、 そのような「できる」関係にある男女を描くには、 短編小説という器がまことに好ましい。 努力の成果、としてではなく、生まれつき恵まれた恩恵としての「肩」を 男は愛し、女は愛されることを大切にする。 鎖骨と、そこからつながっている精妙な肩甲骨の動き。 そのうつくしさ、生きていることそのものがもたらす何かを 写真に撮って残しておくことはしない。 失われるまで愛し、あとは記憶と想像が幸福を形成する。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-彼女を泣かせるために彼がしたこと 片岡義男の小説には美人しか登場しない、といっても過言ではないが この小説の竹田恵理子もむろん、相当な美人だ。 頭と顔の造作、そのバランスはあまりに完璧で 完璧すぎて平凡さに近づく、という矛盾ギリギリの領域にある。 そしてある時、その完璧さが一気に崩れる瞬間が訪れる。 その不意打ちは周到に計算されたものであったが、 ごく短い時間の中で起こる激しいアップダウンは読者を動揺させるだろう。 それが小説の力、である。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-彼女がコレクションを並べ換える時 われわれは小説を読む時、なにかしらネガティブな出来事が起こり、葛藤や事件、人間関係の変化などを経たのち、事態が収拾したり、あるいは登場人物の心持ちが別の局面に入る、というような一通りの起伏に慣れている。しかし多くの片岡義男作品はそのような構造を一切取らない。 この短編のように、しばしば一糸乱れぬ完璧さのまま推移し、起きるとしても好ましい変化しか起きず、一編の小説が成立してしまう。完璧な彼女のコレクションは、そこに新たな1個が加わることによって新たな楽しみを見い出す。破綻はない。その影すらない。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-ストーリーを書き始めるまでのストーリー 片岡義男の小説にはストーリーを書くという行為そのものを考察し、主人公が登場人物たちと会話し、その成り行きが小説として提示されている作品がいくつもある。この小説もまさにその1つであり、本格的な長篇だ。2つの島というヴィジョン、双子というヴィジョンはストーリーと、ストーリーを書くという2つのレベルに呼応し、やがてそれらは溶け合って1つの小説になる。この小説で重要なのは、プラス島の歴史=人々の時間、という大切な要素がそこに呼び出されていることである。 ※作家の敬愛する写真家・佐藤秀明氏撮影の写真を収録 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-灰皿から始まり、やや遠くまで歩く 劇作家であり、小説家でもあったチェホフは、かつて 「ぼくは何でも書く。目の前に灰皿があれば灰皿の短編を躊躇無く書く」と言い、これはチェホフの創作に対する考え方を端的に表現したエピソードとして知られている。この片岡義男の短編は、まさにそのようにしてできた作品ではないか。 目の前に灰皿があれば、あとはそこに人物を配し、場所を設定し、どんな季節か、どんな身分か、といった要素が加味され人物の過去なども語られると、なおも作品はおもしろくなる。灰皿から始まって、読者はなかなかに遠くまで行くことができるのだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-かつて優しかった女性と、今、目の前で優しい女性のあいだで、彼は泣く もう4年前に終了したラジオ番組を、一晩だけ復活させる。 それも、たった1人の女性を喜ばせるために。 そんな荒唐無稽なことが起こりうるだろうか? と思うが 小説であればそれはもちろん起こるし、テレビではなく ラジオという小さな、親密なメディアであれば、可能性は高くなる。 チームはかつてと同じようにすばらしく機能し、 無事に番組の収録は終わる。だが・・・ この試みの陰には、一つの悲しみが、悲しみのための涙があったのだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-自分と、自分に良く似たもう一人の女性。小説による定点観測の試み。 相当に実験的な作品、と言っていいだろうか。 彼女は終始、1人であり、この小説に会話は一切無い。 しかし彼女は会話の代わりに想像する、もう1人の自分を。 あるいは自分によく似た女性を。あるいは自分のかつての思い出を。 それら、現在の彼女にとっての「周辺」とともに彼女は生きている。 場所はホテルの一室、という極めて匿名性の高い空間であり、 鏡がそこでは大きな役割を果たす。 小説による定点観測の試みであり、 片岡義男による徹底したミニマリズムの試みである。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-さまざまな別れのあとには、さまざまな再会があればいい この短編の、再会のシーンのあざやかさはどうだろう。 もしも映画なら、男性視点、女性視点、ロングショット、寄りのショット、 そしてすれ違う瞬間のことや交わす目線、かける言葉のタイミングなど 制作者には相当な力量が問われるだろう。 人は大人になり、結婚をし、時間が経過すれば離婚、というようなこともあり そしてまた・・・ どこかで生きている限り、さまざまな可能性がある。 再会とは、失われたものを取り戻すことではない、と誰もが知っている。 それはまた新しい生を生きるために必要なアクションなのだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-第1章と最終章、あとは会話で小説 作家と編集者が会う。原稿の受け渡しのためだ。 これまで共に仕事をしてきた時間も含め、深い信頼で結ばれた2人は 今、書かれつつある小説の今後の成り行きについて検討を重ねる。 そのあいだに、くだんの小説の第1章が挿入される。 そのあと、再び、検討の会話。そしてラストは・・・ 会話と書かれた小説の両方が合わさって、この1つの小説ができあがる、 という入れ子状の仕組みを持ちつつ、最後はまた一つ、 意外性のあるひねりを加えてあるところを堪能したい。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-再会という偶然に恵まれたら、そのあとは躊躇してはいけない オートバイ小説であり、出会いの小説である。 冒頭のシーンは、オートバイ・ファンを満足させるに十分な魅力を放っている。 そして片岡作品にしばしば登場する「再会」という幸福が この小説にも与えられている。 再会のあとに躊躇は禁物。持っていない免許は取得すればよく、 行きたければ行けばよく、誘いたければ誘えばいい。 それらを阻むものは、この世の中に何も無い。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-真っ赤な、までは行かない嘘とは、どのようなものか? この小説のタイトルを確認してから読み始めれば、 その「嘘」というのはおそらくこのことだろう、 という察しは、たいていの読者にはつくのではないか。 だからその「嘘」はそれほど巧妙に仕組まれたものではない。 そのことよりも、男が2人、女が1人というその力関係と 女性が持つ魅力のための軽い装置として「嘘」はあると考えていい。 3人がライダーであるならば、いささか大掛かりな「嘘」の仕掛けも 「真っ赤な嘘」までは行かない、ほんのりと赤く染まる程度なのだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-立ち止まる時間がほとんどないような彼女が、ふと立ち止まるその時に 作家がそのような語彙を用いているわけではまったくないが、 これは近年の言葉で言えば「シングルマザー」の物語だ。 彼女には4歳になる息子がいて、翻訳の仕事をしている。 幼稚園に連れて行くこと、料理を作ること、絵本を読み聞かせること、 それら子供のために割く時間のほかにも 姉や姉の子、姉の夫、仕事相手との関係があり、 用事があったりなかったり、誘惑の電話も頻繁にかかってくる。 それらの細かい時間がいくつもいくつもミルフィーユのように重なって この魅力的な女性のポルトレは描かれる。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-嘘偽りなく、いつでも自分自身であることを生きる 小説を書こうとしている男がいてその男も含んだストーリーと、彼が書いた小説の両方を合わせて1つの長篇小説に仕立ててある作品である。 登場人物は多いが、それぞれ、その人ひとりの輪郭をハッキリと持ち、例えば自分が日々生き生きとしているために仲が悪くないのに離婚もするし、夫婦であろうが個別に旅もするし、誰が誰と会い、どのように誘おうと自由だ。この長篇に説得力を与えている要素に「部屋」と「時間」がある。かつて暮した部屋、今は痕跡の部屋、そしてふと思い出す過去の時間が人物の生きてきた姿を鮮明に照らし出す。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-三角形であること、三辺あることによって彼女は新しい自分を知る。 2人の女性と1人の男性がいる。 女性同士は友人であり、男性はうち1人の夫だ。 ある時、1人の女性がもう1人の女性に夫を紹介する機会がやってくる。 妻と夫、という関係でないほうの男女は ラジオ番組のホストとゲストになる。 そこから三人の三角関係が形成されるが、それは通常の意味での 「はじまり」と言えるものなのかどうか。そこに嫉妬はなく 性的興奮があり、そして実はその向こうに、 女と女、という関係も見え隠れしているのだ・・・ 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-同じ過去を歩んだ2人は、実はもう同じ現在にはいない 互いに好きで、結婚したい意志もありながら、それが実現しない。 そういうことは、人の一生においてはありうるだろう。 しかしそれが過去の痛恨事であったばかりでなく 現在にまで影響を及ぼしていること、そして いっぽうは過去を洗い流し、もういっぽうが今も過去の輝きを生きているとしたら これは紛れもない現在の悲劇になる。 性を飛び越えるようなことがあれば、なおさらだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-理想と現実が交錯する現場は、果たして過去から開放される日だろうか。 倒錯、と呼べないこともないし、あるいはおかしな性癖として 片付けられてしまう可能性もあるだろう。 しかし、幼い頃に強く願った思いが、嘘というより もはや創作として機能し、創作は年を追うごとに洗練を極め、 そして結婚式という特別のタイミングで そこまでしなければならないのか、というような もはや誰にとっても悲劇でしかないのかもしれない仕方で 関係者一同が対面する。 地に足を着けた生き方、などという言い方が陳腐に聞こえるほど 人は自分の心の影を引きずって生きているのだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-「私のほかに女性がいるでしょう」と彼女は何度も言う 「私のほかに女性がいるでしょう」と、 女性が男性に向けて問いかけたとしたら、詰問と考えるのが通例だろう。 しかし片岡義男の小説にあっては、通例に従うようなことはまずない。 この言葉は彼女が持ちたがっているイメージであり、願望であり、 嫉妬であり、そしてなにより、男に対する投げ出すような愛情である。 それを受け止めながら男は嘘をつく。ひどい男? そうだろうか。 男の気持ちはなにげないようで実に不思議な ラストシーンに鮮明に現れている。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com
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-ステーション・ワゴンではダメなのだ、やはりオートバイでなければ まるで別々の2つの作品を接合したかのように およそ途中までの展開からは想像もできないようなラストがやってくる。 女と男と女。3人のあいだには親密な関係がありつつ 微妙な温度差があり、従来のような関係を維持しにくくなっている。 3人の中の1人の女性は、借り物のステーション・ワゴンに乗っている時と 自ら乗ることに決めたオートバイと共にある時とではなにかが違う。 その「なにか」に向けて物語は過去へと遡行してゆき、 そして、まさか、とあっけにとられるラストシーンへと至る。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-2人と2人で4人。男と女で性別が2つ。17歳の夏は今この時だけ 本作の最後に付いている「著者との会話」では 「オートバイは十七歳にもっとも似合うと、ぼくは思っているからです」 という言葉がある。その言葉通り、男2人は17歳で 女性の1人も17歳、もう1人の女性は留学期間があるため18歳だ。 人をくったようなタイトルに関連するシーンはラストに現れ、 同じく「著者との会話」で「ストーリーの中心」とされているが 読者にはこの言葉を真に受けない自由がある。 4人とはいったい何か。それが真の主題だといったらおそらく野暮になるが間違いではないはずだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-2人は会話で映画をつくる。夜の中で夜の映画を 男女がいる。季節は秋。もう真夜中だ。 しかし、女性にはこれから仕事がある。 毎週の決まった仕事だが、行きたくない、このまま帰りたい、 そう思う日だってあるだろう。今日がまさにそうだ。 「このまま帰って2人で映画を観たい」。 その思いはしばらくは叶わないから、女が主演を演じる映画を 2人で想像してみる。クルマで目的地に着くまでの時間、 その映画ならざる映画、言葉で建てられた映画が上映される。 さて、それはいったいどんな映画だろうか。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-この世界が見える場所で、しかし少し隔離されながら、2人がしたこと 男女がいる。ホテルの中だったり、 セダンやクーペに乗っていたり、そうして この世界が見えながら、囲みの中に区切られた空間で 彼女たち、彼らは会話を交し、服を脱ぎ、 いま自分たちが行なっていることの意味を反芻したり あらぬ想像をめぐらしたりする。そんな情景が30。 せわしない世の流れからやや隔たって、いくらかスローな 静かな日々の断片がここにある。 小説による季節のアルバムを聞こう。 ※作家の敬愛する写真家・佐藤秀明氏撮影の写真を収録 【目次】 ベッドが三つある部屋 これはメロドラマ ブルーの選びかた 理想的な窓 窓にカーテン 昼寝 思い出の夏 彼女と彼1 彼女と彼2 電話をかけるだけ コパトーン 彼と別れた彼女 ケチャップはあまりかけない セーターを脱ぐ 飽きたら言って 海の香りと電話ブース ふたりでいても淋しい 切り花 いつも小道具 交差点の横断歩道 桜前線 雪が降る 小さな花 林檎が燃える、あるいは飛ぶ 来てくれた彼女 日曜日の白い月 縛られてみないか ベッドに戻れ 微笑の研究 雨の夜 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-現実と現実ならざるもの この本の仕組みは「あとがき」に作家自身が書いている内容につきる。 フィクションとしての小説に1人の女性の主人公がいてその女性はフリーランスのエディターであり、彼女が作ろうとしている、受け取ろうとしている新たなフィクションこそ現実のこの『タイプライターの追憶』という小説である、というような構造だ。 現実とは何か。小説とは何か。その関係は? エディターの彼女が経験する激しい感情の波とその後の凪の中に その秘密を解く鍵が隠されているのかもしれない。 ※作家の敬愛する写真家・佐藤秀明氏撮影の写真を収録 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-父を「あなた」と呼ぶ娘が差し出す、スプーン一杯の光 不思議な短編である。不安定の中に 一時的にできたエアポケット、あるいは台風の眼、のようにも見えるし、 案外、これはこれでゆるぎない安定のようにも見える。 高原のコテージに複数の夫婦が集まり、その中で最も落ち着いているのは 14歳の少女であるように見える。彼女が「あなた」と呼ぶ男との関係は このあと果たしてどうなるのか、それはわからない。 お気に入りの紅茶を淹れ、スプーンに「ほら」とばかり 月を映してみせる14歳の心の中は誰にも予測できない。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-聡明な彼女たちは明言してから静かに去っていく。 なんと挑発的な。あるいは、なんと不愉快な。 おそらく、そのように読むことは十分に自然なことだろう。 身勝手な、イヤな、おまけに嘘つきの、男である。 おまけに反省もしない。同じことを何度も繰り返している。 ただこの男には、嘘をつかないものが1つだけあって、 それは自分の気持ちに対して、である。気持ちを偽ったまま関係を続ける、 ということが彼にはできない。そこが素直と言えば素直だが 別れ方は最悪である。やはり彼女たちは 去り際に頭からコーヒーをぶっかけて行くべきなのだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-スポーツと気晴らしのほかに、何も必要ではない 君を喩えるならスポーツだ。君はほんの気晴らしだ。 もしそんなふうに男から面と向かって言われたら 実際にはほとんどの女性は腹を立てるかもしれない。 しかしそのスポーツも気晴らしも 人生においてそれ以上価値のあるものがない至高の存在だとしたら? いや、スポーツにも気晴らしにも「至高」は似合わない。 聡明な2人の女性と、たぶん女性たちほど聡明ではないが その女性たちから愛されている2人の男たち、その4人の物語。 歳月はあっという間に10年経過し、しかしこのベスト・ユニットは崩れない。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-昔話、作り話、嘘の話。しかしそこにも真実があるらしい 長く語ることのできる人、というのがいる。 この小説には2人、そういう人物が出てくる。 しかもその2人の2つの話はとてもよく似ている。 なぜなら、それはカウンターという、不特定多数が共有する匿名空間で ふと耳にした会話を反芻し、変奏したものだからだ。 読者は微妙にズレたその反復を楽しむ。 ひどいじゃないか、嘘じゃないかと思ってもかまわないのだが、 聞いている人物に感銘を与えるほどの「真実」もまた、 そこには宿っているらしい。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-重低音を響かせるのは日本とイタリアの歴史。江戸から明治維新で格式を誇っていた碧小路家には宿本陣という役目はなくなった。しかし広大な屋敷は歴然と存在していた。第一次世界大戦で植民地を得られなかったイタリアは、再建を図るムッソリーニの元でファシズムに傾倒していく。二つの国の歴史のうねりに巻き込まれるヒロイン、碧小路美和。 華麗なるメロディを奏でるのはオペラ「蝶々夫人」「ワルキューレ」など。台詞が主人公・歌姫・美和の運命に呪いをかけて行く。歌詞が全編に配される。 勿論主題は登場人物の愛情劇。男と女、父と娘、母と娘、友情等が絡み合って足掻いてもあがいても運命に流されていく。子が親を慕う強い愛が全てを安らぎの世界に導く。 最期を彩るのは装飾音のようにきらめく美しい景色、碧小路家の広大な屋敷、ムッソリーニが威信をかけたて改築したミラノの大駅舎の建造。リビアの廃墟となった教会での闇夜の結婚式、スイス等36章に渡るそれぞれのシーンは人間の過酷な運命に引き換えてあまりに美しい。 物語は淡々と静かに語られていく。時にはメルヘンチックに、時にはシニカルに。オペラを知っている方にはメロディが響き渡り、知らなかった方には言葉が美しく響くだろう。
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-非正規問題の多面多様な実相を浮き彫り 東大卒の非正規労働者、弓田誠は在学時の就活期に事情があって就職を逃し、職を点々として低賃金・使い捨ての実態を知る。弓田はしかし、12年に及ぶ過酷な経験を自分にしかない「体験資産」と考え、格差社会に対応する原動力とする。勤め先の外食チェーン、自動車工場、特殊法人、メガバンクなど、いずれも得難い体験資産となった。30代も半ばとなり、機は熟した。弓田は意を決し、計略を巡らして資金調達にメドをつけ、友人らと新たな事業プロジェクトを立ち上げる。 【目次】 プロローグ I 外食チェーン 1. 感想レポート 2. 虚偽情報 3. ヘイトスピーチ II 自動車工場 1. 商品蒸発 2. 末梢神経 III 年金機構 1. しがらみの園 2. 旧サクセス・ストーリー IV 学校 1. 知的伝道者 2. ブラック自治体 V メガバンク 1. 本郷の紳士 2. 告白 3. 企業経済学 vs. 労働経済学 4. 勝ち組 vs. 負け組 VI 独立 1. 運命 2. 希望 3. 新生活へのシナリオ 4. 法律の落とし穴 5. 創造的立ち上げ 6. 離陸 【著者】 北沢栄 1942年12月東京生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。共同通信経済部記者、ニューヨーク特派員などを経て、フリーのジャーナリスト。05年から08年まで東北公益大学大学院特任教授(公益学)。主な著書に『公益法人 隠された官の聖域』(岩波新書)、『官僚社会主義 日本を食い物にする自己増殖システム』(朝日選書)、『静かな暴走 独立行政法人』(日本評論社)、近著に『小説・特定秘密保護法 追われる男』(産学社)。訳書に『リンカーンの三分間——ゲティスバーグ演説の謎』(ゲリー・ウィルズ著、共同通信社)。