作品一覧

  • ふるえるからだ
    3.8
    1巻1,760円 (税込)
    40歳の志津は、スーパーで見かけたアルバイトの大学生・理人に近づくため、同じスーパーでアルバイトを始める。夫であり、いとこでもある和仁から「離婚しよう」というメッセージが届いた数日後、志津はバイト帰りの理人を待ち伏せし、強引に車の助手席に誘うが……。夫の不貞。父への憎悪。息子との蜜月。禁断の交わりが行き着く先は――錯綜する愛と性を描く、衝撃の問題作!
  • カプセルフィッシュ
    4.7
    1巻825円 (税込)
    不倫相手の子供を流産し、会社も辞めた28歳ののりこは、祖母の暮らす海辺の町にやってきた。海に潜り続ける日々の中で出会った「ぱちこ」と呼ばれる少女は、一言も口をきこうとしない。ただ、のりこに小さな白い魚の入ったカプセルを渡してきた……。(表題作) 閉塞感を破り、再生を模索する姿を描いた、第8回小説宝石新人賞・優秀作を収録。
  • ポーチの中のロマンス
    -
    1巻1,100円 (税込)
    育児と仕事に追われて暮らすある日、元カレから電話が……「イケナイ密会」(渡辺淳子)/姉から急に預かった姪を連れて、憧れの人に会いに行くと……「バージンチーク」(大西智子)/総務部女部長の、知られざる夜の顔とは……「ありのままの女」(麻宮ゆり子)/憧れの女友達との同居生活に疎遠だった弟が加わり……「塗りたくった赤」(くぼ田あずさ)/新鋭作家4名による、女たちの複雑で脆い心の様を描いたアンソロジー。
  • にんげんぎらい
    4.0
    1巻1,430円 (税込)
    毎日、工場で鉄板を曲げ続けるまり江。口うるさいパート達にも、ベタベタするママ友にも、怒りにも似た苛立ちを感じていた。そんなまり江の宝物は5歳の娘・咲季だけだ。夫は数ヵ月前、家を出て行った。理由はわからない。まり江は、深夜、発泡酒を片手にアダルトサイトを閲覧する。自慰行為に耽る自分が、リビングに設置されたウェブカメラに映るように。この映像を、夫がどこかから見ているかもしれないと思いながら――。

ユーザーレビュー

  • カプセルフィッシュ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    港町の祖母の家にやってきて、のっこことのりこのお話。不倫の恋でできた赤ちゃんが流れてしまった悲しみを、ぱちこたちとの交流で癒やしていくのだが、ゆっくり読みたくなるほど気に入った。久しぶりにいい作品に出会った。

    0
    2025年08月06日
  • にんげんぎらい

    Posted by ブクログ

    工場のパートの人間関係、子どもの保育園でのママ友たちとの関係、夫との関係、たくさんの煩わしさがあった。ずっと下らないものに見えていたものが角度を変えて見ると別のものに見えたりする、そういうことってあるよなぁと思った。

    0
    2023年07月22日
  • カプセルフィッシュ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    不倫相手とのその後があるわけでもお母さんが帰ってくるわけでもなくドラマチックなことは何も起こらないし解決もしないのに、各章ラストには何故か救いが見えてあったかい気持ちになる。
    のりことゆうこのささやかな成長と海辺の田舎町が鮮明に浮かび心が洗われるような一冊だった。

    0
    2021年07月03日
  • ふるえるからだ

    Posted by ブクログ

    冒頭の1行でかつてない程の衝撃を受ける。

    近親相姦を匂わせる一文はタイトルさながらで身体が震え心がざわめく。

    この物語の主人公、今年41歳になる志津は、いとこである和仁と結婚し幼稚園に通う息子を持つ主婦。
    スーパーでバイトする大学2年生の早見理人に接近する志津。

    常温で保存している桃が日毎に熟して行くのと比例する様に志津の行動に生々しさが増して行く。

    実の父親からの性的虐待、家族だと信じ切っていた夫の裏切り、志津の心中を想像すると破滅的行動に走る気持ちが分からなくもない。

    出生前診断を絡めながら血縁の意味が問われる。

    0
    2023年02月16日
  • にんげんぎらい

    Posted by ブクログ

    初読みの作家さん
    なんだろう、この感覚。
    読んでいる間ずっと嫌な気分になり胸が苦しかった。

    主人公は毎日、工場のラインで鉄板を曲げ続けるまり江。
    5歳の娘・咲季と暮らしています。

    口うるさいパートメンバー、煩わしいママ友、自分と5歳の娘を残し家を出て行った夫、常識外れの義母、そんな周りの環境に怒りにも似た苛立ちを感じていた。
    「みんな死ねばいい」全ての煩わしさにキャパオーバーになるまり江

    まり江の中には絶えず小さな炎が揺らめいている印象
    それが時々爆発してしまう。
    トラックの運転手への罵詈雑言、ボスママとの戦い、極端ではあるけれどまり江の思いや行動は人間誰しもが心の奥底に隠している本質か

    0
    2023年02月11日

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