あらすじ
不倫相手の子供を流産し、会社も辞めた28歳ののりこは、祖母の暮らす海辺の町にやってきた。海に潜り続ける日々の中で出会った「ぱちこ」と呼ばれる少女は、一言も口をきこうとしない。ただ、のりこに小さな白い魚の入ったカプセルを渡してきた……。(表題作) 閉塞感を破り、再生を模索する姿を描いた、第8回小説宝石新人賞・優秀作を収録。
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Posted by ブクログ
港町の祖母の家にやってきて、のっこことのりこのお話。不倫の恋でできた赤ちゃんが流れてしまった悲しみを、ぱちこたちとの交流で癒やしていくのだが、ゆっくり読みたくなるほど気に入った。久しぶりにいい作品に出会った。
Posted by ブクログ
不倫相手とのその後があるわけでもお母さんが帰ってくるわけでもなくドラマチックなことは何も起こらないし解決もしないのに、各章ラストには何故か救いが見えてあったかい気持ちになる。
のりことゆうこのささやかな成長と海辺の田舎町が鮮明に浮かび心が洗われるような一冊だった。