大西智子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
初読みの作家さん
なんだろう、この感覚。
読んでいる間ずっと嫌な気分になり胸が苦しかった。
主人公は毎日、工場のラインで鉄板を曲げ続けるまり江。
5歳の娘・咲季と暮らしています。
口うるさいパートメンバー、煩わしいママ友、自分と5歳の娘を残し家を出て行った夫、常識外れの義母、そんな周りの環境に怒りにも似た苛立ちを感じていた。
「みんな死ねばいい」全ての煩わしさにキャパオーバーになるまり江
まり江の中には絶えず小さな炎が揺らめいている印象
それが時々爆発してしまう。
トラックの運転手への罵詈雑言、ボスママとの戦い、極端ではあるけれどまり江の思いや行動は人間誰しもが心の奥底に隠している本質か -
Posted by ブクログ
ネタバレ早くなんとかしなければ。このままでは息子とセックスしてしまいそうだ。
冒頭の一行が衝撃的。
志津も相当歪んでる(というより狂ってる)けど、同情してしまうし、他のどの登場人物にも陰を感じる。
全ての元凶は志津の父、そして母だろう。
母は分かっていたと思う。
和仁も、紆余曲折を経て再婚みたいなおめでたい披露宴挙げてるけど、いやいや、あんたも大概だよ、と怒りを感じてしまった。
前に読んだ本の影響で、チャールズ皇太子とカミラ夫人みたいに思えた。
志津と晴一はこれから幸せに生きていけるんだろうか。
今は5歳だからいいけど、成長したら2人の関係も歪んでしまうんじゃないかな。 -
Posted by ブクログ
物語はとんでもない一文から始まる。
これは一体???!!!
志津は41歳。
いとこ婚をした夫は外に他の女がいる。
そしてあまつさえ子供もいる。
自尊心を傷つけられた志津は復讐、あるいは、もっと言葉で表せないような気持ちを埋めるため、ある場所でパートを始める。
日本の法律的にはいとこ婚はなんの問題もないはずなのに、「近親婚」と忌み、蔑み、恐れるような目で見る人達がいる。
主人公の志津自身も、そのことに何かを思うようだ。
性について描いた本作は、忌避するような気持ちになる人もいるだろう。
決して明るい読後感ではないし、傷を抱えた人にとっては読みやすい本ではないだろう。
また、いとこであったり