大西智子のレビュー一覧

  • カプセルフィッシュ

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    ネタバレ

    港町の祖母の家にやってきて、のっこことのりこのお話。不倫の恋でできた赤ちゃんが流れてしまった悲しみを、ぱちこたちとの交流で癒やしていくのだが、ゆっくり読みたくなるほど気に入った。久しぶりにいい作品に出会った。

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    2025年08月06日
  • にんげんぎらい

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    工場のパートの人間関係、子どもの保育園でのママ友たちとの関係、夫との関係、たくさんの煩わしさがあった。ずっと下らないものに見えていたものが角度を変えて見ると別のものに見えたりする、そういうことってあるよなぁと思った。

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    2023年07月22日
  • カプセルフィッシュ

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    ネタバレ

    不倫相手とのその後があるわけでもお母さんが帰ってくるわけでもなくドラマチックなことは何も起こらないし解決もしないのに、各章ラストには何故か救いが見えてあったかい気持ちになる。
    のりことゆうこのささやかな成長と海辺の田舎町が鮮明に浮かび心が洗われるような一冊だった。

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    2021年07月03日
  • ふるえるからだ

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    冒頭の1行でかつてない程の衝撃を受ける。

    近親相姦を匂わせる一文はタイトルさながらで身体が震え心がざわめく。

    この物語の主人公、今年41歳になる志津は、いとこである和仁と結婚し幼稚園に通う息子を持つ主婦。
    スーパーでバイトする大学2年生の早見理人に接近する志津。

    常温で保存している桃が日毎に熟して行くのと比例する様に志津の行動に生々しさが増して行く。

    実の父親からの性的虐待、家族だと信じ切っていた夫の裏切り、志津の心中を想像すると破滅的行動に走る気持ちが分からなくもない。

    出生前診断を絡めながら血縁の意味が問われる。

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    2023年02月16日
  • にんげんぎらい

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    初読みの作家さん
    なんだろう、この感覚。
    読んでいる間ずっと嫌な気分になり胸が苦しかった。

    主人公は毎日、工場のラインで鉄板を曲げ続けるまり江。
    5歳の娘・咲季と暮らしています。

    口うるさいパートメンバー、煩わしいママ友、自分と5歳の娘を残し家を出て行った夫、常識外れの義母、そんな周りの環境に怒りにも似た苛立ちを感じていた。
    「みんな死ねばいい」全ての煩わしさにキャパオーバーになるまり江

    まり江の中には絶えず小さな炎が揺らめいている印象
    それが時々爆発してしまう。
    トラックの運転手への罵詈雑言、ボスママとの戦い、極端ではあるけれどまり江の思いや行動は人間誰しもが心の奥底に隠している本質か

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    2023年02月11日
  • にんげんぎらい

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    ストーリーがつかみやすい

    最後は好かこし考え方が前向きになってほっとした

    主人公のきもちはごちゃごちゃだけど、その表し方が好き。

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    2021年04月14日
  • ふるえるからだ

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    ネタバレ

    早くなんとかしなければ。このままでは息子とセックスしてしまいそうだ。

    冒頭の一行が衝撃的。

    志津も相当歪んでる(というより狂ってる)けど、同情してしまうし、他のどの登場人物にも陰を感じる。

    全ての元凶は志津の父、そして母だろう。
    母は分かっていたと思う。

    和仁も、紆余曲折を経て再婚みたいなおめでたい披露宴挙げてるけど、いやいや、あんたも大概だよ、と怒りを感じてしまった。
    前に読んだ本の影響で、チャールズ皇太子とカミラ夫人みたいに思えた。

    志津と晴一はこれから幸せに生きていけるんだろうか。
    今は5歳だからいいけど、成長したら2人の関係も歪んでしまうんじゃないかな。

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    2021年01月31日
  • カプセルフィッシュ

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    デビュー作とは思えないハイレベルな作品でした。
    特別な出来事が起こるわけではなく日常を描いた作品なのにどうして引き込まれてしまうのかを考えると、世代が異なる男女の間で少しずつ心が通い合うという一般的ではない関係性の描き方が絶妙だからだろうか。
    また一人、自作が楽しみな作家さんが増えました。

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    2020年02月01日
  • ふるえるからだ

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    物語はとんでもない一文から始まる。
    これは一体???!!!

    志津は41歳。
    いとこ婚をした夫は外に他の女がいる。
    そしてあまつさえ子供もいる。
    自尊心を傷つけられた志津は復讐、あるいは、もっと言葉で表せないような気持ちを埋めるため、ある場所でパートを始める。

    日本の法律的にはいとこ婚はなんの問題もないはずなのに、「近親婚」と忌み、蔑み、恐れるような目で見る人達がいる。
    主人公の志津自身も、そのことに何かを思うようだ。

    性について描いた本作は、忌避するような気持ちになる人もいるだろう。
    決して明るい読後感ではないし、傷を抱えた人にとっては読みやすい本ではないだろう。
    また、いとこであったり

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    2021年08月09日
  • にんげんぎらい

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    ネタバレ

    全てに共感できるわけではないけど、ママ友のめんどくさいくだり、よくわかります!あんなふうに言って、飛びかかってみたかったな。
    トゲの刺さった身体の絵が、内容にぴったりだと思った。

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    2018年06月22日