ブックライブの書店員おすすめレビュー

すべて のおすすめレビュー

  • ブックライブ書店員

    まるで良い映画を見たような気分にさせてくれました。
    刑務所×美容室という異質の空間に焦点を当てた作品構成は斬新なだけでなく、
    そこが刑務所内であることを忘れてしまうほどに読む者の心も温めてくれるような作品です。
    「受刑者が刑務所内で刃物を持つ」という点で恐怖心やある種の偏見を抱いてしまう気になりますが、
    1話、2話を読み進めるうちに自身の考えが稚拙だったと恥ずかしさを覚えます。

    全4話で構成された物語の中に、心に残る名言が散りばめられている点も推しポイントのひとつです。
    中でも印象的だったのは、第2話で抗がん剤治療を控えた女性が来院するシーン。
    綺麗に長く伸ばされた自身の髪が治療と共に抜けてしまう未来に耐えかね、
    バッサリ切ることを望む彼女に、美容師である葉留がかけた言葉・・・・・・泣きました。

    明日も明後日もその先しばらくは同じ景色しか見れないひとりの受刑者が、
    髪を切ることを通して人の明日を彩る姿が胸に響きます。オススメです。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    ホンダのオートバイ・スーパーカブを題材とした友情・青春ストーリー!

    親なし友達なし、ついでに趣味もなし。
    ないないづくしの女子高生・小熊の日常はスーパーカブとの出会いによって変化する!


    小熊の生活はすぐにカブを中心としたものとなり、それは彼女に様々なものをもたらした。

    運転免許を取得し、公道を走るとことで社会の一員であることを自覚する小熊。
    教員の紹介でバイクを使うアルバイト(労働)を経験する小熊。
    ガス欠・タイヤのパンク、天候や季節への対応などなどを経験する小熊。
    そしてカブをきっかけに、次第に同年代の女の子たちとの関係を構築していく小熊。

    超遠距離ツーリング・バイクで登山など、ちょっとした冒険もあり。

    これは何もなかった少女が、素晴らしい日常を手に入れる物語だ。
    読後はきっとスーパーカブに乗ってみたくなるはず。

    (ちなみにバイク整備の様子はとても詳細に描かれ、著者の並々ならぬカブ愛が満載となっている。)

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    「芦毛の馬は走らない」
    そんな既成概念をぶっ壊した最愛の怪物“オグリキャップ”の物語。

    本作は実際の競走馬たちを【ウマ娘】として擬人化させたシリーズのスピンオフ作品です。
    私はこれまで競馬=ギャンブルというイメージが強く、嫌悪はしていないもののどこか避けて生きてきました。
    しかし、私は【ウマ娘】のアニメやゲームアプリを通して、競馬の奥深さや面白さを知り、
    これまでのイメージがガラッと変わりました。
    実際、ウマたちが懸命に走る姿に何度心震わせ、涙を流したか分かりません。

    そんな競馬界の中で最も愛された名馬“オグリキャップ”。
    その物語が面白くないわけがない!!!!
    血統は微妙で、初めてのレースは寂れた地方競馬場。
    そこから中央のエリート達をなぎ倒し、“芦毛の怪物”となっていくストーリー…。
    100点中1億点の作品ですので、是非ともお読みください。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    日常生活に欠かせない存在となったスマホ。
    しかし、そのスマホの危険性が日々問われるのはどうしてなのでしょうか。
    著者はそこに人類の進化が関係しているといいます。

    本書は、科学的根拠と進化論の目線から、私達がスマホを手放せなくなってしまった原因を分かりやすく解説しています。
    人類はこれまで多くの時間を狩猟や採集に費やし、長い時間をかけて脳をその生活様式に最適化させてきました。
    そんな狩猟生活に最適化された私達にとって、急激にデジタル化した今の環境は異常事態なのです。

    本書を読んだ後、「自分はスマホを利用しているのではなく、利用されているだけではないのか?」と思わず自問してしまいました。
    それほどまでにスマホは魅力的で、私達に様々な影響を与えていることに驚きでした。

    今後もデジタル化の進行が予想される中、私達はスマホの魅力を知った上で、自分自身にあった利用方法を考えるべきなのかもしれません。
    みなさんは今後どのようにスマホと向き合っていきますか?

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    小説家になろう発の大人気ビブリア・ファンタジーを、『ベイビーステップ』の勝木光先生がコミカライズ!

    ユレーヴェの眠りから覚めたローゼマイン。なんと、2年も眠っていたなんて!?
     「わたし なんだか『浦島太郎』なんですけれど!」
    大急ぎで準備して向かった貴族院で、ローゼマインに待ち受けているものとは……?

    2年のブランクに苦しみながらも、相変わらずの本への情熱で前向きに突き進んでいくローゼマイン。環境が変わっても、彼女の本への愛はとどまるところを知りません。
    彼女の情熱に振り回される人々が、さらに増えていくのが第4部。
    登場人物が増えてますます広がる『本好き』ワールドに、大ヒットマンガ家が参戦!と、SNSでも話題沸騰の今作。
    さすがの描写力に舌を巻く、テンポの良い話運びが魅力です。
    ファンの間では、コミカライズにあたり勝木先生が新たにデザインしたキャラクターや背景設定を探すのも楽しみの一つとか。
    『本好き』書籍おなじみの、原作者書き下ろしおまけSSもお楽しみに!

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    2人の出会いが世界を変えていく、大河ラブ・ファンタジー。

    少しおとぼけ気味の平凡な女子高生・典子は、ある日下校途中に無差別爆弾事件に巻き込まれ、異世界へ飛ばされてしまう。
    見知らぬ森の中で化け物に襲われ怯える典子を救ったのは、渡りの戦士・イザーク。
    イザークがそこにいたのには実は理由があって……

    素直で一生懸命な典子が、クールでなんでもできるけれど、大きな苦痛を抱えたイザークの心をほぐしていく様子がとても丁寧に描かれています。
    イザークが初めて笑ったときには、典子と一緒に感激してしまいました。
    また、人々の心の中の光が持つエネルギーの大きさもこの作品の主題のひとつ。
    不安や不正が蔓延る世界を変えていく力は、一人ひとりの心の中に既にあるものなのかもしれません。
    現代にも通じる「大切なこと」を諭すように教えてくれる良作。
    この物語の優しい結末を、ぜひご自分の目で確かめてみてください!

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    全オタクに読んで欲しい作品です。

    今はいい時代になりましたね。アニメやマンガ、ゲーム、コスプレ、声優…いわゆる二次元的なオタク趣味が個性として受け入れられて、メディアで特集が組まれたり、深夜アニメコンテンツが一大ブームを巻き起こすなど、世間でも「ありふれた文化・趣味」のひとつとして広く認められるようになりました。
    ただ「オタクは忍ぶ者」と昔はよくいったもので。日陰者の趣味扱いをされることが多く、周りにバレないようにコソコソと活動するのが当たり前でした。だからこそ同志を見つけたときは熱い絆で結ばれて、その「好き」なことに時間を割くために皆一様に情熱を注いだものです。ですけどね、親バレや学校・職場バレしたりするとそりゃあ心無い言葉が飛んでくるんですよ。
    「引くわぁ…」「いい歳して…」「みっともない…」「もっと健全な趣味を…」

    この作品では、そんな「好き」なものに魅入られた人間の情熱と地獄と葛藤がこれでもかというくらいにエグく描かれています。共感してしまうと抜け出せません。心臓を直接掴まれたようなねっとりとした心理描写はもうつらいのなんの。
    コスプレをテーマにしているのもあって、年齢・容姿に対する理想と現実のギャップや、趣味に対する各々の価値観が如実に描かれているのも特徴です。この夢の時間はいつまで続けられるのか、好きなことをずっと続けてはいけないのか…。主人公の渚だけではなく、彼女の友人やコス仲間、家族、恋人…色んな人達がそれぞれの「好き」な気持ちに翻弄されていきます。

    全6巻で完結済み、最後までぶっ通しで読めますのでぜひご一読を(ただ、いにしえのオタクの方々は心を強く持って読んでください)。
    最終巻で紡がれる渚の「好き」に対する持論があるのですが、その言葉はおそらく全オタクにとって金言となるに違いありません。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    駆け落ちした双子の妹・ララの身代わりに富豪の息子・ウルジに嫁いだラムダン。
    抜け出すつもりが媚薬で体の自由を奪われ、ウルジに激しく愛されて…!?

    『ジェンダーレス男子に愛されています。』がドラマ化されるなど、
    BLの枠を超えた活躍で大人気のためこう先生の代表作です。
    エキゾチックな世界観と絢爛豪華な作画で、身代わりもののスリルが描かれます。
    ポーカーフェイスなウルジのドSな溺愛っぷりと、
    健気で妹想いのラムダンがとろっとろにとろかされる姿も眼福でしかありません。
    ウルジの愛撫に身体は反応してしまうものの心は許したくなかったラムダンですが、
    彼の不器用な素顔を知っていくたびに心が揺れ動き…。
    偽りの夫婦であるウルジとラムダンの間には、果たして本当の愛が生まれるのでしょうか!?

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    「赤ってのは 運命の色のことを言うんだろ」

    2人の足音が重なり合う、王道の王宮ラブ・ファンタジー!

    薬剤師として暮らす少女・白雪は、生まれ育った国・タンバルンの悪評高い王子・ラジに珍しい真っ赤な髪を気に入られ、愛妾に望まれます。
    困った白雪は隣国・クラリネスへ逃げ出すことに。
    道中出会った不思議な少年・ゼンの正体は実は…!?

    王宮を舞台に、白雪と周囲の成長をやさしく描いた作品。
    アニメ化もされた人気作です。

    やわらかい絵柄と、いきいきとした登場人物たちが魅力。
    そしてなんと言っても、ヒロインの白雪がかっこよくてかわいい!
    芯が通ったしなやかな強さを持つ白雪に、貴方も思わず惹かれること間違いなし!
    読んだ後はいつもよりやさしくなれるかも!?
    隣り合って歩いていくゼンと白雪のように、前を向く勇気をくれる1冊です。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    イヤホンをつないだと思ったら、つながっておらずめちゃくちゃ音漏れしていた…。
    こんな経験をしたこと、あなたはありませんか?
    日常で誰もが1度は経験したことがある小さなドジ。
    本作はそんな小さなドジさえもクールに決めてしまう、
    年齢も職業もバラバラな男子4人のオムニバスです。

    ドジ男子といってもタイプは様々。
    ドジると顔が赤くなってしまう羞恥心ありの反省タイプや、
    ドジをしたことを認めない強がりストイックタイプ。
    ドジをしても気にしない無自覚無痛タイプに、
    自分のドジに笑ってしまう受け入れ前向きタイプなど。
    あなたが共感できるドジ男子や、
    かわいくて推したくなるドジ男子が見つかること間違いなし!

    また誰かの弟だったり、バイト先の人だったりと、何らかの縁で4人が出会っていき、
    徐々に絆が生まれていくところも見どころです。

    かっこいいクールな男子の、ドジな一面という
    クスッと笑えて、癒されるギャップ萌えがつまった一冊です!
    是非ご一読ください。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    コンビニを舞台に、日常の一コマをドラマにしたような本作品。
    人々のリアルな心情を色濃く描く技術は、さすがは今井大輔といった印象です。

    特に第7話「マチカフェ」・第8話「コーヒー」が好きです。
    決まった曜日にコーヒーを注文にくるおじいさんと、固定シフトで出勤している就活中のアルバイト店員の2人。注文後、勝手にイートインの席に着くおじいさんのマイルールは、長年連れ添った伴侶との思い出と重ねていたからと分かったときには少しジーンとしました。店員との会話では不愛想な感じなのに、注文の時は「コーヒーを一つお願いします」と敬語で話すところもまた良いです。

    たった数ページで描かれる「小さく気持ちが動く」一コマに、心も温められる作品です。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    真誠会若頭にして真誠興業の社長である矢代(やしろ)。極道としての嗅覚と才能には恵まれているが、とにかくドMでヘンタイ、抱かれた男は数知れず。そんな矢代を純粋に慕う付き人兼用心棒の百目鬼(どうめき)。部下には手を出さないと決めていた矢代だが、百目鬼に抗いがたい魅力を感じて誘う。しかし、百目鬼には矢代を抱けない理由があった…。
    訳ありすぎる幼少期を経て、親友への叶わぬ思いを隠して生きてきた矢代に、愚直なまでに恋する百目鬼。真誠会のお家騒動に巻き込まれた矢代に身の危険が迫る中、ふたりの距離はどんどん縮まっていくが…。

    ストイックなスーツ姿、スリリングでほどよくリアルな抗争のシーン、ひとつ間違えればすぐに壊れてしまいそうな矢代と百目鬼の緊迫感あふれる関係性…この作品の魅力を語り出せばきりがありません。
    ユーモアの中に切なさをにじませるヨネダコウ先生のネーム運びと美麗なイラストはため息もの。後ろめたい男たちに萌えるすべてのBL読者、必読です!

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    0歳から英語の勉強をさせたいな、女の子でもサッカーをさせるぞ——。妊婦の頃に夫と話していた、我が子との夢。でも、娘の成長は周りの子よりもゆっくりで…。

    自閉症の愛娘・ムーちゃんと、悩みながらも一生懸命に前を向いて生きていくお母さんが主人公です。
    著者・みなと鈴先生も自閉症の女の子のお母さんだからでしょうか、主人公の心境はもちろん、ときに温かく、ときに辛辣ともいえる周りの視線までリアルに描かれています。胸が締め付けられるようなシーンもありますが、やっぱりムーちゃんの成長がすごく嬉しくて、とっても可愛いんです。

    丁寧な絵で描かれたマンガなので、文章だけでは実感が湧かないようなこともすんなり心に入ってきます。ストーリーの間に短いコラムもあり、作中に登場した言葉や症状、療育についての説明も載っているため、知らなかった事をたくさん学ぶことが出来ました。

    幅広く、老若男女問わず様々な人におすすめしたい作品です。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    ヤンキー×ラブコメの相性の良さに驚きが隠せません。もう「ヤンキー=ワルで危険な男」というイメージは過去の遺物なのかもしれません。それほどに、表題作の主人公である樹里とひろみがかわいい! 不良高校のナンバー2を張るほどの猛者なのに、河川敷で野良猫のボスと戯れる姿は天使そのものだし、すごくナチュラルにロミジュリしているんですから。

    ひろみは天真爛漫で人懐っこくて物怖じしないところが「ヤンキーのかわいさ全部詰め込みました!!!!」という感じの正統派キュートキャラで、樹里は無気力クールキャラと見せかけた天然系たらし。こんなかわいらしい2人が、互いのかわいさにキュンとしている様子はまさに「かわいさの永久機関」と呼んで然るべし。河川敷で水切りをしたり、マンガを呼んだりといったDK的じゃれ合いも絶品ですが、じゃれ合いからの甘いイチャイチャもたまりません……。要はどこをどう読んでもかわいさが約束されているということです。何回「かわいい」を連呼するんだという感じですが、連呼したくなるほどかわいいということで許してください。
    「かわいいヤンキーBLが読みたい」という人は必読の一冊です。胸を張って断言できます。
    あと、武闘派らしい肉体美も見どころです。

    同時収録の「つばぜり愛」はタチ×タチの差しつ差されつがコミカル&エッチで良き! 攻め同士のマウント争いが好きな方はぜひ読んでみてください。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    推しのことが好きすぎる人のことを「モンペ」と呼ぶことがありますが、本作に登場するアンドロイド・シロはまごうことなき受けのモンペ! ヒカル専用のボディーガード用アンドロイド兼セクサロイドとして存在するため、一挙手一投足がヒカルファーストです。カルガモのヒナのようにヒカルに付き従う様子が愛らしい……。
    感情ではなくプログラミングで動いていることを理解したうえでも、ヒカルが心惹かれているアルファの桜塚に対して刺々しい態度を取ったりと、ヒカルを守ろうとする姿に思わず頬が緩みます。アンドロイドなので杓子定規なところもありますが、ヒカルのお願いはついつい聞いてしまうあたりがまさにママ! 

    主人公のヒカルと桜塚の爽やかカプっぷりも本作の推しポイント! 2人の野球へのひたむきな思いやチームメイトとしての絆、そして両片思いから両思いになっていく様子が描かれていて、正統派高校生BLらしい胸キュンが堪能できます。
    そこにオメガバースならではのエロが加わるのですが、ちゃんと互いの気持ちを確認し合うまで、本能に流されないところが推せる……! 近年まれに見る「信頼できる」カップルです。

    そして、シロのことも邪魔者扱いするのではなく、「オレたちのことを認めてもらおう」とする桜塚の好青年っぷりに心が洗われます。シロ、桜塚くんなら絶対にヒカルを世界一幸せなオメガにしてくれるよ、と読んでるこちらまで見守りモードに。
    真っ直ぐな気持ちで全員を推せて、最後はみんな幸せになってほっこりできる。これが令和の三角関係の形なのかもしれません。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    推しカプの幼少期から現在までをくまなく見守りたい、という全オタクの夢を叶えてくれる作品。推しカプの「初めてのちゅう」から性の芽生え、そして思春期や反抗期を経て、たくましく成長していく様子が、丁寧に丁寧に描かれています。

    苑生先生自身が、そで部分のコメントで「2人の心情をできるだけ丁寧に描いていきたいと思います」と語っている通り、志井と環が子どもから青年になるまでの10年間が、本当に丹念に描かれています。環が笑っているような顔で志井の名前を呼ぶのが好きだったり、脚のストレッチをするときの体勢にドキリとしたり、環への気持ちを自覚済みだけど「友達」としてスキンシップをしてみたり――普通のBLマンガだったらカットされてしまっていたかもしれない何気ないシーンの積み重ねから、環に対する志井の切実な思いが浮かび上がってきます。この純情三白眼め……。
    志井は環への偏愛を育みながらしたたかに成長し、環は清らかなまま性に対するトラウマをこじらせていく。2人が抱え込んだ秘密はどんな結末を迎えるのか、閉塞感と焦燥感と少しの希望が漂うムードにただただしびれてしまいます……!

    環に美味しいごはんをおごりたいサラリーマン・山野辺と松山(環のバイト先の寿司屋の常連)や、志井の初体験の相手で顔が環にちょっと似ているビッチなお兄さん・タクミなど、思わず気になってしまうサブキャラも登場。シリアスとコミカルを絶妙に行き来する本作ですが、最終的にはみんな笑顔でいてほしい。そう願わずにいられない魅力に溢れた作品です。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    中田アキラ先生のとにかく美麗なタッチで、美形リーマンたちのスーツ姿や喫煙姿が拝めてしまうというだけで最高に眼福なのに、営業部のイケメンエースが実は赤面症というギャップまで仕込まれているというから最高オブ最高。北川の赤面以外にも、ツンツン系美人の夏目が実は北川のことを入社時から4年間見守っていたことや、対人恐怖症気味な北川が夏目の前では尻尾振りまくりのワンコになってしまうことなど、ギャップの猛ラッシュ。某暗殺拳の伝承者もかくやという勢いで、萌えツボを押されまくって爆発四散しそうになってしまいます。幸せ……。

    ギャップ萌えがさらに加速するのが、夏目の同僚・富田が主役の2巻。1巻では完全に「夏目のよき理解者」ポジションで、色っぽい素振りなんて見せてなかったのに、行きつけのバーのマスター・斎藤にあっさり抱かれて、身も心もほだされていくのです。三白眼の塩顔でタバコを吸う姿も男っぽい富田が、斎藤にはまるっきりかわいこちゃん扱いされてしまうのがたまりません! 斎藤に激しく抱かれた後に刺激が強すぎて震える富田とか、斎藤さんの腕枕にすっぽりおさまっちゃう富田とか……富田のかわいさがカンストしていました。

    そして3巻では、夏目の元カレや北川にライバル心を燃やす同僚が登場して波乱の予感が。甘さとドラマのバランスが絶妙すぎて、永遠に「鉄面皮」ワールドに浸っていたくなります。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    『O.B.』(茜新社)で完結したと思っていた、草壁と佐条の物語がもう一度見られるなんて……。『同級生』からずっと2人を見守ってきたファンにとって、「これが本当にラスト」という切なさをはらみつつも、この上ない幸せをくれる作品です。ページを捲る行為も「漫画を読む」というより「草壁と佐条を見守る」と表現する方がしっくりくるほど。

    付き合い始めてから3年が経ち、ともに二十歳になった2人。『同級生』ではサイダーのようにしゅわしゅわキラキラした青春のさなかにいた彼らでしたが、少しずつ大人になっていき、いつしかただ無邪気に愛し合うことが難しくなります。今までになかったビターな展開に胸が苦しくなりますが、きちんと自分の意志で未来を選び取ろうとする2人の姿が心強い。放課後の教室で生まれた淡い「恋」が、こんなにも揺るぎない「愛」に育ったんだな、と目頭が熱くなります。特にクライマックスのあのシーン、幸せの過剰摂取で気絶するかと思いました……。
    同時に、ラインで連絡が来るだけでドキドキして、やり取りが終わるのが寂しくて、「電話してもいい?」と聞いちゃう感じ、そして通話ボタンを押すだけで胸が高まっちゃう感じ、『同級生』is Foreverすぎて最高です!

    「これで2人の物語ともお別れか」としんみりしていたら、なんと、草壁と佐条の“いつかの未来”を描いた「ふたりぐらし」の連載がスタート! こ、これって新婚生活ってこといいんですか? ここまできたら生涯をかけて2人のことを見守り続けたい。中村明日美子先生、どうにかなりませんでしょうか。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    すっかり人気が定着したジャンルの1つ、中華風後宮が舞台の(これもある種の異世界?)ファンタジーである本作。主人公である陶蓮珠は三十路手前になる相国の女官吏だが、例え上司であっても間違いは指摘する正義感が煙たがられ、さまざまな部署をたらい回しにされて、今では「遠慮がない・色気がない・可愛げがない」で知られている。ある日、業務で訪れた他部署で、隣国である威国人の絡んだ諍いを威国語を使って仲裁したところ、その様子を見ていたと思われる武官らしき人物から「威国語のできる未婚女性を探していた」「おまえを嫁にほしい」「準備はすべてこちらで」「それが済み次第、迎えをやる」と畳みかけられる。何かのネタかと思った蓮珠は受け流すが、後日やってきた丞相に連れていかれた先には例の武官がおり、なんとその武官は新しく帝位についた皇帝の双子の弟である郭翔央で、本当に自分の嫁になってほしいのだと言う。しかしそれは、雲隠れした皇帝とその妻である威国の公主を、2人で身代わりを務めながら秘密裏に探し出すという目的のためで、無事に皇帝夫妻が見つかった暁には離婚の上、上級職へ推挙し、出世に必要な殿試という試験を受けられるように取り計らってくれるとまで言われた蓮珠は、覚悟を決めて翔央の申し出どおり結婚して依頼を果たそうとするのだが、果たして皇帝夫妻は見つかるのか? そして蓮珠と翔央はどうなるのか?
    女性が後宮の女官としてではなくしっかり官吏として仕事をしていたり、蓮珠があり得ないくらい無鉄砲にあちこちへ首を突っ込んだり、いろいろな意味でファンタジーな点もたくさんありますが、いつも明るくポジティブな蓮珠が持ち前の正義感と行動力でがんばる姿は、読んでいて元気をもらえる気がします。こちらも定番化している「身代わり結婚」「契約結婚」のお話としても非常におもしろく、まずは結婚から始まった2人の関係は早々に相思相愛っぽくなっていくものの、身分の差や周囲との関係はもちろん、蓮珠の身の上などの伏線が絡み合って、ハラハラドキドキが止まりません。中華風なエッセンスは軽めですが、読みやすいので中華風ファンタジーの入り口としてオススメ。コミカライズ版もありますので、こちらも是非。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    老い(加齢)が主題のエッセイでこんなに爆笑できるとは思いませんでした…!

    JJ(=熟女)仲間の皆様が読めば「わかる!」と膝を打ちたくなる共感エピソードが盛りだくさん、いつかJJとなる若い女性の皆様へも様々な固定観念を打ち砕いてくれるパワーワードが満載です。

    若い頃に「今が一番いい時だね」、「そういうの男ウケしないよ」等々の呪いの言葉をかけられた女性、多いのではないでしょうか。
    そういった呪いを「無駄無駄…!」と吹き飛ばせる胆力があればいいのですが、なかなか難しいものですよね。
    本書はそういった呪いをばっさり斬りつつ、JJ生活の楽しさ、悲哀についてリアルに語られています。

    体力的な衰えも事実として受け止めつつ、だからこそ気張らず力を抜いていきましょう(気張ると死ぬので)、というスタンスのため、悲壮さは一切ありません。

    全体的に文章の切れ味が鋭く、読んでいてスカッとするので、女性の皆様はストレス発散に。女性の本音が知りたい男性の皆様にもおすすめです。

    2022年07月20日