柴田裕之のレビュー一覧
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「死」とはどういうものなのかを哲学的に突き詰めて考えてみよう、という本である。前半は形而上学的な話で、正直ややこしい。魂の有無や、死ぬと“私”という存在はどうなるのかといった問題を扱っているのだが、文字を自分のペースで読んでいるから辛うじて理解できるけれど、講義でこの話を耳から聴いてたら、ついて行けなさそう…。だが、私たちの多くはなぜ死を悪いものだと思っているのかと問い始めるあたりから、話は具体性を帯び、俄然おもしろくなってくる。そして死を突き詰めていくことで、死よりも価値あるものとみなせる「生」とはどういうものか、という「生」の話に反転するのだ。なかなかお見事!
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歴史の大局を踏まえた過去の著作と比べるとやや物足りなさが残った。
誰とは名指ししていないが、下記の記述はトランプ政権を指していることは明白であり、著者が米国の現状に強い危機感を抱いている様子が窺える。
・強権的な指導者が民主制を切り崩すのに使う最もありふれた方法は、自己修正メカニズムを1つまた1つと攻撃するというものであり、手初めに標的とされるのは裁判所とメディアであることが多い。
・ポピュリストは人民の力と言う民主主義の原理を際限なく拡大解釈し、自分だけが人民を代表していると断言し、政治的な権限の唯一の正当な源泉であると主張し、全体主義に転じる。
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序章は歴史が示す今までの悪人の例。そして、悪人なのは生まれつきなのか、後天的なのか。その例として3歳児の実験をしている。そこでもともとは不正はしてはいけないと思っている人が多かった。
では次にどうして悪人はできるのか。
権力や環境でその確率は上がる。また周りの目や意識によっても格差や階級が生まれる。
そして、権力を持つと腐敗する。
第9章はなかなか興味深く、権力や地位は健康や寿命に影響を与えるというもの。
上の階級のサルはコカインか食べ物かの選択で誘惑に抗い食べ物を選んだ。「厳しい要求と少ない 裁量権の組み合わせ」が 問題である。
ストレスといってもボス猿のような圧倒的ストレスにさらされ常に後を狙われるような地位は早死にする確率が高い。また自分に裁量がない下位層もストレスが多い為寿命が短い。ただし、人間はコミュニティが一つではないので、例えば社会的地位が低くても他の地域や 別の場所で自分の生活に対する支配権を増やすと健康な状態を保つことができる。
最後はどういう人を権力者にすればいいのか。腐敗しない人を見つけてくるのか、権力者に責任の重みを自覚させるのか、より強固に監視するのか。正解というのはないが、これまでの歴史や実験を読んで興味深かった。
特になり手のない警察官に元犯罪者がなっているという事例はあまりに怖く、日本でそんな事が起こってほしくない。警察官に関わらず、類似した職種にも当てはまるものがあると思う。
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12人兄妹のうち6人が統合失調症を発症したギャルヴィン家。要因は遺伝なのか環境なのか。
家族の人生を紐解いていくノンフィクション。
こんな家族が実在した事に戦慄を覚えた。
長男の異変から家族の歯車が狂い始める。
兄弟喧嘩は血まみれ、窓ガラスは破壊され、家具は持ち出される。言動がおかしくなり、被害妄想により暴力沙汰を起こし、精神病院の入院を繰り返す兄達。一人また一人と異常な行動に走っていく。読んでいても誰が誰だかわからなくなるほど、混乱極まりない。
発症した息子達は元より発症していない健常な兄妹達にも不安と恐怖が広がる
家族が一緒に居る事が狂気に繋がっていくようだ。
ギャルヴィン家の症例は精神医学の研究を進めたようだ。この一家以外にも4つ子の統合失調症例なども報告されており、アメリカはやはり凄い国である。
兄からの性被害を受けていた末娘のメアリー(リンジー)がカウンセリングを受ける中で家族の問題に向き合おうとし、母をはじめ病気の兄達を介護する道を選ぶ。姉のマーガレットが家族から離れる道を選んだ事と一線を画す。
リンジーの強さに救いを見出す。
統合失調症は遺伝が原因している。でも環境も決して無縁では無さそう。悪化させるもさせないも、発症するもしないも、様々な要因が重なり合っている、と感じた。日本でもこの病名を聞く事が増えてきた。苦しんでいる方が居る。家族も居る。トラブルもある。
研究が進み、薬や治療法が少しでも早く開発される事を祈る。 -
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現生人類(ホモ・サピエンス:賢い人)は、もはや疾病や寿命まで技術的な問題として解決策を手に入れようとしている。高度な技術は高価であるため、その技術は富裕層しか入手できず、旧来の寿命を全うする層と寿命を改善する層に分離、対立が生まれるだろうと。
寿命をコントロールする神のような振舞いをする、アップデートした人類をホモ・デウス:神の人と称したのが、本書のタイトルの由来だ。
では、人類とその他動物とは何が違うのか。人類は物語を信じることができる唯一の存在だ。貨幣を基にした経済構造や宗教はその最たるものだろう。いずれの考察も身近な例を取り、流れるような語り口で説明してくれるので、読みやすさのあまり、うっかりすると論旨も頭から流れ出てしまうようだ。
飢餓、疾病を心配せず、平和な時代を手に入れたホモ・サピエンスは、次のステップであるホモ・デウスの世代ではそれを発展させることができるのか、対立する層の争いで全てを失うことになるのか、下巻に至り論考は続く。 -
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他の方の感想にあるように私も難しいと感じてしまったので読みたい内容のところだけかいつまんで読みました。
私は死というものに関して恐れていると言うよりは死んだ時どうなるのか気になるという好奇心の方が強い気がします。しかしながら人はいつか死ぬため、そこがゴールと捉え、日々の生活をどのように過ごすかを考えるべきだと思いこの本を読みました。その点で言うと私が知りたかった情報や治験も得られたので良かったです。
もう少し年齢が上がり死というものに関してもう一度考えるきっかけをこの本で得れるとまた違った学びがあると思います。今は大事に本棚に入れておきます。いつか再び手に取る日まで。