視覚に関するなぜ?を説明する本です。とても面白く、新しい発見に満ちています。
「どういう」仕組みか?に対する説明ではなく、「なぜ」そのような仕組みなのか?に対する説明がなされている点に、本書の特徴があります。
そしてその説明が軒並み突飛で、今まで学校で学んだことを覆すようなものなのです。
「なぜ
...続きを読む人間の目は色が見えるのか?」に対しては、
「同族の感情を読むため」
「なぜ人間の目は前向きについているのか?」に対しては、
「障害物の向こうを透視するため」
「なぜ人間の目は錯視するのか?」に対しては、
「未来を見通すため」
「なぜ人間の目は文字を読めるのか?」に対しては、
「目が認識しやすい形を文字に採用したため」
どれもこれも突飛なアイデアです。
そして驚いたことに、本書はこれらの仮説を、データを用いて実証的に示しているのです。突飛なだけでなく説得力も充分に備えています。
学術論文をもとにした著作とのことで、非常に堅固な論理で組み立てられています。
しかもそれでいて難しくなく、すらすらと読める名著です。