マーク・チャンギージーのレビュー一覧

  • ヒトの目、驚異の進化 視覚革命が文明を生んだ

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    こりゃあすごい本を読んじゃったな。ヒトの視覚認識に関する教科書が書き変わるような定石破りの仮説が目白押し。目のウロコは4枚落ち。開き両王手の飛車角取りだ。
    著者は冒頭でこんな事を言う。ヒトの視覚は四つの超人的な能力を持っている。テレパシー、透視、未来予見、霊読(スピリットリーディング)の能力だ。人々は我々が持ち合わせるこれらの能力に気づいていない。と。胡散臭いなー。これを読んだ誰もが感じるだろう。だがこれは、著者の大袈裟にとぼけてみせる独特のユーモアだ。それどころか、まんざら大袈裟でもない。著者も最後に自ら言っている。「私は知識や考えを(そして、

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    2020年07月15日
  • ヒトの目、驚異の進化 視覚革命が文明を生んだ

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    視覚に関するなぜ?を説明する本です。とても面白く、新しい発見に満ちています。

    「どういう」仕組みか?に対する説明ではなく、「なぜ」そのような仕組みなのか?に対する説明がなされている点に、本書の特徴があります。
    そしてその説明が軒並み突飛で、今まで学校で学んだことを覆すようなものなのです。

    「なぜ人間の目は色が見えるのか?」に対しては、
    「同族の感情を読むため」

    「なぜ人間の目は前向きについているのか?」に対しては、
    「障害物の向こうを透視するため」

    「なぜ人間の目は錯視するのか?」に対しては、
    「未来を見通すため」

    「なぜ人間の目は文字を読めるのか?」に対しては、
    「目が認識しやすい

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    2020年05月09日
  • ヒトの目、驚異の進化 視覚革命が文明を生んだ

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    テレパシー、透視、未来予見、霊読といった超能力のように思われるものが実は人間の目には容易く、日常的に行われているという目からウロコの内容。キャッチーで、目を引くテーマに終始せずに、確かな学術的証拠や実験データを豊富な図やグラフでわかりやすく提示されており非常に読みやすい。本書を読めば、普段私たちがどれほど不可解で不思議な能力を使っているのか実感する。文字通り本書を読めば誰しも普段の世界の見え方が一変するだろう。

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    2020年04月07日
  • ヒトの目、驚異の進化 視覚革命が文明を生んだ

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    アメコミのヒーローのような超人的な能力を、見方によっては人は既に持っているのだぞ、という趣旨から始まり、目(と文字)がいかに進化し、能力を獲得して今の我々の顔にハマっているのか、ということが書かれている本。

    個人的にはテレパシーの一章が一番興味深かった。次点で未来予見。
    円城塔さんがこの本のSF風書評を、「小説案を5つ」というタイトルで投稿していたので、SF好きな人はあわせて読むと楽しめると思う。

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    2020年03月28日
  • ヒトの目、驚異の進化 視覚革命が文明を生んだ

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    視覚についての新たな視点。大変興味深く面白く読ませていただいた。この本を読むことで見ることの視座が変わる。

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    2020年03月23日
  • ヒトの目、驚異の進化 視覚革命が文明を生んだ

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    ヒトの視覚について、発達した色覚、前方につく両眼、錯覚、表記の読み取りに着目し、従来の説を丸々ひっくり返す論で進化の駆動力を考察した本。

    通説「色覚は果実を発見するのに優位」
    →違う、「相手からの情報受信の高度化を目的に、肌の色をよく見るた目に発達した」
    ⇒なぜなら、ヒトの目は、肌色近辺のスペクトル感知に異常発達している
    と言ったような、大展開を4つのトピックで行っていく。

    論だけ抜き出すと「そんな突拍子もない…」と言いたくなるが、集めるデータとそのパラメーター整理が鮮やかで、強い説得力を持つのに感服せざるを得ない。
    筆者の物事を巨視的に捉える力を根底とした発想力、論を強化するための構成力

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    2020年03月22日
  • 〈脳と文明〉の暗号 言語と音楽、驚異の起源

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    言語はもともと身につけるための素質を持っていたのか、後天的に身につけたのか。
    私たちの脳はなぜ音楽をするのか、なぜ踊るのか、なぜ感情に訴えるのか、、、を科学的に解き明かす本でした。
    音楽を学ぶことの良さを追求するのに良い先行研究になりそうな本でした。
    すべての原点が自然!人の行動!
    日常では気づかない、意識しない音の気づきがあって意識するようになりました。

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    2025年09月09日
  • ヒトの目、驚異の進化 視覚革命が文明を生んだ

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    ネタバレ

    筆致が強くて若干引き気味になる部分もあったけど、今までなかった視点がふんだんにあってそれぞれに個性的なデータが示されていて面白かった。

    人の色覚は人の体調や感情を肌の色から読み取れるよう進化した。平熱と微熱の一度の差を感じられるのと同様に、普段の肌の色を基準に僅かな差を読み取れる。黄/青(ヘモグロビン濃度高/低)・赤/緑(血中酸素飽和度高/低)が、人の色覚の四原色で、S/M/L錐状体はこれを感知できる設定の配置になっている。人の眼がこのような設定だから、人は今のように世界が見えている。決して正確な描写ではなく、自然淘汰でたまたま生き残った設定で脚色された世界を捉えている。
    また、眼は左右の二

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    2024年10月28日
  • ヒトの目、驚異の進化 視覚革命が文明を生んだ

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    ヒトの色覚はヒトの肌の色の変化をしっかりと見分けることを基準に定まった。であるから、それ以外の色の見え方は偶然の産物。りんごが赤く見えるのも、その色覚の進化の結果であるらしい(場合によれば黄や緑に見えるようになったかもしれない)。肌の色は血流量や酸素飽和度の変化により変わる。それが健康保持や生命保持に関わる人類生存のキーになるものであるので、色覚もそれが最優先され、それに連係して、他の物の色の見え方も決まっていった。肌の色の変化は人間が意識的に変えられる物ではなく(例えば怒りの感情が高まると血流量が増え、顔が赤くなるが、これは自分の意思ではコントロール出来ない。よく、感情が顔に現れるのは平然と

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    2023年10月28日
  • 〈脳と文明〉の暗号 言語と音楽、驚異の起源

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    ネタバレ

    『ヒトの目、驚異の進化 視覚革命が文明を生んだ』の作者による「音」と「言語」の話。
    『ヒトの目…』で思ったんだけど、この作者は「ヒトが今使っている機能(文字を読むとか音楽を聞くとか)は、元々ある機能(敵を見つけるとか同族の状態を知るとか)を転用したもの」というスタンスでずっといる。
    前作が「視覚」で、今作が「聴覚」かな。そう見るとスッキリした2冊目だと思う。

    主題は2つで
    ①物理現象による音(”ぶつかる””すべる””鳴る”)を模倣することで、私達は言語を操っている
    ②音楽は私達の動作音(どこへ行くか、ドップラー効果など)を模倣/抽出/強調している
    ってとこかな。
    アリストテレスは「芸術は自然

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    2023年07月10日
  • ヒトの目、驚異の進化 視覚革命が文明を生んだ

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    ・人の眼は、人の肌の色の変化を捉えるように進化してきたか、なるほど。さすが社会的生物。
    ・顔の前に二つの目があるこの形態、立体視のためではなく、(目と目の間隔も小さい)障害物の向こうを透かしてみるために有利か、一理あるな。
    ・錯視は見て処理している間に過去になる現在(未来)を見るための情報処理(未来予見)の副作用。まあ、表現はともかく、ね。
    ・ただ、4勝の「霊読」とおどろおどろしい表現をしているが、文字を読む事については、「自然を視覚的に理解できるように進化した脳で文章(文字)をたやすく読めるのは、文字が数千年かけて自然に類似するように進化させられたからだ」
    「眼のための文字」と「手のための

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    2022年08月07日
  • 〈脳と文明〉の暗号 言語と音楽、驚異の起源

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    言語と音楽の起源についての仮説と検証。おそらく言語も音楽も持っていない現生人類と現在の人類は機構的にはなんら変わりはないのに、なぜ現在のヒトは言語や音楽を理解できるのか。
    自然を利用して生まれ、自然と別の実体となって進化を続けている”文化”というものに実感を持った。面白い。

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    2022年03月23日
  • 〈脳と文明〉の暗号 言語と音楽、驚異の起源

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    「ヒトの目、驚異の進化」の著者の続編的な作品ということで読んでみたが、予想を裏切らず前作同様とても興味深い内容に満足。言語と音楽の起源をオリジナリティ溢れる仮説に基づき、独自の定量的・科学的アプローチを用いて考査、理論構築していく。文化は自然を模倣しており、文化と人間は共進化の関係にあるということに納得。

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    2021年07月30日
  • ヒトの目、驚異の進化 視覚革命が文明を生んだ

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    認知と進化について独創的な研究で知られる進化神経生物学者である著者の学術論文をベースに、ユーモアたっぷりの語り口と、様々なデータを駆使した推論により、ヒトが色を知覚する能力を発達させた理由、どうして両目が前向きについているのか、なぜ錯視が起こるのか、どのように読字の能力を獲得したのか、についてこれまでの常識を覆す、進化による視覚革命について展開する1冊。

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    2021年06月10日
  • ヒトの目、驚異の進化 視覚革命が文明を生んだ

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    著者の「目」に関する執着というか、エネルギーには感服しました。そして、一人の科学者の生涯をかけさせる深淵なテーマを目が持っていることも分かりました。

    内容はちょっと分かりづらいし学術的な印象が強い本です。

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    2021年06月03日
  • ヒトの目、驚異の進化 視覚革命が文明を生んだ

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    理論神経科学者のマーク・チャンギージーが、人の「目(視覚科学)」に関する独自考察を論じた一冊。感情を読むテレパシーの力、未来を透視し予見するする能力、人が文字をうまく処理できる理由だったり、人の視覚が持つ「力」が写真・図解を交えて大胆な仮説をもとに語られる。第2章の透視能力の部分、結構簡単に実践できる内容で、ゲームの画面を交えてシンプルに(透視の力の)説明がされていて、こういう仮説を読んでいると科学は本当に面白いと感じれる。

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    2020年03月27日
  • ヒトの目、驚異の進化 視覚革命が文明を生んだ

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     本書は、4つの超人的な「視覚」の能力、すなわち、①色覚、②両眼視、③動体視力、④物体認識、の正体を突き止めようとする試みである。

     第1章では、なぜ人間は色覚を進化させたのかが論じられる。従来は、人間が食べ物を探しているときに葉の背景から果実を区別するため、あるいは食べられる若葉が見えるように進化してきたとの仮説が唱えられていた。それに対し著者は、肌の色の変化を見るために進化したのだと主張する。

     第2章は、なぜ人間の両眼は前向きについているのか?が検討される。従来は立体視、奥行きを捉える能力に利点があると考えられてきた。著者は、障害物にさえぎられながらも、その向こうの知覚対象をみること

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    2024年09月17日
  • ヒトの目、驚異の進化 視覚革命が文明を生んだ

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    パルスオキシメーター。
    なんで挟むだけで酸素量が測定できるのかと長年モヤモヤしてたのでスッキリ。他の主張は納得までいかないが、そんな考え方もあるんか、覚えとこうレベル。

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    2022年11月17日
  • 〈脳と文明〉の暗号 言語と音楽、驚異の起源

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    言葉を理解するということは脳の進化によるもの。基本的には生活音を聞き取る能力が発達したもの。それは音楽を聴くことも同じで、元を正せば生活音のリズムを聴いていること。言葉を聞いて理解できることを何も不思議に思わずに生活してきていたので、脳の神秘さを理解するとともに、まだ脳は進化の過程なんだろうなと思う。

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    2021年05月03日
  • ヒトの目、驚異の進化 視覚革命が文明を生んだ

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    解説が分かりやすくて助かった。
    頻繁に出てくる図や表を理解するのが大変だった。(理解できていないものもある。)

    当たり前になっている事を、そういえば何故なんだろう?と改めて考えるきっかけになった。

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    2021年04月13日