柴田裕之のレビュー一覧

  • 繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史

    Posted by ブクログ

    分業、専門化、交易が知識と情報の発展を促した。
    この本に通底する楽観論に同感。
    具体的な例を多く盛り込んでいるが、もう少し簡略化したほうが読みやすいのでは。

    0
    2014年03月22日
  • 経済は「競争」では繁栄しない

    Posted by ブクログ

    「あなたは自分がしていることを堂々と母親に告げられますか?」
    これはebayが他国に進出する時、倫理規定を考えた時に考え出した言葉である。はっとさせられる言葉である。
    コンピュータはプログラムを忠実に実行するだけだが、ヒトは何らかの意図を持ち、複雑な行動を組み合わせて何らかの結果を生む。
    海馬により短期記憶、睡眠により定着すると言われている記憶はいずれも過去のモノである。
    各種ホルモンは未来の行動の方向性、意思決定の際のバイアスであると考える。これの異常が、うつ、発達障害などや影響しているのはもはや疑いは無いだろう。
    本書が示すのは、我々の行動、特に他者へのいたわり、優しさの根源には、オキシトシンが関わっているという研究結果である。
    さらには、オキシトシンとは逆の働きをするテストステロン、そしてそれらのバランスを我々はとっているらしいという調査結果である。
    オキシトシンの分泌を増やすことも可能だ。手をつなぐ、ハグする。個人的にはメールときたま電話でもいいから、日々感謝することが大事だと思うし、そう実感する。
    我々はときたま後悔をする。その後悔もこういうホルモンのなせるワザなのかもしれない。
    後悔とは何かをなす前に出来ないから後悔なのだろうが、最初に引用した言葉を都度思い出すことで、より良い決定が出来ると信じる。

    0
    2014年01月04日
  • 経済は「競争」では繁栄しない

    Posted by ブクログ

    人の信頼関係を、小さな分子(ペプチド)で、脳の中で信号を送る神経伝達物質と、血液中でメッセージを運ぶホルモンの両方の働きを持つ「オキシトシン」に着目して、どのような時にそれが分泌されるのか、あるいはそれを注入した場合にどのような影響を与えるのか等の実験から「愛と共感」との相関を導き出し、それこそが経済を繁栄に導くと説く。

    共感あるいは信頼関係が経済活動にブラスに働くというのはパットナムの『哲学する民主主義』以降、定番とも言える言説ですが、ハグやマッサージのようなスキンシップあるいは宗教やダンスそして感動の物語でオキシトシンが分泌され共感と信頼に繋がるとの実験結果はとても新鮮で良かった。

    0
    2013年11月24日
  • 経済は「競争」では繁栄しない

    Posted by ブクログ

    信頼とか思いやりとか共感とか。主観的な感情を本気で科学した本。結論部はごく平凡にまとまっちゃった感はありますが、パプアニューギニアの部族からサンプルを採ったり、スカイダイビングをしてみたり、ユニークな実験の数々とその考察はすごく面白かったです。

    0
    2013年11月22日
  • 経済は「競争」では繁栄しない

    Posted by ブクログ

    脳科学、生物学的な知見も含めた行動経済学に興味があり、新しい社会のモデルについて知りたくなり手に取る。

    伝達物質のひとつである「オキシトシン」が信頼と共感を生み、資本主義に代わる新しい経済のあり方について研究の成果に基づいて説明している。

    オキシトシンは女性ホルモンであり、他者からの信頼を得ることで一時的に自らもオキシトシンが増加することで、利他的で非合理的な行動をとるという。

    公共財ゲームや信頼ゲームといった実験を重ねることで、特に愛情を受けて育った人、信仰の深い人は他人を信頼し幸福度が高いことが分かる。

    しかし、進化の過程で人間は生存するために、知能をもった他の生物から生き延びるために「テストステロン」といった競争を促す男性ホルモンをもって進化してきたと述べる。

    テストステロンが分泌されることでオキシトシンは分泌を抑えられるが、他人から騙されることもなく、敵対心をもつことで危険から身をまもることにもなっている。
    特にテストステロンは罰を与えることに快感をもつため、社会の秩序を保つことにも自然となっているという。

    現に、先述のゲームでも罰を与える(法を規定)することで他人を裏切ることはなく、安定した秩序を保てることも述べている。


    資本主義の限界が各方面で言われているなか、新しい経済モデルを人間の生物学、脳科学の知見を取り入れて考えることは非常に面白いと思った。

    0
    2013年11月10日
  • 繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史

    Posted by ブクログ

    マット先生の主張をまとめると「悲観主義にとらわれて萎縮するな、世界を良くするために、ただ進め!(確かに社会問題は数え切れないほどあって、悲観したくなる気持ちもわかる。だからこそ私のような人間が率先して、楽観主義者であろうと思う)」てなところ。その主張を確かなものにするために、膨大なデータと分析事例が詰め込まれており、噛みごたえはじゅうぶん。

    生まれでた限りは、どんなに些細なことでも社会を前に進める義務があると思う。勇気が出る一冊。

    0
    2013年10月18日
  • オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史3 帝国の緩やかな黄昏

    Posted by ブクログ

    三巻目はフォード大統領から最近のオバマ大統領まで。カーター大統領あたりからなんとなく記憶があるので生々しく読めた。これまでのほほんと生きてきたけど、核戦争直前の危機が何度もあったとわかって改めて驚愕。しかも概ね米国が悪いとらしい。中でもレーガンとブッシュ ジュニアが危な過ぎ。よく人類生きてるな。

    安倍首相も同類のような気がしてならないのだが。

    0
    2013年07月24日
  • 独裁者の倒し方―暴君たちの実は危うい権力構造

    Posted by ブクログ

    自分の意のままに国を操る独裁者。怖いものは何も無さそう見えるが、ラットレースのように走り続け無ければ体制を維持できず、常に恐怖に怯える日々を過ごさなければならない。一般人には全く想像のつかない内容で面白かった。
    民主主義時代の日本に生まれて生活出来ていることに、改めて有り難さを感じた。

    0
    2026年09月27日
  • サピエンス全史 上 文明の構造と人類の幸福

    Posted by ブクログ

    人類史や世界史を違う切り口で学べ、なぜ現代が今のように形作られているか背景を理解できた。下巻も楽しみ。

    0
    2026年09月19日
  • 「偶然」はどのようにあなたをつくるのか―すべてが影響し合う複雑なこの世界を生きることの意味

    Posted by ブクログ

    かなり文量があったので、興味のある章だけを拾い読み。全体的に具体なエピソードがたくさん書かれており、中でもサッカーボールがとある男性の命を救った話が興味深かった。

    「今の小さな選択なんて、たいしたことない」と思いがちだけど、その一瞬一瞬が未来を形作っている。さらに、自分の行動は自分だけでなく、知らない誰かの人生にも影響しているかもしれない。自分の選択だけでなく、偶然や他人との交差が今の自分をつくっていると思うと、人生の見え方が少し変わるかも。

    0
    2026年08月29日
  • 「偶然」はどのようにあなたをつくるのか―すべてが影響し合う複雑なこの世界を生きることの意味

    Posted by ブクログ

    ゆっくり読みたい本だったが事情のため急いで読んだ

    この世界は今自然に存在する全ての事象が相互に影響しあい、要らないものなどないのではないか
    私が出かける寸前に忘れ物をして取りに戻ったその行為すら、なにかに影響を与えているかもしれない
    そう考えると面白いなあと思いつつ、一寸先は闇というか、なにが生死を分つかわからない怖さもあり、結局のところあれこれ考えたって仕方ない、なるようになるさというところに落ち着く
    本自体は少々冗長で眠くなるところもあったが色々な事例は面白かった
    もし原爆が京都に落ちていたら、私の子供はいなかったかもしれない

    0
    2026年08月24日
  • 「偶然」はどのようにあなたをつくるのか―すべてが影響し合う複雑なこの世界を生きることの意味

    Posted by ブクログ

    この世は決定論に従っているのか、自由意志はあるのか、筆者は自由意志はないとし、ただ、自分の行動が世界の全てに影響すると考えている。
    少し論理が矛盾しているように感じる。

    0
    2026年08月19日
  • 「偶然」はどのようにあなたをつくるのか―すべてが影響し合う複雑なこの世界を生きることの意味

    Posted by ブクログ

    偶然というものの存在について。
    世界を完全に制御することなんて不可能であって、自分自身の行動も巨大な相互作用のネットワークを通じて、未来へ影響を与えている。

    響きあうこと。今この瞬間にどう立ち振る舞って世界とどう関わっていくか。
    自分の身体と感性に集中する
    偶然の波に乗る
    無駄や余白を抱えるという強さ

    0
    2026年08月07日
  • 独裁者の倒し方―暴君たちの実は危うい権力構造

    Posted by ブクログ

     近代における独裁政治についてのわかりやすいレポートという感じで、表題にある印象とは大分乖離しているように感じた。
     独裁者が置かれている状態を細やかに解説し、いずれ最終的には破綻してしまうこと、なぜ独裁政治というものが絶えないのかについても詳細に説明している。
     地政学の知識があれば、もっと実感して理解出来るのだろうが、あいにくそのあたりの知識は薄くて、結果として隔靴掻痒な感が強かった。
     著者の主張としては独裁政治というのは、爆弾を抱えて、地雷の上で綱渡りをしているようなものだから、平和とはほど遠い。破綻が約束されているというのに、独裁者が破滅したり、亡命して国からいなくなっても、独裁政治の構造だけは残って、別の誰かが独裁者になることは多分にあるという。
     危うく権力構造は脆弱で均衡に欠くと書きながら、存外と長く続くそれや、長命な独裁者の存在を例に挙げたりするので、なんかこう……アンビバレントだなあと、モヤつく部分もあった。
     わりとだらだらと事例というかレポートが続く感じなので、読んでいると中だるみを覚える。著者の主張は最終章である9章にぎゅっとつまっているので、こちらを先に読んだ方が理解が早いかもしれない。
     時代は変化する。あたらしい技術は、新しい体制の基礎となって過去に有効だった前提自体が通じなくなっている。その事実を踏まえての臣民の目という古くも新しいギアがこれからは重きを成すだろうという、割と楽観的な主題だったんじゃないかな?

    0
    2026年08月02日
  • 「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義

    Posted by ブクログ

    死をめぐる哲学講義と聞くと身構えますが、読み進めるほど「死」を考えているはずなのに、実は「どう生きるか」を問い返されていました。
    魂の有無や不死、自殺の是非といった重いテーマを、宗教ではなく理屈で徹底的に切り分けていくので、読んでいてかなり頭を使います。
    前半は抽象度が高く、思考実験の連続に置いていかれそうになる瞬間もあり、何を掴めばいいのか分からなくなる場面もありました。
    それでも、死を恐れる気持ちを安易に慰めるのではなく、真正面から分解していく誠実さがあり、読み終える頃には「死」よりも「生きる価値」の方が重く残っていました。

    0
    2026年07月30日
  • 独裁者の倒し方―暴君たちの実は危うい権力構造

    Posted by ブクログ

    著者は10年以上にわたって古今東西の独裁者について研究してきた。独裁者は降りることの出来ないランニングマシーンで走り続けるようなものであり、選択肢は走り続けるか、亡命するかの2択しかない。

    0
    2026年07月23日
  • 限界費用ゼロ社会 <モノのインターネット>と共有型経済の台頭

    Posted by ブクログ

    情報詰め込まれていて、読むの大変だった

    ポスト資本主義の一つの方向性として、
    あらゆるものの限界費用(作るのにかかるコスト)がゼロに近づいていくことによって、資本主義が成り立たなくなる世界について語られていた

    技術的に限界費用が小さくなっていくことと、
    人々の考え方の変化(保有からアクセスになるとか)とが、
    絡み合いながら世の中変わっていくんだろうなと思った

    0
    2026年07月22日
  • サピエンス全史 下 文明の構造と人類の幸福

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    上巻は世界史寄りの話だったが、下巻の、特に後半は、現代やこれからの未来に対しての問題提起。
    フランケンシュタインを例に、当然ながら人間は決して自らの上位互換の存在を認めないこと、もし現れたらどうなるか、という考え方が平和ボケした自分には印象的だった。

    子供の養育にまつわる労働を例に取ろう。カーネマンの研究から、喜びを感じるときと単調な苦役だと感じるときを数え上げてみると、子育ては相当に不快な仕事であることが判明した。労働の大半は、おむつを替えたり、食器を洗ったり、癇癪を宥めたりすることが占めており、そのようなことを好んでやる人などいない。だが大多数の親は、子供こそ自分の幸福の一番の源泉であると断言する。これはつまり、人間には自分にとって何が良いのかがよくわかっていないことを意味するのだろうか?
    そういう見方もできるだろう。だがこの発見は、幸福とは不快な時間を使い時間が上回ることではないのを立証しているとも考えられる。幸せかどうかはむしろ、ある人の人生全体が有意義で価値あるものと見なせるかどうかにかかっているというのだ。
    幸福には、重要な認知的・倫理的側面がある。p307

    スプートニクとアポロー一号が世界中の想像力を掻き立てたときには、世紀末までには火星や冥王星の宇宙植民地に人々が暮らしているだろうと、誰もが予想し始めた。こうした予測のうち、実現したものはほとんどない。その一方、インターネット時代の到来を予見した人は誰もいなかった。p346

    もし本当にサピエンスの歴史に幕が下りようとしているのだとしたら、その終末期の一世代に属する私たちは、最後にもう一つだけ疑問に答えるために時間を割くべきだろう。その疑問とは、私たちは何になりたいのか、だ。「人間強化問題」p347

    0
    2026年07月14日
  • 「偶然」はどのようにあなたをつくるのか―すべてが影響し合う複雑なこの世界を生きることの意味

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    はじめに

    本書を読み終えたとき、私はまず「偶然」を単なる例外ではなく、世界の基本構造として捉え直すことになるだろう。努力や意思決定を否定する本ではない。むしろ、私たちが自分の人生を「自分で完全に選んでいる」と思い込みやすいことへの、静かだが強い異議申し立てとして読んだはずだ。

    認知の偏り

    特に印象に残るのは、人間の脳が世界を正確に写し取るのではなく、少ないエネルギーで素早く判断するために、差分や異常を拾うようにできているという視点だ。これは認知の歪みであると同時に、生存のための合理性でもある。私たちは世界を「正しく理解する」より先に、「すぐ動けるように理解する」ようにできているのだろう。

    複雑な世界

    本書が描く世界は、単純な因果で整理できるようでいて、実際には無数の小さな要因が絡み合い、予想外の結果を生んでいく。だからこそ、成功も失敗も、個人の能力だけで語ることには無理がある。私はここで、自己責任論の薄さと、物事を一直線に解釈したがる思考の危うさを強く感じるだろう。

    自由意志への視線

    それでも本書は、私たちを無力だと言いたいのではない。むしろ、自分が完全には支配していない世界の中で、それでも選び、働きかけ、影響を残していく存在として人間を捉え直している。自由意志とは、全能の支配権ではなく、不確実性の中で応答し続ける力なのだと、私は受け取ったはずだ。

    読後の実感

    読み終えたあとに残るのは、世界への畏れと、少しの解放感だろう。すべてを説明しきれないことは不安でもあるが、同時に、人生が固定された設計図ではないことの慰めでもある。偶然を敵にせず、複雑さを前提に生きる。その姿勢こそが、本書のいちばん実践的なメッセージだと思う。

    0
    2026年07月04日
  • 独裁者の倒し方―暴君たちの実は危うい権力構造

    Posted by ブクログ

    一旦独裁政権を手にすると、そこから円満に降りることは難しいし、それを倒すことにどんな困難があるか、できるとしたらどんな手段があるか。

    言ってることは、ちょっと考えればそうだよね、って言うことばっかり。
    散りばめられた具体的なイベントが面白い。少なくとも日本でのんべんと生活していれば聞いたこともないような国で、こんなんことが起きていたのかと。報道されない、情報に触れない世界は、ないのと同じと言うことを改めて知る。

    文章が、婉曲的すぎてちょっと読みづらい。

    0
    2026年07月01日