柴田裕之のレビュー一覧
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人類の未来を語るために重要となる要点をまとめた本。本書を読めば、人類の発展の法則から将来の私たちがどのようような方向性を目指していくのかを予測することが可能である。著者は、「サピエンス全史」の執筆者でもあり、合わせて読むことでより理解が深まるのではないかと思う。
人類がこれまで克服するために取り組んできた事が飢饉と疫病と戦争である。これらが原因となって、死亡する人数は今日、生活習慣病や犯罪でなくなる方が高い。他にも、過食の方が飢饉よりも多いことや資源が人手から頭脳に変わっていったことが原因である。よって、完全とは言えない物の大幅な目標は達成したと言える。
そこで、次は”不死”と”幸福”が課題とされる。これらは、アルゴリズムなどの情報およびバイオテクノロジーによって解決されるだろう。
そもそも、人や動物はアルゴリズムによって行動や感情が左右される。神話や奇跡によって語られるのではなく、単なる化学反応の連続でしかないのである。すなわち、その情報やデータを結集し、個人に最適な解決策を導き出すことができれば、私たちは”幸福”を目指すことができるのではないだろうか。しかし、そこに私たちの意思や心は存在しないかもしれない。いまだに、心はなぜ存在するのか、どのような反応によって意思が決定されるのかは細かく判明しておらず、科学で制御できる事柄なのかは分からないからだ。
もしかしたら、絶対的な意識は存在せず、他人からの視線のみによって自分の居場所を見つけているのかもしれない。つまり、アルゴリズムとは完全に言い切ることができるわけではないのだ。ただし、気分や健康状態に関しては、私たちの感覚よりもテクノロジーを頼る未来は遠くないと考える。
また、宗教や契約は虚構であるにも関わらず、私たちの行動基準を左右する。社会的秩序によって大衆を動かく力があるのだ。科学はこの点において、宗教を超えることができない。だけども、宗教が創始者の完全な言い伝えとも限らないことは頭に入れておくべきだろう。すなわち、真理の面については実はあまりこだわっておらず、行動自体を重視している。
すなわち、宗教は大衆を動かして倫理的判断や価値観を、科学は研究で病気や生産力をそれぞれ高めることになる。この2つを軸とした人間至上主義が私たちの行動を決める。
内容が壮大かつ未来の出来事につなげようとしているので、どこか内容を捉えきることができなかったように思う。しかし、人間は自由なようで実は宗教などに縛られていて、そうしないと倫理的判断が難しいのだと思った。 -
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タイトルが本書のすべてを表している。
宝くじなどのギャンブルや、傍から見ると運命とか奇跡としか思えないような出来事について、それらの事象は果たして「偶然」なのか、はたまた何かしらの作為(神の手を含めたもの)が介在した「必然」なのかを、確率や統計学の観点から判定し、結論からいうとほとんどの事象は「偶然」として説明できる、というのが本書の大まかな内容である。
結論が最初から分かっているので、新鮮な驚きを得ることはあまり無く、人間がなぜ「偶然」を否定し「必然」を欲するのかの説明も44ページ目で早くも述べられている。一部の判定で使用される「統計的に有意か否か」および「P値」についても12章で軽く説明されているくらい。なので知識を得ることを目的にして本書を読むと、あれれと肩透かしを食らうかもしれない。
では本書の読みどころはというと、400ページにわたって挙げられている様々な事象を、ユーモアと皮肉たっぷりに著者が解説するさまを味わう点にあると思う。冗長と言ってしまえばそれまでなんだけど、よくもまあこれだけのネタを手を変え品を変え、うまいこと料理したもんだなあと個人的には感心した。 -
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ネタバレテクノロジーの支配、身近に感じる。スマホから逃げるのは今年の目標。お金や時間よりも意識を奪われることの怖さを理解。
世界にはたった一つの文明しかない、っていうのは、確かに!って感じ。ここ数百年で一気に世界の均質性が高まっている。
世俗主義の強さ、良さに共感。自らの陰の面を認めることによって進歩してきた。絶対は無い。宗教との違いであり、強さ。
この世は物語で出来ている。物語を信奉することによって人はこんなに他の動物よりも進歩してきた。確かにその通り。何をするにしろどんな物語なのかを意識せずにはいられない。でも実は物語なんてなく、ただ有機化学反応によって感情や意識が形作られており、ただそれだけ。怒りも喜びも悲しみもただの化学反応。
瞑想っていいのかなあ。。今年やりたいと思ってるんだけどなあ。。
SFとか過去の名小説とか観たり読んだりしてみようと思った。1984年とか、、 -
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お金よりも時間を大切にせよ
万人向けの方法はない、試してみよ
第4章長期願望
・お金よりも時間を優先したほうが幸福度が高い
・1日3時間以上誰かと一緒にいる人はストレスが溜まりやすい
・幸運な人は先入観をもたずあれこれ試す
不運な人はあらゆる角度から物事を考えた後でしか行動しない。その頃には世の中は先に進んでしまっている。
☆時間の使い方は訓練が必要
活動に変化、
ノーという、
もっと時間を求める
(休暇を取る、締切を伸ばしてもらうなど)、
機会費用を思い出す
(それをやる価値があるか?失うものは?)
根本的な問いを自分に投げかける
(目的は?なぜ時間を優先させる?目につくところに置いておく) -
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集中力を上げるトレーニングは瞑想が有効だと知り、本書にたどりつきました。
マインドフルネスに基づく情動知能(EQ)育成のプログラム、サーチインサイドユアセルフ(SIY)について書かれている本です。
著者はSIYで世界平和のお膳立てをしようとしていると言いますが、確かにこの本に書かれていることを確実に実践すれば、生活者の情動が安定することで世界平和につながると思います。
とはいえ、本書に書かれている膨大なトレーニングを、読んだだけで実践できるとは思えないので、SIYの効能だけでも知識として入れて、瞑想会に参加するかGoogleに就職するしかなさそうです。
本書でも言っているように、瞑想を広めるために、スポーツのように化学の一分野として扱われるといいですよね。
EQの構造
1自己認識──自分の内面の状態、好み、資質、直感を知ること
2自己統制──自分の内面の状態、衝動、資質を管理すること
3モチベーション(動機づけ)──目標達成をもたらしたり助けたりする情動的な傾向
4共感──他人の気持ち、欲求、関心を認識すること
5社会的技能──他人から望ましい反応を引き出すのに熟達していること -
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ボリューミィな歴史学。
本書では為政者、特に近年の大国の為政者を痛烈に批判する。
それだけではなく、たとえばコロナパンデミックを少数の邪悪な大統領と首相の愚策によるもののような報道をした機関のことも。
まさにコロナパンデミックの渦中にいる私たちは、本書をよく読み込むことが必要だろう。
また、各地で起こるホットウォー(武力を用いて互いに血が流れる「戦争」のこと)についても関心を高める必要があるだろう。
本書中で心に残るのは、ユドコウスキーの言葉を引用したもの。
503頁に記載されるそれは、世界を破壊するのに必要な最低限のIQは、1年半ごとに1パーセントポイント下がる、というムーアの法則の修正版について示す。
かつてリスクは一部の人を規制すれば良かったが今では多くの人の手、つまり、私にも、あなたにも握られている、というのは恐怖でしかない。
第8章の「惨事に共通する構造」は本書の中では最も面白く、また興味深いテーマだった。
失敗が起こる箇所は中間層にあることが多い、とか、管轄権の重複や責任の所在の不明瞭さ、過度に複雑な規則が失敗を招くという事実は、心得ておくべき事項だ。
ヒンデンブルク号、タイタニック号、チャレンジャー号など、既に知られている大きな事故が題材となっており、身近に感じられる。
私自身も安全を第一にする場所に勤めているので、その悲劇は人ごとではない。
自分にひきつけて考える、それができれば大惨事は軽減されるのかもしれない。
であれば、私たちはまず何から始めれば良いのか。
破滅させようとする知性に対抗するためには、知っておかねばならない。
本書が語る、大惨事とは何かを。
そして何をなすべきかを自ら考えるべきなのだ。 -
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副題がしめすように、経済成長と不平等の起源に関する壮大な人類史。
本の前半では、まず経済成長の起源について説明がなされる。大まかには、産業革命や技術発展が原因なわけだけど、著者は産業革命で全く違う原理で世界が動き始めたとはみていなくて、産業革命以前からの変化が積み重なって一種の相転移のようなものがおきたとする。そのドライバーとして人口の役割を重視している。産業革命の前と後の連続性を指摘するところはなるほどな議論ではあるが、それほどの驚きはない。
後半では、格差の起源ということになるが、ここで扱われるのは、ある社会のなかでの階層的な格差ではなく、国ごとの経済格差。なぜならば、そちらのほうが大きな差があるからとのこと。
若干の疑問は残るが、とりあえず著者の議論に乗っかって、先を読み進めていくと、現代社会から、格差の起源をもとめて、歴史を遡り、制度、文化、地理、農業革命、そして最後には人類の出アフリカということになる。
一つ一つの議論には、なるほどな面もあるし、経済的な要因だけでなく、文化的な要素など多様な側面に格差の原因を求めるのは、健全な議論ではある。
で、この本の狙いである「経済成長」と「格差」を一つの統一理論によって説明するという展開になって、ここでも人口や人の多様性ということに議論は整理される。
本を最後までよめば、そういうこともあるだろうなとは思うものの、なんだか後付けの説明のようにも思えて、全体としては、あまり説得力のある議論とは思えなかった。
とはいえ、いわゆるワシントン・コンセサス的な「発展途上国も経済発展することで貧困をなくし、人々の幸せを作り出すことができる。そのためには、自由主義的な経済政策が有効」みたいな処方箋からは、一歩、前進して、国の文化、歴史などにも配慮した政策が必要という結論には至るので、そのあたりは評価できるかな?
が、格差の説明要因に、さまざまな文化、歴史要因を入れたからといって、国の経済格差を発展度合い・スピードの違いで理解しようという姿勢は、相変わらずのワシントン・コンセンサスの世界観。
マルクス的な搾取の構造とまでは言わないにしろ、豊かな国があるため貧しい国が構造的に生み出されてしまう、そして、国内でも豊かな社会階層があるので、貧しい階層が生み出され、構造的に再生産されるという視点もやはり必要なんじゃないかと思った。