柴田裕之のレビュー一覧

  • 経済は「競争」では繁栄しない

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    利己的な行動を取る人間が多くいる市場は、いずれ廃れてしまう。

    一方、お互いを信頼し、向社会的行動を多く取る市場は繁栄する。なぜか?

    ここで筆者は「善循環」という概念を提示して、この繁栄のメカニズムを説明している。

    善循環とは、共感→道徳的行動→信頼→オキシトシンの分泌→共感とサイクルしていくメカニズムである。
    人は他人に信頼されてると感じると、オキシトシンの分泌量が増える。
    オキシトシンの分泌量が多いほど、より他人に共感するようになる。
    より他人に共感するようになると、道徳的行動をとるようになる
    道徳的行動をとることで、相手は自分を信頼する。
    また、オキシトシンが分泌されることで、ストレ

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    2020年03月14日
  • 進化は万能である 人類・テクノロジー・宇宙の未来

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    いろんなことが進化で説明できるという話。翻訳がいまいちで読みにくい。内容もある程度納得はできるが進化の定義範囲が広すぎる気がした。人の自由意志はないのか

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    2019年08月11日
  • 進化は万能である 人類・テクノロジー・宇宙の未来

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    生物に起こる進化は特殊進化理論であり、世界には一般進化理論とも呼ぶべき進化の法則がある。すべてのものごとは進化している。そして進化は計画されたもの(=創造説)ではなく、小さな変化の積み重ねによって達成される。上からの計画はたいてい失敗するよ。…というのがあらましです。
    進化≒ボトムアップと創造≒トップダウンの対立が本書のテーマです。そしてだいたいの章では成功したボトムアップが失敗するトップダウンにとって代わられてしまって嘆かわしい。という結論になります。
    ここで疑問なのはトップダウン式の機構が作り上げられるのも進化の結果なんじゃないの?というものです。他のボトムアップものとトップダウンのものが

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    2019年07月09日
  • 地球を「売り物」にする人たち

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    ・人類の経済活動が世界規模の気候変動を引き起こしている,その気候変動は新たなビジネスチャンスにもなれば,今ある生活を追いやられる人
    もいる.

    ・資本のある,また,温暖化の恩恵を受ける北側の国が気候変動をチャンスと捉えたビジネスを展開しやすい.
    ・しかし世界全体で共有地の悲劇起きている

    ・個々人や国の利己的で合理的な判断が必ずしも肯定されるべきとは言わないが「先進国は早急に気候変動に対する対策をとるべきだ」と安直で実現性がない綺麗事で締めないところは効果が持てる.

    ・気候変動に対する危機感が行動に結びつかないのは,他者を犠牲にすることが遠回りなプロセスになると途端に鈍感になる(鈍感なふりを

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    2019年06月24日
  • マシュマロ・テスト 成功する子、しない子

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    有名なマシュマロテストを詳細に解説してくれ、またその後の追跡調査から、派生テストまで、マシュマロテストで気づきがあった事柄を網羅してくれている。

    我慢できるかどうかは才能というよりも育った環境が大きく、その能力は脳の可塑性によりあとからでもつけることができるとのこと。

    子供達が我慢する様子をホットシステムとクールシステムで解説してくれているところは興味深かった。

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    2018年11月12日
  • 限界費用ゼロ社会 <モノのインターネット>と共有型経済の台頭

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    旧来の資本型経済は終わりを告げ、新しい共有型経済が台頭しつつあると主張する本。最後の章で日本向けに書かれている章が結構衝撃的。ドイツと日本を比較し、共有型に移りつつあるドイツとだいぶ遅れている日本とを比較し、日本の進むべき道を示している。共有型主義が資本主義の後継なのかどうか。これからの時代が興味深い。

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    2018年11月12日
  • 経済は「競争」では繁栄しない

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    机上だけでなく、体を張った実験がいい。
    人文科学もオキシトシンに効果あるのね。
    文学、芸術が好きでよかった。

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    2018年10月06日
  • 限界費用ゼロ社会 <モノのインターネット>と共有型経済の台頭

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    ネタバレ

    IoTと3Dプリンターと再生可能エネルギーがシェアエコノミーしいては第3次産業革命を起こすということを書いた本(第4次産業革命とも言われているが、正確には第3次らしい)。内容もよく練れておりそれなりに納得感もあるが、最終的に限界費用が限りなくゼロに近くなる社会が訪れるということが俄かには信じがたい。マイケルサンデル張りのpublic societyが最終的な社会形態ということだが、人間は本当に自らの欲望(利己心)を克服して利他的に行動するようになるのだろうか?結局のところ、自分が最も得をするようい行動するという人間の本来の性向を考えると、なかなか実現しにくい社会だと思う。生産性が低すぎて協力し

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    2018年09月17日
  • 限界費用ゼロ社会 <モノのインターネット>と共有型経済の台頭

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    生産や教育の限界費用がゼロに近づき、モノは所有からシェアへ、資本主義の源泉たる利益が得られなくなってきた。雇用も失われる。資本主義はゆるやかに協働型コモンズに変わっていくだろう。

    製造業に、人やお金やエネルギーをかけていた時代が終わりつつあるというのは理解できる。次は協働型コモンズとのことだけれど、福祉や医療やサービスというのも含まれるんだろうか?労働者はどこで稼げるんだろうか?

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    2018年04月09日
  • 地球を「売り物」にする人たち

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    取材対象人物の多さに閉口した点はありますが、カナダ・オランダ・イスラエル・アメリカ(ロサンゼルス・ニューヨーク・マイアミ)・オーストラリア・セネガル・スーダン・マルタ・バングラデシュ・アイスランドと他国に取材し、日本ではほとんど取り上げられていない「気候変動ビジネス」に焦点を絞ったルポルタージュです。NHKスペシャルみたいな本です。
     登場してくる会社をグリードと揶揄するよりも、そこに日本がほとんど登場しなかったことが国力の差を見るようで気になりました(唯一、登場したのがセネガルで緑化活動をしている崇教真光)。先進国から見れば、地球温暖化という現象がもたらすビジネスチャンスが、ほんと多様な領域

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    2018年01月15日
  • 限界費用ゼロ社会 <モノのインターネット>と共有型経済の台頭

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    ものを作る限界費用がゼロに近づくと資本主義社会が崩壊し、新たな価値観を持つ共有型経済が台頭すると予測している本。

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    2017年11月05日
  • 限界費用ゼロ社会 <モノのインターネット>と共有型経済の台頭

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    2012年頃に書かれた本。
    「インターネット広告は、従来の広告より単価が安く、ユーザーはレビューを重視して広告は信用しないので生き残れないだろう」という当時の筆者の予想は今読むと外れています。
    この本は、ネクストソサエティのような予言の本ではないけれど、一つ一つの事実を知るにはまとまっていました。

    ・1995年から2002年にかけて、全体の生産量は3割以上増えたが、製造業の雇用は2200万人分も消失した。
    ・GDPの上昇と雇用は相関しなくなっている

    ・トレーラートラックのグローバルな輸送の積載率は1割にも満たない。輸送は効率化の余地が大きい。
    ・ロジスティクスは分散型インターネットのアーキ

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    2017年09月06日
  • 地球を「売り物」にする人たち

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    地球温暖化や気侯変動によって、思わぬ利益がいろいろな形で生まれている世界各地の状況を、6年の歳月をかけてまとめたもの。氷が解けたことにより可能となった、北極海の新航路や、地下資源の採掘。護岸壁や防潮堤、浮遊式建造物。淡水化プラント、人工降雪機。水利権取引、難民の流入防止、火災やハリケーンの保険など、「不都合な現実」によって生ずるビジネスチャンスの数々が延々と描かれている。原文のせいか訳のせいか、いろいろ調べて書いてはいるのだろうが、とにかく言わんとしていることが伝わりにくい。しかもかなりの長編なので、読むのが正直きつかった。ちなみに私は全部読むのに休み休みではあるが1年もかかってしまった。

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    2017年10月09日
  • 限界費用ゼロ社会 <モノのインターネット>と共有型経済の台頭

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     うん、2000年ぐらいに言われていたことをまとめた本で、1周廻った感じ。当時IoTはM2Mって言われていたしね。

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    2017年04月09日
  • 経済は「競争」では繁栄しない

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    タイトルのうまさで技ありの本書、実証実験をとおして経済的繁栄のための異なるアプローチを模索する。「振り込め詐欺」が横行する現実社会に鑑みると理想主義的な視点だが、それは魅力的な理想像でもある。ところで「競争」がなければ我々が享受している革新的な技術はどれだけ具現化されていただろうか。

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    2017年04月01日
  • 限界費用ゼロ社会 <モノのインターネット>と共有型経済の台頭

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    「限界費用」つまり、プラス1単位の生産コストがゼロになったとき、人々は「所有」の概念から解き放たれることになる。そこに出現するのはユートピアか、ディストピアか。
    再生可能エネルギーで皆が自活するようになり、3Dプリンターでなんでも手元で作り出せるようになり、すべてがネットワークでつながることで、所有からアクセスへの大転換が起こるとする。それは、資本主義社会の終焉でもある。ロボットが労働を駆逐し、生活に必要なものがなんでもピア・トゥ・ピアで融通されると、労働者は資本家から報酬を得る代わりに、協同的に働き、協同的に消費するようになると説く。
    現在、起こりつつある技術の変化を革命的に読み替えるとこう

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    2017年03月11日
  • 限界費用ゼロ社会 <モノのインターネット>と共有型経済の台頭

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    シェアリングエコノミー、IoT、3Dプリンタが経済の形を変える!とコンセプトは意外と目新しさが無いと感じたけれど、それはそういった世界が現実になりつつあるという認識が既に当たり前になっている証拠なんだと、少し落ち着いて振り返れた点は良かった。

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    2017年01月28日
  • マシュマロ・テスト 成功する子、しない子

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    研究に基づいてて、良かったけど、求めてたのとは違った。
    マシュマロテストが、将来の能力を見極められるのは分かったけど、知りたかったのは、マシュマロテストでたくさん待てるような子供にするにはどういう風に育てるのがいいかってこと。
    その記載は、ちょっとはあったけど、そんなになくて残念だった。

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    2017年01月18日
  • 限界費用ゼロ社会 <モノのインターネット>と共有型経済の台頭

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    ネタバレ

    インフラの
    コミュニケーション
    エネルギー
    輸送
    の一体的な革新により、価値の軸とビジネスモデルの勝ち筋が大きく変わる

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    2017年01月07日
  • 繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史

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    この本は、副題がすべてを語っていますね。こういう、欧米の優秀な人が書いた、ジャンル分けされていないおおきな歴史の通史って本当におもしろいですね。最近で言えばジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』が流行りましたけど、あんなふうに人類の歴史を1つの観点でズバッと切るという本です。これは基本的に人類がこの10万年の間にいかに豊かで平和で安全になったかということを、数字を挙げて証明しているんですよ。

    石田衣良公式メルマガ「ブックトーク『小説家と過ごす日曜日』」18号

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    2016年11月18日