柴田裕之のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
いまから振り返れば2020年3月ならびに4月時点で「未知のウィルス」に対するInsightとしてハラリ氏のインタビューは特筆すべきものがある。Post COVID-19の世界を冷静かつ的確に見詰める頭脳レベルの高さが窺える。他方で理想論を唱えるあまり実現性と具体性に欠ける面も否めない。理想なくして実現なしではあるが。暗に(明に?)トランプ大統領を批判しているが、米国が「世界の警察」を名乗るのが良いのかは多分に疑問(COVID-19対応では恐ろしく悪手続きだったがトランプ大統領の在任中に戦争が起こらなかったのは事実だ)。
それはそれとして、有事は緊急の名のもとパラダイムシフトが起こりやすくニュ -
-
-
-
-
-
-
-
-
Posted by ブクログ
SIYについてしっかり説明がなされていた。しかし抽象的な説明や無駄話が多く冗長だった。他方科学的根拠が示されていてある程度信頼できた。
追記:科学的根拠について。例えばMFによる白質増加。被験者が少なすぎる。また瞑想で脳の白質が増えたのは事実だが、殆ど増えていない。白質は神経細胞ではなく、神経細胞同士を繋ぐ軸索である。故に瞑想が神経細胞を増やすわけではない。更に言えば、白質が増加したから身体にメリットがあるという根拠もない。
神経科学系の根拠で自説を補強する著書は多いが、高次機能において神経挙動とその結果表れる情動等の関係が明確に証明されている事例は少ない。大体は論文の内容が誇張されていると -
-
Posted by ブクログ
長かったが、勉強になった。
限界費用とは物やサービスを作る費用がゼロになること。
これによって、資本主義からのパラダイムシフトが発生するかもしれない。
経済は熱力学的の第一第二法則に支配されていることにエコノミストは気づいていない。
■第一部
1400年代ヨーロッパを中心に水車、風車の登場で、封建社会の経済パラダイムシフトが発生。
それと同時期に印刷機が発明され、コミュニケーション革命が起こった。
今日の資本主義は18世紀後期の蒸気の動力が導入されてから。
蒸気という強力な動力を得た資本家は、株式会社を組織(鉄道など)し、限界費用を押し下げていった。
垂直統合型の企業の誕生。
-
Posted by ブクログ
氷河の下からわんさか出てくる油田や鉱床。北極の氷が溶けて新たな航路が出現して物流の費用が安くなる。水が無くなることを見越して、水に投資する。雪が減ってしまったヨーロッパのスキー場に人工降雪機を売りまくる・・・。
これまで、「自らの利益のために多少環境が破壊されるのもいとわない」という仕事をしている企業はたくさんあると思ってきたが、まさかここまで「環境が破壊されることで利益が上がる」企業が多いとは・・・これじゃいくら環境保護をうたってもダメだと感じた・・。
ただ、希望もある。遺伝子操作した蚊を使ってマラリアを防ぐとか、ハリケーンをコントロールしたり、石炭から排泄される硫黄を成層圏に散布して太陽熱 -
Posted by ブクログ
目の前の欲求を抑えて、合理的な選択を出来るか=マシュマロテスト
本能的に衝動で行動する=ホットなシステムと認知的で複雑、ゆっくり活性する=クールなシステム
のバランスによってマシュマロを判断する
クールなシステムを活性化させることで、合理的な選択ができるようになる
ホットなシステムが強めの子でもクールを育てれば、そのバランスを必要な時に必要な形で働かせることができる
ストレスによってクールなシステムは活動が鈍るケースが多く、脳は可塑性によって長くストレスにさらされるとクールなシステムの働きが失われてしまう例もある
(長期的に合理的な判断が可能かについては、幼少期に身の回りの人を信頼できると感 -
Posted by ブクログ
自制心のききにくいときの対策のヒントにしたくて読んだ。自分の弱い刺激を知ったり、
♧気持ちが明るくなることを考えると、目の前の衝動や誘惑への反応が和らぐ
♧
ストレスが長引くと脳の萎縮を起こし、思考力が落ちる
♧予め、特定の事態が起きたときにとる反応を決めておくと、衝動的な反応を起こしにくくできる(人間が変われることへの可能性)
♧嫌悪条件付け:衝動が発生したときに生じる行動を、自分の嫌いなものに変える
♧嫌な思い出を反芻することは痛みの再発を誘うこともあるが、自分から距離を置くことは有効
♧拒絶感受性(RS)という見捨てられ不安
♧課題をすることで元気になると思えば、意志の疲弊が防げる
♧ -
Posted by ブクログ
未就学児(4〜5歳くらい)の子供に今マシュマロを一つもらうか少しの間我慢してあとで2つもらうかというテスト(のちにマシュマロテストと言われる)を1960年代に実験した著者がその後半世紀に渡って追尾調査した結果、子供の頃に我慢出来た(自制した)子供は数十年後どのような人生を歩んでいるか?というとても引きのある有名な実験について。気になる結果がどうなったかというと自制することができた子供たちは、概ね社会的な成功を収めていることが分かった。やはり「自制する」という能力は「成功」に必要不可欠である。では社会的な「成功」は先天的に決まっているのか?それとも後天的に変える事は出来るのか?が気になってくる。
-
Posted by ブクログ
原題:INTO THE GRAY ZONE A Neuroscientist Explores the Border Between Life and Death
原題の通り、「グレイ・ゾーン」と呼ばれる生と死の境目の状態にいる患者の意識について挑んだ神経科学者の本である。著者は、植物状態と診断された患者の15〜20%に実は意識があることを発見した。反論に対抗するため、脳がただ刺激に応答して自動的に反応しているのではなく、確かに患者に意識があり意図的に刺激に応じていることを実験で示した。「テニスをしているところを想像してください」と「家の中を歩き回るのを想像してください」という問いかけで植物状