【感想・ネタバレ】地球を「売り物」にする人たちのレビュー

あらすじ

北極海に眠る資源争奪戦に明け暮れる石油メジャー、治水テクノロジーを「沈む島国」に売り込むオランダ、水と農地を買い漁るウォール街のハゲタカ……壊れゆく地球すらビジネスチャンスに変わる「温暖化ビジネス」のえげつない実態を全米注目のジャーナリストが暴く。あらゆる紙誌で絶賛の嵐を巻き起こした現代の「必読書」。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

温室効果ガスは毎月20億トン(毎秒800トン)
2100年までに気温は5.2℃上昇する予定。
これが本当なのか?どうかも疑問になるようにいろんなことが言われているが.....本当なんでしょう。
この事象を踏まえて、こんなにもビジネスが進んでいるのだから。

気候変動関連ファンド、北極海航路の領有権、地下資源、人工雪製造、淡水化プラネット、火災やハリケーンなどの保険、営利民間消防組織、水供給ビジネスや水利権取引、農地獲得、難民流入防止や拘束、護岸壁や防潮堤、浮遊式の建物や都市建設、バイオテクノロジー、気候工学の応用....。

…内容…
1.融解
北極海では石油、新しい航路、レアメタル。
グリーンランドでは水、石油、金、レアメタル、亜鉛。
雪解けのアルプス、ヒマラヤ、ピレーネ山脈、ロッキー山脈、氷河の損失は、干魃をよぶ。
水との戦いが始まる。
イスラエルのIDEテクノロジー

2.干魃
山火事
春の早い時期に雪が溶けると農作物の栽培期間が延び最終的にはより多くの「燃料」ができあがる。燃えやすいものが乾燥する期間も伸びる。冬が温かいと寄生性の幼虫がよく育ち森林破壊が進む。

保険ビジネス、ヘッジファンド、農地強奪、環境移民。
…資産分類としての水…
作り出すことができず永遠に量が不変。淡水のパーセンテージが減り塩水が増える。

3.洪水
グリーンランドや南極を覆う厚い氷床は周囲の海水に強い引力を及ぼしている。融解により1年でおよそ3㎜の割合で上昇している。2Ⅰ00年にはおよそ30センチ高くなる。

サイクロン、ハリケーンは海水温に煽られる。
バングラデシュの1/5は永久に水没。
2000万人~3000万人は環境難民となる。
肥大な土地へ、護岸壁、デング熱再来で盛り上がるバイオ、気候工学、気候工学の主要材料である硫黄。

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2016年12月26日

Posted by ブクログ

「地球の気温が上昇している(=地球温暖化)のは、人間の野放図な欲望と豪奢な生活を支えるために、ありとあらゆる資源を浪費しているからだ」という声が世界各地で高まっているというのに、欲深な人間というのは、なんと罪深いのだろう。さんざん資源を浪費してきた階層が「地球温暖化」を新たなビジネスモデルにするというのは、もはやブラックジョークとしかいいようがない。「多国籍企業」という名の強欲な連中の次のターゲットは、分厚い氷のために資源開発が遅れていたアイスランド。住民は欲深な多国籍企業の掌中で踊らされ、自分たちがもっている資源は、そっくりそのまま自分たちのものになると本気で思っている。そして海面上昇のために国土消滅に怯える島々には、オランダの企業がアプローチする。オランダという国家は、堤防をつくって中の海水を排出することで、耕地面積を拡大してきた。そのノウハウを、バヌアツなど国土消滅の危機に怯える国家に提供しようという魂胆だが、人の弱みにつけ込むようないやな感じしかないのは私だけか。一番の驚きは、グリーンランドを巡ってカナダとデンマークとの間に国境紛争が起きていること。もちろんそこには、まだ地下に眠っている資源問題がある。両国で共同開発をして、利益を分け合うという発想は、彼らにはないのだろうか?

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2016年06月25日

Posted by ブクログ

地球温暖化をビジネスチャンスとして動いている企業や国のルポ。北極航路は想像がつくが、民間消防会社、防潮堤ビジネス、水利権といやはや色々あるものだ。

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2021年02月23日

Posted by ブクログ

氷河の下からわんさか出てくる油田や鉱床。北極の氷が溶けて新たな航路が出現して物流の費用が安くなる。水が無くなることを見越して、水に投資する。雪が減ってしまったヨーロッパのスキー場に人工降雪機を売りまくる・・・。
これまで、「自らの利益のために多少環境が破壊されるのもいとわない」という仕事をしている企業はたくさんあると思ってきたが、まさかここまで「環境が破壊されることで利益が上がる」企業が多いとは・・・これじゃいくら環境保護をうたってもダメだと感じた・・。
ただ、希望もある。遺伝子操作した蚊を使ってマラリアを防ぐとか、ハリケーンをコントロールしたり、石炭から排泄される硫黄を成層圏に散布して太陽熱を反射し、温度を下げる。みたいな研究がされているようだ。

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2020年02月06日

Posted by ブクログ

気候変動に伴う様々なビジネスを狙う人たちを取材した本。元の文章も長いんだろうけど、人の名前が多かったり、翻訳が直訳だったりと読みにくかった。

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2017年05月24日

Posted by ブクログ

・人類の経済活動が世界規模の気候変動を引き起こしている,その気候変動は新たなビジネスチャンスにもなれば,今ある生活を追いやられる人
もいる.

・資本のある,また,温暖化の恩恵を受ける北側の国が気候変動をチャンスと捉えたビジネスを展開しやすい.
・しかし世界全体で共有地の悲劇起きている

・個々人や国の利己的で合理的な判断が必ずしも肯定されるべきとは言わないが「先進国は早急に気候変動に対する対策をとるべきだ」と安直で実現性がない綺麗事で締めないところは効果が持てる.

・気候変動に対する危機感が行動に結びつかないのは,他者を犠牲にすることが遠回りなプロセスになると途端に鈍感になる(鈍感なふりをする)人のサガだと思う.

・気候変動に危機感を感じるまではいいが,綺麗事を叫ぶだけの人たち,「人間の経済活動がなければ今の気候変動は起きなかった」という推測や,「これからこういう対策を打てばこうなる」という,地球規模の複雑系に対する安直な予測を訴えるだけの人たちには自分も嫌悪感を覚える.

気候変動→新たなビジネスチャンス

水の先物市場ってあるのかな。これからできたりして。
⇨あったわ

緑の長城, バングラディシュ, 護岸壁の販売

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2019年06月24日

Posted by ブクログ

取材対象人物の多さに閉口した点はありますが、カナダ・オランダ・イスラエル・アメリカ(ロサンゼルス・ニューヨーク・マイアミ)・オーストラリア・セネガル・スーダン・マルタ・バングラデシュ・アイスランドと他国に取材し、日本ではほとんど取り上げられていない「気候変動ビジネス」に焦点を絞ったルポルタージュです。NHKスペシャルみたいな本です。
 登場してくる会社をグリードと揶揄するよりも、そこに日本がほとんど登場しなかったことが国力の差を見るようで気になりました(唯一、登場したのがセネガルで緑化活動をしている崇教真光)。先進国から見れば、地球温暖化という現象がもたらすビジネスチャンスが、ほんと多様な領域に及んでました。
 翻訳者柴田裕之のあとがきが非常によくまとまっているのですが、例えば地球温暖化によりグリーンランドは北極海路の通年化や資源の掘削経費軽減などデンマークから独立できるだけの国力を備えつつあるとか、地球の皆が一律に困るわけでないのが典型的な《共有地の悲劇》であって、地球温暖化は停めないというスローガンに対する各国の対応が足並みそろわない理由はこれなんだとわかります。幼稚なテーゼはグローバル社会では押しのけられるのです。
 そして、地球温暖化のしわ寄せが、富もなく対策もとれない、加害者要素のない貧困国に、旱魃(塩害による農地不適地の拡大)・水没・洪水という形で容赦なくしわ寄せとしてくることも(こちらのほうだけ偏って報道されているのが問題の1つ)。
 読む限り、地球温暖化は停止できるものでなく是非もなく到来するものとして適応せざるをえない事象だと諦念してしまいます

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2018年01月15日

Posted by ブクログ

地球温暖化や気侯変動によって、思わぬ利益がいろいろな形で生まれている世界各地の状況を、6年の歳月をかけてまとめたもの。氷が解けたことにより可能となった、北極海の新航路や、地下資源の採掘。護岸壁や防潮堤、浮遊式建造物。淡水化プラント、人工降雪機。水利権取引、難民の流入防止、火災やハリケーンの保険など、「不都合な現実」によって生ずるビジネスチャンスの数々が延々と描かれている。原文のせいか訳のせいか、いろいろ調べて書いてはいるのだろうが、とにかく言わんとしていることが伝わりにくい。しかもかなりの長編なので、読むのが正直きつかった。ちなみに私は全部読むのに休み休みではあるが1年もかかってしまった。

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2017年10月09日

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