柴田裕之のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
こりゃあすごい本を読んじゃったな。ヒトの視覚認識に関する教科書が書き変わるような定石破りの仮説が目白押し。目のウロコは4枚落ち。開き両王手の飛車角取りだ。
著者は冒頭でこんな事を言う。ヒトの視覚は四つの超人的な能力を持っている。テレパシー、透視、未来予見、霊読(スピリットリーディング)の能力だ。人々は我々が持ち合わせるこれらの能力に気づいていない。と。胡散臭いなー。これを読んだ誰もが感じるだろう。だがこれは、著者の大袈裟にとぼけてみせる独特のユーモアだ。それどころか、まんざら大袈裟でもない。著者も最後に自ら言っている。「私は知識や考えを(そして、、エンターテイメントも少しばかり)紙の上に載せている。」と。少しどころではなくハイスペックエンターテイナーだ。人々がデフォルトで持ち合わせている超人的な能力のしくみが解き明かされていくさまは、サスペンス映画でも見ているような、恐怖すら感じる仮説だ。
ヒトが色覚を得たのは森の中で果実や若葉を見分けるためだったのではないだって!?両眼が前を向いているのは立体視のためじゃないって!?錯視の大統一理論!?文字の大統一理論!?NHKスペシャルはこれを4回にまとめて、教科書は書き換えなきゃならない案件だな。
※少し内容に入ります↓
Mixilience
白人と黒人の肌の色のスペクトルはほぼ同じだそうだ。それなのに人間は肌の色に敏感だ。これは自分の肌を基準とした肌色の微妙な差異を見分けるために進化した目の機能のために、他人の肌がより違って見える。肌の色に敏感すぎるからだそうだ。この事を多くの人が了解していれば良い。日本人には多いだろうが、少なくとも私は、肌の色が大きく違う人と接することに慣れていない。でも多くの外国人と接する機会は日に日に増え、これからも増えるだろう。様々な人種の中に混じっても、翻弄されず流されず隣人は仲間だと思える自分を取り戻す力を持とう。それをマジリエンスと呼んでおこう。
AR
左右の目から脳に伝わる情報は目の位置によるズレの分若干違う。それらを脳で統合して、片方の目だけでは見られない部分を補完し合って視覚を作る。これを著者は透視と言っている。
そして目に光の情報が入ってから、視覚が生まれるまでには0.1秒かかる。つまり0.1秒前を見ることになる。特に運動時は視覚が遅れては困るので、現在を見るために未来を予見するように脳で処理される。これが未来予見の能力である。
これほもう、ヒトの目は自然のAR(拡張現実)ゴーグルをしているようなものじゃないか。
本書の原題は、The VISION rEVORUTIONだ。解説でこのように綴っているが、原書の表紙はREVORUTIONのRの一文字だけ赤く色が違っている。それでこの邦題になっている。私なら「シン革命」とか「シン・カクメイ」にして、遊ぶところじゃないかと思った。
character
昔、木目の中に顔を見たり、壁の染みに動物を見ていて親を驚かせた。その理由が少し分かったような気がする。速読をする人は、文章全体を眺めるとか、文章を写真のように見るなどして、全体を分かって読んでいるらしい。それもまんざら嘘ではない気がしてきた。速読はとうとうできなかった。How to本をゆっくり読みすぎたかもしれない。
著者はヒトの使う文字を19の文字素に分けた。著者曰く、これは文字の周期表だ。地球環境に生活するヒトが発明した文字なら、世界中の全ての文字はその文字素から成る。ヒトが物の形を認識するとき、輪郭を基本的な要素に分けて形をとらえる。その目で、物を見るように文字もとらえているらしい。自然を分節化し、音を分節化して言葉をつくるように自然から形の要素を切り取って文字を作った。文字の起源は数字らしいけど、文字が発明されるより前から自然を読んでいたんだ。このキノコには毒があるとか、この虫は食べられるとか、このような窪地に水があるとか。自然を読む目を使って自然を代替する文字を読んだようだ。文字を発明したからと言って、パソコンのように文字を読むためのドライバーを脳にインストールするわけではなく、あくまでも自然を読む目を使って文字を読んだ。だからその目でうまくとらえられるように文字の方を進化させたのだという。
本書には映画「マトリックス」のエピソードが出てくる。本書を読んでいると、今まさにマトリックスの世界に居んじゃないかという錯覚を起こす。あの"起きていてもまだ夢を見ているような感覚"。白昼夢。だってヒトの目はありのまの現実を見ていない。脳の中の監視モニターの前で現実だと思い込まされている映像を見ている。
ちょっと飛躍したようだ。目からウロコが落ちすぎて幻惑した。
#マークチャンギージー #whyを問う #柴田裕之 #金井良太 #下條信輔 #北岡明佳 #錯視 -
Posted by ブクログ
モノを1ユニット生み出すのに必要な限界費用が、テクノジーとインターネットの普及で限りなくゼロになり、利益が出なくなっている。これは資本主義の究極の形であるが、その性質ゆえに、自壊していくという矛盾を秘めている。
IoTシステムの要は、コミュニケーションインターネットと輸送インターネットを、緊密に連携した稼働プラットフォームにまとめること。
IoTが、出現しつつある協働型コモンズに命を吹き込んでいる。→シェア文化に始まる「協働主義」が生まれ、新たな経済パラダイムを築きつつある。GDPによる景気動向の評価という、社会の考え方が根本から変わりつつあり、その代替品として「生活の質」という新指標を考え直す必要がある。
資本が企業家の元に集められ、労働者が自らの労働力を原材料に加え付加価値(商品)を大量に生み出し始め、資本主義が始まった。
過去においても、蒸気による鉄道輸送というインフラと、蒸気による大量印刷というコミュニケーション手段が、経済と産業のビジネスモデルを一変させた。
こうしたビジネスモデルは大量生産される財と流通を構成するのに、巨大で複雑なモデルを必要としたため、垂直統合型で中央集権化された少数企業が、各業界を独占した。
古来より考えられてきた労働力(財には自らの労働力を与え付加価値を増すものであり、したがってその所有権は労働した者にある)の価値観は、資本家という存在の出現によって大きく変わることとなる。
今後の生産性の向上に大きく貢献するのが、モノのインターネット(IoT)というインフラである。
肝心な疑問は、あらゆる人間とあらゆるモノがつながったとき、個人のプライバシー権をしっかり守るためにはどんな境界を設ける必要があるか、だ。
半導体の性能は2年ごとに倍になるというムーアの法則は、現在テクノロジー分野だけでなく、エネルギー分野(太陽光発電や風力発電の性能とコスト)にも及んでおり、このまま行けば、2040年にはエネルギーの7割を再生可能エネルギーによって生産することが可能となる。
3Dプリンティング
従来の工場は、素材が除去されるプロセスが多い。(原材料を切り刻み、より分けられるため廃棄が多い。)
3Dプリンティングは、溶融した材料をソフトウェアにより一層ずつ積み重ねるため、効率と生産性で有利。また、少数生産による在庫抱えのコストも少ない。
IOTインフラに接続できる環境であれば、エネルギー、製品、輸送手段等がほぼ限界費用ゼロで販売できる体制になると言えるだろう。グラム・パワーという新興企業が、スマートマイクロ送電網をインドの田舎の村に設置して、グリーン電力を供給している。
大企業による大量生産から大衆一人ひとりによる生産が可能となれば、もはや何もないところから現在文明を築くことができる。とりわけ、発展途上国におけるインフラの整備及び貧困の撲滅にはかなり効果的だ。
ガンディーは、分散・協働型の新型経済を提唱し、中央集権化したトップダウン型経済から、上下の差がないグローバルかつローカルな経済にパラダイムシフトすることこそ、人間の幸福に役立つとした。
【教育】
MOOCというオンライン教育の台頭は、従来の教育観を揺るがしている。今まで知識というのは教員から生徒への一方的なトップダウン型教育によって伝えられたものであり、「なぜ?」よりも「どのように?」といった即物的な知識が重要視された。
この先の時代では、知識は「共有」されるものであり、その時代の教室においては教師は生徒達のアドバイザーであり、生徒たちは学問分野の垣根を取り払い、より統合的な流儀でものごとを考え、他生徒との協働型の創造性を発揮させることが可能となる。互いが互いを教え合う時代の始まりだ。
学習とはけっして孤立した営みではなく、人々のコミュニティで最高の結果を出す協働型の企画なのだ。
スマートメーターの設置とエネルギーインターネットの発達により、消費者自体が生産者となり、エネルギーにおける限界費用をほぼゼロへと近づける。また、使用できる周波数帯域の増加により、国に無料Wi-Fiを整備する計画もある。
あらゆるコモンズがフリーライドのせいで破綻すると運命にあるという主張は、オストロムの研究により、個人は市場で私利だけを求めるのではなく、コミュニティの利益や共有資源の保全を優先するということが判明し、覆った。
コミュニティの生活を管理する方法を最もよく知っているのはコミュニティの成員自身であり、そこにある公共の資源や財やサービスは、コミュニティ全体で管理するのが最善であることが多い。
こうしたコモンズは生物学の分野にも及び、遺伝子情報を共有し、特許権を認めない判例が下された。
インターネットというバーチャルスペースのインフラを、企業による囲い込みから解放しようという動きが、ハッカーを中心に行われている。それは、コモンズを商売に利用しようとする企業と、コモンズを開かれた資源として活用することで、限界費用ほぼゼロを達成し世界を繁栄に導こうとする人間との戦いだ。
市場における財産の交換と深く結びついた資本主義に代わり、「所有からアクセスへ」を掲げるシェアリングサービスが人気を集めている。
限界費用がほぼゼロになることの恩恵によって、協働型コモンズにおける経済活動の占める割合が拡大すれば、旧来の資本主義が支配力を失っていくことは間違いない。
商業はつねに文化の延長として存在してきた。そこにはまず文化による成員の社会的結びつきがあり、それに裏打ちされた社会関係資本がある。決して貨幣と商業が、人間の文化より先にあるわけではない。2008年の世界金融危機において、実体経済に見合わないほど膨れ上がった貨幣の価値が、人々の希望や幸福を破壊しつくすのを見た。
【持続可能性】
富裕層と貧困層の間に存在するエコロジカル・フットプリントの不均衡の問題に取り組む必要がある。
物質的主義が富裕層と貧困層の間で不信感を植え付けるのは、その主義が教官という本質を奪うからだ。人間はもっとも社会性の強い動物であり、社会に根を下ろすことを切望する。
ミレニアル世代は他の世代に比べ、共感に基づく関与の増加、他社への支援、LGBTへの配慮、多数の人々への集合知の信頼性が高く、逆に政府、専門家、物質主義への懐疑性が見られる。
この物質主義から人生の有意義性へのシフトは、2008年を境に起こっており、これは協働型消費や共有型経済の急拡大とぴたりと一致する。
【希少性の経済から持続可能な潤沢さの経済へ】
人類史には、たえず自己の枠を超えて、いっそうの進化を遂げた社会的枠組みの中にアイデンティティを見出そうとした、幸福で調和のとれた時代が含まれている。人類の歩んだ歴史を振り返ると、幸福は物質主義ではなく、共感に満ちたかかわりの中に見出される。
ミレニアル世代には、保守対革新、資本主義対社会主義について論じることはない。政治行動を判断するときには、組織がとる行動が中央集権的・トップダウン的・強権的・専有的という性格か、分散型・協働型・透明性が高く、ピアトゥピアなのか、といったこと。
【感想】
この本を読む前は、世の中に出現し始めているシェア・サブスクリプションに対して、あくまで人々の節約を促す一サービス程度にしか考えてなかった。
この本では、そこから一歩踏み込み、環境を持続可能的に、人々を協働に、世界をより水平かつ透明性の高いものに変えていこうとする人々の取り組みや、今後の展望を描いている。
ここで出てくるのが「限界費用ゼロ」という概念だ。
太陽光などのエコ・エネルギーによりモノを動かすコストが限りなくゼロに近づき、
モノの生産にかかる限界費用も限りなくゼロに近づいていく。
そうした究極の資本主義社会の先に待っているのは「資本主義の終焉」なのだから、なんとも皮肉な話である。
だが、本書は資本主義の終焉に対しても「それでいい」という態度を取っている。
幸福は物質主義ではなく、共感に満ちたかかわりの中に見出されるため、
人間が社会的動物である以上、生きる上で大切なことは物質の多寡よりも「社会との関わり」であるからなのだ。
この本を読んでから改めて自分の生活を振り返ったときに、いかに多くのモノが自分の手の内という「閉じたコミュニティ」の中だけに存在していることを知った。 -
Posted by ブクログ
視覚に関するなぜ?を説明する本です。とても面白く、新しい発見に満ちています。
「どういう」仕組みか?に対する説明ではなく、「なぜ」そのような仕組みなのか?に対する説明がなされている点に、本書の特徴があります。
そしてその説明が軒並み突飛で、今まで学校で学んだことを覆すようなものなのです。
「なぜ人間の目は色が見えるのか?」に対しては、
「同族の感情を読むため」
「なぜ人間の目は前向きについているのか?」に対しては、
「障害物の向こうを透視するため」
「なぜ人間の目は錯視するのか?」に対しては、
「未来を見通すため」
「なぜ人間の目は文字を読めるのか?」に対しては、
「目が認識しやすい形を文字に採用したため」
どれもこれも突飛なアイデアです。
そして驚いたことに、本書はこれらの仮説を、データを用いて実証的に示しているのです。突飛なだけでなく説得力も充分に備えています。
学術論文をもとにした著作とのことで、非常に堅固な論理で組み立てられています。
しかもそれでいて難しくなく、すらすらと読める名著です。 -
Posted by ブクログ
ヒトの視覚について、発達した色覚、前方につく両眼、錯覚、表記の読み取りに着目し、従来の説を丸々ひっくり返す論で進化の駆動力を考察した本。
通説「色覚は果実を発見するのに優位」
→違う、「相手からの情報受信の高度化を目的に、肌の色をよく見るた目に発達した」
⇒なぜなら、ヒトの目は、肌色近辺のスペクトル感知に異常発達している
と言ったような、大展開を4つのトピックで行っていく。
論だけ抜き出すと「そんな突拍子もない…」と言いたくなるが、集めるデータとそのパラメーター整理が鮮やかで、強い説得力を持つのに感服せざるを得ない。
筆者の物事を巨視的に捉える力を根底とした発想力、論を強化するための構成力には憧れる。
特に「ヒトは表記の解読に関し卓越するが、それはヒトの能力ではなく表記自体を自然に似せて開発したため」という論は目からウロコだった。
こういう論を知っていくと、理系と文系という括りで考察を進めていくことはもう限界だろうという認識が強くなる。 -
Posted by ブクログ
最近、五感についての話をよく読む。
そういう意味では、呼ばれた本だったかも。
訳を通して読むので、やや回りくどい部分もあるのだけど、豊富に図表が載せられており、照合しながら読んでいくのが面白くなってくる。
「はじめに」では、視覚の持つ超人的な力「テレパシー」「透視」「未来予見」「霊読」の四つの能力を取り上げていくと述べられる。
ここで、えっ、コレってそういう系の本なの?と臆せず進めて欲しい。
第一章では、テレパシーとして人が色を知覚する能力について取り上げる。
人にとって、ベースとなる色、つまり肌色は意外にも意識されていない。
だからこそ、そこに色味が伴うことには敏感で、それがどのような心理、健康状態かを察知できる。
体温の例で、36度と37度なんて大した違いではないのに、人にとってはその違いを大きく感じるという話にも、なるほどーと思わされた。
第二章は、透視。
ここでは、人の目がなぜ前向きについているかを考えていく。
確かに横向きの目の動物は多いし、後ろ向きに目があったら便利なのに、と思わなくもない。
目が前向きに付くことで、障害物の向こうを補足しながら見ることが出来るという利点があるらしい。
第三章は、未来予見。
と言いながら、現在を知覚するために起きる神経的遅れを、未来予見という形でカバーするという話。
ただ、ここから派生する錯視の話が面白くて、なぜ人は錯視を起こすのか、まできちんと言及されている。
第四章は、霊読。
ここでは、文字の成り立ちについて述べられるのだが、この文字のカタチと、自然界に存在するカタチをパターン化すると、その出現頻度が一致するという検証がされている。
……これ、ヤバくないですか?
すべての文字が三画以内で書けることと、いろんなモノのカタチが符号することは、数学的匂いがするなぁと思ってワクワクしながら読んだ。
予想以上に発見の豊富な一冊だった。 -
Posted by ブクログ
植物状態と診断された患者の中には実は意識を持っている、それを表現する術がないにすぎない、という人が少なからず存在する。この衝撃的な事実を明らかにした一冊。
と言っても、医学書・科学書チックな本ではない。その大きな理由は二つ。ひとつは、かつてのパートナーが植物状態になってしまったという著者の私情がそこかしこに表出すること。そして、もうひとつは「意識とは何か?」を問う極めて哲学的な領域に踏み込んでいること。
意識が芽生えるのはいつなのか。物心がついたとき?まさか。受精した時?それも違う。とすると、その間のどこか。一歳?生まれた瞬間?意識の概念を形作る輪郭がグラグラ揺らぐ。 -
Posted by ブクログ
ヒトの繁栄は,その社会全体で分業(専門化)と交換.
繁栄=時間の創出
時間に余剰が生まれることで,さらなる価値創出の機会が生まれる.これを繰り返して人はどんどん幸せになる.
テクノロジーにとっての交換は遺伝子にとっての生殖に値.
確かに,昔の生活を思えば,生活を維持するのに必要なコスト(1日のうち他者に貢ぐ時間)は減っているように見える.
周囲の人間はその余暇を無に使っているような気がするが
.
利己的な遺伝子やファクトフルネスとも親和する内容であり自然科学(生物,進化,環境...)と社会科学(経済,政治,経済史,歴史...)を縦横無尽に横断する良作.
これは手元に置いておいて読み返したい一冊.
読書スタミナがなくて後半は読まずに返却.リベンジする -
Posted by ブクログ
早川書房公式ツイッターで紹介されていたので購入。
ああ、ありがとう>早川書房公式ツイッター
「人類の未来」について述べている書籍のほとんどが、『悲観論』に満ちあふれている。書店にはありとあらゆる悲観的な未来についての情報で満ちている。でも、本当に未来は悲観的なの?明るい未来は来ないの??ってなんとなーく思っていたのが腑に落ちる本が見つかった感。そう、こんなのが読みたかったね。歴史をたどれば人類が、いかに発展してきたのか。現在の自分の生活を百年前のエリート層と比べて、二百年前の上流階層と比べて、三百年前の王侯貴族と比べていかにすばらしいか。人類は、『交換と専門化』これによっていかに進歩に進歩を繰り返してきたのか、そして、現在の社会はますます『交換と専門化』を推進している。このままいったら大変だーじゃなくて、このままですむわけないでしょと!
技術により困難が生じても、技術がもっと進めばその困難は解決できるんじゃないかなあ -
Posted by ブクログ
ネタバレ温室効果ガスは毎月20億トン(毎秒800トン)
2100年までに気温は5.2℃上昇する予定。
これが本当なのか?どうかも疑問になるようにいろんなことが言われているが.....本当なんでしょう。
この事象を踏まえて、こんなにもビジネスが進んでいるのだから。
気候変動関連ファンド、北極海航路の領有権、地下資源、人工雪製造、淡水化プラネット、火災やハリケーンなどの保険、営利民間消防組織、水供給ビジネスや水利権取引、農地獲得、難民流入防止や拘束、護岸壁や防潮堤、浮遊式の建物や都市建設、バイオテクノロジー、気候工学の応用....。
…内容…
1.融解
北極海では石油、新しい航路、レアメタル。
グリーンランドでは水、石油、金、レアメタル、亜鉛。
雪解けのアルプス、ヒマラヤ、ピレーネ山脈、ロッキー山脈、氷河の損失は、干魃をよぶ。
水との戦いが始まる。
イスラエルのIDEテクノロジー
2.干魃
山火事
春の早い時期に雪が溶けると農作物の栽培期間が延び最終的にはより多くの「燃料」ができあがる。燃えやすいものが乾燥する期間も伸びる。冬が温かいと寄生性の幼虫がよく育ち森林破壊が進む。
保険ビジネス、ヘッジファンド、農地強奪、環境移民。
…資産分類としての水…
作り出すことができず永遠に量が不変。淡水のパーセンテージが減り塩水が増える。
3.洪水
グリーンランドや南極を覆う厚い氷床は周囲の海水に強い引力を及ぼしている。融解により1年でおよそ3㎜の割合で上昇している。2Ⅰ00年にはおよそ30センチ高くなる。
サイクロン、ハリケーンは海水温に煽られる。
バングラデシュの1/5は永久に水没。
2000万人~3000万人は環境難民となる。
肥大な土地へ、護岸壁、デング熱再来で盛り上がるバイオ、気候工学、気候工学の主要材料である硫黄。 -
Posted by ブクログ
4歳か5歳の保育園児がひとりで机の前に座っている。研究者は園児の目の前に大好物のマシュマロを置いて部屋を出ていく。園児はマシュマロを食べたくなったら、いつでもベルを鳴らして研究者を呼び、マシュマロを1個食べて構わない。でも、研究者が部屋に戻ってくるまで我慢して待つことができたら、マシュマロを2個もらえる。こんな状況に置かれた子どもはどのような行動をとるだろう。目の前の報酬を取る事を選ぶか、それを先延ばしにしてより多くの報酬を得ることを選ぶかというのが「マシュマロ・テスト」だ。このテストに参加した園児のその後数十年の追跡調査を行ったところ、驚くことに、園児の時に欲求の先延ばしに成功したか、失敗したか、どれくらいの時間我慢することができたかは、子ども達の将来を予想できるものであった。欲求の先延ばしに成功した子どもは、物事に集中でき、試験の点数も良く、社会的な評価が高かった。大人になってからも肥満指数が低く、自尊心が高く、目標を効果的に追求し、ストレスに上手く対処できた。中年期には欲求の先延ばしに成功した人と失敗した人では、アルコール中毒や肥満と結びつく領域の脳スキャン画像にはっきりとした違いがいが見られた。将来のために今すぐ欲求を満たすのを我慢するというスキルは、より良い人生を歩むために重要なものなのだ。
私たちがどんな人間になるかは、遺伝子の影響と環境の影響が複雑に相互作用して決まる。という事は、意志の力は生まれ持ったものだから変えられないという考えは間違いなのだ。著者は、自制心を発揮する努力の手助けをする方法をいくつか紹介している。「今」の欲求を遠くに押しやって冷却し、「あとで」得られる結果に意識を集中して加熱する、「もし」自制心が揺らぐような事や物に出会ったら「その時は」どうやって対処するのかを決めておく、自分にとって「最も自制が難しいものは何か」を突き止めておくなど、それぞれ具体的な例を挙げて説明してあり、説得力がある。
しかし著者は自制心を高めることだけが素晴らしいと言っているわけではない。欲求の充足を先延ばしにして我慢ばかりの人生は、先延ばしが不足している人生と同様に悲しいものになるだろう。全ての人にとって大切なのは、マシュマロを多くもらうために待つべき時と、今すぐマシュマロ楽しむべき時を見極めることなのだ。
「今これをやっちゃダメだってわかっているけど、ついつい…」という事は誰にでも心当たりがあるだろう。本書で「より良い選択をし、実行する」スキルを身に着ける方法を学び欲求を上手にコントロールすることを覚えれば、後悔の無い人生を送ることができる…かもしれない。 -
Posted by ブクログ
「地球の気温が上昇している(=地球温暖化)のは、人間の野放図な欲望と豪奢な生活を支えるために、ありとあらゆる資源を浪費しているからだ」という声が世界各地で高まっているというのに、欲深な人間というのは、なんと罪深いのだろう。さんざん資源を浪費してきた階層が「地球温暖化」を新たなビジネスモデルにするというのは、もはやブラックジョークとしかいいようがない。「多国籍企業」という名の強欲な連中の次のターゲットは、分厚い氷のために資源開発が遅れていたアイスランド。住民は欲深な多国籍企業の掌中で踊らされ、自分たちがもっている資源は、そっくりそのまま自分たちのものになると本気で思っている。そして海面上昇のために国土消滅に怯える島々には、オランダの企業がアプローチする。オランダという国家は、堤防をつくって中の海水を排出することで、耕地面積を拡大してきた。そのノウハウを、バヌアツなど国土消滅の危機に怯える国家に提供しようという魂胆だが、人の弱みにつけ込むようないやな感じしかないのは私だけか。一番の驚きは、グリーンランドを巡ってカナダとデンマークとの間に国境紛争が起きていること。もちろんそこには、まだ地下に眠っている資源問題がある。両国で共同開発をして、利益を分け合うという発想は、彼らにはないのだろうか?
-
Posted by ブクログ
まさに啓蒙書。蒙を啓くというか目からうろこがボロボロ落ちるというか。あまりの楽観論なので都合の良いところばかり鵜呑みにする危険性はあるが、悲観論に首元までどっぷり浸かった現代日本人にはこれくらいの本が適していると言えるだろう。文明バンザイ、成長バンザイ、都市・交易・イノベーションによる繁栄。現在が最も恵まれた時代であるという主旨は、後発書の「暴力の人類史」にトーンが近いが、「暴力」は膨大な数値データ・グラフで説得力を持たせるが、本書は語り口と参考文献で首肯。
いかにして現生人類は今ここにあるか。
年号はほとんど無いが、ある意味、これが「世界史」と言えると思う。
繁栄に群がる寄生者・略奪者である官僚支配による停滞と衰退。
自由交易による繁栄の果実を国家・政府が刈り取ろうとするのをどうすれば防げるのか。
国家・官僚という存在は、自由な交易・専門化・イノベーションによって生じた繁栄を1か所にとどめないよう寄生・略奪する、生態系を調整する役割を果たしているということか。収穫に群がるカラスの類だ。
テクノロジーが科学を生み出すという逆転の発想。確かに、CERNを見れば、そういうことか。現象が無ければ理論は生み出せない。
交易による繁栄の概念は、自分が持てるものを持ち寄り、お互いが欲しいものを持ち帰る、性善説的なネット集合知の青臭い理想が捨てたものではないと思わせる。 -
Posted by ブクログ
本書によると、人類とその他の生物の違いは分業化からくるイノベーションにあり、そのおかげで例をみない繁栄ができたとある
本書の細部がどこまで正確かは議論があるとは思うが、
全体像としては極めて正しいと思う
未来に対して楽観主義過ぎる様にも見えるが、
イノベーションに制限を加えない前提においては、
正しいのだと思う
ところで、本書の視点で日本を見ると怖くなる
世の中的に先端の研究開発していると見られている
企業ですら分業が下手で突出した個性を活用できない
(問題意識はあるのでまだましだが・・)
教育、特に初等教育は更に悲惨で問題意識すらなく
分業のアーキテクチャーを構想できる人材や
分業化において突出した能力をもつ人材を
徹底的に排除しているようにしか見えない
この国がどうなってしまうのか心配・・・