柴田裕之のレビュー一覧
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ネタバレ人は生物としての機械なので、死ねば何もなくなる」という(少なくとも私もそうだと納得している)前提で、死に対する恐怖を論理的に突き詰めるイエール大学のシェリー・ケーガン教授の哲学講義。(西洋)哲学は、物事を論理で徹底的に突き詰めて(正面を向いて納得できるまで)考えぬく学問。この本は、客観的に「死」について論じているのではなく、シェリー氏がこれが論理的だと信じていることを読者に説得する形式。
ふだん私たちは、「死」について、正面から考えることを避けている。しかし、一度怖がらずに死について正面から考えることは、限りある人生の私たちにとって、悪いことではない。
人が怖がるのは、後に悪いことが待っている -
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死について徹底的に考えた本。でも難しい話ではなく、わかりやすく親しみの持てる語り口なのでスラスラ読んでいく。翻訳者のセンスでもあるな。
人間は人格という機能を有する機械に過ぎず、死ねばその機能を失うので死は終わり。だが永遠の生を考えてみると死は救いでもある。状況によっては自殺も許容されるべき。この本を読んで著者の考えに染まっただけの可能性はなきにしもあらずだけど、自分の死の捉え方も同じ。ただ、それをこれだけ深く掘り下げているのは凄いな、その道のプロとはいえ。
二元論と物理主義、魂の存在、デカルトやプラトンやノジックやヒュームなどの哲学など、結論に至るまでの検討が面白い。 -
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前著も読んだ。前著と完全版との違いは魂は存在するか?を語っている前半部分。魂が存在するとしたら?を哲学的に様々な観点から考察した内容となっている。とても勉強になる。しかし、本著で最も伝えたい「どのように生きるべきか」は完全版でなくとも前著で十分と思う。より深く知りたい人向け。
本書の結論は次の通り。私たちに魂は存在せず、人間というのは肉体を持った機械にすぎない。しかし、ただの機械ではなく「愛したり、夢を抱いたり、創造したり、計画と立てたり、それらを共有できる」人格を持った驚くべき機械である。
死はその機能を果たす機械が壊れただけのこと。なので死を過度に恐れるのは不適切な反応といえる。
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一言で感想を言うと、もっと若いときに読むべきだった。
本書では、瞑想などのトレーニングの科学的な効果、Googleの社内研修での実践について紹介している。
それらのトレーニングを通して、EQ(情動的知能)を高めることで人生に好影響を得ることが出来るとする。
瞑想というからにはお寺のお坊さんのように座禅を組み、何時間もじっとしているのを想像していた。
しかし、本書で紹介されているのは誰でもすぐに真似できるトレーニングで、すぐに試してみることが出来る。
仕事の隙間時間にする事も出来るので、頭を切り替えたい時などにも重宝しそうだ。
瞑想により、集中力を上げセルフモチベーションを高める事が出来、さらに -
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こりゃあすごい本を読んじゃったな。ヒトの視覚認識に関する教科書が書き変わるような定石破りの仮説が目白押し。目のウロコは4枚落ち。開き両王手の飛車角取りだ。
著者は冒頭でこんな事を言う。ヒトの視覚は四つの超人的な能力を持っている。テレパシー、透視、未来予見、霊読(スピリットリーディング)の能力だ。人々は我々が持ち合わせるこれらの能力に気づいていない。と。胡散臭いなー。これを読んだ誰もが感じるだろう。だがこれは、著者の大袈裟にとぼけてみせる独特のユーモアだ。それどころか、まんざら大袈裟でもない。著者も最後に自ら言っている。「私は知識や考えを(そして、 -
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モノを1ユニット生み出すのに必要な限界費用が、テクノジーとインターネットの普及で限りなくゼロになり、利益が出なくなっている。これは資本主義の究極の形であるが、その性質ゆえに、自壊していくという矛盾を秘めている。
IoTシステムの要は、コミュニケーションインターネットと輸送インターネットを、緊密に連携した稼働プラットフォームにまとめること。
IoTが、出現しつつある協働型コモンズに命を吹き込んでいる。→シェア文化に始まる「協働主義」が生まれ、新たな経済パラダイムを築きつつある。GDPによる景気動向の評価という、社会の考え方が根本から変わりつつあり、その代替品として「生活の質」という新指標を考 -
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視覚に関するなぜ?を説明する本です。とても面白く、新しい発見に満ちています。
「どういう」仕組みか?に対する説明ではなく、「なぜ」そのような仕組みなのか?に対する説明がなされている点に、本書の特徴があります。
そしてその説明が軒並み突飛で、今まで学校で学んだことを覆すようなものなのです。
「なぜ人間の目は色が見えるのか?」に対しては、
「同族の感情を読むため」
「なぜ人間の目は前向きについているのか?」に対しては、
「障害物の向こうを透視するため」
「なぜ人間の目は錯視するのか?」に対しては、
「未来を見通すため」
「なぜ人間の目は文字を読めるのか?」に対しては、
「目が認識しやすい -
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ヒトの視覚について、発達した色覚、前方につく両眼、錯覚、表記の読み取りに着目し、従来の説を丸々ひっくり返す論で進化の駆動力を考察した本。
通説「色覚は果実を発見するのに優位」
→違う、「相手からの情報受信の高度化を目的に、肌の色をよく見るた目に発達した」
⇒なぜなら、ヒトの目は、肌色近辺のスペクトル感知に異常発達している
と言ったような、大展開を4つのトピックで行っていく。
論だけ抜き出すと「そんな突拍子もない…」と言いたくなるが、集めるデータとそのパラメーター整理が鮮やかで、強い説得力を持つのに感服せざるを得ない。
筆者の物事を巨視的に捉える力を根底とした発想力、論を強化するための構成力 -
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植物状態と診断された患者の中には実は意識を持っている、それを表現する術がないにすぎない、という人が少なからず存在する。この衝撃的な事実を明らかにした一冊。
と言っても、医学書・科学書チックな本ではない。その大きな理由は二つ。ひとつは、かつてのパートナーが植物状態になってしまったという著者の私情がそこかしこに表出すること。そして、もうひとつは「意識とは何か?」を問う極めて哲学的な領域に踏み込んでいること。
意識が芽生えるのはいつなのか。物心がついたとき?まさか。受精した時?それも違う。とすると、その間のどこか。一歳?生まれた瞬間?意識の概念を形作る輪郭がグラグラ揺らぐ。 -
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ヒトの繁栄は,その社会全体で分業(専門化)と交換.
繁栄=時間の創出
時間に余剰が生まれることで,さらなる価値創出の機会が生まれる.これを繰り返して人はどんどん幸せになる.
テクノロジーにとっての交換は遺伝子にとっての生殖に値.
確かに,昔の生活を思えば,生活を維持するのに必要なコスト(1日のうち他者に貢ぐ時間)は減っているように見える.
周囲の人間はその余暇を無に使っているような気がするが
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利己的な遺伝子やファクトフルネスとも親和する内容であり自然科学(生物,進化,環境...)と社会科学(経済,政治,経済史,歴史...)を縦横無尽に横断する良作.
これは手元に置いておいて読み返した