柴田裕之のレビュー一覧
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●知能と偽の親密さ
知能と意識は別物である。人間や哺乳動物は両者が密接に結びついているケースが多いが、知能に意識は必須ではない。
2010年代はSNSが人間の注意力を支配する戦場だった。2020年代は戦いが注意から親密さに移る。感情がなくても、人間に情緒的な絆を感じさせる方法は学習できる。
●課税の問題
従来、ネクサス(特定の管轄区域と企業の結びつき)は、企業がその国にオフィスや店舗などの物理的なかたちで存在しているかどうかだった。情報のみの取引はネクサスにカウントされないため、課税されない。デジタルな存在も定義に含むよう調整がなされなければならない。
●民主主義の基本原則
善意、分散化、 -
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人類の歴史をマクロな視点で捉えた一冊で、読み応えがありました。
印象的だったのは、狩猟採集民の生活に対する見方が覆された点です。農業革命以前の人類は不安定で貧しいイメージがありましたが、食の多様性や労働時間の短さという観点から見ると、むしろ現代人より高い満足度を持っていた可能性があるという指摘は、「進歩」や「豊かさ」の意味を改めて考えさせられました。
また、人類の勢力拡大が生態系に多大な影響を与えてきたという視点も、現代の環境問題を考えるうえで重要な示唆を含んでいます。
本書でとりわけ興味深かったのが、「共通の虚構」という概念です。貨幣・国家・宗教といった社会の根幹をなすものが、突き詰めれば「 -
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人類がどのようにして現在の文明を築き、地球上で圧倒的な存在になったのかを、人類史という長い時間軸から読み解いた一冊。狩猟採集社会から農業社会への転換、宗教や国家の成立など、人類社会の形成過程が大きな視点で描かれている。
本書で特に印象に残ったのは、人類が「虚構(フィクション)」を共有する能力によって大規模な社会を形成してきたという指摘である。国家、宗教、法律、企業といった制度は自然に存在するものではなく、人間が共通して信じる物語によって成り立っている。こうした共通の認識があるからこそ、人類は大規模な協力関係を築くことができたという視点は非常に興味深かった。
また、農業革命が必ずしも人類の幸 -
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やっと読み終わった。まだ上巻。かなり読み応えがあります。
まずは、ホモサピエンスがどのようにして他の人類を押しのけて生き残れたのか、どんな点でホモサピエンスは他の生物から独立して、生物学的制限から解き放たれて、歴史を刻むことができるようになったのか、順を追って丁寧に書かれています。
第一に重要なのが、突然変異によって唯一人類の中でホモサピエンスにのみもたらされた認知革命。
これによって言語という意思疎通の方法を獲得し、さらに虚構の世界を築けるようになった。このホモサピエンスにしかない能力を活かして、同一の神話や物語を共有することで、大きな集団を形成し、維持することが可能となった。
次に農 -
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ネタバレ前半の形而上学部分もかなり面白かった。
これを踏まえた上で後半を読んだ方が絶対良かった。文章の量が多いから出版の問題上省かれたのだろう。近いうちに後半も再読しようかな。
前半は議論するのが難しく、結局どちらの立場を取るべきかが委ねられる場面も多い。魂の不在も証明できないし、人格の同一性問題で、身体説人格説のどちらを支持するかとか。
デカルトの解説
論理的に想像できるから現実でもその通りになりうる。byデカルト
と言う点が間違っている気がする。この前提のせいで論理が成り立たない。と思う。
だけどデカルトの言ってること自体が面白いのには同意する。
プラトン
プラトンはわけわからん。いかにもギリ -
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●情報革命
情報革命の根源は「コンピュータ」であり、従来のツールと異なり「自ら決定を下す」「自ら新しい考えを生み出す」可能性を持つ。
●情報の見方
情報の素朴な見方では、情報量が多ければ真実の発見に繋がり、それが知恵と力に繋がるとされる。しかし、印刷技術による拡散力を利用した魔女狩りの嵐は、必ずしも情報量が真実に繋がらないことを示している。
情報の複雑な見方では、情報は秩序にも真実にも繋がり、双方が綱引きしている。秩序は力に繋がり、真実は知恵と力に繋がる。
情報ネットワークは使い方次第であり、民主主義と全体主義の両方に、実現の機会を与えた。
●民主主義
民主主義は、多数決で決めるための社会 -
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ネタバレ筆者の論が綺麗に進んでいくからこちらも賢くなったような気がして楽しい本。説得してみせよう、とい前書きで述べられていたので、説得されてみようと、かなり素直に無批判に読んだ。ところどころ引っかかる点はあったけれど(例えば我々読者は筆者の述べるほど素直にある物事を信じるのは難しい。)たしかに7割8割は彼の言っていることに納得した。自殺の合理性だとか、不死が悪いものであるだとか。けれど死は恐れるべきではなく感謝するものだとかは若干無理がある気がする。剥奪説に則って、死が、我々の人生から、今後起こり得た素晴らしい出来事を奪うことが理解できるために悲しみを抱く。というところまでは納得できる。しかし、少しば
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素晴らしい。
「人生は自分次第だなんて、大嘘である。」
帯の文章。
宗教であれ、哲学であれ、文学であれ、脳科学であれ。
結論としては、自由意識、的なものは存在しないのではないか。というところに突き当たるようだ。
今起こっている、目の前の出来事に、丁寧に、誠実に向き合うことは、自らを大切にすることであって、重要ではあるが、少し俯瞰的にみれば、自由にその態度、アプローチを選んだ、ということでもないのではないかということに気がつく。どこか、割り切れない考え方だという気はするが。
「私たちが現代に不安を覚えるのは、制御不可能な世界を制御しようという思いが頭から離れないからかもしれない。そのような -
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正直11章までは「なんかまあそうだね」という感じで読んでいたけど12章の自由意志についての考察がそれまでの議論をドンデン返し的にひっくり返しつつ、わかりやすく入ってきてとても良かった。
「もし人生を最初まで巻き戻し、再生ボタンを押したら、全てが同じ展開になるだろうか?」
著者は、決定論は正しい、世界は非決定的だが、それは量子の奇妙さだけに起因する、という立場を取る。科学的に見るとこの考え方を覆すことはできない。
では人間の自由意志とは?そんなものはないと著者は思いつつそれでも世界を楽しむためのヒントを提示する。それでも良いと思えるくらいに世界は広くて興味深い。