柴田裕之のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
上巻でナラティブの威力を思い知らされたが、
下巻はそこにAIわる。
AIのアルゴリズムの危うさ。
この辺りは昨今叫ばれているところで、
もしかしてこの本が起点になっているのか?
と思わせるほど。
「人間のものとは異質の知能」(エイリアン・インテリジェンス)という表現で。
それと、、、上巻の感想で書きそこなった無謬。
教会、聖書は間違えない、という前提が、力を持っていた。
一方AIは可謬、間違える。実によく間違える。
しかし人々がそれをどう扱うか、どう利用するか、、
そこに民主主義と全体主義という二つの体制がかかわると、どんな世の中になるか。
トランプ大統領のふるまいを見ていると暗澹とした気分に -
Posted by ブクログ
格調高い文章で、それでいてわかりやすく、実に読み応えのある本。
前半は情報が人類の歴史にもたらした功罪を、歴史と共に追いかけている。
物語、おそらく英語では「ナラティブ」を人類がもったことで、さらにそれを
書き残し、さらには印刷、さらにはラジオで広めることができるようになったことで
その発信者は強大な力を持つようになる。聖書、教会がいい例だ。
それが時には人類の発展に寄与し、時にはナチス、魔女狩り、スターリンの恐怖政治
のように罪のない人を貶めることに利用される。
情報の力はかくも恐ろしい、、というのが「上」。
こういう歴史を見れば、今のアメリカで、ロシアウクライナで、日本で起こっている
出来 -
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Posted by ブクログ
歴史学者ならではの視点で情報とは何か、人類にとって情報がもつ役割などについて論じた一冊。
以下、上下巻を読んだ上での自分なりの解釈。
情報とは、宗教や国家、貨幣など、人類自らが作り出した虚構や物語(共同主観的現実)を繋ぎとめるためのものであり、情報のネットワークの構築により人類は発展してきた。
過去の人類史における革命的な出来事である文字の発見、印刷技術などは、虚構や物語を生み出し強化するのに大きく寄与した。
AIの大きな問題は、今までは人類が自らが生み出し、強化し、ある程度操作することができた物語を、人類の想像がつかない所で生み出せることにある。
AIはすでに日常に溶け込んでおり、 -
Posted by ブクログ
•科学革命はこれまで、知識の革命ではなかった。何よりも、無知の革命だった。科学革命の発端は、人類は自らにとって最も重要な疑問の数々の答えを「知らない」という、重大な発見だった。↔︎イスラムやキリスト、仏教といった近代以前の知識の伝統は、この世界について知るのが重要である事柄は偉大な神によってすでに全部知られていると主張した。
•資本主義は、資本と富を区別する。ただ手元に置かれる富とは違って、資本は生産に再投資されるものだ。
•従来、独身者の間を取り持つのは家族だったが、今日では、市場が私たちの恋愛面での嗜好をしたて結婚を促す。アパレルやジム、美容師や美容整形の銀行口は、市場の示す理想的な美 -
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『ホモ・デウス(下)』では、上巻で描かれた「人類が神に近づく未来」の具体的な姿がさらに鮮明に語られます。AIやアルゴリズムが人間を超える存在になるとき、私たちが信じてきた「自由意志」や「個人の尊厳」はどうなるのか――本書はその問いを真正面から突きつけてきます。
特に印象的だったのは、「人間よりもデータが自分を理解する時代が来る」という指摘。好きな映画や恋人さえ、アルゴリズムのほうが自分自身より正確に選び出す未来を想像すると、便利さと同時に強い恐怖を覚えました。
また、宗教や思想を「物語」として捉え直す視点も興味深く、人類は常に物語を信じることで社会を作ってきたのだと改めて気づかされました。 -
Posted by ブクログ
『ホモ・デウス(上)』は、『サピエンス全史』に続いて、人類のこれからを考える壮大なテーマの本です。かつては「飢餓・疫病・戦争」といった脅威に苦しんできた人類が、それらをある程度克服した今、次に目指すのは「不死」「幸福」「神のような力=ホモ・デウス」だと語られます。
印象的だったのは、歴史を通じて人類が「神を信じる存在」から「データを信じる存在」へと変わってきたという視点です。AIやバイオテクノロジーが進歩するなかで、人間が本当に自由意志を持っているのか疑わしくなるという指摘にはゾッとしました。
文章は専門的ながらも例えがうまく、読みやすくて引き込まれます。内容は哲学、宗教、科学、歴史と幅広 -
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Posted by ブクログ
上下巻まとめてのレビュー。
AIは病気や貧困、環境悪化、人間のあらゆる弱点の克服といった直面している差し迫った難題に対処することを可能にするテクノロジーなのか、それとも人類に深刻な壊滅的でさえある害をもたらすのか。
害の方は二つのシナリオがある。AIの持つ力のせいで既存の人間の対立が激化し、人類が分裂して内紛を起こすこと。もう一つはAIが人類を全体主義的に統治すること。
それ故に私達は、AIが自ら決定を下したり新しい考えを生み出したり出来る史上初のテクノロジーであるという事実を肝に銘じるべきと著者は警告する。AIはツールではなく、行為主体である。
上巻は今まで人間が情報をどの様に収集し利用して -
Posted by ブクログ
ネタバレ非常に面白かった。
人類史の書籍を初めて読んだが、これまでにない切り口で、人間とはなにか、どこへ向かうのかを考えさせられる内容だった。
狩猟から農耕へのシフトが、これほどまでにインパクトを与えたというのは印象的だった。
人間のもつ特性について、これまでの長いスパンでの進化という視点で考えると納得感のあるものも多々あり、その点も興味深かった。
下巻は特に人間とは何か、ヒトを人間たらしめるものは何かといった点に思いを馳せる内容であった。後世にDNAを残すというのが生物としての成功の定義なのかもしれないが、それは幸せであることとはまた異なる。我々はこの先どこに行き着くのか、というのがとても興味深い。 -
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Posted by ブクログ
禁酒の影響もあって
夕食後の時間がヒマヒマになったので
読書してたら
上下巻、読み終えました。
といっても、
オーディブルで耳読ですけれども。
情報が多ければ多いほど
正しい選択ができると思っているけれど
それは違うっていうようなことが
印象に残った。
あとは、歴史の学者さんだから
いろんな例をだしてくれて
そうだったのかと
思うことがたくさんあった。
エピソードがいろんなところで脱線して
結局、何の話だっけと思ったりするので
普段から、世界史や歴史や
世界情勢に詳しい方には
くどく感じるのかもしれないですね。
静かに聞いた時間もあるけど
ながら聞きして
聞き逃したとこもあるから
また -
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