柴田裕之のレビュー一覧

  • 21 Lessons 21世紀の人類のための21の思考

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    テクノロジー、宗教、戦争などの様々な切り口で、我々が無意識に(だが冷静に考えてみれば根拠なしに)抱いてしまっている思い込みや偏見を明らかにしてくれる。

    世の中で起きている事柄について、多少なりとも見方が変わるような気付きをいくつか得られた。

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    2024年02月06日
  • ホモ・デウス 上 テクノロジーとサピエンスの未来

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    サピエンス全史は全体的に過去から現在までのホモ・サピエンスの歩み、ホモ・デウスは未来にどうなっていくのかが全体のトピックとなっています。「ホモ・デウス」を直訳すると「神の人」という意味なのですが、古代エジプトやメソポタミア、宗教改革時のヨーロッパの状況等、様々な角度からの深い歴史考察に対し、何か自分も頭が良くなったと錯覚しちゃう良書です。㊦巻も楽しみだな~。

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    2024年02月04日
  • 21 Lessons 21世紀の人類のための21の思考

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     単行本が出版された時に読んだのだが、途中で放り出したままになっていたのだが、サピエンス全史が文庫本化されたのを契機に、サピエンス全史、ホモデウス、21Lessonsと全て文庫で読み直しました。
    21Lessonsはあまりにも取り扱う分野が広くてどれだけ理解したのかわからないのですが、サピエンス全史から通読したのでやっと征服した感を得ることができました。この21Lessonsの中で最後のLessonは「瞑想」なのですが、ユヴァル・ノア・ハラリは2000年にヴィパッサナー瞑想のレッスンを受けて、それ以降まいにち2時間の瞑想と毎年1か月から2か月の瞑想修行を続けているそうです。この瞑想の実践が提供

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    2024年01月31日
  • 静寂の技法―最良の人生を導く「静けさ」の力

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    最も深い静寂を感じたときのことを思い出してほしい。
    そう問いかけられて、思い出したのは、ソロキャンプに行って、ゆっくりと読書をして、ゆったりとした時だった。

    この本では、騒音(聴覚的な騒音だけでなく、情報や自分の内側の騒音)に気づき、静寂を得るための実践方法が書かれている。

    現代はどんどんと慌ただしくなるし、情報はあふれているし、忙しく、余裕がないと感じることが多い。
    この本にもあったことだけれど、日本には、間を大切にする文化があったはずなのに、
    ほとんど忘れさられて、人生で大事なことから遠ざかってしまっている気がする。

    忙しい日々の中に、余裕を取り戻すための本だと思う。

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    2024年01月30日
  • ホモ・デウス 下 テクノロジーとサピエンスの未来

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     文庫本が出たので再読しました。サピエンス全史に比べると、妙に説明が長くわかり辛いと思っていたのですが、考えてみれば過去の歴史の場合の説明とまだ起こっていない未来についての説明ではその困難さが大きく違うのは当たり前です。未来のことは誰もわからないので、未来予測はほとんど当たることはありません。
     でもこの本の秀逸なところは、サピエンスの行く末についてその根源的な方向性について語っているところです。きっとハラリは、この本を書くために、「サピエンス全史」を書いたんじゃないかと思うのです。
     というのも、現在我々は自由主義という経済体制と民主主義という政治体制の下で生活をしていますが、それぞれの体制

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    2024年01月02日
  • ホモ・デウス 下 テクノロジーとサピエンスの未来

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    (上下巻まとめて)
    サピエンス全史で、ヒトは物語を創造しこれを基盤に大勢が協力することができたから他の動物の上に君臨できた、という著者の考え方のベースはだいたいつかめていたので、スムーズに読み始めた。
    「全史」の上に積み重ねるようにして展開する未来予測。知能と意識を分けて考え、生命はアルゴリズムか?と問う。私たちが普段考えている「感情」が脳の働きから来ることを考え、自由意思はあるのか?と問題提起。欲望や選択という行為は自由だ、と考えたいが、その欲望自体が遺伝子コードを反映していると解釈しないと、ダーウィン流の”自然選択”の出番がなくなる、と説明する。なるほど、だとすれば、生命はアルゴリズムだ、

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    2023年12月12日
  • 「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義

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    こんなに「死」を深堀して考えたことなかったので読んでいる間楽しい時間だった。哲学的な部分は読むのが大変に感じてしまったが、死はどのような状態をいうのか、死の何が恐いのか、不死は良いことなのか、自殺はどのように考えたらいいのかなど、死に直面する前に考えておきたいことばかりだった。

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    2023年11月11日
  • 繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史

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    人類が交換と専門家により繁栄してきて、そしてこれからも繁栄は続いていく。
    世界は絶望に向かう悲観論に注目されがちだがこれまで予測されたものは大きく外れている。
    むしろ予測に反して世の中は良くなっており貧困や病気、環境問題、エネルギーなど改善されてきている。
    少し楽観的な主張は強いと感じたが全体的に世界が良い方向に向かっているのは間違いないと思う。
    昔は良かった,というフレーズはここ最近ではなく何千年も前から言われているが、実際全体の数字で見ると世界の問題は確実に解決されてきている。
    人間は昔(というか恐らく自分が若い時代)とネガティブ論が好きなだけでそれに現実的で数字や根拠を用いてツッコミを入

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    2023年09月30日
  • サルは大西洋を渡った――奇跡的な航海が生んだ進化史

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    読む前は「おサルの大冒険」的な、イースター島まで海を渡った移民を再現したハイエルダールのコンチキ号漂流記のような内容を期待していた。残念ながら「おサルの大冒険」の記述は後半に少しだけしか無い。
    序盤から長々とプレート・テクトニクスの説明があり、おサルまだかおサルまだかというおサル渇望状態に陥る。ただ読み進めていくうちに内容に引き込まれおサルはどうでもよくなってくる。
    DNAを検証したところ生物の分布がプレート・テクトニクスやヒトによる移動では説明がつかず、昆虫、両生類、哺乳類などの生物が
    数百キロ、時には数千キロも海を渡っていたのではないかという考察。

    ◯面白かったところ
    サナダムシの起源論

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    2023年09月02日
  • ホモ・デウス 下 テクノロジーとサピエンスの未来

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    流石のハラリ先生。
    最終章のデータ教の理解は深い。

    自由主義と社会主義で勝った理由も、どちらが素晴らしい概念とかではなく、データ処理が早かったから。
    人間が霊長なのも、動物よりもデータ処理アルゴリズムが的確で、フローが多かったから。
    理解として、分かりやすくて面白い。
    なら、AI全盛期の今、人間ってデータ処理スピード遅いし、要らないですよね?という結論になるのは至極真っ当で。

    それに対する別の見立てというかオチも良い。
    かなり面白かった。

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    2023年07月29日
  • 21 Lessons 21世紀の人類のための21の思考

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    ネタバレ

    いくつかの主題ごとに作者が設定したテーマをもとに考えを述べていく本書。最初に書かれている通り、その後読者がどう考えるのか、を期待して描かれている。

    『サピエンス全史』では過去を、『ホモ・デウス』では未来を、本作では現在を描いている。
    テクノロジー面の難題。テクノロジーが発展することにより、労働がAIに取って代わられるようになる。これはグローバリゼーションに伴い国際的な問題になりかねない。また、テクノロジーの発展が種の選別に繋がるかも知れず、それのキーワードとなるのは情報である。

    労働に当てられていた時間を余暇などに当てられ、生活費などを気にしないで生きていける世の中になって欲しいと思ってし

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    2023年07月27日
  • サーチ・インサイド・ユアセルフ ― 仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法

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    よくこの手の、「こういう考え方をすると良いんだよ」「こういうマインドセットを」みたいな本は、「でもそれが出来なくてやり方がわかんなくて困ってるんだよ」というもどかしい思いで読んでいる人も多いと思われる。

    この本はそういった人たちへの処方箋、やり方を示した本だと思われる。マインドフルネスの優れた入門書であると同時に、おそらく仏教の「入門の入門」書にもなっているかもしれない。とはいえあくまでマインドフルネスにフォーカスした本なので、意識しなければ仏教の方へ深入りすることもないだろう。

    ともかくこの本は神!繰り返し読んで身に付けたい技能がみっちり書いてある。
    あ、これは繰り返し読むぞ!という意思

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    2023年07月09日
  • 格差の起源 なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか

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    久々に迫力のある本を読んだな、と思う。ページをめくるたびに「そうなのか」と驚いたり感心したりしながら読んだ。

    前半は、いつ人類が豊かになったのかを述べ、後半は格差がなぜ生じたのかを述べている。
    人類が豊かになったのはジャガイモやアンモニア合成、産業革命(そのもの)だと思っていたが、まったく違った。それぞれの時代の各世代の生活や人々の考え・判断まで考慮しないといけなかった。そんなに単純なものではない。

    格差の起源については、現代から理由を探っていき、どんどん遡っていく。圧倒的な時間の流れを受けながら要因検討を追体験する。自分が何億年も生きてきたような錯覚を抱いた。

    地理、文化、政治、様々な

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    2023年06月16日
  • サーチ・インサイド・ユアセルフ ― 仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法

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    ・人の心の声だけじゃなくて、自分の心の声を聞けるようになりたくてこの本を読んでみた。瞑想して心の声を聞く練習していきたい
    ・呼吸瞑想や、慈悲の瞑想、歩行瞑想などいろんな瞑想のやり方が書いてあった。もともとメンタリストDaiGoさんのDラボ見てたからある程度基礎知識あったけど、ないまま読んだらあまり頭に入ってこなかったかも。例え話がわたしには理解しにくかった(;_;)

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    2023年06月12日
  • ホモ・デウス 下 テクノロジーとサピエンスの未来

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    人類に対して警告を与えているようであり、多少の恐怖も感じた。特に、生き物はアルゴリズムであり、予言ではなく可能性として論じているところに背筋を冷たくさせる。自分自身を含めた生き物をたとえ比喩でもアルゴリズムと思ったことなどなく、それが現実の可能性として描かれている点が恐怖でもあり、自分はどう生きていくべきかと本気で考えさせられる。
    以下、印象的な一文。
    「自動車が馬車に取って代わったとき、私たちは馬をアップデートしたりせず、引退させた。ホモ・サピエンスについても同じことをする時が来ているのかもしれない。」

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    2023年04月25日
  • ホモ・デウス 下 テクノロジーとサピエンスの未来

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    前著「サピエンス全史」に続き、現代最大の知性によるとてつもない想像力と構想力、思想は圧倒的。
    科学革命により人類が強大な力を得た結果、人間至上主義、自由市場資本主義が世界を支配し、人類が神となり人間の中にこそ神聖な価値の源泉があるとされるようになった。そして現在、世界はデータ至上主義に飲み込まれつつある。そこでは最終的に人間は単なるデータチップとなり、人間性の価値は溶けてなくなるという。実際自分もスマホやgoogleに頼り切きった生活を送っているのに気づいて心底ゾッとする。将来、意思のないネットワークシステムに人間が完全に支配、制御されるということは考えにくいけれども、大変気味の悪い未来になる

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    2023年04月23日
  • 「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義 完全翻訳版

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    全人類の共通課題→「死」について

    イェール大学の教授による解説

    ・死は怖いものではない
    →死後の世界は現在にあり、要は誰が死んでも世界は変わらないと。
    実際人格や記憶が無になるだけ。
    お母さんのお腹の中の記憶はありますか?という逆説的な問い。

    剥奪説という考え方で、要は未来生きてればできることが奪われると考えるから怖いだけなんだ、と。(なので自殺はこの逆、生きることが怖いとなるから起きえる事象)

    で、本著から学べることとしては、要は死をどう捉えるか、ということ。
    締切として捉える、死は怖くないけど死ねば無になる。
    なので死期がわからない今をどれだけ懸命に生きるか。
    それは仕事でも趣味で

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    2023年04月16日
  • サーチ・インサイド・ユアセルフ ― 仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法

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    この本の元となっているダニエル・ゴールマンのEQ及びEQリーダーシップを読んでから読み始めた。
    基礎から応用までのマインドフルネスの作法がわかりやすく書いてあって、自分一人で出来ることから家族や知り合いと共同で行う情動抑制の強化法がとてもためになった。
    読んでいくスピードのほうが、トレーニングを修めるより早かったので、基本のトレーニングが十分出来るようになったらもう一度読み返して応用編に取り組みたい。

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    2023年03月15日
  • 格差の起源 なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか

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    タイトルは「格差の起源」だが、むしろ、「なぜ人類は、ここ200年程度で急速に繁栄したのか」が真髄だと思う。格差(繁栄度の違い)については、「重・病原菌・鉄」などでも分析が試みられているが、本書はそれらの議論を網羅的に踏まえ、一つの完成品と言って良いと思う。大まかに言って格差とは、より生産性の高い技術いち早くを導入し(そのためには既得権益を手放さなければならない)、それを使いことなすこと(そのためには広く教育を行わなければならない)で、付加価値を生み出し続ける(営業や認知向上を行わなければならない)ことができたものが繁栄し、できなかったり留まったものが置き去りにされるということ。これを、文化や制

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    2023年02月11日
  • 格差の起源 なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか

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    現在の社会は21世紀になっても未だに国家間・地域間の経済格差が生じている。
    この大きな格差を生み出した要因とは何か?

    という問いに答える本書。
    テーマとしてはダイアモンド博士の鉄、銃、病原菌と重複する部分は多い(実際引用も多い)が、それよりも近代の産業革命以降に多くのページを割いているのが特徴的。

    子どもがよく言う「なぜ勉強しなくちゃいけないの?」
    というという問いに一番納得できたのが本書だった。

    本書を通じて面白いのは「生活水準」に重きを置いていた点である。
    人類全体の所得に着目するのでなく、人口一人当たりの所得に着目すると、19世紀以前の世界では、世界のどこでも生存ギリギリの生存水運

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    2023年02月11日