柴田裕之のレビュー一覧
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4歳か5歳の保育園児がひとりで机の前に座っている。研究者は園児の目の前に大好物のマシュマロを置いて部屋を出ていく。園児はマシュマロを食べたくなったら、いつでもベルを鳴らして研究者を呼び、マシュマロを1個食べて構わない。でも、研究者が部屋に戻ってくるまで我慢して待つことができたら、マシュマロを2個もらえる。こんな状況に置かれた子どもはどのような行動をとるだろう。目の前の報酬を取る事を選ぶか、それを先延ばしにしてより多くの報酬を得ることを選ぶかというのが「マシュマロ・テスト」だ。このテストに参加した園児のその後数十年の追跡調査を行ったところ、驚くことに、園児の時に欲求の先延ばしに成功したか、失敗し
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「地球の気温が上昇している(=地球温暖化)のは、人間の野放図な欲望と豪奢な生活を支えるために、ありとあらゆる資源を浪費しているからだ」という声が世界各地で高まっているというのに、欲深な人間というのは、なんと罪深いのだろう。さんざん資源を浪費してきた階層が「地球温暖化」を新たなビジネスモデルにするというのは、もはやブラックジョークとしかいいようがない。「多国籍企業」という名の強欲な連中の次のターゲットは、分厚い氷のために資源開発が遅れていたアイスランド。住民は欲深な多国籍企業の掌中で踊らされ、自分たちがもっている資源は、そっくりそのまま自分たちのものになると本気で思っている。そして海面上昇のため
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まさに啓蒙書。蒙を啓くというか目からうろこがボロボロ落ちるというか。あまりの楽観論なので都合の良いところばかり鵜呑みにする危険性はあるが、悲観論に首元までどっぷり浸かった現代日本人にはこれくらいの本が適していると言えるだろう。文明バンザイ、成長バンザイ、都市・交易・イノベーションによる繁栄。現在が最も恵まれた時代であるという主旨は、後発書の「暴力の人類史」にトーンが近いが、「暴力」は膨大な数値データ・グラフで説得力を持たせるが、本書は語り口と参考文献で首肯。
いかにして現生人類は今ここにあるか。
年号はほとんど無いが、ある意味、これが「世界史」と言えると思う。
繁栄に群がる寄生者・略奪者で -
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本書によると、人類とその他の生物の違いは分業化からくるイノベーションにあり、そのおかげで例をみない繁栄ができたとある
本書の細部がどこまで正確かは議論があるとは思うが、
全体像としては極めて正しいと思う
未来に対して楽観主義過ぎる様にも見えるが、
イノベーションに制限を加えない前提においては、
正しいのだと思う
ところで、本書の視点で日本を見ると怖くなる
世の中的に先端の研究開発していると見られている
企業ですら分業が下手で突出した個性を活用できない
(問題意識はあるのでまだましだが・・)
教育、特に初等教育は更に悲惨で問題意識すらなく
分業のアーキテクチャーを構想できる人材や
分業化において -
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数ページにわたる謝辞が胸に残った。苦難だらけ、トラウマだらけの一家の歴史を、それでも臆せず語った当事者の方々に、作者も言及するとおりまずはリスペクトを贈りたい。自身は精神病を発現しなかった末の姉妹たち(本書の取材の中心にいるため、他の兄たちよりその心情にリーチしやすい)の、トラウマと向き合う、サヴァイヴの物語としてだけでも、とても読み応えがある。
しかしそれだけでなく、一家の年代記と同時に語られる、統合失調症に対する医学の向き合い方の変遷もとても興味深かった。そのため、最終的に前者のサヴァイヴァーと後者の研究が合流し、一家(とその他多くの家族)をサンプルとして研究が大きく前進するくだりには胸が -
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簡潔にまとめれば、これほどまでに人類が発達したのは「虚構(無から想像すること)」を生み出せるからだよねって話。
言われてみれば直接五感で感じたもの以外の、「無」を想像(創造)できるのって人類しかいないのかと考えさせられた。
「信頼」もそうだし、「政治」「価値」「国家」「貨幣」も言うなれば物理的な実態のない抽象的なもの。それを仮に生み出し、人類の間で共通認識として持たせ、維持しているからこそ、今の生活ができている。もし「虚構」が想像出来ず、見たまま聞いたままのことしか表現出来なければ、ここまで発展してないだろう。
個人的には神話の位置付けが新しい観点だった。神話は人を統治するために「人が」生 -
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やっと読むことが出来た。面白いと思えた。学生時代話題に上ってて、読んだ後輩から熱心に勧められたりもした。数年前にハードカバーで買ったものの、その後に文庫本が出てこれからあと一冊、下手をするとあと三冊買うには、ちと荷が重いと思ったので、文庫本に買い換えもしたこの一冊。
農業革命によって狩猟採集民としての作業をすることが無くなって、いざ戻そうとしたら忘れて出来なくなってって流れで、余暇が出来たって確か『暇と退屈の倫理学』にも出てきて論の核になってた部分だと思うから、『サピエンス全史』の影響なのか元からそういう論があるのか、そこまでは知識不足だが、色々読んで来て色んな繋がりが見られたから今読んで良 -
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第19章 文明は人間を幸福にしたのか 第20章 超ホモ・サピエンスの時代へ がとても面白かった。
上下巻通して読み、人間の時代による出来事(革命)の縦軸からなる説明を噛み砕いていたマクロ視点が、19章20章で人間そのものの未来に焦点をあてる横軸のミクロ視点まで経ていて、本書全体が人間について、人間とはなにかと根底から考えようとする試みの連続で感嘆と、頭を抱えるような作者の警鐘の音を余韻として聴く心地だ。
わたしたちはなにになりたいのか、わたしたちはなにをのぞむのか。
未知の海を泳ぐ不完全な頼りないいっそうの船であるわたしたちは、作者のその言葉を羅針盤のようにして大切に持ちこたえつつある限り -
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ネタバレこの人は冷笑しながら世界を歴史を見つめているのだろうか笑
ちょいちょいおもしろくって。
虚構の上にねぇ。うんうん。
とか思って読んでたらロマン主義で刺さる。え、どうしよう反対かと思ってたのに笑
ホモサピエンスの歴史を”認知革命““農業革命”“科学革命”の観点から独自の視点で紐解く。上巻は認知革命と農業革命。
うる覚えだった認知革命以前のホモサピエンスとその他人類の整理がまず新しく、もはや新情報。え?そうだったっけ?とか、長年ぼんやり考えていたことを裏打ちする様な記述に心躍る。
未だ多くの謎に包まれた狩猟採集民族の進化(?)や農耕民族への移り変わりを痕跡を元に説得力のある説で展開。
想像上の秩 -
Posted by ブクログ
わたしたちの祖先、ホモ・サピエンスは果たしてわたしたちが信頼するに値する人物像だったのか。
血生臭い人類史に、当たり前とされる現代の常識的な足もとが容易く揺れる。
しかし、それがとても面白い。
認知革命により虚構(神話)を信じることで見知らぬ他人と協力し大がかりになにかを成し遂げることもできるようになったホモ・サピエンス。
宗教も貨幣も国も法律も、わたしたちはふたつの現実を生きている。
皆が信じているから(わたしも信じているというような事柄で)ようやっと成立している物事の多さに気づかされ、気づくことで改めて考えを揺さぶられる本書。
社会の見方が変わる本だと思う。
哲学的な人類史という感覚。
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