柴田裕之のレビュー一覧

  • 繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史

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    人類はなぜ他の動物に見られない繁栄を可能にしたか?”交換と専門化”というシンプルな仮説とともに、アダムスミス、ダーウィンの思想をベースに人類10万年の歴史を紐解く一大ドキュメンタリー作品。 生殖による生物学的進化と、交換による文化的進化の累積が繁栄を解く鍵となる。その発想はネアンデルタール人の絶滅にも言及する。現在は通信速度の発展に伴い、”交換”の加速がイノベーションの進化を促す。膨大な過去データの解析に裏打ちされた強固な信念を持つ筆者の未来予想図は合理的な楽観主義だと。なるほど~。

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    2013年09月21日
  • NEXUS 情報の人類史 下 AI革命

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    下巻では、これまでの情報の人類史とは決定的に異なり、「AI」についての話となる。
    ハラリ氏は、AIを単なる「道具」とは考えていない。
    今世間を騒がせているAIは、情報を自ら消費し、分析し、人間が理解できない論理で自ら決定を下す「独立したエージェント(行為主体)」であると定義しているのだ。
    AIの「A」はArtificial(人工)ではなく、Alien(異質な、エイリアン)だと説いたのは、なるほどと思った。
    AIと人間は、動く目的が全く異なっている。
    人間には当然感情があるし、そもそも意思がある。
    AIには、まったくそれらがない。
    その代わりに、AIが備える、人間には全く理解できない動きがあるの

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    2025年12月28日
  • サピエンス全史 上 文明の構造と人類の幸福

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    色々と面白い視点でした。ただ背景知識が無い、知識不足のせいでもあるが、後半が難しかった。
    他の歴史書も読んでもう少し理解したい。

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    2025年12月28日
  • NEXUS 情報の人類史 上 人間のネットワーク

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    我々人類にとって、情報とは何なのか。
    確かに改めて考えてみると、様々な解釈があって面白い。
    情報には実態が無いし、それを何かと説明することは意外と難しい。
    上巻はまさに情報の歴史について。
    下巻は現在から未来に向けた、AIについての内容となっている。
    出だしから予想もしない方向に話を展開させるのは、著者の得意なパターンだ。
    「情報の正体は、真実を伝えるものではない」と、堂々と喝破したのには、舌を巻いた。
    見たまま、ありのままが真実であり、それが情報として単純に伝わるものだと思っていたが、人類にとっての情報はそうではない。
    一歩進んで本来の役割は、「大勢の人を繋ぎ、秩序を創り出すこと」にあると説

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    2025年12月27日
  • NEXUS 情報の人類史 上 人間のネットワーク

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    だいぶ面白い。AI脅威論を聞くたびに、ゆうたってAIはデータ食って統計的判断してるだけで言語理解はできてない、自律的判断なんてもってのほか、まったく別の技術革新でも起きない限りこのままディープラーニングがいくら進んでも質的変化は起きない、そう思っていました。しかし、これ読んで納得しました。AIはヤバいと。人間の知性とは違う種類だからどんな思考をしているかわからないから、特定の目的を与えても予想外の手段をとって目的を達成したりする。人間にはそれをあらかじめ想定することは不可能。
    こりゃヤバい。

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    2025年12月26日
  • ホモ・デウス 下 テクノロジーとサピエンスの未来

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    ネタバレ

    以下のあたりの記載が印象にのこった

    現代の契約を一文にまとめると、人間は力と引き換えに意味を放棄することに同意する
    現代の生活は実際的なレベルでは、意味を持たない世界の中での力の追求からなる
    現代文化は絶え間なく成長を続けているが大きな実存的不安に苛まれている
    個人は巨大システムの中の一つのチップになってきている

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    2025年12月21日
  • サピエンス全史 下 文明の構造と人類の幸福

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    人類史を概観できるとともに、我々サピエンスがいかにして他の動物種を圧倒し生態系の頂点に君臨したのか、そして地球を征服するに至ったのかが理解できます。最初から最後まで知的好奇心かき立てられっぱなし。壮大なタイムスケールの中にダイブして、我々サピエンスの来し方行く末に想いを馳せる、そんな読書体験ができます。ロマンティックで刺激的な本。人類必読書!

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    2025年12月19日
  • NEXUS 情報の人類史 上 人間のネットワーク

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    情報の人類史。上巻は情報の定義から始まり、魔女狩り、石器時代からの民主主義と全体主義

    相変わらず、歴史とその捉える視点が鋭くて興味深い。
    情報は真実だけでなく秩序を生み出すという考え方は目から鱗。真実は知恵や力を生み出すが、秩序も力を生み出す。
    物語が共同主観的現実を作り出し、文書化が知識の保存と官僚制を生む。

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    2025年12月17日
  • ホモ・デウス 下 テクノロジーとサピエンスの未来

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    (上巻のレビューから続く)
    下巻のポイントは概ね以下である。
    ◆近代に入るまで、人間は、全能の神或いは自然の永遠の摂理により、何らかの宇宙の構想の中で役割を与えられている、即ち、(力を制限されるのと引き換えに)人生に意味を与えられていると信じていた。しかし、現代においては、人間はどんなドラマの役割も与えられておらず、人生に意味はないことが明らかになり、代わりに制限のない力を持つようになった。いわば「人間は力と引き換えに意味を放棄することに同意する」という「現代の契約」を結んだ。また、この契約では、何らかの宇宙の構想を基盤とせずに人生の意味を見つけた場合、契約違反にはならず、人間は、人間の知識(

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    2025年12月16日
  • ホモ・デウス 上 テクノロジーとサピエンスの未来

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    ユヴァル・ノア・ハラリ氏は、1976年イスラエル生まれの歴史学者。オックスフォード大学で博士号を取得(中世史・軍事史を専攻)し、現在はエルサレムのヘブライ大学歴史学部教授。代表作の『サピエンス全史』(2011年ヘブライ語版、2014年英語版、2016年日本語版、それぞれ刊行)は世界的ベストセラーとなり、60以上の言語に翻訳され、累計販売部数は2,500万部を超えている。ダボス会議など国際舞台でも講演を行う。
    本書は、人類の誕生から文明発展までの歴史を俯瞰的に描いた『サピエンス全史』に続き、科学技術とAIの進歩を背景に、人類が向かう未来とそれに対する警鐘について書かれたもので、2015年ヘブライ

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    2025年12月16日
  • NEXUS 情報の人類史 上 人間のネットワーク

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    ◯ 人間の情報ネットワークの歴史は、進歩の大行進ではなく、真実と秩序のバランスを取ろうとする綱渡りだ。(80p)

    ◯ ややこしい現実を限られた数の定められた引き出しに落とし込むと、官僚が秩序を保つ助けにはなるが、真実がないがしろにされてしまう。(94p)

    ◯聖書には、安息日に労働してはならないと書かれている。だが、何が「労働」に該当するかは明示されていない。(128p)

    ◯ だが、印刷術は科学革命の根本原因ではなかった。(144p)

    ★忌まわしき魔女狩りやクラーク狩りの歴史を学ぶのは、胸糞が悪かった。だが、自己修正メカニズムの有無で宗教と科学を比較したり、情報の経路の多さで全体主義と民

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    2025年12月10日
  • NEXUS 情報の人類史 下 AI革命

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    AIがアルゴリズムに基づいて情報をコントロールするようになると、信じられないスピードで大量の情報を操作するようになる。我々人間が状況を理解し判断できるスピードを超えているので、AIが予測不能な動きをし、場合によっては倫理観を無視した暴力的な手段に走る恐れもある。著者はこの事態を危険視している。
    AIを活用して問題を解決しようと試みた結果、表面的にはタスクが達成されていても、本来の問題解決にはならない可能性も指摘している。
    そして、AIと比べて、人間はコロコロと考え方が変わったり、時には矛盾した行動をするもの。その不安定な一面は、言い方を変えれば自己修正が出来るということで、筆者が注目している。

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    2025年12月06日
  • 「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義

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    ネタバレ

    本書は、死生観を通じて「人が何を価値とみなし、どのように生きるべきか」を再定義する一冊です。経営者が読む意味は、宗教的・哲学的関心ではなく、意思決定の基準を長期視点で再構築するための思考資源にあります。

    本書が提示する核心は、死を避けるのではなく、有限性を前提に人生と選択をデザインする視点です。これは経営における本質と重なります。すべての資源は有限であり、だからこそ何に時間を投じ、何を捨てるかという“選択の質”が結果を左右します。また、死とは何かを科学・哲学・倫理の各側面から検討するプロセスは、経営者が複雑な問題を扱う際に必要な多面的な思考の訓練として有用です。単一視点での判断は誤りを生みま

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    2025年12月03日
  • サピエンス全史 下 文明の構造と人類の幸福

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    普段本を読まない人たちが本書だけを読み、感銘された!とか言って随所に『サピエンス全史では〜』の枕詞と共に講釈を垂れる感じが嫌いで、この本を読まず嫌いしていた。何のきっかけか分からないけど、読んでみた所、なるほど!?の連続で未知を色々開拓してくれた。

    内容では、ゴーギャンの「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」の絵を思い出す。この作画の意味する所、というかタイトルは抽象的かつキャッチーなため、様々な文脈で自由に引用される。サピエンス全史についても、様々な文脈で自由に引用されている。それも、この本が包括的でキャッチーだからだと思う。ただ違うのは、サピエンス全史はとにかく具

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    2025年12月02日
  • サピエンス全史 上 文明の構造と人類の幸福

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    あれ〜?昔途中まで読んだ事があり、その時は星1個の最低評価だったのに、読み返してみるとおもしろい。何を毛嫌いしていたのか、私は。

    読書なんて数年に1回しかしない人達が一斉にこの本を読み、口を揃えて人類の哲学を語っている感じを忌避していたのかもしれない。そう考えると、本書は悪くなく、申し訳ない。

    とは言え、書いてある内容は分断されて各媒体で細々と紹介されているためどこか聞いた事があるような内容に富んでいた。逆に言えば、今世各所で聞く、人類とはこういうものだ的な言説はかなりこの本の影響を受けてできたものなのではなかろうか。

    人類を生物学的に見た時に、そういうものと決めつけられるものは少ない。

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    2025年11月30日
  • サピエンス全史 下 文明の構造と人類の幸福

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    人間の知能が発展することで世界がどう変わってきたのかと、その進化のストーリーが壮大!

    宗教や通貨などの共通認識がどうやって生まれて、人間社会を形作ってきたのかがこの二冊で描かれていて、歴史を一気に俯瞰できる感覚!

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    2025年11月27日
  • NEXUS 情報の人類史 上 人間のネットワーク

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    ネタバレ

    自分の手に余る力を生み出すのは我々の種に特有の大勢で協力する方法に由来。神話、宗教など物語のたぐあは、既存の生物学的絆を拡張する手段。偽りの記憶を語り続けると、いずれ人は正真正銘の記憶として受け入れる。大量の人間の間に秩序を生み出す最も効率的な方法は、真実ではなく物語。情報ネットワークは「真実の探究」と「秩序の維持」の双方に効く。官僚制は「整理」、整理の引き出しに押し込める事で真実を反映していない。官僚制は真実を犠牲にするが秩序のためでもある。神話と官僚制は、秩序を維持するのに不可欠な一方、秩序のために真実を犠牲にする。宗教、全体主義の「不可謬性」。聖典は可謬の人間の制度や機関を迂回するテクノ

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    2025年11月25日
  • サピエンス全史 下 文明の構造と人類の幸福

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    宗教観的な話の時には、文化の違いなのか理解しきれない時もありましたが、人類の歴史をダイジェストで見る、といった感じで興味深いことがたくさんありました。

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    2025年11月20日
  • 「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義

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    死について考える事は,すなわち生について考える事と同義であり,死についての講義ですが同時に人生について深く思考できました。死が悪い事と感じるかどうかは,読んだ後のあなた次第です。

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    2025年11月19日
  • NEXUS 情報の人類史 下 AI革命

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    レベルの低い集合知はただの衆愚制。専門知の学習機能や修正機能は既にアカデミアが果たしている。そう考えると、“AIによる侵襲余地“は専門知間の横断と結晶化、個人に対するピンポイントの監視や統制にあるのだろう。危ぶまれるのは、最終的には個体の身体性だ。AIが「人間により悪用される場合」と「自発的に人間に不利益を齎す場合」の、受動的か能動的かという観点でも考えておく必要がある。

    ・・といきなり持論を展開しているが、上巻の続きでハラリの‟AI脅威論“である。この手の脅威論は出尽くしている感もあり、ハラリの独自性に期待したのだが、それを飛び越えるような論点は含まれていただろうか。

    一つの警鐘として、

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    2025年11月17日