柴田裕之のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
いつものように著者の知識による比喩がとても分かりやすく理解しやすい。とは言えだいぶ難解でもあるハイカロリー本!
科学が発展を遂げるに従って、人類が自由主義の到来からここ2世紀信じて来た内なる自己が生体アルゴリズムの結果に過ぎないことが明らかになり、ビッグデータによってすべて人間の意思の外の"外部"で決められる事が出来、自己決定すら危うくなる…自由主義の時代を担ってきた人間至上主義が崩壊する…その場合の未来にホモ・サピエンスは消滅する。著者のこの予測は当たるだろうか?この未来が気に入らなければ変えるよう何らかの努力することが必要だ…という内容。
特にこの下巻での、人間の"生きる意味"はない、人が自分の経験から人生に与えようとする意味は虚構に過ぎない…という、著者の合理的な見解は去年からまさにジャーナリングを実行している私に刺さって致命傷笑
でもそうして自分を理解しながら生きていきたいからジャーナリングは続けていきますが!
天文学者や物理学者、それと著者のような哲学者はこれだけ合理的な思考をするので無神論者だったりするがまさにそれで著者はイスラエル出身だがユダヤ教にもキリスト教にもイスラムにも神は死んだと言うし教典を未だめくっているうちは21世紀に出発しようとしているホモ・サピエンスの恐らく進歩の最終列車に乗り遅れるだろうと容赦なく言う。
また何度も出てくる、意識と知性はどちらがより高等なのか?動物と人間では、どちらも意識はあるが人間は知性があるからこの地球上でより優れているのだという考えは、より知性あるコンピュータが生まれた時人間はコンピュータよりも劣等種になるというのか?という疑問、SF小説ではよく読むこのテーマが現実世界で身近になって来た現在、鳥肌が立った。
何がすごいって邦訳のラグもあり私が今読んだというのも有るけどこの本自体は10年近く前に出版されたものなんですよね。
その当時にこれだけの内容を書ける頭脳…!
シンギュラリティにはまだ十数年かかるだろうけどその時人類はどうなっているのか…
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匿名
購入済み現在当たり前のように受けている恩恵が、今後急速に発展した結果悲惨なことにつながりかねないことを改めて実感した。無知が本当に危険なので、危機感を持つべきだと思った。
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Posted by ブクログ
『ホモ・デウス(下)』では、上巻で描かれた「人類が神に近づく未来」の具体的な姿がさらに鮮明に語られます。AIやアルゴリズムが人間を超える存在になるとき、私たちが信じてきた「自由意志」や「個人の尊厳」はどうなるのか――本書はその問いを真正面から突きつけてきます。
特に印象的だったのは、「人間よりもデータが自分を理解する時代が来る」という指摘。好きな映画や恋人さえ、アルゴリズムのほうが自分自身より正確に選び出す未来を想像すると、便利さと同時に強い恐怖を覚えました。
また、宗教や思想を「物語」として捉え直す視点も興味深く、人類は常に物語を信じることで社会を作ってきたのだと改めて気づかされました。
下巻は難解な部分もありますが、「AIの時代を人間はどう生きるのか」という問いは、まさに今の自分たちが直面しているテーマ。未来を考える上で必読の一冊だと思います。 -
Posted by ブクログ
『ホモ・デウス(上)』は、『サピエンス全史』に続いて、人類のこれからを考える壮大なテーマの本です。かつては「飢餓・疫病・戦争」といった脅威に苦しんできた人類が、それらをある程度克服した今、次に目指すのは「不死」「幸福」「神のような力=ホモ・デウス」だと語られます。
印象的だったのは、歴史を通じて人類が「神を信じる存在」から「データを信じる存在」へと変わってきたという視点です。AIやバイオテクノロジーが進歩するなかで、人間が本当に自由意志を持っているのか疑わしくなるという指摘にはゾッとしました。
文章は専門的ながらも例えがうまく、読みやすくて引き込まれます。内容は哲学、宗教、科学、歴史と幅広いですが、どれも「これから自分がどう生きるか」に直結するテーマばかり。読んでいる間、ずっと思考を揺さぶられました。
上巻はまだ導入ですが、それでも十分に刺激的。未来やテクノロジーに関心がある人、あるいは人類の行方を真剣に考えたい人にはぜひ読んでほしい一冊です。 -
Posted by ブクログ
歴史的な大惨事(カタストロフィ)は予測不能である。これが本書の要点だろう。ほとんどの惨事は正規分布しておらず、ランダムもしくは冪乗分布している。
もちろん、ある程度予測できる出来事(灰色のサイ)もある。また、予想を超えた惨事(ブラックスワン)がある。そして、手のつけられない大惨事(ドラゴンキング)・・。これらを予測することは不可能だ。そしてこれらの災害は、「天災」とも「人災」とも区別がつかず、重層的に絡み合っていることが多い。所謂複雑系であり、完全に防ぐことはもとよりできない。
人類の歴史は、まさにカタストロフィの歴史であったわけだが、我々の未来はどのような展望を描くのか。当然の帰結として、予測不能だということだろう。著者は、せいぜい社会や政治制度がレジリエンスのあるものにすることくらいだ、と述べている。
平和な世の中で過ごしていると、人類の歴史は良い方向に進歩しているような感触を知らず知らずのうちに持ってしまいがちだ。そう思うのは私だけだろうか。本書はそのような考えに一石を投じているように思う。振り返るに、我々の世代もブラックスワン級の災害を経験している。その時の社会を支えている私たちの在り方が、突如現れるカタストロフィに対してもある程度のレジリエンスを持って社会を維持していく鍵になるのだろう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ◆感謝祭の場面
険悪の仲である長男・ドナルドが次男・ジムと取っ組み合いになり、ついにドナルドはテーブルを持ち上げてジムに投げつける。母親の耳が手作りのお菓子の家を粉々に壊すシーンがせつない。
◆メアリー(小学5年生)
「自分の部屋で何時間も、クローゼットや机の引き出しを整理しては、やり直すことに没頭し、自分には多少なりとも物事を意のままにする力があると思おうとした」(P.220)
「まず、十二人も子供を儲けておいて、全員を理想的なアメリカ国民に育て上げられると考えること自体、自覚が欠けていると思います」(マーガレット P.404 )
「彼のことは、安全な港と呼びたいです」(ワイリーと結婚したメアリー P.446)
ゲイリー夫妻の援助がすごい。マーガレットを下宿させるだけでなく、リンジーの息子をセラピープログラムに参加させた際の費用援助が月額8,300ドルを合計21ヶ月分っていま換算すると2,500万くらいじゃん!
◆サム・ゲイリー
36回目に油田を掘り当てて財を成した。
8人の子供のうち4人を難病でなくし、そのこともあってゲイリー夫妻は科学研究や医療の分野に莫大な寄付を続ける。モンタナ州で掘削件権を獲得するのを手伝ったのがギャルヴィン家の父・ドン。それでギャルヴィン家を援助している。
ラストでリンジーの娘のケイトがメディカルスクールの研究室にいる場面で終わるのがまるで映画のよう。
「それは、彼女の六人の伯父のおかげで、未来の世代のためにすべてを変える可能性のある試験だった」(P.473) -
Posted by ブクログ
ネタバレ自由意志など存在せず、人間は単なる有機アルゴリズムであり解明可能というスタンスで科学は突き進む。
そうなのかもしれないけど、意識や心や思考(と呼ばれるもの)がどのように生じるか、完璧なメカニズムはまだまだ解明に時間がかかりそうだし、最後の1ピースが見つからずにやっぱり解明できないのかもしれない。
なんだか、ぜひそうあって欲しい。
でもその反面、データ至上主義の観点で世の中を解説されると妙に腑に落ちるところもある。
データは人間に理解しきれないアルゴリズムの境地にいよいよ到達しているが、このまま我々を押しのけて地球の中心になるのか?
本書では「すべてのモノのインターネット」に接続することでデータ自由化が加速度的に進むことを目指し、すでに我々は走り始めているということだった。でも、もしかしたらインターネットを介さない、我々の認識できない別の次元で、もうすでに我々は接続されているのではないかと妄想した。
人間よりも優れたアルゴリズムが人間よりもはるか昔からその別次元に存在しており、ただひたすらその筋書き通りに、人間は宗教を作ったり遺伝子工学を発展させたりAIを開発してきただけなのかもしれない。
人間内部に解明できないアルゴリズムがあることも、開発途上のAIあるいは外部アルゴリズムのうち、人間が解明できていない部分があることも、いずれも我々よりも高次元のモノの存在を感じさせる。
その場合、その大いなるアルゴリズムこそ、我々が神と呼んできた存在ではないか。 -
Posted by ブクログ
前作に引き続き、ホモサピエンス特有の強みである「集団で見えないなにかを信じる力」の解説から始まったので、ああそうだったと思い出しながら楽しくすんなり読めた。
アニミズムから神の存在、ルネサンスと人権主義までどんどん人間の歴史の歩みが解き明かされていく。そして、現代のすべての秩序を宗教と言い切ってしまう。これは自分にとって新しい視座だった。
たしかに資本主義ですら、信者が圧倒的に多いから現状上手く回っているだけの宗教なのかも。
科学と宗教のライバル関係?奇妙な均衡?は、これからの時代どうなるのか。とんでもなく力を増していく科学に対して、新たな宗教が対抗してくるのか。
下巻が楽しみ。